掲示板ファンさん 2023-09-16 14:07:27 |
通報 |
( 飛び出た弾丸は、紙片の隙間を抜けて何処かへ墜落。その安堵は、苛立ちに喰われる。構えた相棒に対峙し、此方も再び銃口を向けて彼を睥睨と見据える。「……憎らしい、」信頼を拒絶に潰され、親愛を憎悪に絞られ、全てがひっくり返る。親しい程に、その相手への殺意を抱かせられる。「厭わしい、」知れず漏れる声は、潰れた楽器の如く不安定に地を這う。また引き金に指を掛けた――瞬間、銃を持つ腕が衝撃で跳ねる。同時に痛みも走り、肩に程近い袖の上部にじわりと血が滲む。そこに一瞬目を遣って、だが、痛いと悲鳴を上げた少女の声に呼応するように、相棒への敵意が膨れて、感覚も感情も何もかも塗り変えていく。「……ぅ、ぐ…っ、」針を押し付けられるような、脳を直に混ぜられるような頭痛で微かに唸りを落とした後に、また相棒に向き合う。睨み付けてはいるが、彼の表情は見えない。見る気も無い。ポケットから血液マガジンを一つ取り、そのまま相棒に向けて投げて、「……潰す。」自らの銃でそれを撃ち抜けば、中身の発煙剤が弾けて宙に散る。その赤い煙幕を己は真っ直ぐ抜けて相棒の目の前へ。手早く銃剣に変形させた武器の先で、まず喉へ向けての突き、それが当たる如何に関わらず、その勢いを乗せたまま脇腹を狙った回し蹴り…をフェイントに、また拳銃に戻した武器で腐蝕弾を心臓へ――放つ直前。酷い顰め面で呻く声と共に、不自然に一瞬固まった後、狙いがぎこちなく逸れて肩の方へと発砲して )
(/ まあそれもちょっと解ります()私も我が子達に怪我させがちなので…()あっ良かったです!アーネスト、容赦はありませんが致命傷だけは何とか避けるので…!イヴさん頑張って下さい!!()アーネストも頑張りますから!!() )
(痛みに跳ねる相棒の姿が目に入り、唇を噛む力が更に強まる。投げられた発煙剤から身を守るように片手を目の前に翳し、移動してきた相棒の銃剣の先を月光で弾いた。回し蹴りを防御しようとした、刹那─月光を持つ左肩に鋭い激痛が走る。じわり、と白い革ジャンの肩口辺りに血が滲んだ。腕の力が抜けて取り落としそうになる月光を持ち直し、精神力だけで声を抑え、声にならない悲鳴を上げる。─傷口の痛みが一定でなく、酷くなっていく所からすると─今撃ち込まれたのは恐らく、腐蝕弾か。「…っ、服…新しいのに、変えてなくてよかった…」強がるようにそう言って笑い、今しがたまで切れていた月光の電源を入れた。電源の入った月光の刃は、高熱のレーザーで青白く発光する。そのまま相棒の目の前まで一気に距離を詰め、相棒の武器に向けて斬りつけた。─唇を噛み締めたイヴの表情からは普段の軽薄さが一切抜け落ち、苦しそうな表情の中、その切れ長の瞳だけが鋭利に研ぎ澄まされている。─無論相棒に当てるつもりなど、微塵もない。月光の刃が相棒の武器を少しばかりに融かし、カラン、と乾いた音を立てて相棒の武器の一部が地面に転がる。そのまま刃を相棒の喉元に突き付ける─が、やはり。その刃を押し込むことなど、出来なかった。躊躇うようにカタカタと小さく震える刃の先が自身の内心を代弁しているようで、ならばとハンドガンを突き付ける。─左肩の感覚が無くなってきた。もう左肩上腕、下手をすると手首辺りまで腐蝕しているかもしれない。「…アーネスト」弱々しい声は唇から漏れる前に掻き消え、鋭かった瞳が不安げに揺らぎ)
(分かっていただけますか!ええ、ついつい怪我させちゃうんですよね…()了解しました!頑張れイヴ!!死なない程度に!!())
( 相棒の肩を弾丸が貫いた拍子に退く。彼の持つ月光の間合いより後方、武器に入っていた実弾を抜き、次に入れたのは爆薬。再度構えた次の一瞬、遠ざけた間合いが詰められて、その刃が己の武器を容易く融かし斬る。銃口の先が本体から落ちて転がって、それでも彼を狙い引き金に指を掛け――そこで止まる。喉元に高熱の切っ先。此方か彼か、どちらかが動けば致命傷。しかし、それ以上には進まない。震える刃を冷ややかに見下ろし、続けて心底の侮蔑が籠った目を上げた先で、不安げな瞳と出会す。「っ、」ざわり。胸が、粟立つ感覚。目を見開く。だがそれを塗り潰さんと、殺せ壊せと敵意の衝動が押し付けられて息を詰め、――ガンッ!!と自らのこめかみを持っていた銃底で思い切り殴り、衝動を強引に打ち消す。多少皮膚が裂けただろうが、それに気を遣る暇は今無い。「……っ、イヴ。」憎悪も、敵意も、殺意も、まだその瞳に赫々湛えて相棒を睨んでいる。それでも何とか名を呼ぶ。少女の操作に飲まれる中で、糸を手繰るように唇を動かす。――痛みと衝撃で追い出した衝動はその場凌ぎだ。また直ぐに舞い戻る。だから、その前に。「離れて、銃を、撃ちぬけ。」たった三語、辿々しく唸る指示。“距離を取って、此方の銃を完全に破壊しろ”。タイミングだの何だの、それ以上を口頭で伝える余裕は無い。…ただ、先程自ら殴ったこめかみから伝う血液が。己の手元、爆薬の隣の、空になったマガジンに補充する際に溢れる薬性血液が。どちらも地に落ちる瞬間パチパチと花火の如く目映く光る――所謂、照明弾や閃光弾に使われる薬剤に変わっている事に、相棒が気付けられれば。きっと意図ぐらいは、伝わるだろう。――“任せた”。言葉にはしない。出来ない。もう思考は彼を潰す方向に回転を始めている。ぎちりと歯を噛み締め、意味の無い呻きを漏らした刹那、この膠着の打破に身を捻って勢い付けた前蹴りを、相棒の鳩尾目掛けて放つ。直後に爆薬側のみの弾丸も、銃身が欠けた分だけ照準がブレる事にも構わず、その足元に向け発砲し )
(/ 解っちゃいますねぇ。イヴさん怪我してると何だか男前に見えるんですよ()なんでしょうねぇ、この感じ…()いやもう…容赦無さすぎて今自分で引いてますね()イヴさんホント頼みますね…打開策のスタングレネードは何とか用意したので…() )
(─自身の名を呼ぶ、相棒の喉から絞り出したような声が耳に入った。目の前で、相棒が唐突に彼の武器で彼の蟀谷を殴りつける。辿々しいながらも投げられた指示を聞き、蟀谷の傷から零れ落ちる血液が弾けて光るのを目にするなり、小さく頷いたかと思えば今しがたまで不安げに揺らいでいた瞳が、真っ直ぐに定まる。その表情から不安げな色は一挙に消え失せ、真剣そのもの─普段のイヴからは想像もつかない、研ぎ澄まされた刃にも似た鋭いものへと変化した。鳩尾に叩き込まれた蹴りで、肺に溜まった空気が無理矢理吐き出さされる。苦しげに呻きながらも地面に垂れた相棒の血液を素早く指先で掬い上げ、足元へ発泡された弾丸から飛び退いた。月光の狙いはあくまでも外さないまま、思念誘導式ハンドガンを構え、軟弾頭の入ったマガジンを外すと9mm弾の入ったマガジンを器用に口で装填した後、相棒の持つ銃器へ狙いを定めて撃ち抜く。発射された弾丸は相棒の持つ銃身に命中し、手からそれを叩き落とした。そして月光を掴む、血液の付着した指先をバラバラと解いて紙片化させる。血液を包み込むようにして弾丸へ再形成されたそれをハンドガンに装填し、「…奥の手…だけど、これ、やると…結構…疲れるん、だよねえ…」と力無く笑いながらトリガーを引いた。発射されたその弾丸は真っ直ぐに相棒へ向けて飛翔し、相棒の目前の空中でバラバラと解け、包み込まれていた相棒の血液が眩い光を放つ。月光を逆手に持ち替え、─見えていたのか、それとも勘か。逃げようとする少女の方へ向けて投擲した。高熱の刃が空気を切り裂き、少女の持つぬいぐるみの頭へ突き刺さり、ショーウィンドウに磔にする。すると少女の身体はふらりと崩れ落ち、彼女は気を失ったように瞼を伏せた。「……逃げようなんて、考えるなよ。次はお前だ」イヴは低く、地の底を這うように恐ろしくドスの利いた声をぬいぐるみへ向けて発し)
(ですよね…コイツ怪我してるとイケメンなんです…()まあ怪我の似合う男ということで!()アッこれは奥の手というより…ただ単に普段は面倒臭いからやらないだけのやつですね!()紙片化は何かを包み込んで再構成も出来ます、ってやつです!!頑張れイヴ!!死ぬな!!())
( 爆薬弾は外した。更にもう一度、今度はその胴体を狙わんとして、しかしその前に武器が相棒の弾丸を受け手から抜ける。それはそのまま遠くの地に飛び、元より欠けて不安定だった為に溢れた爆薬によって、形も無い程砕き崩された。その次、武器を失えば接近するより敵意を向ける方法は無く、がっと地を踏み切った瞬間――目の前で光が弾ける。集められた為に光量は無論凄まじく、更には複数度、爆ぜる音まで伴って、視覚と三半規管を同時に眩まされる。「ぐ……っ!」自ら作り出したもの。直接の毒や薬であれば効果は無いが、薬品の化学反応で生まれる光や音などの副産物は別物。耳鳴りと目眩に頭を両手で抱え込む。「……ん、」少し経ち、人のシルエットが見える程度には視力が回復した所で、何とか目を凝らして相棒らしい影を見付ける。――頭の中の悪意は綺麗さっぱり消えている。どうやら上手くいったらしい。残る目眩でふらつきながらも彼に近寄っていけば、肌が痺れるような剣呑な空気が其処に漂っている。「…イヴ、」しかし、声を掛ける。今度は苦しさも無く、いつものぶっきらぼうな物言いで。「“それ”も捕獲対象だろう。」それ、と言葉で指した磔の縫いぐるみは、どういう原理か少女の啜り泣く声を漏らしてジタバタと手足を宙に藻掻かせている。ホラーにでも出てくるようなその有り様を、まだ焦点の合いきらない目で冷たく見下した後、「……やるなら壊さん程度にだ。」歪みの消えた、面倒さや億劫さを含めながらも真っ直ぐな、普段の視線で隣の相棒を見据え )
(/ 何ででしょうね…軽薄さが薄れるからでしょうか…()ですね!よし解決!!()いやでも凄いですねイヴさん!!凄い!!!アーネストも後で“奥の手”何か考えな!…え?割りと普段見せない武器も体術も見せた、って?いいから考えて!!()よし、生き残りましたね!おめでとうございます!!() )
(─手で目を覆っていても、一瞬頭がぐらつくような衝撃が走る。防御している自身でこれなのだから、防御していなかった相棒へのダメージは甚大だろう。案の定頭を両手で抱え、呻く相棒の姿が目に入った。この様子ではどうやら、"奥の手"は辛うじて成功したらしい。安堵の息を吐きだしつつ、着弾した衝撃で破損し飛び散った紙片を自身の指へと再構成すると、余程ダメージが蓄積していたのか─傷ついた指先からは血液がぽたぽたと滴った。正気に戻った相棒の言葉にぴく、と眉が動き、そちらへ顔を向けると「…加減くらい分かってるよ。…頭ではね」と先程よりは少しばかり柔らかく、だが相変わらずの地を這うような低い声で答える。ハンドガンをリロードすると、無言のままつかつかと足音を立ててぬいぐるみへ近付き、柔らかな毛の生えた短い手で月光を引き抜こうと無駄な足掻きをする"それ"の右手を掴んだかと思えば─冷え切った眼差しのまま、人の骨を折るように、反対側へゴキリと捻じ曲げた。すると"それ"は少女の声で"痛い"と悲鳴を上げるが、イヴの瞳は恐ろしいほどに底冷えするばかりで、容赦をする様子は見せない。そして人間で言えば脳幹辺りを貫いている月光を引き抜き、再び─今度は左腕の辺りに突き刺した。耳を劈くような悲鳴が響き渡るが、イヴは気にする様子もなくまた月光を引き抜き、頭を鷲掴みにして「…オレを操ろうとしたら両目を潰してやる。脅しじゃないからな」と低く響く声でぬいぐるみの耳元に囁く。怯えたように大人しくなった"それ"を掴んだまま相棒の元へ戻り、「確保完了…かな~。一旦戻らないとね~…や、正直もうね、左腕の感覚ない。多分腐ってる」と左袖を捲った。健常な人間ならばまず成らない、赤黒く腐食した肉が姿を覗かせる。はは、と乾いた笑い声を上げた後、「運転お願いね~、アーネスト」と笑いかけ)
(ですかねえ…()ええ!!解決ですね!!(暴論)良かったです!!えっいいんですか…()イヴも見たいよね?ね?(圧)無事生き残りましたね!でもイヴ、その溢れ出る憎悪と闇しまって!危ない人になってるから!!())
( 「…それは、」向けられた言葉に繋げる苦言は、彼の圧に引っ込めた。そのまま縫いぐるみの元へと離れていく後ろ姿をその場で見守る。さて、藻掻く“敵”の腕が掴まれて――捻じ曲がる際、枝でも折れるような音が聞こえて、骨があるのか、等と冷えた頭で思案する。少女の悲鳴についてはそもそも気に留めようとも思わない。頭、腕と高熱の刃で刺された後に、微かに震えるばかりとなったそれを手に戻ってきた相棒が捲ってみせた腕に、ぎっと唇の内側を噛む。――生体の腐食。腐り。細胞の壊死。それは肉体の一部が、完全に死んでいるという事。つまり、医療班長の言うような“治癒力”そのものが失くなっているだろう。…そうしたのは、他でもない自分だ。「……ああ。」少し遅れて相棒の笑みに淡々と答え、「だがその前に、」一歩近寄りその晒された腕の上部と、そもそも弾で撃ち抜いた肩の傷辺りを、各々自身の両手で予告無しに掴む。「…少しじっとしていろ。」己が引き起こした相棒の腐食を確と見据えて、すう、と息を肺に籠めた後、接触した掌から薬性血液を生成していく。その効能は――再生。壊死した細胞と神経自体の復活。もう少し踏み込めば死者蘇生薬ともいうだろう、医療や倫理の禁忌ガン無視の、“この世に有り得ない薬”。それを傷の癒合薬とも混ぜて生み出し、相棒の腕や肩に直に流し込む。「……っ、」頭が熱を伴い鋭く痛んで顔が顰む。…当たり前だ。通常は既存の薬剤や毒に寄せて生成を行っている。感情で溢れる薬性血液だって、成分を調べれば該当する薬品が出てくるだろう。こんな世の理をひっくり返すような、空想の薬を自身の想像と希望だけで作るなど、脳や身体に多大な負担が掛かるに決まっている。――だが、それがどうした。“そんな事”はこの行為を惜しむ理由になどならない。「……さて。」腐食部分全てに己のその血液を流し終わるまで十数分。いつの間にか垂れてきていた鼻血を離した手の一方で雑に拭いてから、改めて相棒の顔を、クラリ回る目で見遣る。「感覚はどうだ、イヴ。」思った以上に範囲が広く、失った血液も多い。熱に痛みに貧血と三重撃を喰らってぼんやりする頭では、きちんと最後まで再生させられたのか今一つ解り辛く、若干呂律の怪しい舌で本人へ直接問い掛けて )
(/ ええ、恐らく、ですが…()よしじゃあアーネストの奥の手見せちゃいましょうね!!此方アーネストの奥の手、“この世に無い空想の薬や毒、薬品を己の血液で生成する”という暴挙です!!()まあこの通り本人にバッチバチに負担掛かりまくるので、普段どころか緊急時でも使うのを渋る代物ですが!!どうでしょう!?()ヒョエ…イヴさんヤバい…(震)げ、元凶は何とかなったので何とかお鎮まりを……!() )
(相棒の返事を聞き届け、愛車に戻ろうと踵を返しかけたところで─ぐん、と左腕が予告無しに引っ張られた。思わず躓きそうになりながらも何とかその場でバランスを取って踏み留まり、その行動にどうしたの~、と声を掛けようとする。が、相棒から掛けられた言葉に何かを察したらしく、言われるがままに身体の力を抜いて相棒の行動を見守り始めた。液体が傷口に流れ込む様子をちらりと横目で見ながら、「いや~…不謹慎だけど、感覚無くて良かったかも」と苦々しい笑みを浮かべてそうしみじみと呟く。そうして少し経った後、治療が終わったらしい相棒の手が自身から離れていった。─今の治療は、どうやら目の前の相棒にかなり負担を掛けるものだったらしい。彼の鼻からは一筋の血液が垂れ、焦点もあまり定まっていない。その様子を内心心配そうに眺めていると、いつもより舌っ足らずな声で感覚はどうだ、と問われ、何気なく左手を動かしてみる。─握り込んだ指に、間違い無く─今しがたまで喪失していた筈の感覚があった。「…え、何これ~!ちゃんと戻ってる!アーネストすご~い!」目を見開いて少し沈黙した後、すっかり感覚の戻った左腕をブンブンと振り回しては眼の前の相棒に称賛の言葉を投げる。─その際。感情の昂りに比例するかのように右腕に先程より力が籠もり、鷲掴みにされたぬいぐるみの頭がギシギシと締め付けられるような音を立てて軋んだ。それは蚊の鳴くような声で悲鳴を上げるものの、気付いたらしいイヴが一瞥と共に力を緩め、その後に発せられた「…ああ、悪い。うっかり潰すところだったよ」そこから何一つ感情の読み取れない、平坦な声に再び怯えたかのように沈黙する。イヴは顔を相棒に戻すなり、立てる~?大丈夫~?、などと一変した呑気な声を掛けながら健康に戻った左腕で相棒の肩を支え、愛車の元まで戻るとヘルメットを取り出し、シートに腰を下ろした。頭を掴んだままのぬいぐるみの処置に処置に困っていたが、やがてぬいぐるみの腹部分を─ちょうど手袋の代わりにするような形で─苦しげな呻き声は聞こえないかのようにグリップを握り込んだ。「やっぱオレが運転するよ~、アーネスト。治してもらったし」とヘルメットのシールド越しに悪戯っぽく微笑んでみせ)
(アッ好きなやつ…!!そういうの好きです…!!!こらイヴ!!闇しまいなさいって言ったでしょ!!()これ以上出さないの!!めっ!!())
( ボヤけた頭に視界でも、相棒がいつものように騒がしくしているのは解り、幻薬の生成も治療も無事成功した事をそれに知る。そうか、と称賛の言葉に淡白に返し、安堵の息をこっそり吐いて回る目を一度瞑った直後、足元が定まらない感覚に身体が大きく揺らいで倒れかけ――相棒の腕に肩を支えられる。掛けられた声に開いた目で一度彼を見遣り、何も言わず頷くのみの後、二人で共に真っ赤な二輪の元へ戻る。先にバイクに股がった相棒によって、雑にその手元に押し付けられる縫いぐるみを、引き続き垂れてきていた鼻血を白衣の袖で拭いながらぼんやり眺めた後、此方を向いた相棒の微笑みに、「…ああ、そうしろ。でなければ、貴様のような、あまったれ芋虫を治した甲斐が一つも無い。」舌も足りない、勢いも無いなりにいつもの毒を返して、もう一つのヘルメットを被り、当たり前に彼の後ろに乗る。――走り出すバイク、景色が流れていくその合間。「……イヴ。」相棒の名を口にする。しかしそれは呼び掛けと言うより、意識のハッキリしない譫言か独り言のようで。「……わるかった。」ヘルメット越し、吹き抜ける向かい風、エンジン音。そこに紛れて聞こえるかも定かではない、ただ一言純粋な雑じり気無い詫びを、辿々しくも相乗りする相棒の背に落として、熱を持った頭と怠い身体の重さを、機関に着くまでの間少しばかり彼に預け )
(/ うへへお気に召して頂けたようで幸いです!!ちなみにもっと量が増えたり効能があんまり現実からかけ離れたりすると、今度は脳だけじゃなく内臓へもダメージいって吐血だのするのでマジで使うの嫌がります!まあ今回は相棒の為に頑張りましたが!!()ワァ…ァ…(半泣)イヴさん闇ないないして下さい…アーネスト捧げるんで…() )
(─自身の後ろから、舌っ足らずながらいつもの毒舌が聞こえたことに、苦笑しながらも何処か安心していた。は~い、と返事を返しながら、相棒に負担が掛からぬよういつもより速度を落として走行する。途中、風の音やエンジン音に紛れて何かが聞こえたような気がしたが─聞き返そうとして、やめた。自身の背中に当たっている相棒の額が、革ジャン越しでも熱く感じる程熱を持っている。「…お疲れ様、アーネスト」ちょうど信号で停車するタイミングを見計らい、今自身に凭れている相棒によって治療された左手を伸ばし、相棒の頭を労るように優しく撫でた。─こんなこと、正気の相棒にすれば凄まじい顔で睨まれるだろうが─今は、まあ…良いだろう。内心でそんな言い訳をしている内、信号が青に変わる。相棒から手を離し、再びバイクのグリップを握り込むとエンジンをふかし、機関までの道を走行した。やがて機関に到着すると愛車を停め、先に降りてから「アーネスト、着いたよ~。オレ、コイツ持って行くから休憩しときなよ~」とだけ声を掛ける。押し付け続けられた所為か、すっかり抵抗する気力を無くしているぬいぐるみの頭を再び掴むと、いつもより甲高いヒールの音を立てながら機関内を"研究課"へ向けて突き進んだ。普段の軽薄な雰囲気ではなく、どこか底冷えしたような雰囲気を纏うイヴに職員たちは怯え、何も言わずともイヴの通る道が自然と開いていく。やがて"研究課"のプレートが掛かった部屋に到着すると、ノックする前にドアが僅かに開き、ひっつめ髪に眼鏡を掛けた女性が顔を覗かせた。彼女は怪訝そうな目でイヴを見上げたかと思えば、何、と愛想の欠片もない声を発する。イヴはその無愛想な声と無表情にも怯まない、というか寧ろ慣れた様子で「目を合わせることがトリガー。精神操作系の特殊個体。右手欠損と左手及び頭部損傷、は~…えっと~…うん。色々やりすぎた。ごめん」とぬいぐるみの説明をしつつ、呑気に笑いながらぬいぐるみを彼女に向かって差し出した。彼女は相変わらず怪訝そうな眼差しのままそのぬいぐるみを受け取り、どうも、とだけぞんざいに述べたかと思えば扉をバタンと閉めてしまう。そんな彼女の様子にイヴは少しの間硬直した後肩を竦め、踵を返してロビーへと向かい)
(アッそういうのシュキ…負担が掛かるのに頑張ってくれちゃう系のやつは好きです…()泣いちゃったァ…ほらイヴ!!闇ないないしなさい!!…よし!いつものイヴに戻りましたね!!())
( オーバーヒートで上手く思考が纏まらない。脳に巡らせる血が足りない。今はただ何も考えず、相棒の背に凭れて流れる風を受けていた。…ふと、頭の上に何かが乗る。振り払う事はしなかった。抵抗する気力が無いのもそうだったが――それは、妙に心地良くて。退けてしまうのは、惜しい気がして。重い瞼を閉じて細く息を吐き、その手を受け入れた。そんな静かなやり取りの後から暫し、相棒から声が掛かって視界を開ける。「……ああ、そうする。」報告だの何だの、今は放っぽって相棒の案に乗り、ロビーの席に座って彼を見送るなり額からテーブルに突っ伏す。ヒヤリとした無機物の温度に熱を奪ってもらい、じわじわ冷静になり始めた頭で改めて今日の特殊個体について考え始める。物が個体そのものであるそこそこ珍しい事例。あれの引き金は視線の合致。その能力は、「……感情の反転、か。」結論。愛を憎悪に変えて、信頼を嫌悪に変え、そして――守りたい、補いたい、支えたい。その欲を、“壊したい”“殺したい”に変える精神操作。受けたからこそ解る事。あれは、元々感情を持っていなければ反転などしようもなく――加えて感情が、想いが、強ければ強い程反転したマイナスも強烈に顕れる代物だ。「……気を付けねば。」何が、何に、とは言わないまま思考を纏めて、テーブルに広げていた上体を起こす。そこで丁度現れた相棒の姿に、先に立ち上がる。まだ多少熱と貧血でふらつきはしたが、随分とマシになった。「後は報告か…」至極面倒そうに顔を顰めて、だが相棒と歩を共にする。その道中、「……イヴ。さっきの仕事中の事だが、」足音の隙間を埋めるように相棒へ一つ投げ掛ける。「あまりにも甘ったるい。自分を殺しに掛かってきている相手に対し、傷一つにすら迷いを残すなんぞ、愚行が過ぎる。」それは一先ず自分の事は棚上げしての、相棒の仕事ぶりへの苦言。「…生かしておくにしろ、目を潰すか、手足の腱の一つも切ってしまえば、あんな余計な傷を負う事も無かっただろう。」油断、情け、容赦。そんなものは己を危機に晒すのみ。吐き捨てる苛立ちは、どうも相棒へだけではなく、自分にも向いている。「今回は運良く個体の能力が未熟で、ある程度反抗出来る隙があった。だが、」一瞬、目を泳がせる。今はただ空っぽの、武器を握っていた片手が、握り開かれる。――あの相棒に向けた引き金の感触を思い出したように。「…もし、次があるなら。迷うな。切り捨てろ。撃ち抜け。……私に貴様を殺させるな。」あまりに一方的で、ぶっきらぼうで、不遜な物言いに――信頼と心配を乗せて、隣に並ぶ相棒を睨むように見据えて告げた次、「……まあ、そもそも。その“もしもの次”なぞ来させる気も無いがな。」ふんと鼻を鳴らし、一応と己の非も遠回しに認める言葉を置いた後、今度こそ完全に顔を逸らして )
(/ 解って頂けますか!!好きなんですよ!どうにもならない窮地に陥った時、一か八かで奥の手を使って出来上がったものを相棒に託すやつとかが!!私好物なんです!!()良かった!いつものイヴさんだ!ほらイヴさん!アーネストもいつも通りに戻りましたよ!!どうぞ!!() )
(ロビーに戻ると、真正面の机に突っ伏す相棒の姿が目に入った。相棒は自身の姿を目に留めるなり、ふらつきつつも立ち上がって隣へ並んだ。管理室へと向かう道中、隣から散々毒が飛んでくる。それら全てを引っくるめて、ごめ~ん、と適当に答えながら苦笑して誤魔化すが、内心は穏やかではない。─例え、自身が殺されていたとしても…相棒を、アーネストを殺せる筈が無かった。自身の銃弾が相棒の肉を抉った瞬間が、まだ瞼に焼き付いている。知らず噛んでいた唇の肉が少しばかり切れたようで、口の中に僅かではあるが鈍い鉄の味が広がった。「ん~…善処はするよ。でも…正直分かんないなあ。冷静になれる自信ないかも」自身を見据えた相棒の言葉に、普段よりも少し弱々しい笑みを浮かべて答える。その後は顔を背けてしまった相棒と並び、黙ったまま管理室へと向かって扉を開いた。生きているのが気に食わない、とでも言いたそうな上司の恨みがましい目線を無視し、淡々と報告していると─先程ぬいぐるみを渡した、ひっつめ髪の女性がノックもなしに管理室へと入ってくる。不機嫌そうな表情を浮かべた彼女はぬいぐるみについて纏めたらしい報告書だけを上司に提出し、失礼します、も何も無しに管理室を出ていった。「…相変わらずだね~、サラさん」嵐のようなその背中をぼんやりと見送り、苦笑混じりにそんな言葉を漏らして)
(アッ!!!(絶命)そういうの好き…好き…よく効く…(私に)…かゆい うま…()はい!!いつものイヴです!!()良かったねイヴ!!相棒も戻ったよ!!)
( 背けた目の中に彼の弱々しい笑みがまだ残っていた。…こう言って彼が利けるなら、あんな事態には最初からなっていない。解っている事。だからこそ、己が――ぐるぐる考えを巡らせる内、いつの間にか管理室の前まで着いていた。自分達の生存、それも今現在大した負傷でもないように見える事が余程お気に召さないらしい、随分不機嫌そうな上司に興味も示さず報告を。精神操作に関しては、“悪意や敵意を抱かせるもの”、と近からず遠からずといった無難な回答だけを用意して口を閉ざす。その途中で、何処と無く見覚えのある女性が割り込んだ。言葉は止めたが然して驚きもせずに視界に入る挙動を追った後、相棒が示した名に彼女の事を思い出し、ああ、と一つ声を上げた。「……無駄が無くて良い事だ。」一声も発さず、ただ書類だけを提出していった姿に、此方はハッと鼻での嘲笑混じりに肩を竦める。さて、サラといえば――薬品、物質、特殊個体等、様々な分野からの分析、追究を行う研究課の内の一人。先程相棒が離れたタイミングを考えて、上司に渡した書類は十中八九あの縫いぐるみに関するものだろう。…つまりは。「……む、」先の己の報告のボロを上司に、そして、――あの精神操作の仔細が相棒にバレる事を、自身も不思議ながら多少危惧して眉を顰め、目を泳がせて、「……もういいだろう。行くぞ、イヴ。」上司や幹部らに引き留められるより先に管理室を退かんと、些か早口で相棒に声を掛けつつ一歩踵を引いて )
(/ 良いですよね…お前なら、って“相棒に己の命と可能性を託す”という、この信頼…何度だって見たいんです…かゆ…うま…()アーネストも嬉しいね!ね!(圧)あっでもアーネスト今縫いぐるみの事バレそうでヒヤヒヤしてますね!いやまあいっか!!() )
(「ど~したの、アーネスト?…ま、いいけど」ぬいぐるみについての報告書が提出された途端、妙に焦った様子を見せる相棒に首を傾げるものの、自身も早く立ち去りたいのは事実なのか、言われるがままに管理室を後にする。扉を閉める瞬間に上司の引き留める声が聞こえた気がしたが、聞こえなかった振りをして扉を閉めた。そのまま廊下を歩き、いつものロビーの定位置にどすんと腰を下ろす。いつの間に取って来ていたのか、ココア缶のプルタブを開けて口を付けた。「はー…疲れた」先程蹴られた鳩尾辺りが痛むのか、時折顔を歪めながらココアを飲み干していく。その時、ロビーにもう一人来客がやって来る。雑なひっつめ髪に金縁の眼鏡、不機嫌そうな表情─その来客はサラだった。何処と無く疲れた様子の彼女は二人の姿を目に留めたらしく、ブラックコーヒーを購入すると、つかつかと歩み寄ってイヴの隣の席に慣れた様子で腰を下ろす。彼女はどちらにもどうも、と素っ気ない挨拶だけを向け、イヴの方へ顔を向けると"管理官が怒ってたけど。報告、雑だよ"と、今しがた相棒に向けたものよりは少しばかり慣れ親しんだような印象を受ける口調で、そう文句を垂れた。イヴはその文句に苦笑し、「仕方ないじゃ~ん、能力の詳細分かんないんだし~」と子供のように頬を膨らませて態とらしく拗ねた様子を見せる。彼女は呆れたように溜息を漏らし、上司に提出した報告書のコピーらしきものを投げた後相棒の方へ顔を向けると、"…貴方も大変ですね"と素っ気ないながらも労るような声を掛けて)
(ヴッ!!!(心停止)ミタイ…ミタイ…かゆ…うま…()あっアーネスト様!!サラさん報告書のコピーイヴに渡しちゃいましたよ!!()どうしましょう!!)
( 待て、と報告書を見た上司の引き留めを閉めた扉で断ち切り、見慣れた景色に座り息を吐き出す。 ちらりと相棒の方を窺えば顔を顰める様子が見えて、己の仕出かした事を象徴するそれに、口が落ち着き無くもごついた後に、ギュッと固く引き結ばれた。あちこち不調の今に何かを飲む気にはなれず、ただ頬杖を突いて視界を閉じ、思考を一旦休止していた所へ、不意に影が差した。掛けられた声にそちらに開いた目だけをくれてやれば、先程報告書を管理室に投げていった、己と同じように不機嫌な顔をした女性――サラが見え、為された挨拶には視線だけを返した後、また興味が失せた様子で目を逸らす。多少親しい様子の相棒と彼女のやり取りが耳を素通りしていく中、ふと話を振られて今度は顔ごと彼女の方を向く。「……別に、今更だ。」同じに素っ気ない一言。の、筈が。「この芋虫のお守り程度、もうとっくに慣れている。貴様に苦労を推し量られる筋合いは無い。」鼻で笑いながら毒を纏って、加わる言葉。表情や視線も嘲笑に染まっているようで、しかしその実仄かに親しみを帯びた柔さがある。「……ん、」と、そこで、相棒に目線が行く。彼は何か紙を手にしている。彼女が渡したものだろう。さて、この場で自分達、主立っては愚痴を溢していた相棒に、研究課の彼女から渡されるような書類といえば――思い至って、表情が一変。一方の眉と頬がピクリと微かに痙攣し、一気に顰まる。「…それは何だ。」また機嫌を捻ったような低い声。彼に訊いている体だが、答えは求めていない。ただ相棒の言葉より視線より先に、その書類を奪わんと頬杖を解いた手を素早く伸ばして )
(/ 私モ…ミタイ……いつかこの展開も盛りましょ…そうしましょう…()まずいねアーネストどうしよっか!!え、見られる前に盗る?お前イヴさん相手に出来る??只でさえ体調不良のくせに???() )
(彼女は相棒から返ってくる毒をさして気にした様子もなく鼻で笑うだけで、"相変わらずですね"と無愛想な口調でそう言いつつブラックコーヒーに念入りに息を吹きかけて冷まし、小さく一口だけずっ、と啜った。「何これ~?」当のイヴはサラから渡された紙をぺらり、と何度か振り、見ているだけで目が痛くなりそうな程細かな文字がびっしりと書き記されたそれに目を通す。読む前に相棒にその紙を取られそうになるものの、流石の反射神経と言うべきか─ひょいと報告書を持ったままの手を上に持ち上げて躱した。張本人ながら我関せずと言った様子でちびちびとコーヒーを啜るサラは、報告書のコピーを取り返そうと躍起になる相棒を横目に見つめ、少しばかり楽しそうに眼鏡の奥で目を細める。ざっと目を通した限りでは、あのぬいぐるみの特殊能力はプラスの感情をマイナスに─要するに、友情や愛情といったものを殺意や破壊衝動に変換するものらしい。と、いうことは─今目前で報告書を奪おうとしている相棒をじ、と見つめた。多少は自身に友情めいたものでも感じていてくれたのだろうか。そう思うと知らず知らずの内に柔らかな笑みが漏れ、揶揄うような調子で「アーネスト~、そんなこと思ってくれてたんだ~?嫌いなのかなって思ってたんだけど~!」とその肩に手を伸ばし、多少遠慮がちではあるが体を前後に振り回した。サラは半分程まで飲んだブラックコーヒーのカップを手に持ち、"では、失礼します"と笑いを噛み殺したような声で取って付けたような挨拶を一つ、軽く会釈だけをして研究課の方へと歩き去っていく。ロビーには揶揄うような笑みを浮かべたイヴと、彼に振り回される相棒だけが残された。ロビーに居た他の職員たちは、振り回されている方へ憐れみの籠もったような眼差しを投げるが、助けに入る気は無いのか時折目線を投げるだけに留まっており)
(ですね…()いつか盛り込みましょう…!イヴも頑張ろうね!ね?(圧)あーっ!!イヴ報告書見ちゃいましたね!!(棒)駄目ですねコレ!もう揶揄いモードに入ってますね!!())
( 横から伸ばした手は避けられた。なればと更に身を乗り出しその上から、後ろから、終いには破かんばかりの勢いを付けたがどれも敵わず。――書類の内容を、相棒は読んでしまったらしい。此方を見詰めた視線にそれを悟り、その動揺に一瞬表情ごと固まった隙を突いた手に、肩を掴まれた。酷くは無いが揺れる視界に、いや、だの、やめろ、だのとモタモタとした声が漏れて落ちる。その間に席を立った彼女の去り際の挨拶に、笑いが滲んでいるのを聞き取り、「あのメガネザルめが…っ。」苛立ちに毒を吐き出すが、それすら振り回しに解けてしまう。逃れようの無い狼狽に暫し黙秘と口を噤んで、目の前の相棒の笑顔から目を泳がせ、その手からの脱出に身動いでいたが――「……ああくそ!」何か一つ、感情の臨界点を越えてしまう。突発的に上げた片手を掌底めいた勢いで突き出し、ガッと相棒の目元から額に掛けてを手の平で覆った後に鋭く彼を睨み付けて、「嫌いな相手に相互的な物理接触を行う程、私は奇特な人間ではない!」怒りなのか苛立ちなのか、それとも只の自暴自棄か、ともあれ一つ言葉が飛び出した。「こんな真似も、貴様でなければ両手を骨ごと溶かしているか、然もなくば試験毒物のモルモットにしている所だ!」――触れるのも、触れられるのも、振り回されるのも。“イヴ・アレクセイだから”許しているのだと、物騒さに混じっての情をぶつけ、「貴様は私の“相棒”だろう、嫌う筈があるか!」この節穴芋虫、と続け叫ぶ顰めっ面の端、その両耳だけを真っ赤に染めつつ、相棒の額を鷲掴む指をギリギリと食い込ませて突っぱね、攻撃と引き剥がしを同時に行って )
(/ 楽しみですね…頑張ろうねアーネスト()さてそれはそれとして!今は、次にしたい展開考えましょうか!!おっといけない見られちゃいましたね!!アーネストってば揶揄いに堪えきれずヤケクソかましてますが…其処、人が他にも居るロビーなんですよね…()後々大丈夫かな、これ…?() )
(揶揄っていると、自身の視界が急に遮られる。どうやら、相棒の手が視界を─と言うよりかは、顔全体を覆っているらしい。「ちょっと、何…」咎めるような、困惑したような色の声を掛けかけたところで相棒の、どことなく八つ当たりにも似た言葉が自身の耳に飛び込んできた。お前でなければ骨ごと溶かしてやる、だの毒物のモルモットにしてやる、だのと物騒なワードが聞こえては来たが─要するに、自身がアーネスト・ブラッドフォードの「相棒」の"イヴ・アレクセイ"であるから。こんな行動も許してやっているのだ、と言っているらしい。顔を覆われている所為で相棒の表情はよく分からないが、恐らく照れているのだろう。自身の顔を覆う手が、普段の冷えた温度よりほんのりと熱を持っていた。─まただ。ざわ、と心の奥底で、何であるとも表現し難い感情が蠢くのを感じる。これは、何なのか─女性に抱くものでは無い、だがただの友情と呼ぶには歪な─そんなことを呑気に考えていたものの、「痛ぁ!!」顔を掴む手にギリギリ、と力が込められたことによって悲鳴に近い声を上げる。突き放されると勢い余ってふらついた後、自身の席にどすん、と腰が落ち)
(そうですね!!うーんどうしましょ…()あーっ!!やっちゃいましたねえ(棒)まあイヴも謎の感情になりましたし、大丈夫でしょう多分!!())
( 叫んだ言葉の後は噛み締めた歯をギチギチ軋ませ、彼の悲鳴が上がっても睨み付けていた。しかし引っ剥がす事に成功し、相棒の視界を覆っていた手が離れた瞬間、視線は明後日の方向に背けた。「まったく……」呆れを伴う溜め息と共に腕を組み、思考が落ち着きを取り戻して冷えた頃に伸ばした手で今度こそ報告書を奪う。それを何処まで読んだか知れないが、一先ずそれで感情の安寧を得た後。「……さて、イヴ。」ちらりといつもの顰め顔で相棒を見下ろし、「医務室に行くぞ。」あまりに唐突な一言。その目的は、「彼処の爺熊に貴様のその腕を視させる。」どうやら腐食を治した腕の状態解析らしい。「私の薬に不備があるとは思わんが、後々になって障害が見付かったと騒がれるのは御免被りたいからな。」嘲笑混じり、建前らしいそんな理由に続けて、「それに、まだ効果が残っている内にその薬のデータも残しておきたい。自分で作ったものだが、その成分には未知が多いのでな。」ほんの僅か、解り辛くも浮わついた声。医務室の二人への窺い立ても、目の前の相棒の都合も全てそっちのけになる程に、珍しい薬を前に湧く生来の研究欲が、相棒の左腕を見詰める視線に混じる。「そら、立て。」不遜な物言い。同時に急き立てられる自らの好奇心にそわつく足を一歩踏み出しながら、互いの視線同士をぶつけて。「行くぞ、イヴ。」書類を持つのとは反対側の、右手を相棒の前に差し出し彼を促して )
(/ そうですねえ…この前提案した脱走騒ぎ、手錠繋ぎ…後は武器交換と、どちらかが相棒を庇っての負傷に、珍しい相棒同士の喧嘩、後は先程出た“可能性を託す”窮地…あと思い付くのはどっちか人質に捕られる展開かなと思いましたが、この最つよ手練れバディが人質に捕られる想像がつきませんね…()何やります…?何か良い案あります…?()おやまあこれならお相子ですかね!!アーネストはもう自分が作った空想のお薬に興味移っちゃってますが!!() )
(突然医務室に行く、と言われて混乱していると、妙に楽しげな相棒の声が耳に入ってきて─思わず苦笑いが浮かぶ。いつもの"相棒"だ、と心の中でそう思った時、先程まで感じていた妙な感情は心の奥底へ沈んで消えた。自身に差し出された手に左手を乗せ、席から腰を上げて歩き出す。そのまま廊下を歩き、医務室の扉をノックした。はい、と医療班長の相変わらず高い声で返事が返ってきたかと思えば、それとほぼ同時に彼女が医務室の中から顔を覗かせる。彼女はイヴをジロリ、と見つめるものの、どこにも怪我がないことに気付くと不思議そうに首を傾げながら、怪我してないみたいですけど今日はどうしたんですか、だのとイヴに問い掛けた。イヴは頭を掻きながら「あ~…今日は怪我の治療じゃなくて。ちょっと助手さんにこの腕見てほしいんだよね…」と目線を泳がせつつそう答える。彼女は怪訝そうな表情を浮かべはしたものの、納得したように頷いた後、奥の方で作業をしていたらしい助手を呼びつけた。呼ばれた助手ははーい、と間延びした声で返事を返しながら、のそのそとした足取りでイヴ達の方へ歩み寄り、どうかしたの、と医療班長と似たような問いかけを投げ掛ける。イヴは黙ったまま左腕を差し出し、「オレ良く分かんないから、アーネストが喋ってよ~」と相棒に向けて微笑み)
(うーん…その中ですと、面白そうなのは脱走騒ぎか手錠繋ぎでしょうか…()ですね…人質に取れたとしてもどっちかがガチギレ状態で飛んでくるだけでしょうしね!!()お相子ですね!!あっむしろアーネスト様はそっちの方が好きです())
トピック検索 |