王子様と魔法使い 〆

黒沢…！遅れてごめん！待たせた…よな？

(目的地に小走りしながら到着すると、周りをキョロキョロと見渡して、"黒沢はどこだろう…？"と思いながら探していたが相手の姿を見つけ、パァァと表情が明るくなって。ニコニコの笑顔で目の前まで申し訳無さそうに駆け寄り、)

安達！(相手の姿を確認すると満面の笑顔を浮かべて片手を挙げると、駆け寄ってくる相手の姿に愛しさが溢れ内心その可愛さに身悶えながらも、自分を律して表情を戻しては挙げた片手を下げ)お疲れ。全然待ってないよ。飯、食って帰る？俺が作ってもいいけど。

本当か…？な、なら良いんだけど…。

(片手を挙げて応える姿が、妙に様になるなぁ…。と胸のときめきを感じる。が、実はめちゃくちゃ待たせてしまったのではないかと不安になり少し眉を下げながら、相手の両手をぎゅっと握ると、思った二倍の冷たさを感じて「黒沢、めちゃくちゃ手冷たいぞ！」とぷんすか、と交換音が付きそうな怒り方をして、)

店探してたらもっと手冷えちゃうだろ？早く家帰るぞ！それに、黒沢の飯も食べたいし…？

安達は優しいなぁ。

(自分を気遣って怒っている相手の姿に目を細めて嬉しそうに呟くと、握られた手を握り返してそのまま指を絡め相手の体温を感じて嬉しそうに微笑みながら歩き出しつつ冷蔵庫の中味を脳内に思い浮かべ)

何か食べたいものある？すぐ作れそうなのはパスタとかになっちゃうけど。