スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
通報 |
>93 ことも、ALL
【廃屋敷/リビング】
変形させたノコギリ鉈による横薙ぎは、迫り来る何かにしっかり命中したようだ。ノコギリ鉈の刃を伝って、ぐにゃりとした不定形な何かの感触が伝わってくる。未だ姿を確認できないが、少なくとも軟体動物かそれの特徴を有する生物である事には間違いない筈だ。ならば先程足元に迫って来たのは腕や尾の類で、おそらく奥に本体がある。相手が不可視な以上、時間をかければこちらが不利になる。素早く本体を仕留めたい。追撃を喰らわせる為に一歩踏み出そうとして、聞こえたのは風切音。霧を掻き分け、再び何かが迫ってくる。先程は足元を狙う攻撃だったので薙ぎ払いで対処できたが、今度は上段を狙った攻撃。ノコギリ鉈で斬り払うより回避した方が良いだろう。一瞬視線を背後に向け、リボンの少女(ことも)の姿がそこに居ない、つまりどこかに身を潜めた事を確認すると、右斜め前方にステップを踏む事で攻撃を避ける。何かが高速で通り過ぎることによる突風を真横で感じながら、目の前の開いたドア、正確にはそこに居るであろう本体に向かって駆け出す。ドアノブを使ってドアを開く事が出来、かつそれを通過できる大きさという事は、おそらく相手は人型あるいはそれに近しい形をしていると推測できる。ならば狙うは頭部。ドアの前まで残り2m程の場所で、駆け出した勢いのまま前方へ跳躍し、ノコギリ鉈を縦に振り下ろした。跳躍しながらの攻撃は、必ず着地の動作を伴うので攻撃後に大きな隙を晒してしまうリスクがある。しかし、その分体重を乗せた更に威力を増した一撃となる。狩人は多少のリスクを取ってでも、早期に決着を着ける事を選んだ。
……この廃屋敷に、新たに訪れた何者かの足音が響いていた。しかし目の前の相手に神経を集中させていた狩人は、それに気付いていないようだった。
トピック検索 |