乙種七類型調査隔離　──番、〆

お前も大概運がねぇな。( 大袈裟な言い様に笑いながら髪を乱す手を退ける事無く揶揄うような調子で告げ / 呆気無い否定に眉を寄せ / 現段階で殆ど絞れる選択肢が無く再度の黙考の後問い )……場所と物はどっちが近い？

あ？あるに決まってるだろ、お前を見つけたんだから。( 態とらしく眉根を寄せては目尻に口付けて / 束の間黙り込んだ後にのんびりとした調子で )まあどっちかと言えば物に近い。概念ってわけじゃねえし。…ただ言い切ると嘘になる。あくまでその二択なら物に近いってだけだな。

…相変わらずよく回る口だ。( 目尻への柔い感触に目を細めると鼻先へ口付けを返し / 返答へ益々理解が遠のくと声に出してこれまでの情報を整理し / 眉間に皺を寄せ思案しながら問いを重ね )何だソレ。…俺とお前に都合が良くて食いモンじゃなくて概念でもねぇ物に近いやつ…、…じゃあ動物と植物ならどっちに近い？

お前の前だと特にな。( 触れ合いにクスクスと笑みを零して / 相手の眉間の皺を解すように人差し指を添え / 今度は簡単に言い切ってしまうと口角を上げて言い添え )動物だな。…そろそろ分かってきたんじゃねえの？

( その返答すらも相変わらずとしか言い様が無く愉快そうな笑みを零し / 眉間に人差し指が触れると僅かに表情を和らげ / 相手の口振りから生き物である事は間違いないらしいと分かれば互いに共通して知る生き物もそう多くは無く納得したような声を漏らし )…あァ、あのデケェ犬か。

( 和らぐ表情を目に止め、釣られたように微笑を浮かべて頬に口付け / 相手の答えに一度瞬きを落としてはどちらかと言うと自嘲気味の苦笑を浮かべて )……回答的には正解にしてえんだけどなぁ。今肯定すると嘘判定されるな。

…お前は意外と甘えンのが好きだよなァ。( 頬への口付けに目を細めては不意に呟いて髪に指を通し / 煮え切らない返答と何とも言い難い表情に目を留めると首を傾げ )…何だよ、違ェのか？

何だよ、甘えられんのは嫌か？( 唐突な問いと髪の感触に緩く首を傾けて / 今度ははっきりと否定の言葉を口にすると人差し指を立てて )違う。……あと一問だぜ。

ンなわけねぇだろ。可愛くて仕方ねぇよ。( 笑いながら相手の髪に唇を触れさせ / ほぼ正解を確信していただけに否定の言葉へすっかり選択肢が無くなってしまえば不貞腐れた子供のように眉を寄せ )…分かんねぇよ、他にねぇだろ。

なら好都合だな。お察しの通り俺はお前に甘えんのが好きだよ。( 髪の感触に目元を和らげて / 言葉を体現するように相手の肩に体重を掛け / 相手の言葉を聞けば笑み混じりに問い掛けて )…それは降参ってことでいいのか？

…そう言われっと上手く掌で転がされてる気がするな。( “好都合”と聞くとわざとらしく肩を竦め / 肩に凭れてくる相手の髪にゆっくりと指を通し / 正直お手上げではあるものの降参と認めるのも癪で如何にも不満そうに問い )……ヒントはねぇの？

お前も大分捻くれ者だ。( 撫でる手に目を細めながらも傾けていた身を起こすと、自身とは反対側の相手の肩に手を回して此方に身体を凭れさせ / 同じように相手の髪に指を通して / 此処まで言えば最早答えに近いかもしれないと考えながらクスクスと笑みを零し )ヒントねぇ。…お前には慣れ親しんだモン、ってのをヒントにしとくか。

お前みてぇなのを相手にするならこんくらいの奴が丁度良いだろ。( 揶揄い混じりに言葉を返すも不意に肩に腕を回されると抗わずに相手の方へ凭れ / 髪を撫でる手に目を瞬くも何を言うでもなく頬を緩め / 相手からのヒントに応じこれまで接して来た生き物を脳裏に浮かべてもどれも該当する気がせずやがて思考を投げ出し / 半ば投げ遣りながら此方からすれば強ち間違っても無い回答と共に相手の頬を柔く掴み )…お前。

まぁ否定はしないでおく。……お前なら何でも良いけど。( 肩口に感じる温もりに上機嫌で応え / 頬を掴む掌に目を細めて / 片手の掌に握り込んでいた紙を開き / 紙面には以前相手に教えた『Xiao』という文字列が綴られており )惜しかったな。……俺にとって良いもんで、物に近くて、動物だけど犬でも俺でもない。

…随分甘ったるい事言うな。( 先程から伝えられる言葉に今更照れるも何も無いが向けられる感情を正面から受け取る心地は未だ擽ったく小さく呟き / 掌が開かれるのと同時に手を離し其方へ視線を落とし / 明かされる答えに僅かに瞠目すれば僅かな不満と胸の内を満たす充足感に何とも言えない表情を浮かべ )…お前のヒントが悪い。

慣れねえなぁお前も。……大好きだよ、愛してる。( 相手の耳元に唇を寄せて悪戯げな微笑を含ませた声で囁いて / 不満の感情が入り混じったような表情に微かに笑みを漏らして / ダイスを手に取ると備え付けられている車中の小さな机の上に転がし )どういうヒントだったら満足したんだよ。……まぁ出題者にも落ち度があったってんなら、俺の番はハンデを付けてやろう。

お前と違ってそういうのを言われる事がねぇ生活だったからな。…俺も。( 薄ら当て付けに聞こえなくも無いニュアンスで答え / 耳元で囁かれる睦言はいつ何時言われようとも得も言われぬ幸福感を齎す物で悔し紛れに眉を寄せつつ短く答えて耳元へ口付け / 問い掛けには応じないまま転がるダイスを眺め / 不意な言葉に視線を相手の方へ向け )…ハンデ？

拗ねるなよ、俺が言うのはお前だけなんだから。( 当て付けのような言葉に笑みを漏らして / 短い同意と耳元の感触に口元を弛め / 問い掛けには緩く首を傾げて応え、次いでダイスが出した六の目に目を遣っては肩を竦めて )俺が質問出来んのはダイス一回分だけ、ってことだな。……ああ。でも無意味になりそうだ。

…言われたら何て答えてたンだよ。( ふと瞬きを落とすと顔を上げて相手見遣り / 出た目を見ては妙に自信あり気に口にし )その六回で当てさせなきゃ良いンだろ。

……過去の話なんか気になんの？( 相手の言葉から以前己が睦言を囁かされた際の対応を問うていると捉えると尚も首を傾けたまま問い返して / 言い聞かせるような口調で釘を差し )嘘つくのは無しだぞ。…出題は決まったか？