スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
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>78(スレ主様)
「…まあ、その認識で構わないわ。」
鮫島はさして興味も無さそうな声で答えた後、彼女は姿勢良く立ち尽くす早瀬を雑に呼びつける。
「…灰音。貴女の術式、自分にも使えたわよね?」
鮫島のその声を聞いた途端、早瀬の表情は曇った。早瀬は苦々しい表情を浮かべたまま、嫌々と言った様子で口を開き、首を横に振る。
「…使えます。でも、先に言っておきますが…嫌ですよ。失敗したら足手まといになるだけですし。」
つれなく術式の使用を断られた鮫島はさして気にした様子も無く、あっさりと代替の提案を述べた。
「…そう、じゃあ別に貴女で無くても良いわ。"飛ばして"良いものは持ってるかしら?」
代替案を聞いた早瀬は頷いた後に右のポケットを探り、ビニール袋に包まれた(呪術高専制服の予備ボタン)を取り出す。
「…それなら、これにどうぞ。」
鮫島はその(ボタン)にちらりと視線を投げた後カッターナイフ型の呪具の刃を出し、自身の腕に向けて振り上げ─"右腕、一箇所"と呟くような声を発した。その刹那─鮫島の左腕が操られたように動き、右腕に呪具の刃が突き刺さる。刃が抜けた箇所からは血が滴るが、鮫島は気にした様子も無く呪具を置いてから指を空中で動かし─彼女なりの呪詛を口にした。
「『痛いの痛いの、眼の前のボタンに飛んでいけ』」
その言葉が合図だったかのように、鮫島の右腕に刻まれていた傷がごく小さなものへと変化し─代わりに早瀬の差し出していたボタンが─ビニール袋には傷一つ無いまま真っ二つに割れる。鮫島は薄く傷の残る腕を曝け出したまま、男性(ダグラス)の方を向いた。
「…これは…"術式"、私達の使う力。私の"術式"は『痛いの痛いの飛んでいけ』─見た通り、自分のダメージを別のモノに移す力なの。」
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