ジャック 2023-10-06 23:38:18 |
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…力加減し辛ぇンだ。お前の体に穴開けちまうかもしれねぇぞ。( 思わず表情引き攣らせると半ば本気で懸念している様子で告げ / 問い掛けへ滔々と選択肢を挙げ )媚薬か麻薬か筋弛緩剤。どれか好きなの選ばせてやるよ。
なら細心の注意を払ってくれ。……ああ、お前の手を縛りゃ解決するか。( 自分一人で納得したように頷き / 選んでいるのかどうか曖昧な言葉を告げながら至極楽しそうに笑みを零し )そうだな、理性保ったままお前のこと可愛がれるヤツ。
お前の身を気遣ってやる余裕があるように見えた事があンのか?…その辺の縄じゃ切っちまうからな。( 無茶としか言いようのない要求に片眉上げ / 溜息混じりに告げ / 予想外の言葉に瞠目するも嫌な予感しかせず一も二も無く言い切り )そんなモンは無い。
無いな。……鬼用のリードと首輪、手錠が必要か。( 大して考えるでもなく頷き / しれっと必要物を増やしながら悪戯げに口元を歪め / 遠慮も無く直截的に言い切ると結局何も選ばす相手に判断を委ね )んだよ、融通効かねえな。じゃあお前のお勧め。
…この俺を犬扱いするつもりか?( あからさまに嫌そうに顔を顰め / 相手の体の上に寝転んだまま鞄を引き寄せ片手を突っ込むと探るように暫く中身を掻き回した後一つの袋を探り当て / 微かに光を反射する青い粉末の入った袋を目線の高さに掲げ )…ならコレだな。
暴れるワンワンは放し飼いしちゃ駄目だろ。なあ?( 同意を求めるように片手で相手の顎の下を擽り / 相手の動作を見守っていれば掲げられる袋に僅かに頭を傾けて / 知識のない己では見当がつかず疑問を口にして )……んだそれ。
…俺が暴れンのはお前のせいだろ。( 僅かな擽ったさに口元を歪めるも表情は幾分か和らぎ先程よりも覇気の欠いた声で告げ / 問い掛けに滔々と答えては何やら得意げに口角を上げ )麻薬だ。快楽物質を出すのと思考制止作用がある。簡単に言やァ面倒な事は忘れて気持ちイイ事だけ考えてられますよ、って奴だな。
お前がさっさと気持ちいいのを受け入れれば良いんだよ。いやいやって駄々こねるからそんなことになるんだぜ。( 一切を相手に責任転嫁した言葉を堂々と告げて / 顎の下をくすぐっていた指を首筋に当てると相手の鼻筋に向かってなぞらせ / 得意げな顔に何となく微笑ましさを覚えつつも言動には引っかかり首を傾げ )…へえ、お前のことは考えられるのか?
…人のせいにすンじゃねぇよ。これでも大分聞き分け良くしてやってンだ。お前は俺が嫌がれば嫌がる程喜ぶらしいからな。( 肌に触れる指の感触に目を細めながらも棘のある声音で言い返し / 問い掛けにゆるりと首を傾げれば確証には欠ける物言いで告げ )…考えるンじゃねぇの?お前の脳が俺と諸々の快楽物質を出す回路を結び付けてンならそうなる。一番手っ取り早くイイ思いができるモンに反応するからな。
お前が俺のせいで乱れてるのが好きなんだよ。嫌がっても悦んでも同じなら後者のほうがお得だろ?( 笑みを漏らしながら鼻先を人差し指で軽く叩き / 些かの疑問は残るもののそうと聞けば突っ込むまでもないかと脱力して )…なら確実だな。やれ。
お得、( 鼻先を叩かれると眉を寄せ / 言い回しが気に入らないのか不満げに反芻し / いざやれと言われると最悪の事態が脳裏を過り注射器に視線を遣り )…コレは本当に毒にならねぇンだろうな。
…お前案外子供っぽいよな。( 寄せられた眉に思わず笑い声を上げると眉間の間を親指で柔く撫で / つられて注射器に視線を向けながら平然と告げ )もう試したから安心しろよ、俺が何ともなってねえのが答えだな。別に打たなくてもいいぜ。
俺の何処が子供っぽいンだよ。( より一層表情を曇らせながら不満げに零し / 思いも寄らない言葉に俄かには信じ難い様子で瞠目し / 声音に動揺を滲ませながら早口で捲し立て )はァ?…お前何を、勝手にこんなモン試すンじゃねぇよ、何かあったらどうすんだ。少しは俺の番って自覚を持て。
よしよし。良い子良い子、( 茶化すような声音で繰り返しては頭を撫でて / 何が悪いのか分かっていない調子で僅かに頭を傾げ )あの施設内で試した方がリスク無いだろ。専門家が常駐してんだし。
やめろ。( 不機嫌そうに相手の手を払い除け / 此方の懸念どころか心情すら理解されていない様子に思わず深い溜息を吐き / 呆れすら感じながらも殊更丁寧に言葉を選び告げ )……何処で試してもリスクはあンだろ。何があるかわかんねぇし、処置ができるできないじゃなく、お前の身に何かが起こるのは堪えられねぇんだ。それと、俺の与り知らねぇモンがお前の体ン中にあんのも気に食わねぇ。それをどうこうできんのが俺じゃねぇのも、俺以外の奴がお前に触ンのも不愉快だ。これは何回も言ったよな?
…ああ、なるほど。( 相手の言葉を聞けば眉を下げ / 頬に掌を添えると相手の瞳を覗き込むようにして鼻先を触れ合わせ / 謝罪の言葉で再びソファに頭を沈めようとしたもののふと口を噤むと付け足すように告げて )悪かった、不快にさせて。もうしない。…つってもやらかすかもしれねえから、やっぱ監視しといてくれ。
( 鼻先が触れ合えば目を細めるも依然として不機嫌そうな面持ちで相手を見据え / 不意に告げられた言葉に瞬き一つ落とすと短く問い )…何だ、監視って。
俺から一秒も離れないって奴。( 先程の相手の言葉を引用するようにそのまま口に出し / 機嫌を窺うように相手の首筋に顔を埋めると髪を擦り付けて )…許せ、お前に嫌われるのは耐えられん。
俺じゃなくてお前が俺から離れねぇンだよ。( 細かいニュアンスを訂正しては仏頂面浮かべ / 甘えるような仕草と許しを乞う言葉に簡単に不満も霧散してしまえば小さく溜息を吐き / 片手で相手の髪を撫でながら呟き )そういう事をするから不安だって言ってンだ。
どっちだって同じだ。( 呟くように反論して / 言葉を黙殺すると相手の首筋に顔を埋めたまま腰に手を回し遠慮の無い力で抱き締め )
( これ以上言い返しても水掛け論になるのは目に見えており溜息を吐いて言葉を呑み込み / 不意に強く抱き締められると相手の肩を軽く叩き )…苦しい、
( 相手の表情からその心境が手に取るように分かると思わず言葉を失いぐ、と堪えるように眉を寄せ / あまりに珍しいその様子に見慣れない上にとっくに怒りも消えているお陰でただ愛おしさに胸が軋むばかりで小さく息を吐き出し / 相手の髪に指を通しながら短く問い )…反省したか?
…した。( 相手の表情の変化を見やりながらバツの悪そうに視線を反らし / 告げられた言葉に躊躇いがちに呟くと相手の掌に擦り寄って / どうやら怒りが撓んだらしいと判断すれば安堵から僅かに表情を緩め )
…お前そんな分かりやすかったっけ?( 相手の仕草や表情の何から何まで胸の内を擽ると目元を緩め / 変わらず相手の髪を撫でながら目尻へ唇を触れさせつつ揶揄い混じりに問い )
…流石にお前を不安にさせすぎだと思ったんだよ。( ぼそぼそと視線を合わせずに告げ / 自省には矢張り慣れておらず目尻の感触に目を伏せ )
…言っとくけどそれは結構前からだからな。言わなかっただけで。( 一向に此方を見る気配が無ければ痺れを切らしたように両手を相手の頬に添えて強引に此方に向け / 相手を見据えて噛んで含めるような物言いで告げ )
( 言葉と触れる感覚に驚いたように目を開き / 流石にそのまま逸らすこともなく瞳を合わせると先程の言葉を繰り返し )…悪かった。
( 繰り返される謝罪の言葉に堪え兼ねたように小さく笑み零し / そのまま何度か唇を啄むと触れ合わせたまま小さく呟き )…可愛いなァお前。
…前も言ったが、お前の基準は謎だ。( 何度か繰り返される口付けに此方も食み返して / 感触に瞬くと心底不思議そうに呟いて )
…俺の言動があからまさにお前の事が好きそうだったら可愛いって思うだろ。( 唇が食まれる感触にうっとりと目を伏せ / 再度瞼を開くと遠回しなようで明け透けに心境を吐露しながら口角上げて問い / 相手の頬や鼻先へ口付け )
…思う。俺はお前が好きだからな。( あっさりと肯定すると目元を緩め / 顔中に落とされる口付けに僅かに笑みを漏らし / ふと思い出したように瞬いては相手の唇に再度口付けて下唇を食みながら呟き )お前のそれでこんないい気分になれんだから、薬も要らねえな。
( 告げられる言葉に満足げに目を細め / 相手の髪に指を通しながら繰り返される口付けに目を伏せ / ふと聞こえた言葉に笑みを漏らすと囁くような声色で返し )…そうか?じゃあこれは次の機会までお預けだな。
まあそれまでにはお前のも改良されてるだろうしな。( 顔を離すと断定するように言い切り / 人差し指で相手の頬を撫でながらふと視線を斜め上にやって眉を寄せ )……にしても、考えることが多いな。
───
相談だ。次、何処かの国まで場面転換していいか?要するに移動時の描写を省略して、現在地―目的地を直接繋ぐヤツ。
もちろん長距離移動する時の場面は事前に告知させてもらう。分からんこととか納得行かないことがあれば言ってくれ。
お前は求めるモンが多いからなァ。( 呆れの混じる声で呟き / 頬に触れる指先の感触に目を細め / 脱力するように相手の肩口に頬をのせながら聞こえてきた言葉へ短い問いを返し )…例えば?
──
あァ、構わねぇよ。任せちまって良いンならお前の好きなタイミングで声かけてくれ。
じゃねえとただ不味いだけの葉っぱだろ。( 大して気にした風もなく嘯いて / 相手の言葉に瞬くと指を折り始め / 数えている内に嫌になったのか顔を顰めて息を吐き )お前の組織がまだ何かしらあるかもしれねえって所、入れ墨消さねえとならん所、さっきの取引、……やめた。キリねえわ。
───
了解した。とりあえず次は飛行場のある国行って、前言った俺の弟と遭遇するってのどうだろうな、って考えてるわ。異論なければそこまで飛ばす。
失礼な奴だな。これでも多少は改良してンだぞ、まだ実用に向かねぇだけで。( 不満を露わに顔顰め / 先程あれだけ騒いでおきながら列挙される事柄には然程興味無さげに耳を傾けており / 言葉が途切れれば小さく笑み浮かべ何とも呑気な呟き落とし )まあ取りあえず1年以内に何とかってとこに行けば良いンだろ。お前と世界渡り歩くのも悪くねぇ気分だな。
──
あァ、了解。色々ありがとな。俺はその流れで構わねぇよ。
客は現金なもんだろ、実用品にしか興味ねえんだ。( 不満げな顔に思わず笑みを噛み殺し / 並べ立てる事例に何を思うでもない様子には形だけ肩を竦め / 無責任に相手に全権を投げ出すとそのまま相手の身体を引き寄せてソファの上に引き倒し、目を閉じて眠りに落ちる体制を整え )お前ちゃんと覚えといてくれよ。じゃねえとまた逃避行する羽目になる。
──
( 数週間後、この大陸最大の国であるレッドキンジアの大地を踏みしめており / 車での移動とは言え長旅で若干凝った肩を片手で解しながらドアに凭れ / 雑多な人混みに紛れて目の前に聳え立つ白亜の殿堂を見上げながら独り言を呟き )……図書館と、博物館と、飛行船だったか。
──
とりあえず移動地点まで飛ばした。なんかありゃ言え。特に何もなければこっちは蹴ってくれ。
まあ良い、そのうちハマらせてやる。( 小さく溜息吐き / 告げられる言葉へ愉快げに笑みを浮かべて言葉を返すとソファの上で目を伏せ )逃避行も悪くなかっただろ。
──
…すげぇな。( 車から降りると目の前に聳える建物を眺め / まじまじと眺めながら小さく呟き / 聞こえた言葉に相手の方へ顔を向けると優先順位の高い物を嬉々として告げ )飛行船だ。早く行こうぜ。
…ふ、( 相手の様子に微笑ましげに口角を上げると飛行船の方向に顔を向け / 顎の下に手を当てては独り言のように呟き / やがて得心したらしく一つ頷くと後ろ手に車の鍵を締めて / 当然相手も着いてくるものと勝手に判断しながら歩き出し )確かそこまでは乗り合いのバスが出てるはずだ。買って…いや、ちょっと芝居してくるかね。
……( 気配もなく相手へ近付くと手首を掴み / 強い力ではないがするりと近くの路地裏へ引き込むと兄そっくりな顔を相手に近づけてまじまじと見詰め / 呑気ささえ感じられる調子でマイペースに零し )…へえ、…あんた、現地の奴じゃないな。…またあの兄貴がクソな手で引っ掛けてんのかと思った…
( 相手の言葉に耳を傾け自然と頬を緩めながらその背に続き足を踏み出し / あまりの気配の無さに反応が遅れ気付いた時には手首を掴まれており、まるで誘導されるように路地裏に引き込まれれば瞠目しつつ警戒心を剥き出しに其方へ視線を遣り / 反応ができなかった事に我ながら驚きながらも他人に触れられた嫌悪感も相俟って鋭い視線を向けたが、目の前にある見れば見る程覚えのある面立ちに言葉を失い / 呑気に零される声の半分は耳に届かなかったものの辛うじて意識の内側に入り込んだ単語に気を引かれると僅かに警戒心を緩め )は、……兄貴?
そう、……兄貴。この顔見たら大体分かるな、( 少し顔を離し、片手で眼鏡を外すと相手の言葉を復唱するように呟いて / 鼻先を相手の肩に近付け何かを確認するようにすん、と嗅ぎ / ぱっと顔を上げると途中から独り言のようになりながら首を傾げてのんびりと推測し続け )…ん?あんた、…どういう経緯でジャックの毒手に引っかかってるんだ?ギャンブル?人身売買?まさか色恋沙汰か…?
…紹?( 相手の姿が見えないことに気付くと途中で足を止め慌てたように振り返り / はぐれたのかと人混みを分けながら来た道を戻り / 流石にすぐには見つけられず周囲への聞き込みを優先する方針に変えて / 相手の特徴を通行人に伝えては焦ったように姿を探し )
…あァ、まあ大体はな。( 相手の言葉に至極適当に返しながら感心したような様子でまじまじとその面立ちを眺め / 相手が肩口に顔を遣ることで視界から消えれば然して抵抗もせず動向を窺っていたが独り言のように零される言葉には肩を竦めて答え / 直ぐに意識は飛行船と姿が見えなくなった相手の事へ傾き路地裏から僅かに顔を出して周囲にその姿を探しながら告げ )大した経緯じゃねぇよ、俺のモンになって、って言われたから了承してやったンだ。…もう良いだろ、これから飛行船乗ンだよ。
…へえ、アレがそこまでストレートに。興味が湧いたな……、( 相手の言葉に驚いたように目を見開いて / 再びぐっと顔を近付けて全身を眺め / 表の道へと向いた相手の顔に両手を伸ばしては此方へ向けさせようとして / 成功するならば互いの唇に触れる直前まで鼻先を近付け )
んだよ、はぐれ……( 路地裏の一つから顔を出している相手を目敏く見つけると小走りで駆け寄り / 身勝手な文句を口にしようとした直後、背後から見ても己によく似ていることが分かる背格好に気付けば苦々しく顔を歪め / 相手の手首を掴んでそのまま背に庇おうとし )…ジュード。どういうつもりだ?
…おい、離れ…ッ、( 直ぐに見つかるものと思っていた相手の姿が人混みによって容易には探し当てる事ができず、思えば脱獄をしてからと言うもの相手の所在が分からない状況自体が初めてでその事実を認識した途端得も言われぬ不安に駆られ / 此処に至り漸く焦りを感じ始めた時頬に触れた手によって行動を妨げられれば不機嫌さを露わに其方へ目を向け / 想像以上に互いの距離が詰められている事に気づけば反射的に身を引くもつい先刻と同様に手を引かれるのと同時に聞こえて来た声に安堵を覚え大人しくその背の後ろへ引っ込み / 早鐘を打つ心音を鎮めるように細く息を吐き出し )
…兄貴の毒牙を心配してただけだ。…それとも何だ、柄にもなく真剣交際ですとか抜かすか…?( 背に引っ込んだ相手の顔を覗き込むようにしながら挑発するように口角の片端を上げ / 兄の顔と見比べながら近くの壁に片方の肩を預け / ふと視線を上げると相手にだけ見えるように口元で『紹』と象り )
…うぜえな。俺がどうしようと勝手だろ。コイツにはもう関わるなよ。( 相手を掴んだままの手に力を込めて弟を睨み / もう話すことは無いと言うようにくるりと背を向けるとそのまま相手を引っ張って路地裏から出ようとして / 背に視線を感じながら通りに出ると独り言を呟き )…予約の時間、逃しちまったわ。
( 相手の物言いに流石に反感を覚えるものの口を開く雰囲気でない事を察し不快そうに顔を顰めるに止め / とは言え血縁者でありながら一体どういった関係性なのかと双方の遣り取りを半ば傍観する思いで眺めていた最中、ふとその唇が自らの名の形に動くのを目に留めると片眉を上げ / 早々に歩き出す相手に合わせ手を引かれるまま路地裏を出ながらも肩越しに横目で路地裏を見遣り / 既に意識は飛行船よりも初めて見た相手の血縁者の事に傾いており揶揄とも冗句ともつかない声で述べ )…お前と違って随分親切心溢れる奴だな。
親切心?野心と征服欲と略奪欲、それに性欲の間違いだ。( 路地裏から出ると相手の言葉に低く返しながら繋いだ手を離さないまま近くのベンチに座り / 相手にも座ることを視線で促して / 手を解くと相手の唇に親指の腹で触れ )どこも触られてないだろうな。
────
遅くなって悪い。一ヶ月弱も留守にしていたし、お前はもう居ないかもしれない。そうなっていても当然だとは思うが、謝罪と返事の言葉を残させてもらう。
もしお前がまだここにいるのなら、もう一つ付け加えたい。前までのペースで返事をするのはもう無理そうだ。一ヶ月に一度のペースになるかもしれないし、下手をすればもっと期間が空くかもしれない。それに、前までみたいに展開を運べるかどうかもわからない。
そんな不安定なスケジュールしか伝えられないんだ、すまん。だからこの文を見たとしても、そのままスルーしてこの場所自体を忘れてもらっても構わない。もちろん、お前に疑問や不満が残っているならそれには答える。
お前と大差ねぇだろ。( 場の空気にそぐわない軽口を零しながら促されるまま隣に座り / 唇に触れる手を鷲掴むとその掌に頬を添わせるように寄せ / ぼんやりと記憶を辿りながら問いを返し )触られはしたよ。何か問題あんのか。
──
別に良い。俺もそれなりに忙しくしてたし、お前が居なくてもまァある程度気は紛れたからな。
ンで、諸々了解した。別に返事なんかいつになっても良いぜ、どうせお前から離れる事を選ぶなんて無理な話だ。
ただ、お前がもうこの場所に然程楽しみを見出してねぇなら立ち去るのも吝かじゃねぇ、って事だけは言っておく。義務感やら義理みてぇなモンでお前に負担掛けてンだとしたら、それは俺としても本意じゃねぇからな。
どっちにしたって俺が此処を終わらせる決断はできねぇし、終わらせンならお前から終わらせてくれ。嫌な役回りを押し付けちまって悪いな。
( 聞いた途端にあからさまに眉を顰め / ?に触れる手はそのまま、相手の身体を抱き締めて / 不満を露わにするようにきつく締め上げ )……ある、触らせんな、俺のだろ
─────
どっちにしたって……のあたりから言えるのは俺も同じだってことだ。ただ、楽しみと言うよりも展開を考え辛くなってきたのが多少ある。これからどう言う風に舵を取っていくか、とかそういうのにちょっと手詰まってんだ。俗に言うスランプってやつかもしれないんだが、こんな状態でやり取りしてんのもお前に負担をかけるかもなぁ……ってことで、身を引くかどうかは迷ってる。情けなくて悪いな、これが今の正直な俺の心境なんだ。
顔覗かせてみるわ。まぁ、達者で居ろよくらいしか言えねえんだけどな。返事とかを欲している訳じゃねえが、俺の都合で色々悪い、くらいは残しておく。いつかふと思い出したら嘲笑ってやってくれ。
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