乙種七類型調査隔離　──番、〆

( 罵倒も相手を前にしては何の意味も無い事は理解しており憮然とした表情を浮かべ / しかし不意に髪に指が触れると反射的に目を細め / 掛けられる言葉に絆されそうになるのは疎か心地良さすら覚える自分自身に途轍もない自己嫌悪を覚え顔を顰めると、その手を振り払う事はしないまでも逃げるように顔を背け )

……そんな顔するなよ、褒められるのは嫌いか？( 幾度か目にした表情に困ったように眉を下げては背けられる顔の鼻先に人差し指で軽く触れ / 相手の脳裏に擦り込むよう掠れた声で繰り返し / 鼻先に触れていた指先を肌になぞらせ相手の唇へと落とし、とんとんと軽く端を叩いて )…余計なこと考えんな。俺の言う事聞いてろ、気持ちいいことだけ考えとけ。

( 問い掛けにも口を開くことは無いものの鼻先に触れる指の感触に僅かに表情を和らげ / 耳から直接吹き込まれるようなその声に自然と身体中の力が抜けるようで僅かに瞼を伏せ / 顔を僅かに其方へ向けると唇の端に触れる指先へ歯を立て )

……ふ、( 指先に感じる硬質な感触に僅かに笑みを零すと噛ませたままに親指の腹で相手の唇を押しなぞり / 少し上体を起こすと位置を調整し腕を伸ばして再び髪に指を通し / 相手の身体の上に体重を掛けて逃げられないよう固定すると上から覗き込むようにして視線を合わせ / 下腹部を焦らすように足で押し込みながら口元に薄く笑みを刷き )…ちゃんと気持ちいいって言えるな？

( 然して抵抗も無ければ唇を撫でるその動きを制止するように僅かに力を込め / しかし髪を撫でられれば呆気なく力が抜け唇を薄く開いたままその心地良さに意識を傾け / 脱力している間にあっと言う間に動きを封じられるも抵抗するでも無く視線を絡め / 下腹部への緩やかな刺激に僅かに鼓動が跳ねる一方で問われるまま短く答え )…言える、

良い子だ。…ほら言ってみろ、( わずかに抵抗の意思を見せるものの直ぐに此方に意識を預ける様子に思わず目元を弛ませ / 緩く刺激していた臍下を一際強く突き上げると首を傾げて先に示した言葉を匂わせ / 唇に当てた手を顎の下に向かって辿るように触れさせやがて喉仏の隆起に押し当て )

( 本来なら快楽を得ようはずも無い程度の刺激にも関わらず僅かに背筋が震え、僅かに眉を寄せて熱の籠った息を漏らし / 思考が緩やかに停滞していくような感覚の中で喉元に触れられるとそこから体温が上がっていくような錯覚にすら陥り、促されるままに何処か惚けたような声色で告げ )…気持ち良い、

…よしよし、偉いな。( 自身の言葉をに従う様子を見れば征服欲が満たされると共に一層欲が煽られ / 凹凸に沿って撫で上げる傍ら繰り返し褒め言葉を口にして / そのまま掌を相手の上に滑らせ / 拒絶の言葉が口にされないのなら奥から迫り上がる欲望のまま、相手が泣こうが喚こうが行為を止めないつもりで目を細め )

( 褒め言葉は先程よりも甘さを帯びて脳裏に響き、撫でるように触れられる手付きの心地良さと相俟って思わず恍惚と目を細め / すっかり脱力してしまえば相手の思惑も知らずにその手に身を委ねるように目を伏せ )

──

……( 散々に乱したシーツの上で欠伸を一つ零して徐ろに起き上がり / 昨夜散々良いように弄んで啼かせた相手の様を思い返しては自然と口角を上げ / 昨日に続き日も高く昇っている中相手を起こさないようにベッドから抜け出すと二つのカップに水を入れてベッドサイドのテーブルに置き / 端に腰掛けながら相手が起き出すまでその髪を撫でており )

( 体力を使い果たした末に気絶するように眠りに就いていたが髪を撫でる感触に僅かに意識が浮上し / 喉の乾きと微かな痛みによる不快感に目を覚ますも普段通りに寝返りを打とうとした体が動く気配は無く / 半覚醒状態のまま全身が軋むような微かな痛みと酷い倦怠感に襲われれば顔を顰めて呻き声を漏らし )──…う゛ぅ、

( 苦悶の声を耳にすれば片眉を上げ相手の腰に手を伸ばして緩やかに摩り / 流石に無理をさせすぎた自覚はあるのか少々心配げな表情を浮かべ / 相手がどうやら起き出そうとしていると見れば妨げにならない程度の声で問い掛けて )…水飲むか？

( 腰を摩る手に相手が既に起きているらしい事を察すると重い瞼を上げ / 問い掛けには掠れた声で短く答え )…飲む、

( 返答を聞けば先程のカップの取っ手に指を引っ掛け / 片腕で相手の腰を支えるように起こすとカップを口元に近づけ )

( 相手の手に身を任せながら体を起こすと唇に触れたカップから水を飲み / 数回喉を鳴らした後に口を離すとそのまま相手の方へ凭れ肩に頭を預け / 目を伏せると小さく呟き )…腹減った。

飯頼むわ。( 大人しく身を預ける様子にこの状況まで追い込んだのが自身にも関わらず口元が緩み / 端的に答えると相手の頭を撫で、立ち上がって備え付けられている電話の方へと歩いていき / 昼食というより夕食を兼ねた食事を持ってくるように頼むとまた相手の座すベッドへと戻って )

( 頭を撫でる手に目を細めながらも相手が離れてしまった事に関しては些かの不満が残り僅かに表情を曇らせ / 手持ち無沙汰にベッドに座った体勢のまま未だ眠気が残るのかゆっくりと瞬きを繰り返し / 相手が戻って来れば其方へ緩く両腕を伸ばしながら何とも身勝手な文句を零し )…離れて良いって言ってねぇだろ。

……甘え上手。( 伸ばされた両手に笑みを零すと空いた腰に両腕を回しベッドに乗り上げるようにして相手の身体を抱き締め / 抱き締めたままとんとんとゆっくり背を叩いて / 昨夜の相手の様子を思い返しながら耳元で囁き )悪いな、お前が可愛くてやりすぎた。

…横ンなりてぇ。( 相手の体温に包まれれば肩口に頬をのせて目を伏せ / 背を叩く手に眠気を催しながら端から自ら体勢を変えるつもりは欠片も無いとばかりに告げ / 耳元で聞こえる声に昨夜の有様をぼんやりと思い返し込み上げる羞恥に顔を顰め )やり過ぎたで済まされると思ってンのか。

( 先程起こしたばかりの身体を慎重に横たえさせると位置を調整しながらベッド端に再度腰掛け / 髪に指を通し柔らかい声音ながら勝手な言い分で首を傾げ )割と思ってる。許してくれるだろ？