匿名さん 2023-12-19 21:56:50 |
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……
(共有スペースまで足を運んでみれば、丁度五条が自身について言及しているところだった。"何を考えているか分からない"という言葉が耳に入り、自虐的に唇の端から息を一つ吐き出す。鶴原は特に何を言うでもなく二人の間をするり、とすり抜けるようにして自動販売機に辿り着き、小銭を入れてブラックのコーヒーを購入した。商品を取った後は普段通りの無表情のまま踵を返し、自室の方へと戻っていく。─自室の扉を閉め、コーヒーのプルタブを引いて中身に口を付けた。)
──
別に良いって。じゃ、これにするな!
(虎杖は申し訳無さそうな様子で自分の服を選ぶ如月の言葉に首を横に振って笑顔を返し、選ばれた方の服をレジへ持っていって手早く会計をした。大きめの紙袋に詰め込まれた服を左手に引っ掛け、自分の服は選び終わったからか─次は女性物の服を扱う店へと足を伸ばす。今度は虎杖が物珍しそうに店内を見回す番で、釘崎とはジャンルの違うフェミニンな雰囲気の服を眺めていた。)
話してみれば意外と面白かったよ。人を外見で判断してはいけないよ。悟も玲司と話をしてみると良い。
(鶴原のことを五条に伝えれば、何を考えているのか分からないなどと印象の悪い返答が返ってきた。五条がこんなのでは鶴原と連携など取れたものでは無いなと内心溜息を付いていれば、話題にしていた当人が飲み物を買いに来たようで。己達の話を聞いていたとは思うのだが何も言わず去って行った。その様子に五条も「あんなだろ?面白くねーだろ。」と述べており。しかし、話してみれば変わったところはあるが面白かった。そう思えば面白かったと伝えて。そして本人の前でまたあのようなことを言っては失礼だと思い注意をする。だが五条は聞く耳を持たず説教は聞きたくないと言った様子で飲み物を飲み干し立ち上がり「はいはい、そーですかー。まぁ、気が向いたら話してやるよ。」と舌を出しべーっとすれば去っていき。あの態度もどうにかならないものかと溜息をつきつつ、鶴原は先のことを気にしていないと良いがと考え。)
どれが良いかな…。
(的確なアドバイスは出来ないながらも選ぶと虎杖は笑顔を返してくれ選んだ服をレジに持って行った。無事に購入出来たようで店を出ると今度は女性物の服屋に向かった。今度は此方の買い物に付き合ってくれるらしい。虎杖は物珍しそうな様子で店内を見回しており、フェミニンな雰囲気の服を眺めており。此方もああいう系統の服が好きでよく買うのだが虎杖もああいう服の女性が好みなのだろうか。それなら嬉しいなと思いつつもフェミニンな系統の服を物色する。そうしているとふと目に付いたリボン付きのフレアワンピースを手に取り)
これ可愛い…。
……何を考えているか分からない、か。
(鶴原はコーヒーを半分程飲んだところで、先程の五条の言葉をぼんやりと反芻する。黒い水面に映る自身の姿は─無表情で愛想の欠片もない。確かに、我ながら何を考えているか分からない顔だ─また自虐的に笑い、コーヒーを飲み干した。鶴原は空き缶を部屋のゴミ箱に捨て、デスク下の段ボールから棒型の栄養補助食品を取り出し、一口齧る。その片手間に─図書館で読めなかった"まだらの紐"をデスク上の本棚から取り出し、読み始めた。)
──
お、ホントじゃん!それにすんの?
(虎杖は如何にも女性らしいフリルの付いた服やスカートを相変わらず物珍しそうに眺めていたが─ふと如月の声が聞こえたらしく、声の方へと歩いていった。如月が手に持っているのはリボン付きの可愛らしいワンピースで、口では呑気に同意の声を上げたものの、内心では無意識に"如月に似合うだろうな"などと想像してしまう。─だがそんな感情を口には出せず、勧めてみるだけに留まった。)
…フォローしとくか。
(先程の五条の言葉を鶴原自身気にしているのかは分からないが、一応フォローすることに越したことはないかという考えに至り呟く。余計なお世話であるし気にしていないと言われそうだが、何故か玲司のことをもっと知りたいと思う自分がいた。しかし、急に押し掛け先程のことを気にしていないかなどというのも不自然だなと思えば、暫く思案して。鶴原はまた栄養補助食品を食べているのだろうし夜ご飯でも振る舞うかと思いつけば立ち上がり食材を買いに向かい。食材を買い終えれば自室に戻り作り始める。簡素な和食を作り終えれば玲司の部屋に向かい、ドアをノックして。)
可愛いよね。どうしよう…試着して決めようかな。
(目に付いた可愛らしいワンピースを手に呟いていると、その呟きが聞こえたらしく虎杖が見に来た。虎杖も同意してくれ買うのかと訊ねられた。可愛いが己に似合わなければ買う意味が無いなと思えば試着することにして。近くに見えた試着室の方に向かえば虎杖に“試着してくるね”と声を掛けて試着室に入る。ワンピースに袖を通し鏡に写る姿を見る。とても可愛らしいワンピースで気に入った。しかし似合っているだろうかと心配でありカーテンを開け虎杖に声を掛けて。)
虎杖くん、どうかな…?
………?
(自身が思っているよりも"まだらの紐"に集中していたからか、暫くの間鶴原は扉から響くノックの音にすら気付かなかった。が、何度目かのノックで漸く意識が本の中から現実に引き戻されたようで─栞を挟んで本を一旦閉じる。そうしてデスクチェアからゆっくりと腰を起こし、扉の鍵を解錠して静かに扉を開けた。─其処には夏油が立っている。どうやら理解が追い付いていないらしく─鶴原は彼の顔を見つめて一瞬固まり、少しの間を置いてから徐ろに口を開いた。)
……夏油くん?こんな時間に、何かご用ですか。
──
す…っげえ似合ってる!
(試着室から出てきた如月に、虎杖は一瞬言葉を詰まらせた後─尻尾を振る犬のように表情を輝かせて声を上げた。可愛らしいデザインのワンピースが如月に良く似合っていて、思わず顔がほんのりと赤くなる。途端に脳内で宿儺の揶揄うような─または嘲笑うような笑い声がけたけたと響き、虎杖は少しだけ眉を顰めた。宿儺は笑いを噛み殺しているような様子のまま頬杖をつき、"馬鹿らしいな"とだけ押し殺して笑う。)
私の部屋でご飯一緒に食べないかい?玲司はまた栄養補助食品を食べているのだろうと思ってね。
(鶴原の部屋の前に到着をして、ノックをする。しかし応答はなく静かで。いないのだろうか。しかしこの時間に外出もしないだろうと思い何度かノックをしてみる。すると、やっと中から此方に向かい歩いてくる音がして。居たようだと内心安堵しつつ出てくるのを待ち。ドアが開けば一瞬固まった様子だが何か用かと問いかけられた。確かにこんな時間に訊ねる事はなかなかないため驚くかと考えつつも、誘ってみて。断られるだろうかと内心心配しながらも返事を待ち。 )
ほんと?ありがとう。それならこれ買おうかな。
(似合うだろうかとドキドキしながらカーテンを開け虎杖に見せてみた。すると表情を輝かせて似合っていると言ってくれた。嬉しくて顔を綻ばせ笑みを浮かべてはお礼を伝え購入することに決めて。宿儺に何か言われているなど知る由もなく虎杖に着替えてくるね。と告げカーテンを閉め元の服に着替え、ワンピースを手にカーテンを開ければレジに向かい購入をして。ワンピースが入った袋を下げ虎杖の元に戻ってきて。)
………はあ、まあ…構いませんが。
(目前の夏油から"部屋で食事を摂らないか"と問われた鶴原は、ほんの少し返答を躊躇うような様子を見せたものの─ややあってから首を縦に振った。だが一旦、何かに気付いたかのように部屋の中へと引っ込んでしまう。─流石に人の部屋を訪ねるのに、中学校時代の、あちらこちらがほつれた部屋着のジャージ姿では申し訳ない。せめて─とスウェット姿に着替え、デスクの上に置いていた"まだらの紐"を回収し、改めてもう一度部屋から出て来た。)
……待たせてすみません。
──
マジですげー似合ってた!
(虎杖はレジで会計をし、自分のところへ戻って来た如月に改めて─本心からの賛辞を述べた。先程まであれやこれやと煩かった宿儺は、全て嘘だったかのようにいつもの暇そうな顔を浮かべたまま─頬杖をついて黙り込んでおり、多少それを疑わしく想いつつも虎杖はこの後の予定をあれこれと考え込む。服は買ったし、食事も食べた。なら後はどうしようか─)
ん~…如月、他に行きたいとことかある?付き合うぜ!
構わないよ。もう用意は出来ているから入ってくれ。
(断られるだろうかと冷や冷やしていたが、了承してくれた。内心安堵し行こうと声を掛けようとするが何かに気付いたように引っ込んでしまった。不思議に思いながらも待っていれば部屋から出てきた。その様子に自室に向かえばドアを開け中に入るように促して。部屋に誰かを入れたのは五条くらいだろうか。特段何も無いため別に誰が入っても構わないのだが。料理を並べたテーブルの前に向かえばそこに座るように促して。)
ありがとう。今度のお休みに着てみるね。
(虎杖の元に戻れば、改めて似合っていたと言ってくれた。嬉しくて笑みを浮かべては今度の休みに伏黒や釘崎も含め皆で出掛けるかまたこうして2人で出掛けられるかは分からないがワンピースを着ることを伝えて。そして服も買い終わったため次はどうするかなと考えていれば行きたいところはないか訊ねられた。周りを眺め思案していたらゲームセンターがあるのを見つけて。そこを指さしながら伝えて。)
じゃあ…ゲームセンター行かない?
……お邪魔します。
(案内に従い、鶴原は一声掛けつつ夏油の部屋に足を踏み入れた。─自身よりは物の多い部屋だと思うが、恐らく一般的に見れば物は少ない方なのだろう。滅多に他人の部屋に入ることなど無いからか、少しばかり興味深そうな雰囲気で部屋の中を眺めていた。が、促されると小さく頷いてからテーブルの前にすとんと腰を下ろし、目前の料理に目線を投げる。─自身では到底食べることも無さそうな"普通"の料理をじっと見つめた。)
……夏油くん。料理、お上手なんですね。
──
お、ゲーセン?良いぜ!俺クレーンゲーム得意!
(如月の提案に屈託の無い笑顔を浮かべ、煌々と光り輝くゲームセンターの方へと歩いていく。意気揚々と腕まくりをしつつ、一番最初に目に入ったお菓子タワー型のクレーンゲームへ近付いていった。張り切った様子で小銭を入れ、アームを器用に動かす。丁度タワーの下辺りにアームが当たり、崩れた大量のお菓子が景品取り出し口へ落ちてきた。)
上手という程でもないよ。人並みに出来るくらいさ。さぁ、食べようか。
(鶴原を部屋に案内すれば興味深そうな様子で部屋を眺めている。特に珍しいものがある訳では無いが、あまり他の人の部屋に入ることが無いのかもしれない。そんな想像をしながらも、テーブルの前に座るように促す。腰を下ろした鶴原はじっと料理を見ると上手などと言った。己1人で食事出来るくらいの料理スキルしか持ち合わせていないため人並みだと告げ、食べるように促す。自身も料理に箸をつけ食べながらも鶴原の口に合うか様子を見ており。)
わ、こんなに沢山すごい!私クレーンゲーム得意じゃなくていつも欲しいもの取れないんだよね。
(ゲームセンターを提案すると、快く了承してくれゲームセンターに向かう。お菓子タワー型のクレーンゲームに向かうとクレーンゲームが得意と言っていただけあり見事にお菓子を崩し大量のお菓子が景品取り出し口に落ちた。驚きつつも笑みを浮かべすごいと褒めて。己はクレーンゲームは苦手でいつも上手く取れず諦めてしまうことを眉を下げて伝えて。)
……頂きます。
(鶴原はまた礼儀正しく手を合わせ、箸を手に取ると、育ちの見える優雅な所作で目前の料理を静かに食していく。その顔に表情は相変わらず無く、特段口を開くといった風でもないが─ほんの少しだけ、普段よりは何処か柔らかく親しみやすい空気を纏っている─気がした。だがそれも食べ終わって箸を置くまでの間、箸を置く頃にはもういつもの鶴原に戻っている。鶴原は前のように行儀良く手を合わせて食事を終えた。─が、普段の鶴原と違う点を上げるとするならば─本当に微かな笑みが口元に浮かんでいる。)
……ご馳走様でした。…美味しかったですよ。
──
そうなん?欲しいのあるなら俺取るよ?
(これいる?と今しがた取ったお菓子の箱を何個か如月に差し出しつつ、虎杖はきょとんとしたような表情で首を傾げた。景品取り出し口から全てのお菓子を回収した後備え付けの袋に突っ込み、ガサガサと音を立てるそれを持ちながらゲームセンターの中を歩き回る。その道中で見つけたぬいぐるみ、置き時計─などが景品のクレーンゲームで気まぐれに遊びつつ、その度に増えたり増えなかったりする袋を腕に引っ掛けていた。)
夏油傑
口に合ったみたいで良かったよ。今度、また作ったら食べに来ないか?
(鶴原に食べるように促し、自身も食べ始める。我ながらそれなりに上手くは出来たなと考えつつ鶴原の様子を窺う。何か言うでもないが普段より少しだけ親しみやすい雰囲気を感じた。そのためか何か話さずとも居心地が悪いとは思わず食べ進める。しかし食べ終わった頃にはその雰囲気はなくなっていた。だがよく見ると微かに笑っているようにも見えた。少しは気を許してくれているという事だろうかと考えては少し踏み込んでまた食べないかと誘ってみて。)
如月颯鈴奈
いいの?ありがとう、その時はお願いしようかな。
(お菓子の箱をお礼を伝え受け取り。取ってくれるという虎杖の言葉に甘えその時はお願いすることにして。虎杖と共に歩き回っていれば様々なクレーンゲームに挑戦しており、少しずつだが荷物も増えていく。すごいなと感心しながらクレーンゲームを眺め歩いていれば、箱に入った花があしらってあるネックレスが景品として並べられているクレーンゲームを見つけ思わず立ち止まり見ていて。)
あ…可愛い。
……僕の気が向いた時で良いなら、構いませんが。
(鶴原は夏油の言葉に眉間を軽く掻き、少しの沈黙を置いた後─ゆっくりと首を縦に振った。口元に浮かべていた笑みは引いてしまったが、その代わりとでも言うように、普段は何処か冷えた空気を纏う目元が微かに緩む。─他人の部屋に居るのはどうにも居心地が良くないのか、時折尻が浮いたり、座っていた場所から少しズレたりしていた。何故か持って来てしまった"まだらの紐"を片手に腰を起こし、夏油の部屋の入口へ向かって歩き、出ていく間際に深々と頭を下げる。)
……お邪魔しました。…また明日。
──
ん~?どれどれ?
(のんびりとゲームセンター内を歩いていると、ふと後ろを歩いていた筈の如月の足音が止まる。虎杖が振り返ってみれば、如月は箱入りのネックレスが景品のクレーンゲーム台の前で立ち止まっていた。そちらへ戻り、如月の後ろからその台を覗き込んだ。─ざっと見たところ、さほど難易度の高い台では無さそうだが─虎杖は一人で何度か頷いた後、笑顔で声を掛ける。)
オッケー、多分いける!任せとけって!
あぁ、勿論。いつでも歓迎するよ。
(鶴原いつもより気を許してくれているような雰囲気に誘ってみれば、思案していたようだが了承してくれた。了承してくれた様子に笑みを浮かべ頷き歓迎することを伝えて。そして何処か落ち着かない様子を見せている。やはりあまり他人の部屋に入ることがないのだろうか。そんな事を考えていれば帰ることにしたようで入り口に向かい此方を向けば頭を下げられた。もう少し何か話をしても良いが落ち着かない様子のため引き留めるのも悪いかと引き留めず、此方も挨拶をして見送って。)
お休み、また明日。
ありがとう、それじゃあお願いします!
(ネックレスが可愛らしく思わず足を止めて眺めていれば虎杖が此方に戻って来たようで。己の後ろから台を覗き込んでおり何度か頷いた後任せとけと笑顔で言われた。どうやら取ってくれるらしい。見ただけで取れるかどうか分かるのか、すごいなと感心しながら自分では到底取れそうにもないため言葉に甘えお願いすることにしてこくりと頷きお願いをして。操作盤の近くに向かい虎杖が操作する様子を眺めて。)
………他人の作った食事なんて久し振りに食べた。
(自室へ戻り、鍵を締めた後─誰に言うでもなくそう呟く。─ああいった、"まともな"食事を取っていた時など、呪術高専に進学する前─中学時代、京都にある実家に居着いていた頃ぐらいだ。何故か妙に落ち着かない気分を持て余すように"まだらの紐"を開き、頁を黙々と捲る。本に集中する内─いつの間にか寝落ちしていたようで、夜が明けていた。歩きながら凝り固まった全身を解しつつ、制服に着替えて教室へと向かう。)
──
おし、気合い入れてくぞー!
(頬を軽く張り、虎杖は小銭を入れてクレーンゲームのプレイを始める。一度目は上手く取れずに箱が少し前の方へ移動しただけだったが、二度目のプレイで景品を落とすエリアにかなり近付けた。─そして、三度目。箱を掴んだアームが上部に上がる衝撃で箱が離れ、ガコン、と音を立てて景品取り出し口へ落下する。軽快なメロディが鳴る中、虎杖は小さくガッツポーズを取りながら箱を拾って如月に手渡した。)
ほい、取れたぜ!
おはよう、玲司。よく眠れたかい?
(鶴原を見送り、後片付けをする。皿を洗いながら先程の鶴原のことを思い出す。今まで見た事ない表情と雰囲気だった。今日一日で距離を縮めることは出来たのかもしれない。もっと距離を縮め気の置ける存在になれたら他のメンバーとも付き合いやすくなるだろう。そうなれば良いがと考えつつ食器を洗い終えればベッドに横になる。考え事をしていればいつの間にか眠っていて。それから朝になり陽の光で目を覚ませば制服に着替え教室に向かう。前に鶴原の姿を見つければ歩調を早め近付けば声を掛けて。)
ありがとう、大切にするね。3回で取っちゃうなんてすごい!
(クレーンゲームを始めた虎杖を見守る。1度2度と取れなかったが、段々と取れそうな位置に近付いているのは分かり。固唾を飲み3度目を見守っていれば景品が取り出し口に落ちた。虎杖から手渡されればそれを受け取り笑みを浮かべお礼を伝えて。もし自分で取ろうとしていれば何千円も掛かるか、取れずに諦めていたかもしれない。そう考えてはお礼と共に賞賛の言葉を伝える。取ってもらったのだからお金を払うべきかと思い出せば“あ、お金…”と呟き制服のポケットから財布を取り出して。)
………おはようございます、夏油くん。
(動く度にバキバキ、とあちこちの骨が剥がれるような音を立てる程、酷く凝り固まった身体を解していると─夏油が背後から声を掛けてくる。鶴原はいつも通りの無表情、そして愛想の一欠片も無い声色で深々と頭を下げ、挨拶を返した。そのままの流れで教室へと入り、窓際にある自身の席に腰を下ろす。─結局何時間眠ったのか分からないが、無意識に小さな欠伸が出た。)
──
あ、如月!んな気にすんなって!
(虎杖は如月の嬉しそうな表情を見て同じく笑っていたが、徐ろに財布を取り出そうとする如月を慌てて止める。ぶんぶん、と首を勢い良く横に振り、財布を如月の手へ押し戻した。俺が取りたくて取ったんだし、と若干照れ臭そうにこめかみの辺りを掻きつつ、はにかむように笑ってみせる。)
随分と眠そうだね?本でも読み耽っていたのかい?
(昨日の夜の鶴原はなかったかのようないつも通りの鶴原にまぁそう簡単には変わらないかと考えつつ、鶴原に続いて教室に入って。此方も自身の席に座っていれば、欠伸を噛み殺す声が聞こえ其方に目を向けると眠そうな様子の鶴原がおり、気になれば声を掛けて。そういえば昨日ご飯を共にした時に本を持っていたが、部屋に戻った後に本でも読んでいたのだろうか。そんなことを予想し述べてみて。)
あ…ありがとう。それじゃあ、お言葉に甘えて貰っておくね。
(お金を払わなければと財布を取り出すも押し戻されてしまった。そして、取りたくて取ったのだから気にしなくても良いと言われた。照れ臭そうに述べる虎杖に此方も照れくさくなりながらも言葉に甘えることにしてお礼を伝えて。折角なら付けてみようかなと思えば箱からネックレスを取りだし付けようとして。)
………ええ、まあ…そんなところです。
(目尻に浮かぶ生理的な涙を指先で拭いつつ、鶴原は夏油の声に曖昧な返答を返す。尚も出そうになる欠伸を抑えて、腕を大きく伸ばした。一際大きな音を立てて肩が伸び、机の下で足を組みながら─一瞬だけ船を漕ぐ。直ぐに目を覚ますものの、眠ってしまったことが心底嫌そうに溜息を吐き出した。─夜蛾が来るまで眠っておくべきだろうか。鶴原はぼんやりとそう思考しつつ、窓の外に目線を投げていた。)
──
おっ、すげー可愛いじゃん!
(如月が箱から取り出したネックレスは小さな花がモチーフとしてあしらわれた可愛らしいもので、思わず虎杖の口からそんな言葉が漏れた。─言葉の奥に"如月が付けてるともっと可愛い"という意味が籠もってはいたが、その言葉は胸の奥で燻るだけで口には出てこない。言葉が出ないなら、とネックレスを付けようとしている如月を、ワクワクした表情でじっと見守っていた。)
眠いなら少し眠ったらどうだ?
(眠そうな鶴原に声を掛けると、予想していた通り本を読んでいて寝不足らしい。鶴原らしいなと考えていれば、何とも眠そうな様子でこのまま授業が座学であれば眠ってしまいそうな様子で。眠ってしまえば夜蛾に説教を食らうことになるし、授業も集中して受けられないのではないかと思えば少し仮眠を取った方が良いのではという考えに至って。そうすれば鶴原に仮眠を取るように勧めてみて。)
可愛いよね。私に似合うと良いけど……どうかな?
(箱からネックレスを取り出すと可愛いと声を上げる虎杖。その言葉に笑みを浮かべ同意してはネックレスを付けてみることにする。見守ってくれている虎杖にどう思われるだろうかと緊張しながらもネックレスを無事に付け終わり。ネックレスの花があしら割れている部分の位置を整えては虎杖の方を向きどうかと声を掛けてみて。)
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