ジャック 2023-10-06 23:38:18 |
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そりゃ俺も好きだよ。お前を抱いてんのに気持ち良くない訳ねえし。…違う。それもだが、抱いてくださいってお強請りしろって言ってんだ。( 真意を聞けば納得するも相手を抱く際に快楽を感じない等あろう筈が無く片眉を上げ / 否定のような言葉にも譲るつもりはないのか両手で相手の頬を挟み目を合わせて言い聞かせ / 相手の言葉に瞬きを落としてはクスクスと笑みを漏らして )…随分長い旅路になりそうだ。
けど俺は下手だろ。……できると思って言ってンのか?( 自分より相手がこれまで関係を持った人間の方が手馴れていたであろう事を思えばゆるりと首を傾げ / 頬を挟まれると大人しく相手を見据えるも告げられる言葉へ苦々しく顔を歪め / つられるように吐息のような笑みを漏らし )その方が良いじゃねぇか、飽きねぇし。
何だ、んなこと気にしてんのか?慣れてねえから俺好みに仕込んでんだ、その内下手でもなくなるぜ。…お前が誘うまでシない。( 否定はしないまでも自身の思惑を明け透けに話してしまえば肩を竦めて / 言い切ってしまうと本気で相手からの言葉を待つつもりなのか目を細め / 相手の言葉に頷いている内に目的地点に到着したのか車輪の音が止み / 運転手の掛け声と共に扉を開けると薄暮の頃合いなのか薄暗くなった道が目に入り / 少し歩いた先の周辺一帯は歓楽街と言って良く目に眩しい街灯が立ち並んでおり )
…簡単に言うなよ、( あまりにも身も蓋もない返答に何とも言えない複雑な心境で口を噤み / 確固とした物言いに逃げ場が無く視線を逸らしてぼそぼそと反感の混じる一言を漏らし / 不意に車の動きが止まれば周囲へ視線を走らせ / 開いた扉の先へ視線を遣ればこれまで居た土地とはまた違った趣の風景をぼんやりと眺め )
好きな奴に誘われたい男心だ。お前も男なら分かんだろ?( 相手の矜持の為せるものか反骨心を感じる一言に笑みを漏らしては一度甘えるように肩口に頭を擦り付けて / 夜の様相は商売女の掛け声や酒場の盛り上がりを含んだ騒がしい様相を呈しており / 茫洋とした様子の相手の腕を引くと宿の集まる場所へ歩き出し )んなボーッとしてたら良いカモに思われるぜ。
( 相手の言い分も分からないでもないがだからと言ってすんなり口に出せるかは全くの別問題であり困り果てたように視線を泳がせ / 形こそ違えどその雰囲気は長年身を置いていた場所に似通った物があり殆ど無意識に過去の記憶を辿っており / 不意に腕を掴まれた事で現実に引き戻されると笑みの混じる声色で返しながら相手の後に続き )俺自身が餌になるならそれはそれで都合良いな。
…餌で何を釣るつもりなんだろうな。( 相手の様子を眺めながらも譲ってやる気はないようで何の声を掛けることもなく / 告げられる言葉に瞬くと悪戯げに笑みを零し上機嫌に呟いて / やがて目処を付けた小さいながら清潔感を感じさせる宿の前で足を止め / 迷いなく扉を潜ると受付へと歩を進めて / 交渉を進めながらふと相手の方を振り返り )飯、部屋で食うのと外で食うのどっちが良い?
──、抱いて欲しい。…何だろうな。こんな場所なら釣れンだろ、色々と。( この時間が長引けば長引く程に居た堪れない思いが膨らむのだろうと思うとこのまま黙りを決め込むのは得策とは言えず、かと言って面と向かって強請る等簡単に出来る気もしなければ相手の肩口へ顔を埋めて籠った声で短く口にし / 周囲へ視線を遣りながら目を細めて呟き / 相手に続き宿へ足を踏み入れ / 周囲へ目を走らせていたところ声を掛けられれば端的に答え )部屋。
よしよし、よく出来ました。けど部屋着いてからもう一回な。…釣った後は俺に構えよ。( 葛藤とともに押し出された言葉に目を細めるとそれで勘弁してやる慈悲もなく、顔を伏せる相手の髪に指を通して答え / 呟きにあまり相手の時間を横取りされては堪らないと感じたのか釘を差し / 端的な答えに頷くと部屋に食事を運ぶよう頼み鍵を手にして / 部屋へと運ぶ滑車の仕組みを流用した浮遊する筐の中へと乗り込み / 大きい物を運ぶ場合もあるのか内部はそれなりの空間で赤い敷物が敷かれており / 相手が乗り込めばやがて振動とともに目的の部屋へと向かって動き出し )
…二度と言わねぇよ。…可愛い奴。( あまりにも無情な一言に顔を顰めると早々に体を離し熱を感じる頬を冷ますように顔を背けると低く呟き / 予想していなかった一言に目を瞬かせると小さく笑い人差し指の背で相手の鼻筋を撫で / 歩き出す相手に続き箱の中へ足を踏み入れれば不意に感じる振動と僅かな浮遊感に小さく声を上げ )っうわ、
お強請りしろって言っただろ。それともお前、そんな事もできねえ腑抜けなのか?( 扇動するような言葉とともに緩く首を傾げて笑みを漏らし / 鼻筋を撫でる掌に機嫌良さげに口角を上げ / 驚いたような相手の声に自身の腕を示し )怖えなら掴まってろ。
…腑抜けじゃねぇよ。そンくらいできる( 煽り立てるような問い掛けにまんまと表情に不満の色を浮かべると勢いのまま答え / 機嫌の良さそうな様子に目を細めて鼻先へ口付け落としてから手を下ろして / 怖がっていると取られるのは些か癪に障り否定を口にしながらも相手の腕に手をかけ )…そういうわけじゃない。
言ったな?一度口にしたことは守れよ。( 言質は取ったとばかりに釘を差して / 相手の言葉に笑みを零すとそれ以上は何も言わないままで / やがて硬質な金属音と共に目的の階へと到着すれば筐から降りて / 鍵に書いてある部屋番号の部屋へと歩を進めて / 室内の様相はモノトーンルックで統一され、周辺の演者が利用する場であることに関係してか内部に簡易的な照明設備と舞台が設置されており / とはいえ現時点では使う予定もなく早々に荷物を落ち着けるとソファに座り込み背凭れに身を預けて )
( 念押しされてしまえば淡い後悔を抱くものの今更撤回できるはずも無く決まり悪そうな表情で口を閉ざし / 僅かな浮遊感が消え箱の動きが止まったのと同時に歩き出す相手に続き部屋へと足を踏み入れ / 落ち着いた雰囲気ではあるものの他の宿には見られなかった設備に目を瞬かせつつ相手の横へ腰を下ろし / 背凭れへ頬杖をつき室内の様子を眺めながら感心したような声色で呟き )…此処でも稽古すンのか。
するヤツはするんじゃねえの?死物狂いで売れたいって奴とかな。( 相手の声に緩く首を傾げてそちらに目を遣り / 大掛かりではないもののそれなりに整っている設備を確かめながら指を差し )…使ってみるか?
…へぇ、すげぇな。( あまりにも自分とはかけ離れた存在の影を見るような妙な感覚で設備を眺めながら気の無い声を漏らし / 問い掛けへ目を瞬くと相手へ視線を移し )使い様がねぇだろ。何すンだよ。
売れなきゃ死ぬしな。( 強い言葉とは裏腹に大して興味も無さそうに答え / 問い掛けへ徐ろに立ち上がるとスポットライトを何やら弄り始めて / 簡易的な舞台を模した板のセンターに向けて顎をしゃくり )お前そこ立て。
…確かになァ。( 唐突な言葉に僅かに瞠目するも背景を鑑みれば決して珍しい事ではないように思え小さく呟き / 不意に立ち上がる相手を見上げその動向を目で追うも躊躇いも無く器具を弄り始める様子をぼんやりと眺め / ふと声を掛けられると依然として相手が何をしたいのか理解に及ばないまま取り敢えず立ち上がり示された通り舞台の中央へと歩を進め )
( 相手が中央に立つのを確認しては再び器具を弄り / 強く眩しい光が相手の立つ部分に当たるとそのタイミングで食事が運ばれてきたらしくノックの音が響き / 相手の反応を待つことなく此方の動向に構わず食事を運んでほしい旨を告げ / 恐らくマスターキーによって開けられる音と共にテーブルへと皿が並べられていき / 特に声を掛けられる事はなくとも従業員に此方側の目的を誤認させることが目当てだったらしくライトの光を絞りながら目を細めて )……これでお前は役者だと思われたな。
( 相手の意図が掴めないまま舞台中央で棒立ちになっているも不意に強い光が向けられれば顔を顰めて目元に掌を翳し / 同様なタイミングで入ってkチア従業員と相手の会話を耳に入れては若干の戸惑いを浮かべながらも一先ずは何を言うでもなくその様子を見守り / やがて光が弱まると相手へと視線を向けつつ告げられた言葉に片眉を上げて苦言を呈し )…そういう事は事前に言え。
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