匿名さん 2023-09-29 07:26:15 |
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お、おい!待て!これは、僕があげたいから買ってきたんだ。何かを返そうとかそんな事は考えなくていい。それに、僕にこの靴は地味過ぎて似合わない!もし捨てられてしまったらその時はまた新しいのを買ってやるさ。
(立ち去ろうとする相手の腕を咄嗟に掴み引き止め、そう言い。普段は見ず知らずの誰かに物を買ったり人を助けたりすることは無いのだが、何故そう思ったか自分でも分からないけれど、クルトにはどうしても靴をあげたいという気持ちで一杯で、無理やり紙袋を押し付けると「...君の名前と、屋敷の場所を教えてくれ。」と尋ねて、)
え?(何故、初対面の相手が自分にこんなに優しくしてくれるのかが分からず腕を掴まれると足を止めて、そのまま紙袋を受け取ってしまい)
ありがとうございます。凄く嬉しいです。
あ、自己紹介が遅れました。僕はクルトって言います。場所ですか?えっと、街からは少し距離があって、街外れにあります。僕は魔法が使えないので両親に売られたんです。
(自分の事なのに、他人事のように話すとニコッと微笑み)
ちゃんと靴を履いて帰るんだぞ。クルトか、いい名前だな。
(相手が受け取ってくれたことに満足感を感じて、嬉しそうに笑うが魔法が使えないという話を聞くと真面目な顔をして少し考え込み、大声で「爺や!!」と使用人を呼び付けて傍らに来たのを確認するとクルトに向かって堂々と宣言して、)
クルト、僕がお前のことを買う!何処の誰か知らないが、魔法が使えないからって、使用人を傷付けたり雑に扱う奴はろくな人間じゃない。その様子だと、飯もまともに食べてないんだろう?
(生まれた時から世話をしてくれていた爺やの事だ。呼んだだけでリデルの目的が分かっていたのかアタッシュケースを開けて、入っている大量の札束をクルトに見せているのを横目に見ると「何なら今から僕が屋敷まで行って直接交渉しに行ってもいい。外れにあるなら歩くのも大変だろうからな、一緒に馬車で行こう。」と優しい眼差しをクルトに向けて、)
安心しろ、僕は魔法が使えなくてもお前を雑に扱ったりはしないさ。
は、はい。ありがとうございます。(どんな靴かなぁと考えていると、リデルの口から驚きの言葉が耳に入ってきて、情報の整理に思考が少し固まってしまい理解するのに時間がかかってしまい)
え?リデル様が、僕のご主人様になってくれるってこと、ですか?
でも、その、リデル様のような人達とは住む世界が違うですし、お屋敷も汚してしまうかもしれませんし、本当に僕はなんの取り柄もなくて、お邪魔なだけになってしまうかもしれないんですよ。(自分なんて、雇った所でなんの得にもならない事を必死に訴えて、でも心の底では、本当にそうなったのらいいのにな、なんて思ってしまい)
嗚呼、そうだ。僕がお前の主人になる、クルトにそんな酷い扱いをする奴の所に帰って欲しくないからな。何を言ってるんだ?屋敷が汚れたら綺麗にすればいいし、お前が邪魔になることはない。使用人として雇うことにはなるから、掃除や洗濯はして貰うが...見たところ苦手ではないだろ?
(どうしてそこまで自分のことを否定するのだろう、と困ったように笑いながらも相手の不安を少しでも取り除けるように優しく且つ力強く伝えて。「ただ、他の家よりも魔法を使うことが日常的に多いから、そこは、その...なんだ...」と、魔法が使えないクルトが、魔法を使うところを頻繁に見て"自分なんか、"と精神的にネガティブになってしまわないかと心配になり、少し俯いてモゴモゴと話して、)
お前が嫌なら無理強いはしないが、僕の所に来ないか?
リデル様が、僕の新しいご主人様に、、(今まで言われた事のない優しい言葉に胸の辺りが熱くなるのを感じてギュッと紙袋を握りしめて)
あ、はい。家事は一通りしていますので、出来ます。(口ごもるリデルに、どうしたのだろうと首を傾けていると、やはり魔法の使えない自分ではダメなのだろうかと勘違いしてしまい)
あ、あの。魔法は使えませんが、他の事で一生懸命頑張ります。なので、リデル様のお屋敷で働かせてもらってもいいですか?
...!違うんだ、!その、使用人達も僕達も魔法を使って何かをすることが多いから、君が嫌な思いをしないかが心配で...。勿論、出来ることをやってくれれば良いさ。ああ!僕の元で働いてくれ、クルト!
(心做しか嬉しそうな相手を見て、自分も嬉しい気持ちになり返す様にニコリと微笑んだ後、魔法が使えないと言うクルトに焦って身振り手振りを使って説明しつつ、少ししょんぼりしながら答えて。けれど、魔法が使えなくても自分の所で働きたいと言ってくれたのを聞いて、しょんぼりしていたのは何処へやら、一気に元気を取り戻し、)
あまり遅くなると、父様と母様が心配するからな。さっさとクルトの主人の元へ行ってから僕の屋敷に帰ろうか。
(そう言い、クルトを馬車へ誘導すると「屋敷に着いたら僕はそいつと話を進めてくるから、クルトは必要な荷物があれば纏めて身支度をしてくると良い。靴はその時のお楽しみだな!」と言って、楽しそうに笑って、)
リデル様は、本当にお優しい方ですね。今からお屋敷で働くのが楽しみです。
(魔法の話しになると、そう言う事だったのかと思い、こんな優しい人が自分の主人になってくれるのかと思うと嬉しくて堪らないらしく、遅くなっては悪いと思い誘導されるままに馬車に乗り込むが、初めて乗ったので遠慮して隅っこの方に座り)
お、お邪魔します。
あと、荷物なんですが、特にないんです。服も、これ一着しかなくて、いつも川で体と一緒に手洗いしてましたから。(言った後で、こんなことを言っては、ますます不潔に思われてしまうのではないかと思い、後悔して更に縮こまると顔を伏せて、リデルの顔を見るのが恥ずかしくなり)
そうか?優しいなんて言われる事はあまりないから、変な感じだな。楽しみと言ってくれて嬉しいよ、ウチの使用人達も皆いい人達ばかりだから、安心してくれ!
(隅っこの方に座るクルトを見て、慣れていないから当然か。と少し可愛いなと思いフフッと小さく笑い、荷物の話を聞けば主人に対しての怒りと可哀想だと思う気持ちが相まって、少しムスッとした顔になるが、この怒りは後で本人にぶつけてやろうと思い意気込んで、「そうだったんだな、何も縮こまることは無い。帰ったらまず風呂に入ろう、それから服を何着か用意させるから好きな物を着るといい。使用人には一人に一つ部屋を用意してるから自分の部屋もあるし、ベッドで寝られるぞ。」と相手の頭をポンポン、と撫でて。少しして、自分の屋敷と比べれば馬小屋か?と一瞬思ったが、きっと普通の暮らしをしている人間からすれば此処も大きい屋敷なのだろう、と判断できる屋敷が見えてきて、)
クルト、お前が居た屋敷はここか?
そうなんですね。楽しみです。でも、なんだかベッドだなんて僕には贅沢すぎて罰があたりそうですね。って、ちょっ、リ、リデル様!手が汚れてしまいます。
(リデルからの話しを聞けば聞くほど、今までの生活とは天と地ほどの差があるなぁと思いつつ、不意に頭を撫でられ、自分のせいでリデルの手が汚れなかった心配して)
あ、はい。あそこです。(リデルが一緒とはいえ、今まで虐げられてきた恐怖は体に残っているので、目的地に着くとだいぶ遅れてしまったので恐らく怒っているだろうと思い、その怒りの矛先がリデルに向けられたらどうしようと思い)
あ、あの、僕も一緒に行きます。すぐに手を挙げる人なので、リデル様の代わりぐらいには慣れると思うので、、
罰なんて当たらないさ、今までずっと辛い思いをしてきたんだから寧ろ報われて当然だろう。だから楽しみにしているといい。...?手?撫でただけで汚れる訳ないじゃないか。クルトは綺麗だぞ。
(ふわり、と優しい眼差しで相手に向けて微笑んで。頭を撫でられて手が汚れると焦っている姿を言っている意味が理解できないという様に不思議そうな顔をして。そもそも汚いという風に思っていないし、汚れているのも主人の扱いのせいだと分かっているので、出来るだけクルトが傷つかない様に優しく伝えて、)
そうだな。これでもう二度と会うことも無いだろうし、一緒に行って別れの挨拶の一言でもしてやるといい。それと、お前に指一本触らせないから安心しろ。
(そう言って馬車が止まると、屋敷の前に降り立ってクルトが降りて来るのを待ち、「主人が何処に居るか、案内してくれるか?」と尋ねて、)
そう、でしょうか。魔法が使えない僕には、このくらいが当たりまえだと言われ続けて来たので、感覚がおかしくなってるかもしれません。汚いって言ったのも、ご主人様の口癖で、いつも謝ってました。(リデルの屋敷に行っても罰が当たらないと言われて嬉しそうに小さく微笑み。しかし汚れは洗えば落ちるが、数年に分かり暴行を加えられた体は傷や痣だらけなので、流石に誰にもみられたくないと思い)
あ、はい。こちらです。(リデルを主人の部屋まで書斎まで案内して、近付くにつけて緊張で体が震え出し)
ご、ごめんなさい。守るなんて言っておいて不甲斐ないですよね。こ、ここです。(扉の前で立ち止まりドアをノックして)
ご主人様、クルトです。今帰りました。
...そうか、少しずつでいいからその感覚も直していけたら良いな。
(相手の過去や主人の話を聞く度に、本当にクルトは頑張って生きてきたのだなと思い、悲しそうに話を聞きながらも絶対に自分が守ってやらないと。と強く決心して。)
不甲斐ないなんて事はないさ、お前のことは僕が守る。安心しろ。
(震えている相手の肩を大丈夫だと言い聞かせるようにポンポン、と叩いて。扉が開き、主人がどんな奴なのかと思い真正面に捉えれば、ふんぞり返った様に椅子に座って、あからさまな高級品を身に付けている姿を見て鼻で笑い、クルトや爺やに向けている優しい本来の表情ではなく、ルーポラス家の次期当主としての冷酷な表情を浮かべ、ポツリと呟いた。)
...お前がクルトの主人か。滑稽だな。
そう、ですね。(やはり、こう言う考え方ではダメなんだなと思い、変われるといいなぁ、などと思いつつ、リデルの後押しもあり扉が開かれると、主人がこちらを見て、すごい形相で睨まれて)
主人>
おい!クルト!お前は水汲みに行くのに何時間かかってんだ!お仕置きしてやるから、拷問部屋まで来い!
ご、ごめんなさい。(怒鳴られると反射的に体が動いて頭を下げて謝り)
主人>
つーか、隣のガキは誰だ?
あ、えっと、この方は、(自分から説明しても良いのだろうかと一瞬迷って、言葉が止まり)
...ガキ、だと?誰に向かって物を言っている。僕は、リデル・ルーポラスだ。貴様の様な下衆野郎でも、僕が誰か分かるだろう?
(言葉では聞いていたが、実際に見る余りにも酷い主人の扱いに苛立ちを隠せず、怒りの感情を隠さず顕にして、威圧的且つ高圧的な態度を見せ、川でもクルトに見せた大量の紙幣が入ったアタッシュケースを乱雑に主人に向かって投げて、)
クルトを買わせて貰おうか。ここに入っている金は全てくれてやる。抵抗したいならすればいいが、あいにく僕は今物凄く怒ってるんだ。屋敷ごと燃やしてしまっても、文句は言うなよ?
(そう言って挑発的に笑い相手の出方を伺いながら、クルトの頭を撫でて「こんな奴にもう謝る必要はない、堂々としていろ」と優しく微笑んで、)
(リデルの名前を聞くと主人の顔色が明らかに悪くなり、名門系じゃないかと思い、ここは下手に逆らわない方がいいと思い少し怯えながら)
主人>
そ、そんな小汚いガキなんて、くれてやる!さっさと出て行け!
(あの主人に、こんな事を言わせるなんて、やはりリデルは凄いなぁと、彼の横顔を眺めて尊敬の眼差しで見つめて、謝る必要はないと言われると、短く、はいと返事をして)
今まで、ありがとうございました。失礼します。
小汚いガキ、か。クルトはもう貴様のものではない。人の大切な使用人を悪く言うなんて、こんな屋敷に住んでふんぞり返っている割に、随分と親の躾がなっていないんだな。
(クルトと共に部屋を立ち去ろうとした時、負け犬の遠吠えのような言葉に苛立ちが再燃して、眉毛を片方ピクリ、と動かすと振り向いて元主人を正面に捉え、掌を標的に向けてかざし「燃やせ」と小さく呟けば、部屋ごと焼き尽くしてしまうのではないかと思う程の炎魔法を繰り出したと同時に、クルトが熱くならないように自分とクルトの周りにのみ結界を作って、)
言っただろう?僕は物凄く怒ってる、と。安心しろ、死にはしないさ。これ以上余計なことを言わなければ、な。...今までの愚行を謝れ。クルトに。
主人>
わ、悪かった。だから、火を消してくれ(炎から醜く逃げ惑いながら床を這いつくばり)
リデル様、ここまでしてくれなくても大丈夫ですよ。可哀想です。(今まで、散々イジメられてきた相手だが、さすがに可哀想になってきてリデルの方を見ながら言ってみて)
でも、ありがとうございます。僕の為に怒ってくれて、嬉しいです。
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