アイドル様 2023-09-16 18:48:49 |
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ふぁ、……。
( 暫くして。艶やかな黒髪は邪魔にならないように低めのツインテールに、ぶかっとしたシンプルなオーバーサイズのTシャツにショートパンツとThe部屋着といった少々無防備な格好で欠伸をしながらリビングへと戻ってくれば、ふわりと漂ってきた料理の匂いに「 いいにおい。 」とふっと表情を和らげればそのままいつものテーブルの定位置に座って。とは言ってもあるのは自分の椅子とそれから彼がいつも座る椅子の2つだけなのだが。「 今日はケチャップがいいわ。 」なんてわがままを言いながら机に両肘をついては台所に立つ彼をぼーっと見つめて。 )
あと少しで出来るから待ってろ
(腕まくりをしたワイシャツにエプロンをつけた、まるで母親のような格好で彼女を出迎えて。いつの間にかその無防備な部屋着にも慣れてしまったが、最初の頃は「無防備じゃないか?」と口を出してしまった時もあった。あっちから見たら俺なんておじさんだから、何も意識することは無いのだろうと心の中では苦笑して。いい匂い、という彼女の言葉に小さく笑って「それなよかった」と答え、話している間にできたオムライスをお皿に盛り付けて。お望み通りのケチャップを冷蔵庫から出し、適量をオムライスの上にかけて。……何かしらの模様を書こうとしたが、そんなことをしたら更に鬱陶しいと思われると考えやめた。いつものランチマットを敷いたその上にオムライスの乗ったお皿と、間で作っていたサラダとマカロニスープをつけ添えて。「お待たせ、できたぞ」と彼女に笑いかけて)
いただきます。
( エプロン姿の彼はもうすっかり見慣れた。お母さんみたい、だなんて思ったこともあるけど記憶の中の母がエプロンをつけていた記憶なんてないのに、人間の脳って不思議だなぁ、なんて何度も思ったことか分からないことをまたふと考えつつも目の前に運ばれてきた料理たちに言葉こそ発さないもののさくら瞳はキラキラと輝いていて。静かに両手を合わせて上記の挨拶を述べれば、まずはメインディッシュであるオムライスを1口。ふわふわの卵に優しい味付けのオムライスを口にした途端桃色の瞳はぱち!と開いてそのままなにか口を開くことなくきらきらと輝いて。「 ……美味しいんじゃない? 」なんて照れ隠しにそんなことを言ってみるも、目は口ほどに物を言うのか桃色の瞳は美味しい!好き!と煌めいており。 )
どうぞ
(前までは気になって、美味しいか?なんて聞いていたが、彼女に料理を作ることが多くなってからは、そんなことすら効かなくなった。彼女だったら、不味かったりしたらきっと言うだろうと。彼女の目をキラキラさせるのを見え、笑いそうになるのをなんとか耐えて。きっと今笑ったら、ムッとしてこちらを見てくるだろうと考えたが、その顔もきっと可愛いんだろうなと勝手に想像しては微笑ましくなって。照れ隠しの言葉にも「良かった」と安心したように言葉を返す。目は口ほどに物を言う、なんてことわざは本当だな、と彼女の煌めく目を見て感じて)
( /顔出し遅くなってしまいすみません……! )
─── 、?
( 自分でも自覚がないうちに随分とお腹がすいていたのか、もぐもぐと幼い子どものように食事を口に運び続けていたもののふと彼の視線に気づけばきょとん、と瞳をまんまるにしたあとに少しだけ眉を寄せて「 なに 」と言いたげに首を傾げて。偶に彼は自分のことを面倒を見ているアイドルというよりも妹だったり子どものような存在とも言いたげな優しく暖かい瞳を向けてくることがあり、さくらもそれは自覚しているのだが如何せんそんな視線に慣れてはいないさくらはどこか照れくさそうに、所在なさげで。 )
何でもねぇよ、落ち着いて食わないと詰まるぞ
(きょとんとして見てくる視線に対して微笑んで。小さい子のように一生懸命食べている彼女に心配そうに告げてみる。年が離れてるというものあるが、アイドルでは無い彼女の事は誰よりも心配になるというか、気にかけてしまっている節がある。自分に妹はいないが、きっといたらこんな感じなんだろうなと思いながら、自分のお茶を持ってこようと席を立って。ふと思い出したように明日の予定を確認しようと、手帳を開いて)
(/レスありがとうございます!
ついでにとすこし相談ですが、これから先なにかしたいシチュエーションなどありますでしょうか?
今後の参考にお聞きしたくて)
そんな子どもじゃないわ、失礼ね。
( 丁寧に咀嚼を繰り返して飲み込んだ後、彼の言葉につんと艶やかな唇を尖らせては不満げに上記を返して。確かにたまに咀嚼が面倒くさくてゼリー飲料で食事を済ませてしまうことはあるけれど。そうしてマカロニスープに口をつけてはふわりと暖かで優しい味わいにほっと小さく息を吐いて。今日の撮影の疲れだったり、蓄積されたストレスだったり、そういった些細なものが全部暖かなスープに溶けてしまうようでさくらの桃色の瞳もとろんと蕩ける。「 おいし、 」と意図せずぽろりと唇からまろびでた言葉はまるでカメラの前のように穏やかで花が綻ぶような笑みとともにそのスープにこぼれ落ちて。 )
( / そうですね…!少し過激なファンに精神的被害や握手会などで直接被害を受ける、だったりそういったイベント?というか、起承転結の転みたいなイベントがあったらいいかなぁと思います…!
二人の距離も縮まるキッカケになればな、と! )
悪かったって、機嫌直してくれよ
(着ていたエプロンを脱ぎながらまるで子供をあやす様に苦笑いを浮かべて、手帳に書かれたスケジュールに再度目を通すと、来週に握手会の一言が。握手会には嫌な思い出がひとつあって。ファンの母数が多いため、その中には一際注意しないといけないファンが混じることは多々ある。握手会だと彼女とそのファンの距離が近くなるから、いつもよりも気を配らないといけない。前の握手会では彼女にかなり密着しようと手を伸ばしてきたファンが居たから、その事が心配のようで。あの時のことは大丈夫だったか、なんて眉を寄せて彼女を見てみるとスープを飲んで穏やかに笑っているところが目に入って。その姿に心配する必要なかったな、と安心して手帳を閉じて。「お風呂沸かしてくるな」といつものやりとりのように言って、風呂場へ行こうとして)
(/かしこまりました!
2人の距離を縮めるにはいいイベントですね!
一応、ロルの中で握手会のこと匂わせるようなことを書きましたが、大丈夫でしょうか…!?)
もうおそーい。
( まるで幼子をあやす様な彼の言葉につん!と態とそっぽを向いて見せたものの、全て食事をたいらげたあとに両手を合わせて〝ごちそうさまでした〟と律儀にあいさつをひとつ。それから空になった食器を自分では滅多に使うことの無いピカピカのシンクに持っていけば、職業柄しっかりと手の保護用にゴム手袋を嵌めてお皿を洗い始めて。さすがのさくらもこの程度の家事はできるのだ。家事と言うよりもお手伝いだが。風呂場へ向かう彼に「 はぁい 」なんて気のない返事を送りながらも、ふともうすぐ握手会が近づいてくるな、とふと思い出す。元々のキャラ作りのせいか自分のファンには距離感を勘違いしている人も少なからず居り、握手会の日は少しだけ緊張する。それは決して顔には出さないけれど。さくらはぼーっと流れていく水を眺めながら少しだけ前髪に隠された眉を寄せて。 )
( / ありがとうございます!全然大丈夫です…!
私も乗っからせて頂きました…!! )
……とりあえず、警備を増やすか
(外だったら絶対に聞くことの出来ない気の抜けた返事を聴きながら、風呂掃除の道具を手にして。握手会のことで頭がいっぱいになってしまっている為か、自然とそんな独り言を零してしまって。リビングの方から聞こえる食器を洗っている音にハッとして、掃除を手早く終わらせてリビングへと戻り。気丈に振舞ってはいるが、1番怖かったのはきっと彼女の方だ、自分が不安そうにしていたらもっと不安になってしまうと、彼女の前では自分も気にしてないフリくらいは見せないと、と自分を鼓舞してみる。水仕事をしてくれている彼女に「しなくていいのに、いつもありがとな」とお礼を言って)
(/良かったです!
では、好きなタイミングで場面転換なりしてもらえればと思ってますので、一旦背後は消えます!)
っ、え。
……別に!ご飯作ってもらってるのにお皿洗いまでさせたら私が何も出来ないみたいでしょ。
( 何時までそうしてぼうっとしてしまっていたのだろうか、ふと自分にかけられた彼の声にびく!と肩を跳ねさせては桃色の瞳をまん丸にしたまま其方へと視線を向けて。だがすぐに我に返っては上記を答えながら洗い物を再開して。そうして水音に小さく紛れてしまうのではないかという声で「 わたしも、……いつもありがとう。 」と普通であったらここまで私生活にマネージャーが手を出すことなど有り得ないのにこうして自分の衣食住にまで関わってきてくれている彼にぽそりとお礼を。 )
( /わかりました!では良きタイミングで場面転換させていただきますね…!
背後もこれにて失礼致します! )
いつも頑張ってるんだから今くらい休めばいいのに
(まるで仕事場は全て戦場といった様子でアイドルを全力でやっている姿をずっと見ているからこそ、休める時は休んで欲しいと心の底からずっと思っている。でも、彼女の性格を分かっているからこそ言えない。……一応伝えているつもりではあるが、言い方が弱いのか分かってもらってないと思う。水音に紛れた彼女のお礼に聞こえなかったのか「何か言ったか?」なんて聞き返してしまって)
いつも頑張ってるんだから今くらい休めばいいのに
(まるで仕事場は全て戦場といった様子でアイドルを全力でやっている姿をずっと見ているからこそ、休める時は休んで欲しいと心の底からずっと思っている。でも、彼女の性格を分かっているからこそ言えない。……一応伝えているつもりではあるが、言い方が弱いのか分かってもらってないと思う。水音に紛れた彼女のお礼に聞こえなかったのか「何か言ったか?」なんて聞き返してしまって)
休むのと堕落するのは違うわ。
( 彼の言葉にふる、と小さく首を振れば素の彼女らしいくしゃりと眉を下げた笑顔を浮かべて自分ができるような仕事すらも彼に投げ出すのは堕落だと答え。そうして洗い物がすべて終わったのか水を止めれば「 なんでもない! 」と小粒な耳にぱっと朱を散らしながら誤魔化して。そうしてそのままリビングに戻ってくればぽすん、とソファに体育座りをして。「 …握手会、チケットって全部はけたの? 」とふと思い立ってそんなことを問いかければ、問いかけた後に(全部はけてないわけないか…)と自問自答してしまい。 )
…堕落とは思わねぇけどな
(彼女の隣に立って、洗ってくれた食器を慣れた手つきで拭きあげていって。俺に出来ることなんてこれくらいしかないのに、もっと頼って欲しいなんて言葉を飲み込んで、代わりにため息が出てしまう。なんでもないと誤魔化す彼女に首を傾げて「そうか」となんとも気の抜けた返事をこぼして。吹きあげた食器を片付けながら、リビングのソファに座り込む彼女を見送って。「握手会か…それがだな、」と少し言いにくそうに言ったあと「売れきれたのが早すぎて上から追加を迫られてるんだが、どうだ?流石に体力的にキツイだろ?」と彼女の体を心配して聞いてみて)
、……分かってるくせに。限界まで追加でいいわ。
私は求められてる限り与えるべき存在だもの。
( チケットが完売しているのは何となく察してはいたのだが、まさかそこまでだったとは思わずに1度だけぱち!と瞬きをした後にすぐに意識を整えるように軽く息を吐けば、ソファの背もたれに少女らしい華奢な背を預けて笑い。〝 ファンが求めるのならばそれに全て完璧に応えるのが理想の偶像 〟なんてよくさくらは自分を追い立てているが、今回はまさにそれ。自分個人の感情などは放っておいて、それなりの報酬と愛をもらっているのだから。さくらは背もたれから起き上がれば膝に肩肘をついて「 会場の時間ギリギリまで入れて。 」とこちらを心配そうに見つめる雪空の瞳に普段のアイドルの笑顔とはまた違う、自信に溢れた笑みを浮かべて。 )
……そうか、なら上には言っておく
(握手会の件は彼女の心の奥に傷は残っているはずだ、口には出さないけれどなんとなく分かってしまう。前に来たファンはおそらく今回も来ると踏んでいる。なんの対処法もないまま迎え入れることになる、今回は俺が何とかしないと。春野はずっと皆が見る理想像を与え続けるだけで、そのお返しはほとんど返ってきてない。愛と報酬は両の手ではこぼれてしまう程に貰っている。1人でも彼女の本当の姿、そのものを認めてくれる人間がいたらいいんだけどな、と親心みたいなことを思いながらソファに背中を預ける彼女を眺めて。自信に溢れた彼女の姿に、こっちが不安でどうすると心を入れ変えて「わかった」と返事をして)
それにしても、そんなに完売早かったのね。
結構チケット数用意したって言われていた気がするけれど。
( こてん、と無防備にそのままソファに寝転がってはぬいぐるみ抱きしめつつふと疑問を口にする。今回は前回の握手会を踏まえて結構な数を用意したとプロデューサーに言われていた気がするが、即完とは。自分も随分偉くなったものだな、なんてぼんやりと思いながらくまのぬいぐるみの頭に口元を埋めて。「 数増やす代わりにチケット安くしたとか? 」と、会場だって前回のキャパよりもそこそこ大きいものを借りたと聞いているしかかるお金は少なくないだろうとアタリを付けては不思議そうに桃色の瞳を彼に向けて。 )
俺も早かったと思う
特に前と条件は変えてなかったが、本当に人気になったな
(まだ販売期間はあるというのに、想定外の早さで俺だけじゃなて上層部も驚いている。本当に応援してくれている人が多いことに自分の方まで嬉しくなってしまって。感嘆に浸るのはここまでと言いたげに、表情を固くして「その握手会について言っておきたい事がある」とひと呼吸おいて話し出す。「この前、1人のファンがお前にかなり接近してきたのは覚えているか」と、きっともう思い出したくないだろうである事を聞くのは心苦しいが、これは彼女のためだと真剣そうな目を、寝転がっている彼女に向けて)
─── さぁ。忘れちゃったわ。
( 前回の握手会でのファンの異常な接近。忘れるはずがない。今でもその事を思い出して泡肌が立つほどだ。いくら芸能界に身を置いている者だとしても、さくらはまだ18歳。高校生なのだ。だがしかし彼の真剣な冬空から目をそらす様にソファから起き上がれば、強い語気とは裏腹に無意識にぎゅうとぬいぐるみを抱きしめる手に力を込めて。「 それがどうかしたの。 」油断をすれば今すぐにでも手が震えてしまいそうになるのを堪えながら、さくらは彼と目を合わすことなく問いかければ件の男は出禁処理になったはずだと聞いたこともふと思い出し。……確かあの時は、自分も驚いてしまいその後の握手会は中止にこそさせなかったがマネージャーたちから見ればいつもの〝春原さくら〟よりも少しだけ、ファンすら気付けないほどの違いだが、パフォーマンスが低下してしまっていたんだっけ、なんてことすら思い出してしまい。 )
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