雷師匠 2023-11-02 22:40:04 |
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なら良かったッス!…でも、無理は禁物ッスよ
(ふと、こぼれ己に向けられた笑みについ嬉しくなって、まだ敵襲がある可能性もあるのにも関わらずふにゃりと頬を緩めてしまい)
うすッ!
(その言葉に、勢いよく返事をすると緩んだ頬を一度叩き、元に戻してから真剣な目つきになれば彼の隣を歩き続け)
そうだな、今朝出てくるとき皆にも念押しされたよ。
(ふと思い出して、顔を見る相手全員に無理するなと言われたことが脳裏を過り、そこまで言われて複雑な表情になるも、見えてきた車に目線やり)
今日は泊まりになるから、交代で休むようにするか。
(話しながら、手荷物から己の服を出していき)
そりゃそうッスよ、……やッぱザンキさん、皆から愛されてますよね
(思い出すようなその口ぶりにふ、と眉を下げたような微笑を浮かべて。付け足すようにそう告げながらも、己の師匠が皆に頼りにされ、愛されているのは誇らしくもあるがどこか自分の師匠であるのにと思ってしまうようなおこがましいともいえる思いを抱えていて)
了解ッス、自分、今日はメシ作るんで出来るまでザンキさんは休んでてください
(車のトランクから己の鞄を掴みながら、どこか有無を言わせぬような口調で告げて)
そう…なのか?
(相手の言葉に考えるように首を傾けて、無理をして来たから信用されてない気もするがな、と抑えた声色で付け足しながら変身を解くと服を着ていき)
じゃあ、悪いが先に休ませてもらう。
(弟子の言葉に頷くと、車の助手席側に回り、シートを少し倒してから乗り込んで)
そうッスよ、自分含めザンキさんの強さとか、えーっと、優しさとか!皆大好きッス!
(足りない己の語彙力に、ため息もつきたくなってしまうが精一杯言い切ると笑顔を見せて)
了解ッス!
(彼が車に乗り込んだのを見るとテキパキと着替えを済ませ、積み込んである食材を入れた箱を取り出して)
お前は本当に真っ直ぐだな。
(相手の物言いに、少し気恥ずかしくなると目線は向けないまま呟き、誤魔化すように軽く咳払いすると、車内に置いてあった携帯に手を伸ばして、何か連絡が入っていないかとチェックし始めて)
とりあえず、倒した事だけ連絡しておくからな。
…ッスかね、へへ
(彼としては何気ない一言なのだろうが、己にはどこか褒め言葉のように感じられすこし照れ臭そうな笑みを浮かべて)
ザンキさん、今日は何食べたいッすか?色々持ってきたんスけど…
(携帯端末で連絡をいれている彼がいる方向を見やってから食材に目を向けるとそう問い)
それがお前の良さでもあるがな。
(珍しく思った事を素直に口にしながら頷き、とりあえず簡素に報告を打ち込むと携帯を閉じて、脇のポケットに差し込むと考えるように間を置いて)
任せるよ、あまりお腹空いてないし…俺は控えめにしてくれるか?
ザンキさん……!
(流れるように告げられた言葉は、己を舞い上がらせるのに十分なもので。それに返す言葉が見つからないと、感激したように彼の名前を呟いて)了解ッス、なら今日は無難にカレーにします
(彼の要望を受け入れると、一つ頷き材料を取り出し始めて)
…ほら、な。お前は分かりやすいんだよ。
(相手の表情を見ると堪えきれず吹き出して、口元を軽く抑えるようにし、落ち着くとシートに身を預けるように寄りかかって目を伏せ)
ん、任せた。
ッて、なに笑ってんスかザンキさん……!
(吹き出し、くつくつと笑う彼に思わずむっと不満げな表情を見せて)
(取り出した食材をざくざくと切り始めるのだが一口大よりも少々大きいサイズになってしまった。まぁ良いかと全て鍋に放り込むと落ち着いたようにふ、とため息をついてから休息を取っている彼の方を見ると微笑浮かべて)
いや、可愛いなと思って。
(悪い、と押し殺した笑みを漏らしながら呟き、長い息を吐き出して)
トドロキも、安心して背中を預けられるようになってきたな…。
(しみじみと噛み締めるように話すと、車の天井をぼんやりと見つめて)
可愛いって、26の男に言うことじゃないスから…からかうのもいい加減にしてくださいッスよ
(笑みを浮かべながらも己を可愛いと言うのだから、揶揄い混じりなのだと判断すればさらに不満げな様子を隠さずに)
……そう、ッスかね?なら良いんスけど……ッて焦げる!
(ひとりごつようなその言葉に不満げな表情から一変、微笑を浮かべその言葉を反芻するように頷いていれば、どうやらかなりぼうっとしていたらしく鍋に放り込み炒めていた野菜から少々煙臭くなってきていたため急いで火を緩めてから煮込むための水を入れ始め)
うーん…素直な感想のつもりなんだがな。
(相手の反応に困ったような笑みを浮かべるも、続く言葉にため息をついて)
最低限食えるものにしてくれよ?
(困ったヤツだなぁ、と苦笑いに変えると様子を見に行くかと助手席から立ち上がって)
ザンキさんの素直な感想は心臓に悪いッス……
(鬼になる修行をしていた時の彼というのは厳しさの権化、とでも言っていいほどであった。そのため一通りひとりで出来るようになった今、たまに見せるそんな姿にギャップを感じていて)
それは大丈夫ッス!……多分スけど
(多少、わたわたと手間取りながらも水が沸騰してきたため市販のカレールーを鍋へと放り込みながらそう答えて)
お前に今更格好つけてみても、意味ないだろう?
(相手と過ごしてきた時間を思いながら告げると、邪魔にならない程度の距離に立って)
だと良いんだが…。
(あまり相手の調理には良い思い出がない事を思い返しながら呟き)
そうッスけど……。
(一つ頷きつつ、彼がそう言ってくれるのは嬉しいのだが中々どうしてそれに慣れることが出来ずにいる、そんな状況を上手く伝えることが出来ず返事がどこか煮え切らないものになって。)
ま、まぁ、カレーッスから!……自分がやるっていっておいて申し訳ないんスけど、ご飯炊いてもらってもいいッスか?
(鍋をかき混ぜていれば、ご飯を炊いていないことに気づいた。平行できるほど器用ではないため申し訳なさそうにそう問いかけて)
あまり色々考え過ぎない方がうまくいくんだよ、お前の場合はな。
(相手が言葉足らずであろう事を見越して告げると、頷いてニッと企んだ笑みを浮かべて、己の荷物から真空パックのご飯を取り出して)
何かあった時のために持ち歩いてる。お前は大食いだから、足りないかもしれんが。
……ッス!
(己の事を分かっているような、そんな口ぶりで告げられるとなんだか師弟という関係だけでなく、心まで繋がっているように感じられて嬉しくなってしまう。それを噛みしめるように一つ頷くと、彼の取り出したそれに驚いた顔つきになって)
流石ッスザンキさん!野菜結構入れたんで全然足りると思うッス。
頭で考えるよりも、とりあえず動いてみて対応した方が上手くいくんだよ。まぁ、トドロキの場合はだから‥一概には言えないがな。
(自分で言いながら何度か頷き、いくつかあるご飯のパックを取り出して積み重ねながら照れ笑いを浮かべて)
足りそうなら良かった。一応耐熱だから、此処に直接かければ皿にもなるし、便利だぞ。
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