アイドル様 2023-09-16 18:48:49 |
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単純で悪かったな、俺はそういう男だから許してくれ
(赤く染っていくほおにも気づかない様子で、いつもの彼女の調子が戻っていくことに嬉しくなって。苦笑いを浮かべながらそんなことを言って、スマホを胸ポケットへと入れて。顔が真っ赤になっているのも、照明のせいか?なんてトンチンカンなことを思いながら彼女を眺めて。本当に単純な人間だから思ったことしか口に出せずにいる、本当は治したいがそれは叶わずに今に至る。料理は可愛い、なんて言葉に「お前も料理と同じくらい可愛いよ」なんて、追加で小っ恥ずかしいことを口にして、まるで我が子を見るような目線で)
っ、…………も、いい、から。
( 今だってただでさえどきどきばくばくと心臓がうるさいのに、更に言葉を続ける彼の唇にそっと白魚のような人差し指を添えてこれ以上の言葉を遮る。頬は薄紅色に染まってるし、羞恥からか彼を見つめる桃色の瞳は潤んでいるので決して嫌だと言っている訳では無いのは明白で。「 …可愛いなんて、私がいちばん知ってるんだから、! 」と照れ隠しの一言を添えてはぷいっとそっぽを向いたあとにさくらは恥ずかしいのか所在なさげに彼の唇から離した手で頬杖をついてうる艶の唇を尖らせ。 )
ん、分かった
(当てられた人差し指に驚きながらも、言われた通りに口を閉じて。こんな在り来りな賛辞の言葉なんて、聞き慣れているだろうなんて勝手に思っていながら。間接照明のせいか彼女の表情はよく見えず、でも少し潤んでいるのはわかって。自信ありげな彼女の言葉に「そうだな」と力強くうなづいてみせる。そのあと料理のことを決めようとメニューを開いて「一応コースもあるみたいだが、1品料理でもいいが…どっちがいい?」と聞いてみて)
、……伊吹さんのおすすめ。
( 頬杖をついたままむ、と悩ましげに唇をとがらせたあとこてりと首を傾げれば無茶ぶりついでに彼に任せると一言。こういった所では大体年上に任せた方が安牌であることを芸能人人生の中でスッカリ学んでしまった。最も、目の前にいる彼にそんな気を使わなくていいことは分かっているのでこれはただの無茶ぶりなのだが。「 美味しい方ね。 」と一言つけ加えては、さくらはふふんと笑って見せて。 )
お気に召すかは分からないが、頑張ってみるよ
(うちのお姫様からのご要望ならば仕方がない、と言いたげにメニューの視線を落として。コース料理の方はよくある前菜からデザートまで9品で飾られている。どれも魅力的だが、その中にもし彼女の嫌いなものがあった時は無理をさせてしまう。それならいつも料理を作っている経験から自分が1品ずつ選んだ方が安牌だと考え、店員を呼んで季節の野菜のテリーヌ、帆立とトマトのブルスケッタ、合鴨のコンフィとフォアグラ、カボチャのミルクスープ、舌平目のシャンポニオン、和牛ハラミのソテー、最後に桜の花びらがこれでもかと降ったデザートプレートを流れるように注文して、向き直って「ドリンクはどうする?」と聞く)
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