乙種七類型調査隔離　──番、〆

…どんな思いだよ。( 耳元の感触に微かな笑みを含んだ声で問い返し / 掴まれた掌に束の間視線を遣り / 相手の仕草を真似るように鼻先を擦り合わせて )もっとタチ悪いよ、お前のは。

自由ってこんな感じかァとか、好きだとか幸せだとか、一生こんなんが良いとか、お前が居なくなったら生きていけねぇンだろうなとか、そういうのだよ。( 目を伏せて相手の首元へ顔を埋めると普段よりも幾分か籠った声で並べ / 鼻先が触れ合う感触に笑みを零すとわざとらしく眉を下げ )ンな事言うなよ。可愛い俺がお前に甘えてぇって言ってンのに。

……、( 零される言葉に込み上げてくる諸々の感情を言語化出来ずにいれば代わりとばかりに再び痛い程の力で相手の身体を抱き締めて / 相手の髪に手を回すと息を吐きながら身勝手な言葉を零して )可愛いからタチ悪いんだろ。明日に響くからって我慢してやってる俺の努力を讃えろ。

…痛ぇって、( 抱き締められる力に再度息苦しさを覚えると小さく笑みながら片手で相手の背を軽く叩き / 髪に触れる手に目を細めながら相も変わらず笑みの混じる声色で答えると軽く唇を重ね )へぇ、待てができるようになったのか。偉いな。

…お前が悪い、( 頬に昇った熱を自身でも明確に自覚しながら抱き締める腕の力は弛めず顔を伏せて / 重ねられる唇に目を細めて / 啄むような口付けを繰り返し )……早めによしって言わねえと噛み付くからな。

…照れてンの？( 相手の耳元を擽るように撫でながら口角を上げ問い / 繰り返し触れ合う唇に吐息のような笑みを漏らし / 告げられる言葉へ尚も笑みを浮かべ )そうだなァ。お前の我慢が利かなくなる前に食わせてやるよ。

…うるせえな、( 否定も肯定も出来ず眉根を寄せては肩口に柔く牙を立て / 告げられる言葉に緩く首を傾げ / 目を細めながら独り言のように呟いて )……俺も躾けられてるよなぁ。

ふ、…顔見せろ。( 声色からその表情が容易に想像できれば笑みを漏らし / 僅かに感じる硬質な感触に目を細めては僅かに身を引き / 言われてみれば否定もできずくすくす笑いながら頷き )最近良い子になってきたもんな。

( 相手の言葉には無言を貫き / 肩口に甘噛みを繰り返しながら頑なに顔は上げず / 相手の目尻に口付けを落とすと耳元に唇を寄せ、内緒話をするような声量で囁いて )お前の前だけだよ。

…ジャック、( 反抗的な相手の態度にすらあまりにも胸の奥の辺りが擽られるような感覚がすれば締まりのない笑みを浮かべつつ強請るような声で名前を呼び / 目元へ唇が触れると擽ったげな笑みを漏らし / 耳元で聞こえて来る言葉へ頬を緩ませると同様に潜めた声で問い )俺の前では良い子ぶってンのか。

…何だよ。( 強請るような声音に呆気なく屈する自身の簡単さに舌打ちを漏らし / 半ば睨み付けるような眼差しで相手を見据え拗ねたように零し / 問い掛けに答えることはせず代わりの問いに擦り替えて肩を竦め )お前は悪い子のほうが好きなのか？

…そんな顔すんなよ。( 顔を上げた相手の表情に相も変わらず得も言われぬ愛おしさを覚えて目を細め / 機嫌を取るような言葉を口にしては目元や頬へ幾度か口付けを落とし / 目を瞬かせると口元に笑みを浮かべて答え )別に。お前ならどっちも好きだからな。

( 宥めるような言葉や口付けに険のあった目元を和らげて / 無言のまま相手の頬に手を添えると唇を重ね / 相手の言葉に僅かに目を見開いては笑みを零し / 上機嫌な調子で自惚れた言葉を呟いて )お前も俺のこと大分好きだな。

( 頬に触れる手に口元に笑みを湛えたまま相手を見据え / 唇が重なると瞼を下ろし繰り返し柔く唇を啄み / 分かりやすく上機嫌な様子へ変わる声色に笑みを零し )当たり前だろ。俺はお前が思ってる以上にお前の事好きだからな。

( 幾度もの口付けにいよいよ自身の欲が膨れ上がるのを感じては唇を離し、相手の身体を抱き寄せて足を絡め / 目を伏せると相手を抱き締めたまま耳元に唇を寄せ / 口元を弛めながら少し眠たげな響きが混じり始めた声で満足気に零し )……随分な殺し文句だ。

( 唇が離れると同時に薄く目を開き / 満足したのか抱き寄せられるまま大人しく腕の中へ収まり肩口へ顔を埋め / 聞こえてくる声に眠たげな響きを感じ取ると頬を緩めて相手の髪を撫でながら潜めた声で返し )俺はずっとそう思ってンだよ、お前が知らないだけで。

なら逐一知らせてくれよ。(肩口に感じる熱にクスクスと笑みを零し / 相手の腰回していた手に力を込めて互いの距離を密着させ / 髪を撫でる掌に安心したように表情を緩ませるとやがて寝息を立て始め )

( 返答の代わりに笑みを漏らし / 暫く髪を撫でているうちに聞こえてきた寝息に目を細めて耳元へ軽い口付けを落とすと目を伏せて眠りに落ち )

──

( 例によって欠伸を零しながら身を起こしてベッドから抜け出し / 身形を整え普段通りの姿になると、時計を見遣り出発の時刻まで少しあると判断し / 日持ちする焼き菓子類を朝食代わりとしようと鞄を開け )

……ん゛ん、( 相手が起き出してから暫く経った後に漸く意識が浮上し掠れた声を上げ / 既に明るい室内に瞼を開く事ができないまま顔を顰め )