斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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海に空、綺麗な名前だね。
ふ、確かに。空を見た瞬間、同じ事思ってた。…こんな小さいのに苦労してきたんだな。君に危害を与える気は無いんだ、俺は大丈夫な存在だってゆっくり覚えて欲しいしこれから沢山会いにくるね。
( 自分を覚えてくれていたのか、鳴く海を愛おしげに見つめた後に彼も空に対して同じ印象を抱いていた事が分かって笑う。自分はどちらかと言えば親に恵まれているが環境は幼心の頃には相応しくないもので、周りを何時も警戒し、この子のように怯えていた。今となっては懐かしい過去の感情だが。見た目だけでは無くどこか懐かしさや切なさを感じつつ、抱かれた小さな子猫に触れる事無く静かな声で話しかけて )
空もきっとすぐ悠介くんが気に入るよ。
…送ってくれてありがとね。今日はもう帰る?
( だき抱えた空は未だ警戒心はあるものの、彼の言葉を聞くとか細い声で鳴いて。猫たちとの再会も果たしたし、夜も遅いのでこの後は無理に引き止めるつもりもない。それにこれからは前のようにいつでも会える。どうするか尋ねつつ相手を見て。)
気に入ってもらえるように努力するよ。
そうだな…もう少し一緒に居たいところだけどこんな時間だし今日はお暇させてもらおうかな、唯織さんも飲み会終わりで疲れてるだろうし。
( 弱く小さな声、それがしっかり耳に届くと目を細めて微笑む。彼からの問い掛けに少々悩むが腕時計に目線を落とすと思ったよりも時間が経っていて、傍に居たい気持ちは強くあるが自分の我儘で困らせるのは申し訳ない。日を改めるべきだと判断すれば顔を上げて )
連絡先、俺は変わってないけど唯織さんは?
…、俺も
正直に言うと本当はもっと一緒にいたい。
( 相手の言葉を聞けば、自分の正直な気持ちが口から出てしまう。ただ、しばらく彼といれなかった反動もあり本当に自分が彼から離れられなくなってしまいそうで怖い。だから今日はここで別れるのがいい。すこしだけ悲しげに微笑むと、腕の中の空が海を追いかけてリビングへ戻って行ったのに視線を。連絡先は変えていないと伝えると、相手も変わっていないことにほっとして。)
変わってないよ。
…──やっぱり、今夜は一緒にいよう。
( 変わっていないのであれば連絡は出来ると安心しつつ別れの言葉をと口を開こうとするも目の前のどこか悲しげな横顔と本音に胸がいっぱいになって心が揺さぶられると彼を抱き寄せる。変わらない香り、抱き締めた際に長く柔らかな髪が頬を掠めて少し擽ったいのも懐かしくて甘く切ない気持ちが湧いてくる。こちらの身長が伸びてしまったからか、彼を包み込む形になって当時の再現だとは言えないが昔とはまた違った幸せで。低く、だが柔らかな声色で話すと彼の髪に軽く頬擦りをし
ん…。
本当に悠介くんから離れられなくなりそう。
( 抱きしめられると幸福感と、今まで触れるのを我慢していた限界がきたのか自らも相手をぎゅっと抱き締め返し。昔とは違って逞しく、背も伸びた彼の腕の中におさまると、ひどく安心する。ほんとに離れられなくなりそうでこわい。)
それでいい。
もう離さないよ、唯織さんが嫌だと思っても絶対に。…今日、泊まっていってもいい?明日から週末だし唯織さんに予定が無かったら、なんだけど。
( 久々の人の温もりに心が落ち着いて、愛おしさで先程より微かに強く抱き締める。自分から離れられなくなって、こちらの事だけを考えて欲しいなんて気持ちは狂気じみているだろうか。そんなことを思いながらも寄り添うように埋めていた顔だけをゆっくりと上げて尋ねる。今日は世間で言うならば華金で教員の相手は明日休みだろう、しかしする事が入っているならば話は別で )
俺も絶対離れないから。
うん、嬉しい。明日は休みだし、特に予定もないから。
( そんな風に言われてしまったら、もうそれでいいかと思ってしまう。こちらも顔を上げて問われたことの返答を。明日は土日なので特にすることもない。一緒にいてもらえるならこんなに嬉しいことは無いし、すぐに頷く。身体を離せば、玄関にいるのも寒いし中に入るよ促してリビングの方へ。相も変わらず部屋の中はそんなにものもないし殺風景だが、空がきたことにより子猫用のおもちゃなんかが床に転がっていたりして。)
ありがとう、急で申し訳ない。
唯織さんの家、全然変わらないね。凄く安心す…─
( 好ましい返答に目を細め、促されるままリビングへと入れば当時とは変わらぬ空間に不思議な安心感を覚えながらスーツの上着を脱ぐとそれを椅子に掛ける為を足を進める。その途中で何かを踏むと"プピィ"と高い音が静かな空間に鳴り響いて動きを停止し、ゆっくり下を見ると足元には魚の形をしたぬいぐるみが。思わず吹き出して謝罪しつつも笑うとおもちゃを手に取って )
ッふ、はは…ごめん空、踏んじゃった。
最近の猫のおもちゃって結構リアルなんだな。
…ふっ、はは。
俺もそれよく踏んじゃう。いない間にやっぱり遊んでるんだな。
( 彼の足元から聞こえてきた音と、彼の笑い声につられて自分も堪えきれず笑い。実を言えば自分も帰ってきたときに玄関なんかにそのおもちゃが落ちていることがあって、踏んでびっくりしたことが何度もある。自分たちの様子を見て空がまた近寄ってくると、おもちゃを持っている彼を見上げてはおもちゃが欲しいと催促を。その様子を見て台所へ向かうと、そこから何か飲むかを尋ねて。そういえば少し前に知り合いからウイスキーをもらったなと思い出すと、彼の好きなお酒がたしかそれだったことも思い出して。自分は飲まないというか、飲んだことがないのでそのままだったが、もし彼が好きなら貰って欲しいと思い。)
なにか飲む?
といってもコーヒーか、お茶か…。
そういえば、前に知り合いからウイスキーをもらったんだけど、俺飲んだことないしずっとしまったままだったんだよな。
駄目だ、なんかツボった。
やっぱり?音や驚いたこともそうなんだけど唯織さんがこのおもちゃ買ってる所を想像したらまた笑いが…あァ、ごめんごめん。お気に入りなんだな、どうぞ。
( 静寂に鳴ったおもちゃの音と、自分と彼の笑い声。それが何故か更に笑いを誘い、くつくつと笑ってしまう。こんなに笑ったのは久々かもしれない。近付いて来た空の傍に持っていたおもちゃを置きながら台所の方へと視線を移せば今度こそジャケットを椅子に掛け、尋ねられた飲み物の返答をと思ったが好きな酒が彼の口から出れば変更して )
コーヒー、って言おうとしたけどウイスキーで。
…最近は休みの日にペットショップのぞきによくいってるよ。
最近の猫のおもちゃって本当にリアルというか、よくできたものが多くて。しかも、海はそうでもなかったんだけど、空は喜んで遊んでくれるから嬉しくて買っちゃうんだよな。
( そんなに自分が猫のおもちゃを買う姿が面白いだろうかと不思議に思うも、最近では専ら休みの日はペットショップに立ち寄り、おもちゃを選んで海に与えている。飲み物の選択には少し笑って、棚にしまってあった箱を取り出して彼の元へ。「響」と書かれた銘柄で、自分にはよく分からないが日本で製造されているウイスキーらしい。あわせて少し小さめのグラスを2つ持ってくると、彼の向かい側に座って。)
俺も少しだけ飲んでみようかな。
今度一緒にペットショップ行こうか。
海のおやつと、空のおもちゃを俺も選びたい。2人に酷評された時は慰めて。
唯織さんも飲むの?いいね、度数高いから気を付けて飲もう………て、響だな。随分とセンスの良い友人をお持ちで。
( 日常の緊迫を忘れ、彼と一緒にペットショップに行って海や空のことを考えてああだこうだと話し合うのも楽しいだろう。それでも猫は気まぐれなもので、悩んで買ったのを気に入らない事も多いと聞く。その時は彼にフォローしてもらおうと笑い、席につけば置かれたグラス、置かれた箱を見て少し嬉しそうに呟き )
うん。いこう。
ほんと普段飲まないから。少しだけにするよ。
友人というか、この家をかしてもらってるおじさんに貰ったんだけどね。
( 一緒に行こうと約束をすると、なんだかまたこうやってこれからすることを楽しみに思えば。箱の中からウイスキーの入った瓶が出てくると、やはり相手は銘柄を知っていたことにさすがだなと思う。知り合い、というかこの家のオーナーから貰った。何かと気にかけてくれているとてもいい人だ。自分は先程飲み会で少しばかり酒ものんでいるし、ほんの少しだけにしておこうと苦笑し。 )
俺が傍に居るから飲みすぎてもいいんだけど。…成程、一緒に住むってなった時のご挨拶土産は酒で決まったな。
じゃあ、乾杯しようか。
( 酒をくれたのは聞く限り家主らしい。酒好きの自分と相性が良さそうで、今から話をするのが楽しみだ。軽く微笑みながらウイスキーの瓶を手に持つと2つのグラスに酒を注ぐ。初心者であればこのようにストレートではなくせめてロックで飲むのがいいと思うのだが自分の管理下で飲むのであれば一口二口はウイスキーの味を楽しむのも良いだろう。乾杯をしようとグラスを持ち低い位置で掲げ )
んー今ほんとすぐ酔いそうだからな。
絶対喜ぶと思うよ。
乾杯。
( 注がれたグラスを相手と合わせれば。まずはほんの少しだけ口に。当たり前だがアルコール度数が高く、それが最初にくるが、後から口の中に広がるウイスキーの味、思ったより飲みやすい。)
思ってたより美味しい。
乾杯。
…やっぱり美味いな、香り高く飲みやすい。
味が独特だから苦手な人も多いんだよな…唯織さんの口に入る初めてのウイスキーがこれで良かったかもしれない。飲食店で出された安いハイボールで痛い目に合ってからというもの品質の善し悪し関係なくウイスキーの匂いを嗅ぐと吐き気を催す体質になってしまった友人がいて、その子の前では飲めないんだよね。
( グラスを合わせ、口へ運ぶ。比較的優しい味わいとふわりと鼻に通る香りに微笑むとウイスキーの鮮やかな琥珀色を見て目を細める。自分の好きな酒を彼も気に入ってくれたようで安堵の表情を浮かべると友人の話をひとつ零し )
たしかに。これは飲みやすい方からいいお酒だっていうのが分かる。大学時代、友人が結構ハイボール好きで勧められてたんだけど、なんとなく避けてたんだよな。悠介くんに教えてもらったら失敗ない感じがして安心する。
( 相手の話を聞くとやはりお酒は出会いが肝心だなと思うので、彼にこうやってお酒のことを教えて貰っていれば間違いはなさそうだ。しかし、美味しいとはいえアルコール度数は高いのでさすがにこのグラス分だけにしようと思いながら、自分の大学時代の話を混じえて。 )
その時に飲まなかったのは賢明な判断だったのかもしれないな。…俺は結構酒が好きで昔から色々飲んでるから確かに失敗はしないかも。気になるけど手を付けれてない物とかあったら聞いてくれれば応えれると思う。
( 個人的にウイスキーはロックかストレート派なのだがハイボールが好きな人は多い。本人が美味しく飲める方法で飲むのが一番だと思うのだが人に紹介する時は本当に美味しいものを勧めてほしいだなんて頭の片隅で考えながらもグラスを傾ける。酒については幅広い知識を持っている自信があり、何でも話せるだろうと緩やかに口を開き )
ん、ありがと。…そういえば、悠介くん。今日なんであの飲み屋街にいたの?
( これで気になるけどやめよう、なんて選択はしなくて済みそうだなと嬉しそうに微笑む。少し身体がぽかぽかと温まってきたな、と僅かに酔いを感じれば、ふと今日彼と再会したときの場所を思い出して。彼も飲み屋街に用事があったのか、はたまた偶然通りかかっただけなのだろうか。相手に尋ねてみることに)
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