斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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( 約束当日。いつもより早く目覚めてシャワーを浴び、白いシャツに黒いミリタリージャケット、黒のジーンズで家を出るとフルヘルを被って大型バイクに跨る。待ち合わせ場所の駅の目の前、ロータリーに入ってみれば約束の25分前なのに相手の姿が見えて傍に停車しヘルメットのシールドを上げて微笑み )
おはよう、天羽くん。ごめんね、待たせちゃった?
…!今来たところです。
…先生、バイク似合いますね。
(目の前に現れた大型バイク、ヘルメットから見えた顔を見て相手だと分かれば、いつもとは違う姿に目を丸くして。しかしながら、バイク姿が似合うなと見惚れてしまい。素直にそう伝えては。)
なら良かった。
え、ありがと。なんかバイク乗ってる姿褒められた事無いから結構嬉しいかも。
( 趣味以外ではバイクに乗らず、乗っている時に知人に合うことも少ないために褒め言葉に一瞬戸惑うも嬉しそうに穏やかにはにかむ。もうひとつのヘルメットを取り出せば相手の頭に被せ、ポンと後部座席を片手で叩き )
じゃあ、行こっか。
乗ったら俺の腰に手を回して、しっかり抱きついててね。怖かったらすぐ言って。
はい!お願いします。
( ヘルメットを被せられると慣れないながらにもベルトを装着し、相手の後ろに座り。バイクに乗るのは初めてなので流石に少しこわさもあり、相手の腰に恐る恐る手を回し、やんわりと抱きつく形になると恥ずかしさと緊張で心拍数は一気に跳ね上がって )
よし、行くよ。なーんかこんな引っ付いてんの恋人みたいでドキドキするね、なんて。
( 相手と密着する体、自分の微かに高鳴る胸を抑えると軽く笑って冗談混じりに言えばゆっくりと発進する。安全運転を意識しつた徐々にスピードを上げていき暫く経って海が見える長橋にかかると聞こえるように少し大きめに声を掛け )
ここ、右側に海見えるんだよ。すごく綺麗じゃない?
え、?
( 相手の冗談には僅かにドキッとして、しかし冗談だと言われるとこちらも軽く笑って。安全な運転にこわさもなくなり、抱きつく力を弱めては言われたように右側に目を向ける。するとそこにはキラキラと光る一面海。思わず、「わぁ…!」っと感嘆の声を上げその光景にしばらく魅入ってしまい)
( 聞こえた声につい表情を緩めるとまだ始まったばかりの今日だが、誘って良かったと思ってしまう。長橋を渡り切るとその後30分程走り続ける。その間信号待ちしている時は体育祭の話であったり学校生活系の話を軽くし、走ってる時も道端に野良猫を見かけたりしてその子の話をしたりとしている間に山に通じる切り通しの道路を抜けて駐車場にバイクを止め )
はーい、到着。
大丈夫?疲れてない?
( ヘルメットを脱いで一息つくと跨ったまま振り返り、心配そうに顔色を伺う。ネットで調べた時に自分のバイクはシートの座り心地が良く2人乗りに最適と書いてあったが慣れない事で気疲れ等あったかもしれないと少々不安を抱いて )
思っていたより乗り心地がよくて、全然疲れませんでした。普段からよくバイク乗るんですか?
( 道中は色々なものを見たり、話をしたり。長い間乗っていたがそんな感じはせず。それもこれも相手の運転が上手なおかげなのだろうと思う。到着した先でバイクから降り、借りたヘルメットを外して相手に返しては。そんな質問をしつつ、辺りを見渡すと少しばかり紅葉が始まっており、その綺麗な景色に目を輝かせ。)
良かった、そこだけ結構心配だったから。
うん、休みの日とか気分変えたいときに乗るから結構乗る頻度高いかも。
…ふは、なんかさっきの海の時もそうだけど天羽くんの反応良すぎてめちゃくちゃ嬉しい。癒される
( 返答に安心すると自分もバイクから降りる。バイクスタンドを落としてそちらを見たら目を輝かす相手の姿があって、その視線の先を見たら色付き始めた紅葉が。自分一人で来ていたらこの僅かな自然の変化に気付く事があっただろうかと思わず笑いを零すと「行こっか。」と声を掛けて歩き始め )
いいですね、バイク。俺も大人になったら乗りたいなって思いました。
…そうですか??そんなこと言われたことないです。
( 今日バイクに乗るまでは自分の世界の中に、バイクに乗るという選択肢はなく。乗ってみては風は気持ちいいし、車よりも手軽に乗れるという点ではありかもしれない、なんて思い始めてしまえば。ふと、自分の反応について触れられると目を丸くして、次の瞬間にはなんとも言えない、恥ずかしそうな表情を。そんなに自分はわかりやすいだろうかと思いつつ、相手の後を歩き始め。)
バイク、いいよ。気軽にどこでも行けるし…夏場と冬はしんどいけどそれもまた季節を感じれていい。
ほんと?なんか興味がある事に対してキラキラってか初々しい反応しててすごく可愛いなって思ったよ。
( 行き詰まった時や悩んだ時はツーリングをするに限る。カサリと軽く鳴る足元の落ち葉に目を落としつつ歩みを進めると目的の洞窟の前に着き、手を相手の方へ差し伸べて )
こっから先、足元悪いらしいから念の為手繋ごっか。
…、そう、ですか。
!…あ、わかりました。
( 自分の反応について話されるとますます恥ずかしくなり、男の人に可愛いと言われても、と思いつつも嫌な気はせず。洞窟前に辿り着くと、なんだか冒険をしているような感じで俄然わくわくとしてきては、差し出された手にはじめは不思議そうな顔をするも、意味を理解して素直にその手をとって。自分とは違いしっかりとした手の平の感触、こんな風に誰かと手を繋いだのはいつぶりだろうかとふと考えてしまうと同時に、落ち着かない気持ちになりドキドキとし)
( なんとか繋いだ相手の柔らかな手。教師失格だろうか、嬉しくて心拍数が上がって口許が緩んでしまう。洞窟は案の定足元が悪く、ぬるりと滑るところが多くて繋いだ手が役に立った。たまに支えながら洞窟を進むと目的のスポットが。洞窟の中に差し込む光が湖に反射してハート型になっている。神秘的な光景に思わず微かに声を上げるとそちらを見て )
うわ、すご……本当にハート型だね。ネットで見た時はそんなことある?って半信半疑だったんだけど。
( 洞窟に入りはじめは手を繋いだことに意識をとられていたが、進むにつれ確かに滑りやすい地面に何度か相手に助けられた。そして暫くして目の前に現れた神秘的な湖。その光景に思わず息を飲む。静かな水面と、それに射し込む光。きれいなハート型が浮び上がっていることもそうだが、その美しさに暫く動けないでいて。無意識に繋いだ手にギュッと力が入り。 )
…すごい、…本当に。
ね、湖の色も青くて澄んでる…水質はどんな感じなんだろうな……
( 相手の手に力が入ると一度そちらを見るが微笑んで綺麗な景色にまた視線を移し、先程までは目立つハート型の光に気が向いていたがふと水面が気になって一歩前に出て呟き、好奇心が微かに湧いてくるが過去の恋人と出かけた際、同じような状況で「綺麗って感想だけで良くない?ムード無い。そういう所、好きじゃない。」と言われてしまったことを思い出して苦笑いを零し )
……と、ごめん。
職業柄なのか、ちょっと気になっちゃって
いや、確かに気になりますよね。
こんなに綺麗な青の水、見たことない。
( 相手が謝るのには不思議そうな表情を示すと、自分もむしろ気になると今一度視線をその先に戻して。自分はあまりこういうことは詳しくは無いが話を聞くことや考えることは嫌いじゃなく、どうしてなんだろうとむしろ真剣に考えて。ふと我に返ると、相手とそっと手を離し、「ちょっと写真撮らせてください」と、鞄から小さめのカメラを取り出して。せっかくこんな綺麗な場所に来たのだからなにかの参考に写真を、と思い。)
……あはは、天羽くんは知れば知るほど魅力的だね。
( 嫌がられるか迷惑がられると思っていたが相手の反応は想像とは違い、一瞬呆気に取られるも穏やかに笑って小型カメラを手にする相手の頭を軽く撫でて静かに告げ )
…え?
いや、そんなことはないです。
( カメラに夢中になっていると頭に感じた重み。目を丸くし相手の方を見ればその穏やかな笑顔に、自分なんかより相手の方が魅力的という言葉が似合うのにと、思いながらも口には出さず。元より自分はコンプレックスの塊で、そんな風に感じたことは一度もないため少しばかり困惑しては。)
随分と謙虚だね、天羽くんは本当に魅力的だよ。自分が気付いていないだけで。
…さ、次の場所に行こっか。この辺、他にも写真が撮りたくなるような素敵な場所がいっぱいあるんだよ。期待してて、
( 困惑している表情を見て微かに眉を下げるも頭に置いていた手を動かしてわしゃわしゃと髪を撫でて笑うと、この景色は去るには名残り惜しいが後にはまだ自分が立てていたデートスポットがあり顔を上げてまた手を差し出し )
あ、はい。
…先生、こんな素敵な場所どうやって知ったんですか?
( 未だに前の言葉には理解ができないまま、再び相手の手をとり。ゆっくり歩き始めながら、ふと相手はこのような素敵な場所をどのように知るのだろうかと疑問に思い。ネットなんかで検索すればこういった場所はすぐに出てくるものなのだろうか、なんて情報系に疎い自分はそんなことを考えてしまい )
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