スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
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>31(スレ主様)、乙骨憂太
【BAR・アシュリー】
「…わ、分かりました。」
BARの中から帰って来た無愛想な声に早瀬は若干怯んだようだったが、一応は声が指示する通り扉から少し離れ、BARの扉が開くのを大人しく待っていた。
─と。警戒を少しばかり解いていた早瀬と鮫島の耳を、濁った大音響がびりびりと震わせる。通常の防災無線と呼ぶには明らかに"異常"な音、そして背後の─普段相手取る呪霊たちとは異なる、呪霊よりも数段淀んだ異質な気配に早瀬と鮫島の身体に緊張が走った。鮫島は今しがたカーディガンのポケットに収納したカッターナイフ型の呪具を取り出し、自身の腕に向けて構える。
「…"コレ"がもし話せない相手なら、灰音の術式に意味はないわね。…貴女はその子(レイチェル)を連れてBARの中に入ってなさい。此処は私と乙骨くんでどうにかするから。」
鮫島は扉の近くで刀の柄に手を掛けた早瀬にそう言い放ち、横目で外国人らしい少女(レイチェル)を見遣った。鮫島の言葉を聞いた早瀬は一瞬躊躇うような様子を見せたが、ややあって頷くと少女に手を声を掛ける。
「お嬢さん、此処は危ないようですので…BARの中に入りましょう。」
少女より扉の近くに居る早瀬が少女に向けて手を伸ばし、"おいで"とでも言うように手招きをして。
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