乙種七類型調査隔離　──番、〆

…へぇ、どんな？( 落とされた呟きに目を瞬くとゆるりと首を傾げ / 漠然とした返答では相手の言わんとする事が分からず無言で顔を顰め / 此方からすれば要領を得ない返答に如何にも不満げに眉を寄せると低く呟き )…答えになってねぇ。

お前のここを虐め抜く。一週間は外を出歩けないと思え。( 相手の腹の辺りを親指の腹で軽く押し込みながら首を傾げ / 不満の声に解説にもなっていないような解説を添え / 笑み混じりに指折り数えて付け加え )おねだり上手な所ってことだ。……自分の技術に自信あるトコ、結構感情に素直な性格、好きなもん目の前にしたときに緩む顔、宥めようとする時の擽る手付き、割と意地を張る所、欲張りな所、俺の名前覚えようとする健気な所、寝起きがクッソ悪い所、あとは良い声で鳴く所も好きだよ。言っておくが抜粋だぜ。

…本気でやるンだろうなァお前は。( 予想の斜め上を行く言葉に思わず頬が引き攣り / 苦い表情を浮かべて呟き落とし / 大雑把な回答ながら何と無く納得したのか曖昧に小さく頷き / それで終わりのつもりが続けられる思いの外具体的な言葉に自分から聞いておきながら羞恥を掻き立てられればつい顔を僅かに俯かせ視線を逸らしながら話題を逸らすように質問を促し )…そうかよ。ほら、次はお前の番だ。

おう。お前がどんなに泣いて懇願しても無視して犯し尽くすよ。その覚悟があんなら俺を虐めてもいいぜ？( 耳元に唇を寄せ愉しげな声で囁き / 意地の悪い笑みを浮かべて相手の頬に手を添え / 逸らされた視線を強引に此方に戻そうと手に力を込めながらなおも笑みを浮かべたまま愉快げな調子を含んだ声で問いかけ )そうやって照れてる所も可愛いなって思ってる。……そうだなあ、お前俺に抱かれてる時どんな気持ちなんだ。

俺はお前の番なのにそんな酷い事をすンのか？( 元よりそこまで虐められる気もしない上に半ば何をしても許されるような気はしているものの眉を下げて首を傾げて見せ / 頬に触れる手に気が緩むも続けられる言葉には眉を寄せ / その手に促されるまま視線を合わせるも告げられた言葉へ束の間の無言の後瞠目して呆れと非難の混じる声を上げ )お前が明け透けに言うからだろ。……はァ？何言ってンだ、

酷いこと？気持ち良いことだろ。( 如何にも自身が不当を被ったような調子で肩を竦め / 責めるような調子を含んだ声を飄々と受け流すと目を細めて相手を見据え )理性トんだ状態でしか聞いたことなかったからな。ちなみに分からないは無しだ。

…お前は知らねぇかもしれねぇが、俺は今でも結構本気で死ぬンじゃねぇかと思ってるからな。(
此方としては否定と肯定が半々といったところで、皆までは言わないものの不満げに述べ / 退路を断たれ表情を歪めると無駄な抵抗を試みてぼそぼそと呟き )……言いたくねぇ。

安心しろよ、死んだら追い掛けてやる。( 恐らくそれで解決する類のものではないのだろうが口にしないまま惚けて見せて / 頬に掌を添えたまま鼻先同士が触れ合う距離で瞳を合わせ / 有無を言わさぬ声音で掠れた囁きを落とし / 答えを言わなければ分かるだろうとばかりに頬に添えた掌を相手の目元に滑らせて )駄目だ。……約束は履行されるべきだよな、紹？

…それは元々心配してねぇよ。( 恨めし気に目を細めて相手を見据え / 分かり切ってはいたものの呆気無く跳ね除けられてしまうと不貞腐れたように眉を寄せ / 名前を呼ぶ声が耳元に纏わり付くような心地で目を細めると眉を下げて口籠り / 言い渋る程ろくな事にならないと自らに言い聞かせ視線を伏せると不明瞭な声で告げ )……気持ち良い、と、思ってる、

死にそうなくらい気持ちいいって？( 誂うような色を瞳に宿して / 葛藤の末に導き出されたのであろう声音に僅かな欲情を覚えて目を眇め / 相手の頭に手を遣ると宥めるような手付きで髪に指を通し / クスクスと笑みながら追い打ちをかけるような言葉を付け足して )ちゃんと言えたな、良い子だ。…気持ち良くてなんも考えらんねえか。

……馬鹿にしてンだろ。( 不服気な声色で低く呟き / 頭を撫でられれば僅かに表情が緩んでしまうのを我ながら単純だと思いながらも褒め言葉へ意識を傾け / しかし続けられた言葉に一層羞恥を煽られると腹癒せに相手の足元を蹴り )…そこまでは言ってねぇだろ。

してねえよ。でも可愛いからつい誂いたくなるんだ、許せ。( 勝手な言い分を並べ立てながら額に口付けて / 蹴られる足元に楽しげな笑い声を上げ / 揚げ足をとるように緩く首を傾けて )何だ、違うのか？なら他に何を考えてんだ。

…許さない。( 額への口付けに僅かに表情を緩めるも短く告げると相手の唇へ歯を立て / 言葉を引き出そうとするような問いに応じる程居た堪れない思いに駆られる事態になるのは目に見えており顔を逸らし )もうお前の質問には答えてやっただろ。

…許さなかったら何すんの？( 唇の感触に瞬きを落とし / 口角の片端を上げながらのんびりとした声で問いかけ / 逸らされた顔に笑みを零すと愉快げに嘯き / 不意に再び顔を寄せては内緒話をするような調子で囁いて )本当なら俺が二連勝だったんだぜ？……俺はお前を抱いてる時、お前が心底愛しいって考えてるよ。

…お前の周りで四六時中これ見よがしに不貞腐れてやる。( 改めて問われると特に何の考えも無く一瞬の無言の後答え / 情けをかけられた側にも関わらずふてぶてしく告げ / 直ぐ傍から聞こえて来る密やかな声に燻っていた羞恥心がぶり返し僅かに頬が熱くなるのを感じてはそんな自らが腹立たしかう顔を顰めながら一言返し )……知ってる。

…ただ可愛いだけだな。( 想像したのか目元を緩め満更でもない調子で呟き / 相手の言葉に穏やかな笑みを浮かべて頷き / いつの間にか夜の帳に覆われた空気を感じながらふと外に目を向けて )なら良かった。お前を抱いてる男の気持ちは伝わってたわけだ。……そろそろ休憩ポイントに着くな。

…とんでもなく面倒臭ぇかもしれねぇだろ。( その表情と言葉に片眉を上げると張り合うように言葉を並べ / 聞こえて来た声へ独り言に近い声色で呟き零し / 相手の声に応じるように顔を外へ向け )お前は分かりやすいからな。…もう夜か。

面倒なのがむしろ愛しいんだよ。( 当然のように言い返して / 相手の言葉には口角を上げることで返答の代わりとして / やがて進行を止めた蒸気自動車は道中の仮宿も勘定に入れているようで、簡易的なロッジの傍に駐車され / 運転手と言葉を交わしながら車から降り / 恐らく付いてきているであろう相手を振り返ると当初の様子を思い返しながら問い掛け )…道中の手持ち無沙汰はちゃんと解消されただろ。

…お前世話焼きだもんなァ。( 平然と返される言葉へ瞬き一つ落とすと本題からは微妙にずれた事を呟き / 車が停止すれば相手に続いて外に降り立ち周囲の風景を眺めながらその背を追い / 問い掛けへそもそも先程の賭けに至った経緯を思い出すと口元に笑みを浮かべて頷き )あァ、お陰で退屈しなくて済んだよ。

お前が甘え上手なのかもしれねえぞ。( 機嫌良さげに返し / 満足気に頷くと相手の手に己の掌を絡めて扉へと歩を進め / ロッジ内部は簡素なベッドと机、申し訳程度のシャワーブースがある以外は何も無い殺風景な作りで / 着いた途端に鍵を締め、ブースに踏み入れると簡単に身を清めて / 欠伸を零しながら早々にベッドへ赴き )