幼馴染

俺は、今のところ誰とも付き合うつもりはないよ。(そうハッキリと告げて)
いい、凌が作った物が食べたい。

そっか、それなら"今のところは"一緒に遊べそうだね。
(今のところの部分だけ強調して)
そんなに？母さんから作り方聞いて作ったから食べれない事もないけどな。じゃあ、一つあげるよ。
(笑顔でお弁当を差し出して)

そう言う、凌は彼女とか興味ないのか？(逆に気になったので質問してみて)

うん、食べさせて(口を開けていれてくれるのを待ち)

俺？俺は…歩みたいにモテないし、考えた事ないかな。お前が出来るまで作るつもりもなかったしね。(急に質問されて驚き、今まで考えた事もなかった事に笑み浮かべ)
えっ、食べ！？…歩ってそんな甘え坊だったか？(驚いた表情で相手を見ると急にあたふたしだして、若干手を震わせながら玉子焼きを相手の口元へ持って行き)

そうか、良かった(考えた事がないと言う相手の返答を聞けば嬉しそうに微笑み)

ありかとう、美味いよ。(食べさせてもらうと、かなり満足した顔で貴方を見つめ)

……わっ！！(嬉しそうに微笑む相手につい見惚れてしまい、箸を落としてしまいそうになり)
な、なんだよ、そんなに見なくても良くない？(顔が熱くなるのを感じてそっぽを向いて)

大丈夫か？(慌てた様子の相手に心配そうに声をかけて)
だって、すごく嬉しかったからさ(正直に思った事を言い)

だ、大丈夫だよ、うん。(落ち着いた様子を見せ、お弁当を片付け始めて)
そっか、喜んでもらえて良かったよ！もうすぐ、次の授業だよな…そろそろ準備に教室戻る？(さっきの気持ちはなんだったのかと思いながらも少しオロオロしながら)

そうか、なら良かった。　ほんとに美味しかった。ありがとう(幸せそうに微笑むと、思わず頭を撫でていて)
あ、そうだな。教室に戻るか。

美味しかった？母さんに感謝だな。今度、妹にも教えてやろうかな。あいつもなかなか彼氏できないし。(兄妹共にモテないなと思いながら苦笑して)
……なっ…んで、頭撫でんだよー！俺は女子じゃないし！
もう、歩置いて行く！(不意に頭撫でられ、先程の気持ちが再び現れ思わず相手を見て。自分の落ち着きのなさに恥ずかしくなって先に歩き出し)

あぁ、ほんとにありがとう。また食べたい(可愛いなぁと思いながら見つめるも、頭を撫でた事で相手が怒ってしまうと、しゅんとして落ち込み)
ご、ごめん。

わかった、また今度な！(何度か頷き笑顔を見せて)
……え？別に、怒ってないよ？なんで謝ってんの？
ただなんか…なんか、俺がおかしい…みたい、なんだよな。ほら、歩、行くよ？
(謝る相手に立ち止まり振り返り、怒ってない事告げると首を傾げ、気持ちがおかしくなってくような感じに複雑になるが、一緒に戻ろうと相手の名を呼び)

楽しみにしてる。(怒ってないと言われ立ち止まってくれた相手に顔を上げて歩き出し)
良かった。凌に嫌われたら俺、生きていけないから

うん。
え、大袈裟だなー、嫌いになんてなってないし。それに、歩がいなかったら困るんだけどなー。退屈で仕方ないよ？
(歩きながら、相手の大袈裟な意見に驚き首を横に振って笑顔で答えて)

大袈裟じゃない。かなり本気。(少しでも自分に意識してほしいのと、少しの欲がでてしまい、相手の腕を掴むと引き寄せて抱き締め)
凌、まだ時間あるから、もう少し2人で居たい

えっ、本気ってどういう……！？(立ち止まり驚いた表情で振り返ろうとすれば、腕を引かれており気付いた時には相手の腕の中で、恥ずかしくなり顔が赤くなってしまい)
あ、歩…もしかして、俺がおかしいのかと…思ってたんだけど、お前ももしかして……いや、勘違いだったら悪いけど、女子より、男子…えっと、俺の事、す、好きだったりする？
いや、でももうすぐ、授業……

(もうすぐ授業と言う言葉に、我にかえると相手から離れ)
俺は、男が好きなんじゃないよ。凌だから好きなんだよ。
さっ、授業に行こ(さらっと告白すれば、階段を降りて行き)

な、なんだよ、それ。ずるいなぁ、本当！イケメンには負けるなぁ。
(相手が離れれば少し照れながら小さな声で呟き、階段降りて行く相手の方に振り返り笑顔で叫び)
歩ー、俺の答え聞かないで行くんだ？まあ、いいけどなー！
さて、授業、授業！

え？(相手の言葉に振り向き)
でも、返事聞くの怖い。だから、俺が好きって事だけ忘れないでほしい。(絶対に嫌がれると思っていたので、聞くのが怖いらしく)

聞くの、怖いの？じゃあ…伝えないけど、俺の気持ちはこれでわかってよ？(走り出して相手に近づき後ろからハグだけして)
歩の気持ちは、忘れないよ！…お先っ！(走り出して階段駆け降り)