斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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…ん、
( 心地良い揺れを感じていたが、車が停まったと同時に薄らと意識が浮上して。目をそっと開ければ彼の方によりかかっていたのに気が付いて。)
寝てた。
おはよう、唯織さん。
家に着いたよ、動けそう?
( 静かな空間の中ルームミラーで運転手と目が合えばお互いに軽い笑みを送り合い、彼の温もりを肩で感じつつ心地良い空間を過ごす。停車した時に起きた彼を見て微笑むと緩やかに声を掛けて )
…、うん。
動ける。
( まだ意識がはっきりとはしない中、彼の声に頷くとゆっくりとタクシーから降りて。眠気眼を擦れば、鞄から家の鍵を取り出してドアを開け中に入り。リビングに行くと寝ていた海が近付いてきて、彼の方を見上げる。)
なら良かった。
…海、ただいま。すぐにお粥温めるし、座って…しんどかったら横になって待ってて。
( 先程と同じように支払いを済ませてタクシーを降り、動く彼の動作ひとつひとつを心配そうに見つめるもリビングに入った瞬間海が近寄って来れば表情を綻ばせ、屈んで優しく頭を撫でる。その後に顔を上げて彼に声を掛けるとコンビニの袋を持ちつつ台所へ向かい、スポドリやお茶を冷蔵庫にしまってから適当なお皿を取り出すとそれにレトルトの粥を移せばレンジへと。こういう時、さらっとレトルトでは無い粥を出せたらなんて思えばやはり料理は学ぶべきかと考えている間にレンジから温め終わりの音が鳴って取り出し、コップにお茶を注いで )
ありがとう。
海も後でご飯あげるね。
( 彼に言われた通り椅子に座ると、膝に乗ってきた海を撫でながらリビングに立つ相手を見て、なんだか新鮮に思うと小さく笑う。こうやって誰かに面倒を見てもらうことなんてあんまりなく、大体は1人でどうにかしてきたため不思議な感じがする。)
お待たせ、この後薬飲むだろうし食べれる分だけ無理しない程度に食べて。
後、マスク…外しても大丈夫。テストは明日で終わりだから…移ったとしても明日には症状出ないと思うし俺は別に唯織さんの風邪なら全然平気だから。…あ、もし移ったら唯織さんが看病してな?
( 準備が出来ると皿とコップを持ってリビングに。テーブルに2つ並べればスプーンも置いて、彼の横髪を少し後ろに撫で移して付けていたマスクを外し、対面の椅子に座って冗談交じりに言いながら彼が貰った薬の詳細が書いている紙を読んだ後にこの後飲むであろう薬を用意し )
ふ、わかった。
今度悠介くん看病するの楽しみにしとく。
( 一つにまとめていた髪を今1度結び直し。彼の言葉に小さく笑うと、持ってきてもらったお粥を1口。レトルトは食べたことがないが、意外と美味しいのだとびっくりする。彼の看病ならずっとしていられる。このままだと風邪をひいた時お互い様移しあってそうだなと密かに笑って。)
俺も唯織さんに看病されんの楽しみにしとく。
……あ、もし次にっていうかどうしても俺に連絡取れない時はなんか癪だけど北条に相談して。アイツ…あの人に言ったらすぐ俺に情報飛んでくるし。
( 食事を口に出来ている様子を見て安心して微笑むとスマホが振動し、取り出してメッセージを見る。送り主は北条で、自分の組に送る予定の報告書の内容が書いてあって、それと彼の体調を心配している。そういえば今回も北条が知らせてくれたから付き添えた所があり"お疲れ様、ありがと"とだけ送れば即返事が来るが無視して胸ポケットにスマホをしまえば口を開き )
うん。分かった。
( お粥を食べ終えると、「ごちそうさまでした」と手を合わせ。お茶を飲みつつ彼の話を聞いては頷き。北条先生もいつの間にやら彼の犬のような役割をしているなと思うと笑って)
ん…はい、薬飲んで。その後は少し一緒に寝よっか。
( 彼の笑みにつられつつ好ましい返事にこちらも軽く頷くと病院から処方された薬を彼の前へと出して、その時に目についた腕時計をみれば昼過ぎを指していて夜眠れなくなるだろうかと考えるも病気には寝るのが一番だと思えばブレザーを脱いでネクタイを外し、2つとも椅子の背もたれに掛けて共に眠る準備を )
…、一緒に寝てくれるの?
( てっきりこの後、彼は帰るのだと思っていたため少しばかり目を丸くして。無論嬉しいが、こんな甘えてしまっていいのだろうかと少し申し訳なさも出てくる。大人しく差し出された薬を飲むと一息ついて。お腹も気持ちも満たされ、きっと今ならゆっくり休むことが出来るだろう。彼の言葉に甘えようか、なんてゆっくりと立ち上がれば。もともと楽な格好だが、着替えはした方がいいだろうと「先に行って着替えするよ。」と、相手に伝え。)
勿論。時間はあるし、まだ唯織さんと一緒に居たいから。
( 心配は理由の一番だが少しだけ離れていたのを埋めたい、満たされたい気持ちが大きいのも確かで正直に話せば立ち上がった彼の言葉に頷いて、自分も服を借りて着替えようかと思ったが流石に泊まりは明日も学校がある為に難しい。また制服に着替えるのも手間で、彼が気にしないのであればこのまま横になろうかと考えて引っかかりそうな腕時計だけを外し )
うれしい。俺もまだ一緒にいたいと思ってた。
( 彼もそう思ってくれていたのなら嬉しいと微笑んで。2階に上がり自室へと入ると寝間着用のスウェットを取りだしさっと着替えを済ませる。ベッドの方へ腰をかけるとそのまま奥につめて横になり、彼が寝るスペースを確保すれば。)
( 少し時間を空けてから2階へ上がると寝室に入る。寝巻きで横になっている彼を見て学校で自分しか知らないであろう姿につい表情が緩ませれば隣に横になりゆるりと抱き締めて背中をポンポンと軽く叩き、願いを込めて額に口付けを落とすと抱き直して )
ゆっくり休んでね、唯織さん。目覚めた時は少しでも体調が良くなってますように。
──
ん…、
( ベッドに横になってからは薬の効果もあり、彼を待つまでもなく眠りに落ちてしまった。次に目が覚めたときには、窓から夕暮れ時の空が見えて。隣に眠る彼を見れば、幸せそうにほほ笑みを浮かべながら彼のふわふわとした髪を愛おしそうに撫でて。)
……唯織、さん。…やば、めちゃくちゃ寝てた…体調はどう?
( 優しく髪を撫でる手が心地良い。意識が浮上して薄らと目を開くと愛おしい彼を見て名を呼び、抱き締めてまた眠りに落ちそうになるが状況を思い出すとちゃんと頭を覚醒させて頬に触れ )
少し楽になったよ。悠介くんのおかげ。
( 覚醒した彼から問われた言葉に気が付くと、寝る前より遥かに体調は改善されており。まだ少し熱がある感じと、だるさは残るものの、元気になったと笑って。こちらもぎゅっと彼を抱きしめ返すと幸せそうに。)
なら良かった。…でも熱はまだあるな、唯織さん温かくてカイロ代わりになりそう。
( 抱きしめ返されるのが嬉しくて微笑むと彼の髪に頬擦りし、相手の額に手を当てた後にまた抱き締めて冗談交じりに呟く。ふと目に入った窓の外は夕暮れから徐々に夜の深い色に変わって行く途中で、そろそろ時間的にも帰った方が良さそうだと思うがこの時間が幸せ過ぎて離れる気が1ミリも起きず寝転びながら一応、と口を開き言うも枕元に飲み物はあったほうがいいだろうと上半身を起こして )
…あ、お粥とかゼリーとかフルーツ缶とか冷蔵庫入ってるから食べれそうなら食べて。スポドリもあるし水分補給はしっかり…って、今持って来とくか。
…、ごめん。あとすこし。
( 上半身を起こした彼が飲み物を取りに行こうとした服の裾をきゅっと軽く引っ張り。もう少しだけ一緒にいたいと我儘を。やはり温もりがなくなってしまうのは寂しいのか、珍しく弱気になって。)
ん、いいよ。何ならもう朝までこのままでもいいし。
( ベッドを降りようとした瞬間に軽く服を引かれると止まり、振り返って彼の言葉を聞くと"可愛い"と言いそうになるがそれは抑えて柔らかな笑みを浮かべればまた横になり、ゆるりと腕を伸ばして抱き締める。幸せを噛み締めながら頬擦りをして通常よりも高い体温を感じ )
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