それから2人は、(〆)

（寒空も明けて暖かい春の始まりの様な陽気の休日。詰めていた仕事も何とか締め切りに間に合ったしビル全般の施工も完了という旨を聞いて辿り着いたアトリエ兼サブ職場の奥の部屋は以前と比べてこ綺麗に片付けられている。『寝てたら起こせ』というトークアプリを放ったのはほぼフラグじみていて、雑に引いたダブルベッドの上でブランケット一枚かけて寝ている痩躯が在った）…温い…（日差しが穏やかに差しているし少し空けた窓からの空気は心地よく。微睡に揺蕩いながら仮眠に今にも入りそうで）



（/ 呆れるくらいよく喋るよね僕ら…。…じゃあ此処から普通に上げるかな、気づきにくいし。…フ、先の楽しみがあるってワクワクするね。
いいね、お互いの衣装変わるの僕は結構好きだ。…まあそれならふんわり話を進めるというか、思いついたら上げていったらいいかもね。休日にでも情報興して纏めるとしよう。リアル事情で言えば僕の方が恐らくは余裕があるから…適材適所というやつだね。…こうして話すのもいいけど、そこは完璧に同感だ。…僕も君という温度を今一度確かめたいんだ　）

（　何とも雑な内容──但し要点は纏まったメッセージが飛んできたのはつい先刻。噂に寄ると改築したらしきアトリエは既に彼の寝所と化したらしい。ビル裏にバイクを停め、益々小綺麗になったアトリエ内を歩み奥の部屋の扉を押し開け　）ツグさーん。恋人放って呑気に昼寝なんざ、贅沢が過ぎるンじゃねぇのー？（　恐らくまだ意識は沈んでいないだろう。安穏とした空間に風穴を開けようと、試しに鼻先を摘んでみるなどちょっかいを　）


（　/　ネタが尽きねぇモンな、嬉しい悲鳴ではある。そりゃあもう。…まだ現実か疑ってる節はあるけど、こんなに胸が高鳴るなら答えは分かりきってンだよなァ。
ナイスアイデア。手慣らしに緩めにやっていこうか、なんて俺の言えた台詞じゃねぇな。頼んじまって良いの？俺も出来る事ありゃ手伝うし何でも言ってくれよ。早速エンカウントしてみた。抱き寄せてぇけど順を追うよ、紳士的にいきてぇからね　）

──…ぅ゛、…（耳朶を打つ音色と共に鼻先にある感触に鈍く眉を顰めくぐもった唸り上げ／鈍い調子で瞼を開けばされるまま飄々と笑って）…暫く寒い日が続いてのこの暖かさだ。…昼寝するだろ、そりゃあ。…ね？（当たり前のような雰囲気を醸した返答し／自分の隣へ来るようベッドマットを幾らか軽く叩くことで促し）



（　/ 何返そうかなとボール用意しながら待ってるまであるからな。…いや、本当に。夢じゃないかと疑う気持ちは僕もあるからね…慣れていくしかないな。
元々緩い節はあるはずだけど、何故か伸びるんだよな文章…。…短めを心掛けたいとこではある。…うーんまあ全然苦ではないからな…？…アトリエのライフスペースに何があったら良いかとか、は聞いておきたいかな。今は思いつくのこれくらいだけど頼りたいことがあったら相談するよ。
君のそういう姿勢は好きだ。…けど僕はあんまり遠慮しないつもりだからそこのところはよろしくね　/ 蹴可）

おはようさん。同意しかねぇけど、相も変わらず本能の儘に生きてンなァ…（　余裕が見てとれる笑みに引っ張られ口端を僅かに弛緩させては指先から解放してやり / 堂々とした発話に首肯する他なく、幾分か広く感じるベッドに意識が傾き　）ツグさん、ベッドも新調した？前のギチギチだったもんなァ…懐かしい（　促される儘隣に腰掛け / 数ヶ月前の出来事に浸るように瞼を伏せ柔い笑み湛え　）

おはよう崇臣くん。…変わらない恋人で最高だろ。…いや待って、…今のには返すな。(寝惚けたまま浮かんだ儘の言葉並べてみたら時間差で少し気恥しさを感じて/上体起こしたなら1度首を横に振り)…そう、少し広くなったから折角だし買い直したよ。…ああ、(久しぶりに聞く彼の声音やら姿やら視線持ち上げればどうにも感慨深いもので。緩く前に頭傾けたなら彼の肩口に頭を預けようと其方に寄せ乍、)…ほんと、1年とか経ってるわけでは無いんだけど。…懐かしく感じるな。

そりゃあ無理なお願いだなァ。…変わらないツグさんが傍らにいる安心感はすごいよ。まあ多少変わっても、その度に惚れ直すンだろうけど（　口止めされど勝手に愛を紡ぐ唇に笑みを乗せ、最後の一節には眦を垂らして慈愛の色さえ滲んでいて / 節くれだった長い指で彼の垂れた一房の毛束を耳にかけてやり　）っはは。何せ俺たち高身長だもんな、助かるよ。…ン、甘えたか？（　肩口に収まった形の良い頭蓋に片腕を回しそっと黒髪を撫で / 無性に愛おしさが込み上げ、額に柔く唇を押し当て　）…変な感覚だな。ツグさんに会ってねぇだけで、体感一年は経ってる気ィすんのに

…っ、…そうだよな。…時折嫌になる程思い知らされるな、君の言葉は。──…（止まることなどしないのは予想の範疇ではあるが内容までは予測出来ず久方ぶりに浴びるそれらを真芯から受けたなら一寸喉を詰まらせ。息を吐き出し沸々赤くなる顔を見られたくなさそうに外側に視線を逃し／指先が耳のライン準るなら微かにくすぐったそうに肩を揺らし）…別にたまには甘えるだろ、…久しぶりなんだから、僕だって素直になる時はある。（自分らしくないのは薄々勘付く所はあって悔しげに眉を益々寄せながら言い訳じみた口調になり／一瞬感じる腕の重みや指先、顔の高い位置に触れる温かな感触に順に視線が移ろい。動作の端々に宿る感情に鈍いわけでもなく、不意に肩に回る彼の腕、指先の先端を軽く握ろうと自分の手を持ち上げ試み）…ちゃんと寂しかったってことなのかな。…ちなみに僕はそうだ。…すごく会いたかった。（伏せた瞼を緩々持ち上げ、彼と視線を合わせるなら眉を下げながらも確りと嬉しそうな眼差しのまま笑って）

俺の言葉で平静を保ってらんねぇツグさん、すげぇ愛おしい。───…なァ、可愛いね（　視線逸らされてしまえば不服気に眉を顰めれど、眼前に仄かに上気した耳殼を見据えてしまい / 距離を僅かに詰め腰を抱けば、幾らか低音で甘ったるい台詞耳打ちし　）んはは、コレかなり嬉しいな。久し振りだからじゃなくて、これからも定期的に拝みたいモノではある（　言い訳を語る口調さえ照れ隠しと身勝手な脳内が定め、本音を話すに飄々さを纏い一笑 / 身動ぐ彼の動きにされるが儘、己より少々小さいであろう掌から伝う温もりと共に見守り　）……そりゃあもう、言うまでもねぇよ。っ…、待たせたのにンな風に言ってくれんだ。俺も会いたかったよ（　卒然小さく息を詰めた後交錯する視線に心臓射抜かれた錯覚に陥るものの、はにかみ乍ら同意の旨を伝え　）

──～っ、崇臣くんのその対僕仕様の口撃でどんだけの僕が召されてると思ってるんだ…。…かわ、いい訳、…っ…（反抗する言葉を投げかけたい筈なのだが喉の奥は干上がったように何も出て来ず僅かに口を開くのみして／理性を剥奪するようにすら聞こえる台詞に強く目を閉じるも身体を引くこともなく、それでも腰に触れるなら矢張り落ち着かないか薄ら背筋が伸びたりなどして）…君に年上から甘えるリスクヘッジなど分かるものか。…酒で潰せばもう少し素直なんだろうけどな…（何気なく彼の肩口にサイドの黒髪を擦り付けるよう揺らし乍も悉く自分の性根の厄介さに溜息を吐いたりなどして）　……そうか、…良かった。　（サングラスの奥に見る双眸は真っ直ぐすぎる肯定示し呆気に取られたような振りをして短く答えながら／不意を突く形で顔を近づけ短く一瞬唇を彼の口の端に触れさせてゆっくり離し）…やばい、…割と限界突破で恥ずかしい。（やったことには後悔はないが顔が帯びる熱量が半端なくて狼狽えながら目線落として小さくぼやいて）

素直さも売りなんだよ。俺も可愛いでしょ。ツグさんにゃ負けるけど、…ねえ？（　茶目っ気という名の武器を翳し至極満足気に口端を釣り上げ / 心做しか伸びた背筋に勘づけば言及する事もなしに腕は其の儘。含意のある発話と共に、片眉上げて顔を覗き込もうと　）正直どっちも嬉しいよ、俺としちゃあね。だけど今はシラフのツグさんの言葉を聞いていたい。あんたの声は心地いいンだ、…俺に当惑する姿も含めて（　擽ったさ覚え小さく身動ぐが、そんな事態より先行する彼の体温に理性を押さえつけ / じわじわと時間差で迫り来る無性な迄の恋しさを、溜め息に変えれば盛大に吐き出す形となり　）んは、他人事みてぇに言、───（　笑い飛ばそうと薄い唇に笑みを乗せて発する筈であった言葉は、唇端に感じた彼の愛情表現に呑まれ融けるように消え / 刹那ぽかんと呆気に取られ / ゆっくり離れた彼の形のいい頭部をわしり、と掴み半ば強制的にこちらを向かせ　）…待った。逃げンな

（減ることのない口数で愛情を紡ぐ行動ひとつひとつが過剰摂取の様に捉えれるように心臓が高鳴ることを止めれなくて、彼の指先を握った手のひらを引いて代わりに自分の胸元を軽く握り／自身に向く濃度の高い彼の双眸を正面から受け取れる様には性格的に難しく、困ったような恥ずかしそうなない混ぜの表情に崩れながら一瞬其方を見たり外したりを数度繰り返し）──……アイデンティティに関わるな、これ。…上手く話せない割に君のことで頭が一杯だし、言葉全てに愛を感じるのに器用に返せる気もしない。…ここら辺、は経験なんだろうけど。…君って思ったよりずっと厄介なやつだよね、…崇臣。（独白に近い語り口は様々注がれた台詞への回答になるか与り知れないが唐突に静かに述べ／される侭顎を引いて其方に顔を向けると赤らんだ頬晒すものの意を決するよう短く呼気を吸って、）…君がどうしようもなく愛しくて、…困るね。（何をかは自分でも分からないのだが、ほろ苦く微笑みながら率直な現状を吐露して）

（　黙り込んだ彼を疑問が芽生えた頃合い、弄ばれていた自身の手から温もりが遠ざかる様を物惜しげに眺めるに務め / 表現し難い程愛おしい彼の行動に予期しない動悸が起こり、ふっと息が詰まり。時折視線が交錯する様に焦れったさが脳内を占め、全ての意識が彼へと注がれ　）───ンな厄介な男に育てあげたのは誰だろうなァ、……其方さん、身に覚えはねぇ訳？でもツグさんの口を塞ぐのは本意じゃねぇの。どうすりゃ良い塩梅なんだか測れねーよ、…どう足掻いてもあんたしか見えねぇ……（　徐々に上気する己の肌は気に留めず。軽やかな口調で語れど末尾にかけて恋焦がれる本性隠さず苦しげに眉尻を垂らして笑み / 正面から見定めた赤らんだ頬すら愛おしさに眩暈を感じ、先程のお返しと唇の端に口付けを　）ッもー…、本当にツグさんは狡い。理性の糸が切れる前に腹拵えでもしよ。キッチン周り、どうなったか見てぇし案内頼める？（　根負けすれば同時に解放してやり / 彼を求める熱を冷ます為一呼吸置いて　）

──…？…僕なのか。…愛を囁かないと死ぬわけでも無いだろ、…寧ろ脈拍使いすぎて早死にしないかの方が心配になる。……伝えたい事がお互い山程あるんだろうが、…その辺りを調整しないといけないのかな、（身に覚えと言われたら自分だという自覚はあまり無さそうに真摯な真顔で問い返したりなど／グラグラと未だに浮き立つ熱量を収めるように徒然思案の語りに割き、一瞬視線を横目に流しながらも未だに此方へ注がれる視線の強度は眩しく。仕方なさそうに目を細めて笑いながら空いた方の手を伸ばして彼の耳上の髪束をなぞるように撫でて）…ン、…狡く無いよ。…僕にとってはギリギリ正当防衛だ。…ああ、…多少変わったけど食料とか器具とかがさっぱり無いんだよねえ…、…どうしようか。（似たような仕草なのに受ける口付けの甘ったるさに短く瞬き乍喉が唸り／解放されたなら特段意味なく鬱陶しい自身の黒髪払うように首を緩く振りながら立ち上がり、視線の先のキッチンがある方向指差しながらも妙案は直ぐには思い至らず首を傾げ）

元々愛情表現がストレートとは言われてたけど、ンな頻繁に愛でたくなンのはツグさんなんだよ。俺にも原理は分かんねぇけど、先に死なれちゃ困るから…試しに多少の我慢はしてみっかね（　今に至るまでの恋愛経歴を順追って頭に浮かべてみれど特別輝くのは彼の存在。困った様に眉尻下げて唱えては低く呟きを垂れ / 不意に伸ばされた細い腕、優しげな指先が髪を撫でる感覚に心地好さげに双眸を細め　）ふ、…ギリギリなんだ。…──わーお、そンなら今回は何か出前とるか。精力つけてな、作家センセ。……あ、煮卵。此処でも作れるようになったな？（　シンプルが過ぎるキッチンに呆然と棚や冷蔵庫を開閉しつつ、棒読みな感嘆を流すと共に提案を一つ / 食指揺らり彼の好物を挙げ笑みを深め　）

──…、フフ。そうしてくれ…まあ僕の場合生活リズムの破綻とかアルコール過剰摂取とかの方がリスクとしてでかい様な気もするから、程々くらいが良いのかも知れない。物量的な娯楽よりは、僕は君を選ぶからさ。（恋愛的な観点には疎いもので、しかし己が別であるという事実は察する事が出来るのか上機嫌そうに静かに朗々と答え／愛でる指先の彼に胸中満たされると同時に年下らしい可愛げ覚えて柔く口許緩めた侭そっと離して）
……、そうだなあ、時間とかは今日大丈夫なんだったか…？…そう、簡単なものなら作れるよ。…え、作ってくれるんだ？（記憶にある己の好物を口にされるだけだが妙に嬉しいもので、気持ち声音が弾みつつ／机に置いたスマホを拾い、出前アプリを起動しながら彼の後ろを数歩追って止まり／キッチンはありふれた作りで二口コンロと繋がった広めのシンクがついたのが大きな変化か。冷蔵庫やらレンジやら一通り置いてあり、照明のスイッチを押して辺りを見回し）──…ああ、ちなみに冷蔵庫には酒と水しか入ってない。（冷やしておいておきたかったものがそれくらいしか思いつかなかった残念な大人は真顔で／自身のスマホを相手に見せるように傾け身体を寄せながら『何を食べたいかな…』と何となし控えめに問いかけて）

危うい単語の所為で素直に喜べねぇ…。身体は大切にしろよ。これから先も一緒に居てくれンでしょ（　遮蔽無く眉を顰め押しの一言を添えては、忠告──よりは少々マイルドな言い回しでサングラス越しに視線を向けて / 無意識的に残念そうな面持ちを浮かべ、彼の表情に高鳴る胸を無視する事も出来ず擽ったい所感の
侭身体を引いて　）
今日は時間たっぷり余ってンよ。全てツグさんに注いでも良いし、俺たちの出会いの場に繰り出すのも良いかと思ってる。…ツグさんて料理作れんの……？そりゃあ勿論。褒めて貰えたモンなら幾らでも（　弾む声音は当然愛おしく思い得て胸を張っては口端を上げ / 然れど其れも束の間。冷蔵庫の中身を聞くなり改めて恋人の生活能力の低さを実感し、何とかしなければと使命感すら強く感じて　）んー……、引越しそばとかどう？厳密にいや越してはねぇけど、新居じみた改装は満遍なくしてるし。…それにツグさんは先ず、胃に優しいモン食った方がいい（　スマホ画面と対峙し倦み漸く提案まで持ち込んでは、端末の向こう側へ視線を上げ　）

嫌そうな君の顔も結構好きだ。…まあでも、大袈裟でもなく生きる理由の一つに君はいるから前向きに検討していこう。（苦々しい表情に悪童めいた雰囲気でニヤと笑うも冗談に収めるようフッと瞼を伏せて淡々と修正し／彼の胸中は知る由は無いが変わらず機嫌良さげな口角の上がり方で、）
フム。…じゃあ僕と居て欲しいかな、まだ君を独占したい気持ちの方が強い。…ええ、失礼だな君…食を創作するリソースを停止させているだけで米を炊いたり肉を焼いたりするくらいは出来る。（諸々の言葉聞けば顎先に拳を添えながら吊られるように上々な微笑み方を見せ／それも数秒もすれば料理出来ない疑惑には不服そうに眉を寄せながら口を尖らせ反論し）蕎麦いいなあ、確か近くに美味しいとこあったような。…崇臣くんはなに蕎麦が好きなんだい？胃に優しいとかの面で言うなら僕はとろろ蕎麦にでもするかな…？（慣れた手つきで検索した最寄りの蕎麦屋のメニュー画面へスイスイとタップして進め／彼の方へ頭を傾け無意識下で肩口に自分の側頭部触れさせて）

…結構な悪趣味だなァ。其れがただのお世辞じゃねぇのを願ってンよ（　独り言ちるは思わぬ反応を得た所為で不可解とばかりに眉間の皺は依然残し、親指と食指の腹で彼の頬を摘む等戯れに興じ / 上機嫌の彼に首傾げるが注して声を掛ける迄もなく、まじまじと見詰めると同時に考えに耽り試しに両腕を広げて　）
そりゃあどうも。ツグさんからご指名なんて光栄な事この上ねぇや。そのリソース、未だちゃんと意味を成してンのか解明してみっかね。つー事で、今度ツグさんの手料理食いたいな（　深まる笑みを隠すように手の甲にて口元を隠し、手遅れだろうが至って平常を装って / 疑念は晴れずとも事実であるならば恋人として願ってしまうのが性であり　）そんなら其所行かね？ツグさんお墨付きならハズレな事もねぇっしょ。全部好き──…だけど、今の気分はきつね蕎麦かなァ。っ…いいね、とろろも（　周辺の知識は彼任せになるものの日柄の良い外を並んで歩く魅力に一興だと人知れず声音が跳ね / 当たり前のように距離感を縮める恋人にニヤケが止まらず、漫ろに顔背けては行き場の無い手がぎこちなく静止し　）

…ちょっと違うか。……、──…よく摘まれる日だ（適切な言葉を探すように持ち上げる双眸は何か思いついたような様相があったものの何故か噤んで悩ましげに眉を寄せ／そうして気を取られていれば肉の少ない?摘まれるも勝手を許諾しされるままにして）…ん。…？（彼の動作の意味を一瞬測ろうとするも本能的な部分が幾らか勝ったのかその背に腕を回すと軽く身を寄せるように抱きついてみて）
手料理ねえ、…本当に大したものを作れるレベルじゃ無いけどそれで良いなら。…なにが食べたいんだい。（笑う様には不思議そうにするも嬉しそうな気配があるのでまあいいかとばかり愉快げに肩を揺らし／作れるかはさておきリサーチはしておきたく、二つ返事で頷きながらも問い掛け）フ、任せたまえ。…ああ、歩いて5分もしないし向かった方が良いくらいだ、ね…。…面白いけど止めさせた方が君のためかもね。（地図をスマホの画面に出すと出前よりは伺ったほうが美味しい飯にありつけそうだと理解して彼の方に目線上げれば様子が可笑しいことを察知し／他でもなく自分から仕掛けて我慢させてるなら屹度生殺しだろうという想像は容易く、ひょいと空いてる腕を伸ばしたなら制止中の彼の手を取り、自らの頭頂部に誘導するよう置いたりして）




（/おっと言い忘れた…、上ではこう言ってるけどドッペルは一応良いよと言っておこう。久しぶりに顔を出したいという気持ちだってあるかも知れないし、そこら辺は気兼ねなく。）

ンー？───ふ、…ごめん（　終ぞ黙りこくってしまった恋人の眉間の皺伸ばすように指の腹で優しく伸ばそうと / 肉薄の頬は年齢を感じさせない肌質で触り心地を堪能していたものの、不意に我に返り形ばかりの謝罪を唱え　）あー……ホント可愛いなァ、ツグさん…（　一蹴される事も想定内だったが故、抱き着く彼をぎゅうと腕の中に収め幸福感溢れる調子で声洩らし　）
ツグさんが作ってくれるっつーのに価値があるンだから良いンだよ。ベタにオムライス、…とか（　否定どころか快諾されてしまえば、喜色滲む声音で肯定の旨を示し / 即座に頭巡らせるも口から零れ出たのは暫く口にしていない料理で　）
すげぇ近所じゃん。行くか、腹減った──……ツグさん、あんま可愛い事しないでくンね。心臓が保てねぇよ（　漸く何気なく振る舞えたと自負した瞬間思いもよらぬ恋人の行動に瞠目、遅れて訪れた実感に半ばヤケクソで頭を撫で回して特大溜め息を一つ　）


（　/　ん、了解した。ツグさんが求めてくれてるし、今日の所は独り占めされとく。…まあ、さておき！ツグさんも自由にして構わねぇからね。寂しくなったら連絡するつもりだし、利口に〝待て〟も出来るからよ　/　蹴可　）