乙種七類型調査隔離　──番、〆

気が向けばな。なかなか面白かったぜ。( 結局は気分の問題なのか端的に答えてしまうとある程度水気の取れた髪に押し付けるようにしてからタオルを仕舞い / 簡単に相手の髪を整えては独りでに頷いて / 相手の頬に口付けを落として笑み混じりに言い添えながらフライヤーを鞄に突っ込んで )終わりだ。…お前も世話焼かれんの慣れたよな。

( 相手の返答にぼんやりと耳を傾けながら想像を巡らせ / 頬への感触と相手の声に現実へ引き戻されると笑みを浮かべて相手の首元へ唇を寄せ )お前の思惑通りだろ。

そうだな、まんまと嵌ってくれてありがとよ。( 笑みを漏らしては相手の髪に指を通し / 髪を撫でながら一つ欠伸を零して呟き )…寝るか、そろそろ。

( 髪に触れる手に目を細め / 相手の欠伸につられて危うく眠気を催しかけるもふと眉を寄せると不満げに其方を見遣り )…はァ？寝ねぇよ。

( 尚も相手の髪を撫でながら緩く首を傾げて / 悪戯げな調子で惚けた言葉を口にして )夜更かししてえの？絵本でも読んでやろうか。

( 髪を撫でる手に幾分か表情を和らげながらも意図的と分かる的外れな問いに一層顔を顰め )…お前どんだけ性格悪けりゃ気ィ済むンだよ。

お褒めの言葉どうも。何もねえなら俺は寝るぜ。( 益々顰められる顔に笑みを漏らし / 相手の言葉にも特に弁明するつもりはなくソファからゆっくりと腰を上げて )

…ある、( 立ち上がろうとする相手の腕を反射的に掴むも躊躇うように視線を泳がせ )

( 掴まれる腕に目を細め / 相手に目線を合わせるように腰を屈めて / 相手の言葉を待つつもりで視線で促し )

( 未だに自ら強請る事への拒否反応が止まず鳥肌すら立つような心地で顔を顰め / 束の間の無言の後消え入るような声で告げ )……抱いてくれ、って、言っただろ、

よく言えたな、偉い偉い。( 葛藤が目に見える声音に喉奥で笑みを燻らせ / 対面に座る相手の背に腕を回すと言いながら宥めるようにとんとんと叩き / そのままするりと後頭部に手を回すと相手の唇に啄むような口付けを落として )

( いっそ消えたくなる程の羞恥と自己嫌悪が拭えず顔を顰めたまま此方からも軽く唇を食み )

んな顔すんなよ、そんなに不満か？( 鼻先を擦り合わせながら宥め賺すように告げて / 口付けを繰り返しながら片腕で相手をソファに沈めようとし )

…二度とあんな事言わせンな。( 鼻先が触れ合うと目を伏せ返答の代わりに低く呟き / 大人しくソファの座面へ背を預け )

俺はお前に言われんの嬉しいんだけどな。…それとも抱かれんのは嫌ってことか。( 相手の言葉にも譲ってやるつもりはなく一拍置いた後意地の悪い問い掛けをして / 相手の身体の上に半分体重を掛けるようにして伸し掛かると肩口に顔を埋めて甘噛みを繰り返し )

嫌じゃない。…お前にダセェとこは見られたくねぇンだよ。( 問い掛けへ無駄な羞恥を覚える前にほぼ反射で答え / 相手の体の重みと体温に心地良さを感じながら天井を見詰め / 肩口を甘噛みされる僅かな擽ったさに相も変わらず簡単に絆され自然と表情の険しさが消えていく中手遊びに髪を撫でながら、この先も消える事は無いであろう想いを寄せる相手の前で良い格好をしていたいという至極単純な見栄を口にして )

…お前は可愛いし格好良いよ。何をしようとダセェなんて思わねえから安心しろ。( 相手の言葉に瞬きを落とし / やがて理解が及んだのか笑みを漏らすと相手の背に手を回し服ごと捲るようにしなが掌で背筋を辿り / 胸元まで捲り上げた中途半端な所で止め / ろくな事を考えていない事が分かる笑顔で首を傾げて )…どこ触られたい？お前の感じる所、全部教えろ。

…お前からそう見えてンのは分かってンだよ。( 相手から見た自分自身がある程度美化されているらしい事は理解していても見せたくない事には変わりなく眉を寄せて呟き / 背筋を伝うような手の動きにそこから微かな快感が湧き上がるような心地を覚えて目を細め / じわっと体温が上がっていく感覚に身を浸していたのも束の間、不意な問いかけと確信犯と分かる笑みに顔を顰めては僅かに口籠った後ぼそぼそと口にし )…お前に触られて感じねぇとこなんかねぇよ。

なら恥ずくて死にそうってだけか。慣れろ。( 何を言われようとも今後相手に要求する事は変わりなく遠慮の欠片もない言葉を口にして / 予想していなかった言葉に束の間面食らったように黙り込み / 興奮から自然と捕食する直前のように瞳孔が開き / 相手の唇に自らの唇を重ね反応が来るよりも早く舌先を口腔に捩じ込み / 軽く舌同士を擦り合わせた後一度唇を離し、手の甲で拭いながら呟き )…お前煽り立てんの上手いな。

慣れねぇよ。言わせンなって言ってンだろ。( 強ち否定もできない身も蓋も無い物言いにも反論はあるが何よりも次があるような台詞が聞き捨てならず顔を歪め / 自らの発した言葉と沈黙に居た堪れなさが募る一方で目を伏せながら何かしら言おうと口を開きかけた時、重なる唇と割入って来る舌先の感触に僅かな息苦しさを帯びた息が漏れ / 意識が丸ごと絡め取られるような感覚の中唇が離れて行くと相手を見遣り口元を拭う仕草に妙な昂ぶりを覚えながら答え )…ンな事わざわざしねぇよ。お前を煽ったところでロクな事がねぇからな。