主 2023-10-22 20:18:29 |
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( 部活の挨拶を終え着替えを済ませると足早に校舎へと向かう。スマホの画面を見ると思いの外遅くなってしまった時刻に眉を顰めて。図書室につけば、定位置に座る彼女の姿を見てホッと一安心。それにしても窓に映る夕暮れの色の空に映えるヘーゼルの髪や、その長い睫毛が際立つ横顔には誰もが虜になるだろう。無論自分もその1人なのだけれど。)
お待たせ。硝華。
(/先レスありがとうございました。よろしくお願いします!)
─── 碧。
急いで来てくれたのね?疲れているのに有難う。
( 自身の名を呼ぶ大好きな声にふ、と顔をあげればそこに居たのは自分が何よりも大切な幼馴染の姿。硝華はぱっと表情をやわらげらばそのまま彼女に近寄り、きっと急いで来てくれた故に少しだけ乱れたのであろう彼女の黒髪をそっと指で撫でて。空手部の部員であり全国大会への出場も果たしている彼女は言うまでもなく部活のエースであり、きっと指導することも多いのだろう。硝華はお疲れ様、と微笑めば柔らか中身を揺らしながら彼女を見あげて。 )
むしろ待っててくれてありがとう。
( 自分の黒髪に触れる彼女の指先の感触に目を細める。ふっと小さく微笑むと、待っててくれたことにむしろ感謝の気持ちを示して。自分よりも僅かに身長の低い彼女に視線を落とし、長いまつ毛からのぞく瞳が綺麗だなとか、相変わらず可愛らしいなとか。色々思いながらも、その表情は涼しい顔を崩さないまま。)
私が碧と一緒に帰りたくて好きで待っているのよ。
( 此方を気遣ってくれる彼女の優しさにまたふわりと花のように微笑めば机の上にあった参考書やらを革製のスクールバッグに入れて帰る支度は完了。するり、といつものように彼女の腕に自分の腕を絡めては「 帰りましょ。 」と自分よりも幾分か背の高いスマートな彼女に微笑んで。一体この学校の何人の女子生徒が彼女とこうして帰ることを夢みているだろう。─── まぁ最も、誰にもこのポジションを譲るつもりはないのだけれど。 )
そうだね。行こっか。
…硝華、今日用事とかない?よかったら本屋に付き合ってほしいんだけど。
( 腕を絡めてくる彼女に微笑む。こんなことをしてもらえるのは自分だけの特権だ。運動部の自分は荷物も多いので彼女と違ってスポーティなリュックを背負っているわけだが。こんなとき鞄だと片腕が塞がってしまう心配もない。学校から出ると、少し薄暗くなった道を歩き始める。ふと、この後の予定を聞くと今日発売の雑誌を買いたいと思っていたため、彼女にそう伝えて。)
ええ、もちろん。
( 学校を出ればもう風景は柔らかなオレンジ色から夜のネイビーが目立ち始める頃。ふと問い掛けられた彼女の言葉にもちろん否定するはずもなくこくりと頷けば家に帰るまでのデート時間が少し長くなったことにどこか嬉しげな様子で。「 何の本を買うの? ? ?」いつもならば彼女よりも自分の方が本の虫になっていることが多いせいか、ふと彼女の目的の本が気になり不思議そうにブルーがかったエメラルドグリーンの瞳を彼女に向けて。 )
ん?えっとね、スポーツ雑誌。と、いつも買ってる漫画の新刊が出てるかなと思って。
( 何を買うか聞かれると、よく買うスポーツ全般に関する情報誌をと答える。空手もそうだが、スポーツを観戦することも趣味のひとつであるのでよく読んでいる。あとは漫画。新刊が出ていれば買いたい。「硝華は最近どんな本読んでる?」と反対に本をよく読む彼女に尋ねて。)
ん、そうね…。最近お気に入りなのは海外の詩集かしら。
日本とは恋愛の価値観が違っておもしろいのよ。
( ふと彼女からかけられた質問にこて、と首を傾げれば少し考え込んだような仕草の後に最近よく読んでいる本を説明して。日本人は内に秘めた想いを綴るものが多いが海外はアプローチをした上で更に深い仲になりたいようなものか多いような気がする。「 どちらも素敵だけれどね。 」と一言付け加えればうふうふと楽しそうに笑いながら絡めた腕にきゅ、と軽く力を込めて。 )
詩集か…あんまり読んだことない。
そうなんだ?あたしも読んでみようかな。
( 恋愛を綴った詩集だなんて、さすが上品な彼女にぴったりというか。素直に素敵だなと思える。楽しそうに笑う彼女に此方も幸せそうに笑い。暫くすると本屋に到着して、いつも通りの雑誌コーナーへと足を運ばせる。この辺りではいちばん大きな本屋なので、ある程度の本は揃っているはず。「あ、あった。」とお目当ての雑誌を手に取れば、パラパラと中を見て。)
あら。
上等な口説き文句を手に入れて誰を口説きに行くつもりかしら。
( 素の状態ですらどんな女性であろうともメロメロにしてしまうような彼女が恋愛の詩集を読みなどしたら一体どうなってしまうのだろう。きっと女の子同士で彼女を巡る熾烈な争いが繰り広げられてしまうことだろう、末恐ろしいことだ。硝華はそんな未来に困ったようにくすくすと笑ってしまえば、本屋の中でもあまり立寄ったことの無い雑誌コーナーに彼女と足を踏み入れれば興味深そうにきょろきょろと辺りを見回して。女の子が好きそうな煌びやかな雑誌やはたまた屈強な男性が表紙のジム雑誌など、カラフルなそれらに硝華は何度か瞬きをして。 )
んー?そうだな…目の前にいるお姫様に?
( 口説く、か。そんなつもりは全く無かったが、それで言えば目の前の彼女しか自分にはそのような対象はいないが。少し冗談ぽくしかし本気でそう言えば、その後でまたくすっと笑って。雑誌コーナーを物珍しげに見ている彼女には、たしかに雑誌類に手をつけているところはあまり見ないが、年頃の女子ともあればそういう雑誌に興味を示しても何らおかしくないだろう。)
硝華は、あんまり雑誌読まないよね。
まあ。これ以上虜にさせてどうするつもり?
( いたずらっぽく歪む彼女の薄い唇とこちらに向けられた深い海の色にぱち!とブルーがかったエメラルドグリーンの瞳を丸くさせれば、硝華はすぐにくすくすと笑いながら彼女の肩にこてんと頭を軽く預けてみる。今のままでも随分と彼女に心酔しているのに、更に上等な口説き文句を添えられたらいよいよ彼女から離れられなくなってしまう。そも、離れるつもりは無いのだが。「 ん…、そうね。でもカラフルでキラキラしてて可愛いから好きよ。 」と、彼女の言葉に答えつつ手に取ったのは女子高生たちが読むような典型的なファッション雑誌。きらびやかに笑う表紙の女の子を眩しそうに、だが微笑ましく見つめては軽くぱらぱらと中を捲ってみて。 )
ふ、どうしようか?
( 彼女を虜にしてずっと傍にいてもらえるなら、いくらでも甘い言葉を囁けるのに。彼女が離れていってしまっても追いかければいい話かと思いつつ。自分の肩の重みに幸せそうに微笑むと、目を細めて彼女の頭を撫でる。彼女のとった雑誌を覗き込むと、モデルが並んでいるが、どの子よりも横にいる彼女が1番だと思う。「硝華ならどれ着ても似合うだろうな」と、実際着た姿を想像してはうなずいて。)
そうね…。
碧がイヤって言っても隣に居続けちゃう。
( 彼女の優しい手に頭を撫でられれば思わず心地よさそうに目を閉じては少し悩ましげな声を出した後に自分よりも少しだけ高い彼女の耳に唇を寄せては上記をそっと囁いて。パラパラと捲っていた雑誌の服を見ながら「 ふふ。碧はどれが一番似合うと思う? 」と彼女の方にも見やすいように雑誌を傾かせながら問い掛けて。少し丈の短いスカートだったり露出の多い女子高生らしい服装は自分ではあまり選ばないような可愛らしさの洋服ばかりで。 )
ふ、あたしが嫌って言うわけないでしょ?
( 耳元で囁かれた小鳥のような可愛らしい声とその言葉に、少しだけはやくなった鼓動を抑えつつ小さく笑みを浮かべて。開かれた雑誌の中のファッションに目を移すも、どれも彼女ならば着こなしてしまうだろうと少し悩ましげな表情を示し。それよりもこんな露出の高い服を着てしまったら変な虫が更に寄り付いてきてしまうのではないかとも思う。ひとまず雑誌の中では控えめな少し丈の短い水色のワンピースを選択し。)
どれも似合うだろうけど…。んー…これとか?
(/お待たせしました!!)
─── ……ふふ。碧ったら。
( どんな女性でもころりと落としてしまうような美麗な笑みを小さく浮かべる彼女にまたきゅん、と恋に落ちてはぱち、と瞳を丸くした後にすぐにそんな彼女に甘えるようにふわりと微笑んで。幼い頃から隣にいるはずなのにこうして毎日飽きもせずまた彼女のことを好きになるのもいつものことで、硝華は他の誰にも聞かせたことの無いような甘ったるい声でくすくす微笑み。彼女の指した服をなになにと覗き込んでみれば、女子高生をメインターゲットにしたこの雑誌にしては比較的露出度の少ない丈の短い水色のワンピース。硝華はこの洋服のブランドを脳内にインプットすれば次の休みにでも買いに行こうと早速決意し、「 とっても可愛い。それに私の好きな色だわ。碧の色だもの。 」と隣の彼女を見上げながらにこにこふわふわ微笑んで。 )
(/間が空いてしまい大変申し訳ございません…!今家のことで少々リアルが忙しくこちらに顔を出せておりませんでした。もう暫く待っていただければと思います!)
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