日向の蔓日々草【〆】

（/始める前に確認したいことがありまして…お互い愛称で呼んでたら可愛いなと思ったんですが、颯くんと呼ばせていただいても大丈夫でしょうか…！）

（/もちろんです！可愛い愛称をありがとうございます！
早速なのですが、先炉留をお願いしても宜しいでしょうか？）

（/承知致しました！でき次第、ロル投下させていただきます～！）

（/はい、ありがとうございます！お願いします！）

え、嘘嘘嘘。信じられないんだけど。ここでアプリ落ちるとかある？え…あ、無理無理無理。颯くんの生存確認できないとかしんどすぎ。
（昼食を求めて溢れかえる人混みの中、流れに身を任せることをやめ、ぴたりと動きを止める。トンと腰に伝わる衝撃と何かをぼやく声から、一連の動きで流れを堰き止めたことは想像に難くないが、今はそれどころではない。しっとりとした重低音が喧騒に掻き消されていく中、内容を聞き取れたのか、否か、隣を歩行していた学生が眉を顰めて人混みに流されていく様をぼんやり眺める。後ろから聞こえるクレームに現実逃避を始めた頭と身体をようやっと動かし、愛しい彼の番号をタップし）
…お願いお願い。出てくれなかったらどうしよう。警察？いや、俺が捕まるか…お願い早く出てくれ。

（/ロル投下しました！よろしくお願い致します～！）

……はい、もしもし
（昼食を数少ない友人と共に食べている頃、貴方から電話が掛かってきた。口に詰め込んでいた食事を飲み込むと友人に少し席を離れることを伝え、スマホを手に取り『応答』と書いてあるボタンを押し片耳にスマホを当ててもう片方の耳を塞いで声が聞こえやすいようにしてから電話越しに居るであろう貴方に向かって上記のように声を掛けてみる。
こんな時間に電話をかけてくるのだから何かあったのだろう。そう思いながらあなたの返事を待っていて。）

…っ颯くん！よかったぁ……ちょっとアプリが落ちちゃって、颯くんが何処にいるのか分からなかったから…。
（想い人の声が耳に届くと同時に安堵し、普段より数段高い上擦った声で早口に捲し立てる。暫く想いの丈を伝えたところで、ふと視界に映った時計に意識を引っ張られて。）
あ、もしかしてお昼食べてた最中だった？いきなり連絡してごめんね。俺もそっちに行くから、続きはそっちで話そ。
（彼の友好関係や昼食を摂る場所を把握していても心配なものは心配で。自分の目が届いていないところで新しい交友が築かれでもすれば、想像だけでも不安で頭がどうにかしてしまいそうになる。家に帰れば必ず会えるとしても、常に彼を視界に入れて安心しておきたい。時折聞こえる話し声や会話から、恐らく彼処だろうというあたりをつけて歩みを早くして。）

あぁ、それでか…。そんなに心配をしなくても俺は何もしない
（貴方の性格は理解しているつもりだがアプリで見守ることまでもしなくていいのにと毎回感じる。普段よりも高い声と早口で話す声が電話越しから聞こえると相当心配をしていたんだなと顔を見なくても分かってしまう。）

いや…今友人と一緒に居て…
（貴方が自分の方に来るのならば友人にも説明をしなければ。と言ってもその友人も貴方の性格を知っているのだが…。耳にスマホを当てながら友人と一緒にいることを伝えようとするが既に此方へ向かって歩いているのであればもう遅いかと思っている。）

勿論、颯くんのことは信じてるよ？でも、周りが優しい颯くんに何かしないとも限らないでしょう？
（自分の執着が信頼していないことの表れだと解釈されてしまっては敵わないと、あわあわと弁明を一つ。同居まで許してくれた彼のことだから、きっと責めるために話したのではないことは明らかだが、妙に弁明したくなってしまった。先程聞いた授業の内容が効いたのだろうか、などと片隅でぼんやり考えて。）
うんうん、いつものお友達と一緒でしょう？さっき声聞こえたからそうかなって。あぁ、でもたまには俺以外とお昼食べたいよね…どうしようかな、声聞けたし今日は別々の方がいいかな…？
（彼の友好関係を壊したいわけではないが、アプリが落ちた以上、彼の姿を自分の目で確認するまでは不安で仕方がない。彼を尊重したい気持ちと執着の間でぐるぐると自答を繰り返して）

俺は優しくない。…それは…そうかもしれないが……
（貴方の言葉を聞くと何も言い返せなくなり口篭る。確かに周囲の人が自分に何をするかは分からない。そんなことを言われてしまうと返す言葉が見つからなくなってしまって。）

……友人は弥嘉のことを知っているから来ても大丈夫。
（アプリが落ちてしまったのなら貴方の心の中は不安や心配でいっぱいだろう。電話までかけて来たのだから心情は手を取るように分かる。少し会うくらいなら問題ないだろうと思ったのと、貴方の気持ちを尊重した上で上記の言葉を述べる。）

あぁ、ごめんね。困らせたくて言ったわけじゃないんだ。颯くんのことが、その…あの、た、大切だから…。
（口籠もってしまった彼の様子に、反射的に言葉を紡ぐ。好き、愛してる、大切と伝えたい言葉はいっぱいあるのに、スマホの向こう側で彼が聞いていると思うとどうも恥ずかしくなってしまい、今度はこちらがもごもごと口篭ってしまって。）

…っ本当？じゃあ、直ぐに行くから待ってて！あ、みんなにお土産持って行くよ！
（彼の言葉に、心が一気に晴れ渡るのを感じる。一緒にランチをしていたであろう人物たちを思い浮かべて、学内のコンビニに方向転換をする。独自のリサーチに不備がなければ、総じて菓子系統は嫌いじゃなかったはずだと目当てのものを素早く買う。ほくほくとしながら彼の元へ足早に向かって。）

…そっか。ありがと。俺は大好きだよ
（束縛はいっぱいしてくるのに、愛の言葉を言うのは戸惑うの少し可愛いな、なんて思いながら珍しく口元に笑みを浮かべて。これが電話越しでよかった、もしも自分が笑っているのを見られたら恥ずかしい。もちろん貴方のことは大切だが、それ以上に愛している。だから大切ではなく「大好き」という言葉を使ってみて。）

お土産なんて…そこまでしなくても…
（コンビニ特有のドアの開いた時に鳴る音が聞こえると本当に買いに行ったんだなとすぐに分かる。だがその後にもう買ってしまったなら遅いなと思い、場所を言わなくても貴方なら知ってるだろうと想定し「わかった、待ってる。」そう言うと電話をプツッと切る）

う…あ、ありがとう……俺も気持ちは一緒だから！
（自分には言えなかったストレートな愛の言葉を受け取り、顔に熱が集まるのを感じる。他の誰でもない彼の言葉だからこそ、嬉しく、より愛おしく感じるのだと思う。きっと他の言葉でも彼からもらえるものであれば、何でも嬉しいのだろうな、なんて照れくさい気持ちから逃げる様に思考して。）

颯くんがお友達とご飯を食べるところランキングによると、そろそろ……あ、颯くん！とそのお友達のみんな。ランチ中にお邪魔しちゃってごめんね？お詫びに、これみんなでどうぞ
（予想していた場所をしばらく彷徨けば、愛しい彼の姿が目に止まって。彼に会えた喜びから自覚できるほど顔が緩んでいるのを感じて。予想通りのメンバーに、このラインナップは嫌いじゃなかろ？と先程買ったばかりのお土産を広げて見せて

…あ、弥嘉…。わざわざありがとう
（貴方が来ると視線を向けて先程買ったであろうお土産を見ると少し口元に笑みを作って感謝の言葉を述べる。そしてそのお土産のラインナップを見た友人たちは自分の好きな物ばかりであるためとても喜んでいる。なんでこんなに好きなものが的確にあたるのだろうと思いながら不思議そうに貴方に視線を戻す。）

弥嘉はもう昼ご飯食べた？
（自分たちはもう食べ終わる頃だが貴方は何も食べていないのだろうか、そう思ったのか聞いてみて。食べていないなら一緒にパンでも買いに行こうと考えて。）

ううん、急にお邪魔したお詫びだから。……うん、やっぱりちゃんと颯くんの顔を見ると安心感が違うね
（彼の姿を実際に自分の目で確認したところに、彼の微笑みを上乗せされ、愛おしさで胸がキュッと引き締まるような感じがして。彼を好きになってよかったなと今の幸せをしみじみと噛み締めたところで、ふと不思議そうな表情が目につく。皆まで言う必要はないだろうと、にっこりと笑顔を返すに留めて。）

あぁ、俺は…まぁ、お腹いっぱいだから、1食食べなくても全然問題ないよ？
（言葉を受けて彼等をくるりと見渡せば、そろそろ昼食を食べ終わりそうな頃合いで。一拍おいて考えるも、幸せで胸もお腹もいっぱいだなんて言葉に出せもしない恥ずかしい台詞が頭を駆け巡って。大事なところを誤魔化して返してみて）

…そっか。でも、ありがとう。そう？俺も弥嘉と居ると安心するよ。今日は俺、友達の家行くんだけど… 弥嘉は先帰っててくれる？
（2度目の感謝の言葉を述べた後、自分も貴方といると何故か安心してしまうと言って。そして、少し言いずらそうに視線を逸らしながらこのメンバーで1人の家に行くと伝えてみる。貴方の反応はどうなのだろうか、そう思いながらチラ、と横目で表情を伺って。）

そ、そうなの…？少食なんだね
（自分より身長が高いのに１食食べなくてもいいんだ…と何故か感心してしまう。自身はまだ男子高校生のようにいつもお腹を好かせているため１食抜いてしまうとやる気が起きなくなってしまう。）

…颯くんは凄いなぁ。嬉しいこといっぱい言ってくれてさ。
（彼の素直な言葉を嬉しいと思いつつ、やはり気恥ずかしさが優って、無意識にぽりぽりと頬をかく。彼の眩しさに、ついぽそりと独りごちて。）

え、お友達って…そっか、このメンバーで……うーん…じゃあ、ちょっと颯くんの負担になっちゃうけど、これ持って行って欲しいな
（思いがけない提案に、十二分に思考する時間を取って。我儘を通してもらった手前、いつもの様な束縛をし辛いと考えられる程度には常識的な思考ができるのか、と現実逃避をしながら。彼の荷物を増やしてしまう側面から使用するのを躊躇っていたアレの出番が来たと、彼の前に1台のスペアスマホを差し出して）

こっちのGPSは生きてるし、ちょっといじって色々聞けるようになってるからいいかなって。もしこのスマホに何かあったら、すぐ駆けつけられる様に手配しておくから安心してね？
（色々と倫理観がおかしな事を言っている自覚はあるが、彼のためなら何でもしないとと笑顔で上記を告げ）

…？俺は思ったことを言っただけ。弥嘉は照れすぎなんだ。
（束縛は激しいくせに愛の言葉は言ってくれない貴方に少し不満をこぼすように頬を膨らませてあからさまに視線を逸らしてあなたの反応を伺ってみる。）

ん、…何？
（持って行って欲しい、と言われると貴方に視線を戻して差し出されたスマホを見て首を傾げる。その後のこのスマホに関する説明を聞くとそういうことか、と納得して受け取る。ただ色々と聞かれるのは恥ずかしいのかそのスマホの画面を開いてどうにか盗聴機能を停止できないかとイジって。）

それは…その、ごめん。心の準備ができたら、ちゃんと言葉にするから…。
（拗ねた様子も可愛いなんて微笑ましく思いたいところだが、彼の不満げな様子に冷やりと汗が伝う。言葉に表さない自分に思うところがいくつもあるのだろう。自分だって彼に愛の言葉を貰えらなければ寝込むくらいに気にするというのに。いい加減、束縛するだけではなく、しっかり言葉に表さなくては嫌われてしまうのではないか。そんな思いから、ちゃんと言葉にするとは口にしたものの『嫌わないで』とは続けられなくて。）

あ、アプリ止まったり、スマホがクラッシュしたりしないようにちゃんと対策してるから安心してね！
（スイスイとスマホの画面に指を滑らせる動作を繰り返す彼の姿に、アプリが落ちないか心配なのかもしれないと閃いて。安心させるようににこりと笑いかけてみたりして。）

あ、いや…無理しなくてもいいから…
（少し追い詰めすぎただろうか。汗が伝っている貴方を見ると心がきゅ、と締め付けられて申し訳ない気持ちになってしまう。自分は貴方に愛の言葉を貰えなくとも、束縛などで好きという愛情や行動で伝わってくる。その為、愛の言葉は貰えたら嬉しいだけで、貰えなくても嫌いになったりはしない。）

……そっか
（流石だ。後先のことも考えてその機能をつけたことに少し感心はするが笑顔で答える貴方には自分の考えていたことには気付かれていないのかもしれない。ならば弄るだけ無駄だと思いスマホをカバンの中に仕舞い、今日はこれを持ち歩こうと思う。）