斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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それだけど…何回も言うように俺と斎藤くんは関係ないし。巻き込むのはおかしいと思うんだ。
( 腕を引かれると体調が悪いこともありいとも簡単に引き戻されてしまう。出来るだけ冷静に、まずは彼のことを巻き込まないで欲しいと提案してみるが恐らく答えはノーだろう。)
「関係ないならそれはそれでいいんですよ、もう。小さな違和感で関係ありそうだと思われて私に目をつけられた斎藤くんが可哀想って事で、手をかける相手は彼に決めたんです。」
( 提案に考える暇も無く即答すれば、にこやかに話す。後戻りは出来ない、というかしない。してしまったらこうやって2人きりで話すことなんてもう無くなってただの先生と生徒に戻り、卒業したら会うこともなくなるだろう。そんなの耐えきれない。そういえば無理やり行為をされた被害者は加害者を好きになる現象があるなんて事を思い出すも流石にそれは、と思考を消せば腕を引いていた手を離して )
……俺は、花里さんにそんなことしてほしくないよ。
( 少し間を空けてから冷静に相手を見て。やはり自分のことで誰かが傷つくのも、誰かを傷つけることもあってはならない。彼が危険に及ぶことを避けることも大事だが、彼女自身にそんなことをさせたくない。と。 )
「…──じゃあ、嘘でも、少しだけでもいいから私を好きになってください。」
( 自分で考えてとった選択だがそうでもしないとどう頑張っても先生を手に入れる事は出来ないと思っていて、後悔をしていないか聞かれれば即答は出来ない。道理から逸れたやり方だなんて分かってる。目線を落として無意識に唇を噛むがすぐに人懐っこい笑みを顔に浮かべてそちらを見つめ )
…、ごめん。
俺、嘘つくの苦手なんだ。
( 段々と具合も悪くなってきたこともあるが、彼女の言葉に頷くことはできず。回らない頭で、少しだけ困ったように微笑む。自分は嘘をつくことができない人間なのは百も承知。やはり彼に悲しい思いをしてほしくない。)
振り出しに戻るけど、花里さんだけを愛してくれる人を探した方が絶対幸せになれるよ。このままじゃ誰も幸せになれない。
「多分、これが私にとっての初恋なんです。こんなに誰かの事を考えるの初めてで…っ…、…先生と一緒になる以外の幸せが…想像できない…。」
( やっぱりダメなんだと胸がぎゅっと締め付けられる。きっとこのまま無理やり突き進んでも先生の気持ちはこっちに向かないだろうと改めて自覚すればぽつりと呟くように話し始めるがいつの間にか上手く笑えなくなって視界が滲むと俯いて )
…今はそうかもしれない。勿論好きになってくれたことは本当に嬉しかった。けど、ここで今俺だけにとらわれてたらいい出会いを逃してしまうと思う。
( 俯いてしまった彼女を心配そうに見つめると。こちらもぽつぽつと静かな声で話を続けて。初恋だから、という思いも分からなくは無い。自分も実際彼女くらいの年齢のときにそのような経験をしたが、初恋というのは上手くいかないものだと知った。必ずしも思い通りにならないのが人の気持ちだから。そんな経験ができたことは自分は良かったとも思うし、綺麗な思い出のままで終わっている。彼女にもそんな風に思えるときがくるはずだから。言い終えたところで、頭痛と悪寒が増してきてそばにあったマスクを取るとそれをつけて。)
…、風邪移ったら大変だから。戻ろう。
「…今はまだ、そんな風に考えられないけどそう思える日が来るといいなぁ……先生、酷い事してごめんなさい。私、どうしても先生と一緒に居たくて…斎藤くんにも謝らなきゃ…」
( 先生の言葉にじわりと滲んでいた涙がベッドのシーツに落ちて染み混んでいくが今自分が泣くのはお門違いだとぐしぐし袖で涙を拭うと頭を下げた後に謝罪をする。軽く頷いて立ち上がろうとした時に誰かが鍵のかかった扉を開けようとしたのか扉からガチャッと音が鳴ると少し驚き、体調が悪い生徒が来たのだと思い鍵を開ける為に立ち上がろうとした瞬間、大きな破壊音と共に保健室の扉が室内へと飛んできて床に無惨に転がればびくりと体を揺らしてつい驚いて傍にいた先生の腕にしがみついて )
……──あ、悪い。お楽しみ中だった?
( 試験を終えて帰宅準備を済ませれば同級生との雑談を終えた後に帰ろうとしたがどこかそわそわしている北条に呼び止められ、話を聞くと彼は今保健室で休んでいてそれを聞いた花里が後を追うようにそこへ向かったらしい。ざわりと胸騒ぎがする。昇降口へと向いていた足を返すと保健室へと歩いて行き、普段ならノックをするのだがそのまま扉へと手を掛けるも鍵が掛かっていて開かない。嫌な予感は留まることを知らず、気付いたら扉を蹴破っていた。開いた扉から顔を出して二人の姿が瞳に映れば軽い溜息を吐いて )
…うん。わかってくれたならいいよ。
気持ち応えてあげられなくてごめんね。ありがとう。
( どうやら自分の考えは伝わったらしく、ほっとすると一気に身体の力が抜ける。その瞬間保健室の扉が蹴り破られた衝撃にびっくりするも、彼の姿を見てほっとした瞬間自分の腕にしがみついていた花里さんにも気付かず。意識が段々薄れそのまま再び座っていたベッドへ倒れてしまい。)
「…斎藤くん?…っわ、先生!だ、大丈夫ですか!?」
……花里、保健の先生呼んできて。
「うん……っ」
( さあ、花里にどうやって隠している情報を吐かそうかと考えている中で倒れていく彼を見て息を飲み、自分より先に傍に居ていた彼女が大きな声を上げるも近付いて行けば冷静に指示を出して、それを聞いてパタパタと走っていくのを見ることは無く彼の手首に触れて脈を測る。少々心拍数が上がっていて体温が高いように感じ、心配そうに微かに眉を顰めると静かに声を掛けながら片手を握って )
唯織さん、直ぐに先生来るから安心して。
……前兆はあったのに、守ってあげれなくてごめん。
…は、ごめん。
でも大丈夫。花里さんとのことは何とかなったから。
( 彼が傍に来たのを声で感じ取ると、うっすら目を開けて。小さく息を吐くように笑うと、先程の会話で花里さんとの問題は解決したと報告を。彼の手が自分の手よりも冷たくて気持ちがいい。)
ッそういう問題じゃ、……いや、…ありがとう。でも、次からは何かあったら絶対に俺に知らせて。全部解決してみせるから。
( 本当に心配だった。距離を置こうと言われて何かあった事は傍から見ても明らかで、悩みを一人で抱えて辛い思いをしているんだと思うと胸が張り裂けそうで、あの時は肯定して頷いたが約束を破って抱き締めに行きたいと何度思ったことか。迷惑を掛けていただろう花里に苛立ち、声を荒らげそうになるがここで彼に対して感情的になるのは違う、と一呼吸置けば熱を持った手を自分の頬へと宛てがい、何も出来なかった自責で少し辛そうに、だが愛おしげに手に頬擦りすれば言葉を紡ぎ、ゆっくり彼の手を下ろすと優しく髪を撫でて )
…体、辛いと思うし目閉じてて。
誰が何と言おうと俺が家まで送るし、心配しないで。
ありがと…ごめんね。心配ばっかりかけて。
はは、やっと触れた...。悠介くん、大好きだよ。
( 彼の心底心配した顔を見ると申し訳なくなって。それよりも彼にこうやって触れられていることに幸せを感じてしまっている自分は最低だな、なんて思いつつ彼への気持ちを改めて口にすると小さく笑って。言われた通り安心して目を閉じ。)
俺も大好きだよ、唯織さん。
( ふ、とこちらも小さく笑い、目を閉じたのを見るとブレザーからスマホを取り出して北条にメッセージを飛ばす。直ぐに既読がついて返信がくれば保健室に先生と花里が到着し、転がっている扉を見て動揺している保健の先生に花里が「私!あの、私が天羽先生の具合が悪くなってパニックになっちゃって、扉の鍵開けれなくてそれで…!」と良いように誘導してくれたおかげでお咎めはなさそうで、納得した先生はこちらに歩いてきて彼の様子を確認すれば病院に行った方がいいと判断し、手の空いている他の先生に付き添いをと一旦保健室を離れようとするも丁度良いタイミングで遠くから急いで来たのか、息を切らしている北条が到着して )
『は…っ、はあ…天羽先生が、具合が悪いと聞いて…自分が付き添います。』
すみません。なんか、こんな大事みたいになってしまって。
…花里さん、ありがとう。
( 保健の先生を始め色々な人に迷惑をかけてしまったと少し反省をしつつ、少しだけ開けた目に映った彼女に一言礼を。北條先生の言葉には頷いて、「すみません、お願いします。」とだけ言うと再び目を閉じ。)
お疲れ、後は俺が付き添って連絡するし職員室では北条が付き添った体で後日話しといて。
「え、じゃあ俺いらなかったんじゃ…」
いや、生徒一人で先生の付き添いとか出来るわけないだろ。
( 保健の先生は"気にしないで下さい"とでもいうように微笑んで保健室を後にし、花里も彼の言葉を聞いて小さく頷くと去っていった。3人だけになれば一度北条を見た後に話をし、叱られた犬の様な表情をしている北条を無視して彼に視線を移して声を掛けて )
唯織さん、起き上がれる?
なんとか…。
( 彼からの声が聞こえると頷いて、ゆっくりと身体を起こす。やはり熱が高いのだろう、フラフラする視界に僅かに気持ちが悪くなるが先程よりはまだマシで。ベッドに腰掛ける形になると、枕元にあった眼鏡を手に取りマスクだけ着けて、相手に「大丈夫」と伝え。)
無理はしないで、しんどかったら運ぶから。車、は治ってから取りに来ようか…今日はタクシー用意する。
( 言いながらスマホでタクシーを配車しつつ体調がかなり悪そうな彼を見て心配して熱を帯びる手を取ると軽く持ち上げて立ち上がるサポートをし、「自分が運びましょうか!?」だなんて言ってる脳筋を彼に対する柔らかな声とは雲泥の差な態度で睨んで黙らせ )
うん、ありがとう。
北条先生もありがとうございます。
( 彼の言う通りさすがに運転はできないし、そうしようと頷くとなんとか立つことができ。そこからはもう普通に歩けそうで。北条の方を見ながら、礼を伝えると保健室を後にし。)
こんなことになるなら、素直に休めばよかったな。
俺もこの間同じ事考えてた。
病院、は…こっから一番近い総合病院でいいか。
( 「いえいえ!」と返答した北条から目線を外すと彼を見て保健室を後にし、廊下を歩きながらスマホを見ればすぐに配車完了の連絡が入っていて感心しつつ彼の言葉を聞くと小さく笑う。テストが終わってから時間が経っていたからか生徒の数は少なく、好都合な状態なのを好ましく思いながらまたスマホに目線を落として病院を検索し )
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