大倉 奏 2023-11-01 22:06:09 |
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そう。だから、初めは何となく警察官になろうと思って…いつの間にか特殊部隊にいる。
月島さんは、どうして美容師になろうと思ったの?
ははっ、そっか。保護先は署じゃなくて、俺の家になるけど大丈夫?
(これだけの美貌であれば男でも放っておくのは危険だろうなと思いながら笑い声を立てて、徐々に軽口を叩ける様にお互いが馴染んでくると、箸も酒も進む。仕事で忙しく帰れない日もある日常の中で、恋愛対象である男性とこうした話になるのは冗談であっても鼓動は期待をするもので。ジョッキが空になれば追加でビールを頼み、時間の経過と共にアルコールが回ると普段よりいくらか饒舌になる。目の前の綺麗な彼をジッと真っ直ぐに見つめながら、どうせ冗談として受け取られるものと思い表現には気を付けながらもサラっと本音を零していく)
両想いねー…だと嬉しいんだけど。
なかなか、恋人を探すにも条件が厳しくてね。
特殊部隊って響きからかっこいいな。
俺は手先が器用だったのと、人の髪触るのが好きだったんだよね。
ふ、喜んで。じゃ潰れたらお願いしまーす。
( 彼の所属する部署名を聞くも、かっこいいという感想しか出てこないのは無知なため。自分が美容師になったきっかけを話すと、昔はよく女子の髪を実験台にして遊んでたものだと笑い。ビールが空いたところでメニューに視線を移し「なんか頼む?酒」と次のものを選ぼうと提案する。彼の含んだ言い方には、何か恋愛条件に厳しいものがあるのだろうかと不思議そうに首を傾げて。 )
厳しい?何が厳しいの?
名前は、な。
じゃあ、月島さんは美容師が天職?
俺の家、美容室から10分くらいだから便利だよ。
(危険度が高い職種の為、今はこれくらいの話で終わらせておく。彼の話を終始穏やかな表情で聞いていると、懐かしい気すらしてくるようで。容姿は綺麗なのに、気さくで、冗談は愛らしく…気遣いも出来る。考えない様にしていたが、彼の様な人がタイプであると自覚をしてしまう。高嶺の花だ。「ビールを」と追加を任せれば、次いでの質問に表現を迷い。首を傾げる仕草さえ可愛く見える始末のなか、ふと笑みを向けつつ思わず敬語に)
可愛いから、やめてください、それ。
条件というより、俺の問題なんだ。ストライクゾーンが、他の男とはちょっと違う…みたいな。
そうかも。
実際お客さん相手にするのも楽しいし。すごく充実してる。
え、めちゃくちゃいいな。大倉さんのとこに住んだらギリギリまで寝てられる。
( 彼の職には今はそれ以上触れないでおこうと自分の話へ。天職、そう言われるとそうだろう。この職に就いてなんら不自由はないし、寧ろ毎日が充実してさえいる。美容室から近いと聞けば朝が苦手な人間のため、それは魅力的だと目を輝かせ。店員を呼ぶとビールを2つ追加注文。先程の何気ない仕草がささったのか、可愛いなんて言われると思わず声出して笑う。かっこいいとか綺麗とか言われることはあっても、可愛いなんて言葉は言われたことがなく何だか不思議な感じで。その後で紡がれる彼の恋愛事情にはどうやら何かあるらしいと悟るとそれ以上突っ込むのもなと思いつつ、気になるとだけ言って。 )
ふ、は。可愛いかな。
へぇ?気になるなー、大倉さんのストライクゾーン。
それで言ったら俺も特殊かも?
もし独立したら追い掛けて行くよ。
帰るのしんどい時はおいで。
(自信と満足感を得ている人というのはやはり魅力的だ。彼の話を相槌を打ちながら丁寧に飲み込んでいく。下心は今の所は抱いていないが、一緒に居て心地が良い相手である為に自宅に招く言葉を残して、追加で届いたビールに口を付けて。所謂タチ側の性か、男性相手に可愛いと思う事の方が多く、アルコールが回るにつれて徐々に彼の時折見せる仕草がまさにそれで。自身の恋愛事情に食いつく彼に、ふと苦笑を見せてしまえば賭けに出る。恐らく、お仲間にしか通じないであろうワードを用いて誤魔化し)
俺のストライクゾーンは…ネコ。っぽい人?かな。
月島さんも特殊なの?
はは、
あ、そんなこと言って後悔しないでよ。毎日入り浸っちゃうかも。
( 彼にそんなことを言われてしまえば、毎日でも通ってしまう。勿論下心ありあり。酒が進むにつれて、だんだんふわふわとした気持ちに歯止めはかかりそうにない。そんな時に相手から聞こえた言葉に思わず手を止める。どうも言い方からして恐らくそれを指している言葉であることは何となく分かり、それならば好都合だとばかりに、にっこりと笑って自分の恋愛に関してなんの躊躇いもなく打ち明けて。 )
そうなんだ。
ネコ、ねぇ。
ん、俺同性愛者なんだよね。
ッ!!
…え、本当に……?
(まさかの返しに口へ含んだばかりのビールを吹き出しそうになり、慌てて飲み込むと盛大に噎せてしまった。暫く咳が止まらずに落ち着いた頃には目の前にいる彼に対し、信じられないとでも言いたげな視線を向けて聞き返す。あまりにも躊躇いのない打ち明け方に半信半疑ではあるが、正直嬉しいという気持ちが勝っている。アルコールでふわりとした脳内は忙しくしているものの、真っ直ぐに彼を見詰めて)
俺も、同性愛者。
…バレてた?
いや?なんとなく今そうかなって思った。
俺さ、一目見たときから大倉さんのこと気になってて。
何なら付き合って欲しいとか思ってるんだけど、どう?
( カミングアウトした後の反応に少しドキドキしていたが、どうやら予想通り相手もそうだったようで安心する。そうなれば話は早い。彼を落とすことが今日の目的なのだから。にこやかな表情は崩さず、しかし目は真剣に相手を見据えて。)
月島さんにそんなこと言われたら、断る男いないと思う。
(夢にも思わぬ展開に1度頭を抱えるも、あまりにも男らしいストレートな物言いに腹を括り彼としっかり視線を交えて。自身もタイプであった事は確かだ。見た目しかり仕事面や気配りや話し方など一切不快に感じた事はなく、寧ろこちらも好意的であっただろう。数年振りの出来事に心臓は大きく脈打つが、考えた上で首を縦に振る)
俺で良ければ。よろしくお願いします。
これから色々教えて?月島さんのこと。
知りたい。
ほんと?
…嬉しいんだけど。こちらこそよろしく。
( 彼の返答に今1度聞き返すが、どうやらその眼差しは真剣なもので。思っていたより早い展開にはこちらも驚くが、それよりも嬉しさの方が優り。素直に嬉しそうに笑みを浮かべる。その上で自身の名前について提案を。恋人同士になるのであれば、さん付けで呼び合うのも変な感じがする。)
…琥珀。って呼んで?苗字で呼んでたら恋人ぽくないじゃん。
本当。月島さんはノンケだと思ってたし、意識しないようにしてたけど…事実タイプだから。
(素直にそう伝えては、今まで御無沙汰であった感情がじんわりと溶けていく様な甘い感覚になる。同性愛者だと知った途端、ブレーキをかける必要がないのだと脳が理解したのだろう。今はもう彼への興味しかない状態だ。普段であればそこまで甘さを含まない会話も、対象者に向けた口調に変わる。名前呼びを快諾しこちらもと促して)
じゃあ、琥珀。
俺は?呼んでみて。
そんな風に思っててくれたんだ?
( 再度打ち明けられた内容には先程の通り、この顔立ちで生まれて良かったと心から思う。甘さを含んだ声色に心臓は高鳴り、彼から呼ばれた名前にまた嬉しそうに微笑み。自分も彼の名前を呼べば恥ずかしそうにして。こうなったら甘えたいよくばかりが出てきて、ちらっと正面の相手を上目遣いで見つめ。 )
…奏。
いい名前だね。ほんとに。
ねぇ、この後さ大倉さんの家。行っていい?
実は、ね。
(少し照れくさそうに打ち明けた後、自宅への寄り道を提案されると一瞬目を見張り。しかし直ぐに彼へと向ける瞳には欲を含ませて、徐に腕を伸ばしたかと思えば、名前を呼ぶ形の良い唇を人差し指先の背で一撫。)
もちろん…いいよ。
店、もう出ようか?
ん、わかった。
( 唇に触れた指先。その相手の手を包み込むように己の手で覆うと、その指先に短く口付けを。すぐさまそれを離して、相手の瞳を見つめ頷く。店員に会計を頼むと、それほど飲んでいないこともあるがそれなりに安く、ひとまず財布を取り出すと「俺まとめて払っていい?」と尋ね。)
(個室をいい事に秘密のやり取りを行った跡、席を立つ。会計時に彼が財布を出して尋ねる問には首を横に緩く振って「今日は俺が」とカードを店員に手渡して収め。辺りはすっかり暗く、店の明かりと街頭が人影を作っている。初めふたりで並んで歩いた道は、帰る頃には肩がぶつかる程の距離で。案内する様に時折、彼の腰に片手を添え自宅までの道を言葉数少ないまま進んで行き)
…さっきまで敬語で、月島さんって呼んでたのにな。
え、じゃあ次のとき払わせて?
( 会計を支払われてしまえば、お言葉に甘えて。と大人しく支払ってもらうことに。彼の家への道を2人で歩く。距離が近くなったのは恋人同士になったから。彼も平然と腰に手を回してくるが自分の心臓の高鳴りが伝わってしまうと苦笑し。)
…展開早すぎかな。
考えとく。
(なんて、冗談の様に言って。間もなくで自宅に到着してしまう程の近場には、通い慣れた美容室もある。会話を繋げながらそこを通り過ぎ、引越しをしてから誰かを家に招くのは初めてで相手が彼であるなら尚更なんとなく緊張してしまうもので。後は真っ直ぐ進めば自宅に着く為、腰に添えていた片手を下ろす)
時間をかければ相性が良くなるとは限らないし…いいんじゃないかな。
知ってる?一目惚れ、実は1番最強説。
( 店を出てからも思ったが、やはり話の内容やそれに対する反応の仕方などどれをとってもほんとに好きだなと思う。美容室の前を通る際に妙に緊張してしまったが、もう閉店時間なので人はいないようだ。そこから間もなくたどり着いた彼の家に本当に近いのだなという感想を持つ。人によっては付き合って直ぐに相手の家に行こうだなんて、下心ありありで不快に思われるかもしれない。と懸念していたのだが、彼の感想からそれはないと分かるとほっとして。)
それ、俺も思ってる。
はは、じゃあ最強じゃん。
最強だよ。
一目惚れした相手は、ずっと好きなんだって。
(戯けた様にそう言うと、あっという間に自宅マンションに。10階建てのマンションには、同じ職場の警察官や一般市民など様々な人が暮らしている。自身も指定先にこのマンションがあった為、ここを選んだ次第。鍵でロックを解除しエレベーターに乗り込み、5階まで上がっていく。一度も住人とすれ違うことも無く玄関前まで辿り着き、解錠すればドアを開けて)
どうぞ。
多分…散らかってない、と思う。
(間取りは2LDK。広めの玄関の正面は壁になっており、左に曲がると廊下が。途中、脱衣場から風呂場とトイレがあり、1番奥まで行くと1枚扉の向う側がリビングになっている。リビングにはカウンターキッチン、テレビと大きめのL字ソファがあるだけの生活感のなさ。他に部屋が2つあるが、使用しているのは一つで寝室に。寝室にはダブルベッドが置いてあるだけでここもまた質素である。もう一部屋には何もなく、用途がいまだに決まらないままで。)
お邪魔します。
( 彼の言葉に過去の恋愛を振り返ってみると、たしかに一目惚れをした経験は無い。今迄の恋愛はあっさりと切り捨ててきた側の人間だったから、ずっと好きだという気持ちは理解ができないが。今の彼にならそう思える。そうこうしているうちに着いた綺麗なマンション。部屋に入れてもらうと彼の人柄がよく分かる通りきちんと整っている。質素というのかもしれないが、シンプル好きな自分からすると丁度いい。)
綺麗な部屋。あんまり生活感はないけど、スッキリしてていいと思う。
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