スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
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>71 ことも、ALL
【廃屋敷/リビング】
名を問われた狩人は、困ったように少し眉を下げた。というのも、ヤーナムの診療所で治療を受けてからは過去の記憶が曖昧になっており、それは狩人自身の名前も例外ではなかったのだ。今までは特に名乗る機会も無かったので気にしていなかったが、いざ訊かれると確かに困る。何と名乗ろうか暫く思案していたが、結局自らの役職名をそのまま名乗ることにした。これが最も分かりやすく、端的に自らを表せる。
「狩人。そう呼んでくれれば良い」
自己紹介を終えれば、立ち上がって周囲を確認する。敵対者が現れる気配も未だ固まったままの女(屍人)が復活する様子も無さそうだが、代わりに外の霧がこの屋敷の中にも入り込み始めていた。この様子だと暫くすればこの屋敷も外と同じく霧に覆われてしまうかもしれない。霧の厄介さはよく理解している。単純に視界が奪われる上、敵の探知を難しくさせる。霧が完全にこの室内を覆ってしまう前に、探索を済ませて使えそうな道具を回収しておかねばなるまい。そう考えた狩人は、少女(ことも)に向き直り、再び視線を合わせるために屈んでから話しかけた。
「この屋敷を調べたい。役に立ちそうな物があれば知らせてほしい」
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