スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
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>78 ことも、ALL
【廃屋敷/リビング】
渡されたコインを、一言「ありがとう」と礼を言ってから受け取り、それの表と裏をまじまじと見つめる。見たところただのコイン、磨いて輝かせれば霧の中の道しるべ程度にはなりそうなものだ。しかしこのコインからは妙な雰囲気、あるいは力のようなものを感じる。雑多な硬貨と同じように扱うのは少々勿体無いかもしれない。将来的に使う機会が訪れる可能性はあると考え、懐に仕舞い込んだその時、誰かの笑い声が屋敷の中に響いた。即座にノコギリ鉈と獣狩りの短銃を構え、臨戦態勢をとった。周囲に視線を向けるが、それらしき姿は見当たらない。女(屍人)は未だ倒れたままで、奴から発せられた声ではない。となればこの声の主は屋敷の外か奥に存在しているか、あるいは不可視の存在だと推測できる。警戒するに越した事はない。コートの裾を掴む少女(ことも)に「危ない時は何処かに隠れろ」と忠告して、その声の主が現れるのを待った。
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