人間に恋した吸血鬼

生活するうえで役立ちそうな事？(うーんと、腕を組んで考え込んでしまい)今まで、まともな生活送ってなかったからなぁ～
あ、雨風か防げる寝床作りなら出来るぞ

そんなサバイバル生活みたいな…(相手の言葉に驚きのような顔をして、｢じゃあ、俺平日の昼間は学校あるし、その間家事しといてくれよ。やり方は全部教えるからさ｣と言い)

おう！とりあえず、トマトジュースくれ！(家事とやらを覚えれば、少しは役に立てるのかなぁと思い笑顔で話し)

はいはい、ほら(先程買ったトマトジュースの入った袋を机に置き、ふと相手は昼間は寝ているのではと思うと、｢レオたち吸血鬼って昼間も動けるの？｣と尋ねて)

サンキュー(トマトジュースを受け取るとストローをさして飲み)
ん？昼間？日光は苦手だ。本来の力がでない、最悪焼かれて死ぬ

そっか…じゃあ、カーテン締めてたら動けるんだな？(相手の言葉から、ならば日に当たらないようにすれば多少は動けるのではと思い、そう言って)

かーてんってなんだ？(首を傾けながらまた知らない言葉にキョトンとした顔を向け)

これだよ、これ(それも知らないのかと思いつつ、窓の方に行くと、カーテンを閉めて、｢これで陽の光を遮るんだよ。それなりに遮光効果のあるやつにしたから、あんま入ってこないはずだぞ｣と教えてあげて)

ヘェ～、やっぱ大輝は優しいんだな。ますます好きになってきた(嬉しそうに微笑み、今までこんな感情になった事がなく胸が暖かくなるのを感じて)

他に苦手なものってあるのか？(相手の好きになったという言葉を適当にあしらうと、今度は苦手なものを尋ねて)

苦手なもの？うーん、聖水、かなぁ。前にハンターに狩られそうになったときに使われて羽が溶けたんだよ(あの体験は忘れない恐怖があったらしく、軽くトラウマになっていて)

そんなもん家にねぇし、大丈夫だな(聖水と聞けば、そういえばよく弱点だって聞くななんて呑気に考え、｢もしかして、十字架とかニンニクにも弱いのか？｣と尋ねてみて)

それは、嘘だな。現に俺平気だし。(首を横に振り、それは人間が勝手に思いこんでいるイメージだろうなと思い)

なんだぁ…(嘘と聞けば、あからさまにしょんぼりして、眠気が出てきたのか、ふあっと欠伸をしては、｢風呂入ってくるから、好きにしてて｣と言うと立ち上がり風呂場へ向かい)

そう言われてもなぁ(トマトジュースも飲み終わったし、何をすればいいのか分からず、とりあえずソファに座り)

なんだよ、好きって…どうせ、血が美味いとかそんなんだろ(服を脱ぎ、風呂場に入ると髪や身体を洗いつつ、相手が好意を寄せる理由がわからず、そう呟いていて)

なんか、あったかいなぁ(小さかった頃に両親をハンターに殺された為、愛情というものを知らずに育った過去があり、それからは生きるのだけで必死だった日々を思うと、これが幸せなのかなぁと思い)

うわ、噛み跡残ってる…(ふと鏡を見れば首筋に噛み付かれた跡が残っていて、服で隠れるだろうかと考えつつ、風呂を上がり、タオルで体を拭いて寝間着を着るとリビングに戻り)

(戦いで体力を使って疲れたのか、あがってくる頃にはソファで縮こまって寝ていて)

寝てる…(相手が寝ているのに気付くと、その寝顔を見ては、タオルケットを相手に掛けてあげ、コップにジュースを入れて飲み)