乙種七類型調査隔離　──番、〆

どうだろうな。どっちにしてもお前よりは遥かにリスクが少ねぇやり方してたと思うぜ。( ゆるりと首を傾げ答えると笑みを浮かべて相手の鼻筋を人差し指の背で撫で / 顎に触れる指へ促されるまま視線を向け / 片眉を上げ相手の髪に指を通し )俺はお前に甘やかされンのが好きなんだけどなァ。

リスクの種類が違うだけだ。( 鼻先の感触に微かに口元に笑みを浮かべながらも往生際悪く反論して / 此方を見据え僅かに変わる表情に肩を竦めて )ヤッてる時は甘やかしてねえとでも？あんなにイイ声で啼いてるくせに。

…まあそういう事にしといてやるよ。( 水掛け論になるのが目に見えわざとらしく肩を竦めると相手の唇の端へ口付けて告げ / 相手の言葉に否が応でも自らの醜態が思い起こされると表情を歪め )…今そんな話してねぇだろ。

…、( 相手の物言いに自身の大人気なさを自覚しながらも特に何も言わないまま唇を喰み返して / 緩く首を傾げると相手の首筋に指を這わせて手慰みに筋を辿り )してるよ、甘やかして欲しんだろ。よしよしされながら抱かれたいって事じゃねえの。

…どっちにしたってお前の最後の相手は俺だからな。( 目を伏せて此方からも一度唇を食むと触れ合わせたまま笑みの混じる声色で囁き / 首筋をなぞる指先に僅かに肌が泡立つとその手を掴み制止し )そこまでは言ってねぇ。それといい声とか言うな。

当たり前だろ、お前もだぞ。俺を最後にするからには余所見すんなよ。( 相手の言葉に機嫌良さげに返すと鼻先を擦り付けて / 掴まれた手は振り解かないまま素知らぬ振りで問いを重ね )じゃあどうしてほしんだよ。…何でだ？

…お前は俺がどんだけ欲張りか知らねぇのか？( 小動物が甘えて擦り寄ってくる様を想像してしまうその仕草に頬を緩めながら問い掛け / 白々しい問いに一層顔を顰めると普段よりも明瞭な声色で言い切り )…別に何もしなくても良い。お前が俺のモンで、お前の近くに居られれば十分だ。…説明してやんなきゃ分かんねぇか？俺は自分の声が好きじゃねぇからだよ。

…知らねえから示してくれよ。( 相手の頬に片手を伸ばすと瞳を合わせて僅かに笑み / 相手の言葉を聞き届けるもその言動の一部には些か納得がいかず片眉を上げ / 首に触れていた指先を喉仏へと触れさせ照準を合わせると耳元に唇を寄せ )慎ましいことで。……俺はこれが好きなんだが。もっと聞きたい、乱れさせたいって思うくらいには。

人間とは思えねぇ程ツラが良くて体も声も俺好み、その上キレ者で世渡りが上手くて可愛くて性格悪ィとこまで様になる、何よりも俺を優先できてどんだけ無茶言ったとこで俺から離れて行かねぇ器がデケェ奴。そんなの何処探したって他に居ねぇだろ。( 頬に触れる掌へ擦り寄るように頭を傾けながら滔々と言葉を並べ / 声色や表情から釈然としない部分があるのであろう事は察しゆるりと首を傾げ / 喉元へ触れる指先と耳元から直接吹き込まれるような声に再度肌が粟立つような感覚を覚えながら距離を取るように僅かに身を引き )…何だ、言いてぇ事があンなら言えよ。…お前が好きなのは分かってるって、

そりゃな。…お前は何しても俺から一切離れていかないのか？( 相手の賛辞とも取れる言葉を一切否定せず受け取るとふと脳裏を過った疑問にそのまま首を傾げて / 僅かに離された距離に微かに笑みを零し / 首筋に触れた指先を凹凸から上になぞり上げると悪戯げな調子で促して )俺はそれじゃ足りねえってだけだ。……なら俺のためにもっと啼いてくれよ。ほら、ワン。

離れはしねぇよ。殺すか死ぬかはするかもしれねぇけどな。( 不意な問いかけに目を瞬かせるも当然のように答え / 告げられた返答に思案するように視線を虚空へ遣り答え / 肌を這う指先に否が応でも絆されかけると顰めた顔を相手から背け逃れるように拾いソファの上を後退り )…別に俺だってそれだけで満足するわけじゃねぇよ。…煩い、やめろ。

…お前に殺されるなら本望だが、お前の最期を俺が贈ってやりたくもあるな。( 独り言のように呟くと何となく相手の頸動脈の当たりに目を遣り / 相手の退路を断つように片手の手首を掴むとソファの上に片膝を乗り上げて逃げを封じ / 其の儘体重を掛け相手の身体をソファ上に押し倒してしまおうとして )お前の満足ってのは何処にあんだ？…こら、逃げるな。

…別に良いぜ、お前が確実に後追いすンなら。( 何処となく意外そうに眉を上げるも直ぐに笑みを浮かべるとゆるりと首を傾げ / 問い掛けへ肩を竦めて答え / 掴まれた手を振り払う間も無く此方へ体重を掛けられれば遠ざかろうとしていた自重も相俟って呆気無くソファに背を沈め / 不満げに眉を寄せて相手を見据え )さぁ、何処だろうな。俺は今でも十分すぎるくらいイイ思いしてっけど、もう要らねぇかと言われたらそういう事にもならねぇし。…何だよ。まだ俺のみっともねぇトコを見てぇって？

なら見張っといてくれ。…お前ってそもそも死ぬのかよ。( 再度湧き出た疑問に首を傾げて / 難なく倒れ込んだ身体に笑みを零し / 不満気な視線を受け止めながらも掴んだ手はそのままで / 相手の首筋に顔を埋めると髪を擦り付けながら囁いて )俺に良いようにされんのもイイ思いの内か。……お前の可愛い所が見たい、俺のために可愛く啼いてくれるよな？

当たり前だろ。お前ら程脆くねぇけど、多少頑丈で治癒が早いってだけだからな。再生が追い付かなきゃ失血死するし、心臓が止まったら普通に死ぬ。( 問い掛けへ小さく頷き / 相手を睨み付けるものの首元へ擦り寄られる感覚にどうにも表情が緩んでしまい力無く顔を歪め / 問い掛けに直接的な返答はしないまま恨み言のように呟き )…何でも都合良く考えンなよ。……そう言えば俺が言う事聞くと思ってンだろ。

……なるほどな。まあそれなら良いか。( 相手の生態というものは未だに良く分からないもののひとまず不死ではないと納得すれば同じ様に頷いて / 相手の身体にじわじわと体重を乗せながらもう片方の手を上服の裾から滑り込ませ胸元に這わせて )違うのか？お前だって俺が可愛く強請んの好きだろ。

…何が。( 口にされた言葉の意図が分からず目を瞬かせ / 身動ぎせずに居れば着々と体の動きが封じられていくのを感じながらも今更抵抗の気も起きず視線を伏せ / 鼓動が速まるのと同時に肌が粟立ち抗い様の無い感覚に目を細めながら短く答え )…好きだよ。

俺が殺せる。( 端的に疑問への答えを口にすると相手の頬に口付けて / 伏せられた視線の先に笑みを漏らし / 首筋に触れていた指を上に滑らせ頬を辿ると其の儘相手の髪に指を通して / 胸元に這わせた指で心臓の辺りを柔く押し込みながら肌を擽り )…ふ、可愛がられるの好きだもんな。もう蕩かされんのにも慣れただろ？

へぇ、そのつもりがあンのか。( 平然とした返答と頬への口付けに愉快げに笑むと片手を相手の頬に添え親指で目元を撫でながら告げ / 頬から髪へと振れる手に意識を傾ければ自然と表情も緩み心地良さに何処か恍惚と目を細め / 一方で胸元を擽る手付きは欲を煽りまんまと思考が溶けていくような感覚を味わいながら先程よりも威勢に欠いた声で告げ )…お前のせいだろ、

保険だ。万が一他のヤツに殺されるようなことがあってみろ、つもりどころか確実に息の根を止めてやる。( 少々矛盾しているような言葉を躊躇なく言い切ると触れた手に目を細めて擦り寄り / 少し勢いを欠いた声音に笑みを零しながら相手の脚の間に自身の脚を割り込ませて / 耳朶に唇を触れさせながら潜めた声で囁き )俺以外のせいであってたまるか。……好きだよ、紹。お前の声も、顔も、心も全部。