斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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あぁ、少し風邪気味で。
ありがとう。
( 球技大会も3年生にとっては高校最後の行事。それは出る種目にこだわりが出るのも当然で。賑やかなその様子を眺めては、やはり目がいくのは彼の姿。そうしていると、花里さんが近寄ってきて自分にのど飴を差し出してきたため、思わず身構えてしまうが、断るのも変だろうとそれをひとつもらい礼を。)
花里さんは競技決まったの?
「どういたしまして!私は多分バスケかな、悠介もあの感じだとバスケになりそう……ねえ、先生。…斎藤くんと何かありました?」
( 競技を聞かれればまだ確定では無いが自分の希望はいつも優遇されて通る為に決まっているようなもので、うーんと悩むふりをするも話し、みんなの様子を見るように振り返って男子が戯れ合っているのにくすくす笑うと先生の方に目線を戻して、少し顔を耳元に近付ければこそりと小さな声で尋ね )
そっか。
……、何も無い。というかそもそも斎藤くんは俺と何の関係もないよ。
( 彼はバスケになったのか。花里さんが彼の名を呼ぶ度に嫌な気持ちにもなるが、耳元で尋ねられた内容にそんな感情はまたどこかへ。誰にも聞こえないように小声でそう言えば、彼と自分の関係は何も無いことを伝える?マスクを外して今ほど貰った飴を1つ口の中へ。甘い彼女の香りが今は嫌に鼻につく。再びマスクを着けて。)
「ふーん…?まあいいや、体調良くなるといいですね。いや、看病出来るから体調崩してもらってもいいかも…弱ってる先生見てみたいし。」
『何サボってんのー!』
「さぼってないよ、ちょっと相談してただけ。」
( 首を傾げて目を細めるが次にはにこやかに微笑み、友達にバレて声を掛けられると振り返っていつもと変わらぬ様子でみんなの元へと駆け寄る。ちらっと斎藤くんを見てみたが先生に目を向ける事すらせずに男子達とわいわい話している。気の所為だったのかな、なんて少しだけ思いながらも自分の希望種目を言うと許可が出てプリントの空白が埋まり )
バスケ疲れるじゃん、マネージャー枠入れといて。
( ノリノリな元バスケ部員に囲まれて圧を掛けられると軽い溜息を吐きながら言うもそんな枠は存在せず、半分無理やりメンバーに入れられながらも目に付いたのは彼に近付いて行く花里。昨日の出来事を思い出してそっちの線も十二分に有り得るかと考えながらも今はこちらに集中する。プリントの枠が埋め終わって授業も終わりに近付くと紙を手に取って彼の元へ歩いて近付いて行き、いつもと変わらないように意識しながらも声を掛け )
天羽先生、一応埋まったんで担任に渡しといて。
( 彼女が離れていくとひとつため息を。なぜ彼女は自分と彼の関係に気付いたのだろうか。そこも気になるが、とりあえず関係がないということを伝えていくしかない。あとは競技が決まっていくのを眺めていると、こちらにきた彼の姿に思わずドキッとする。自分もできるだけ普通に、とプリントを受け取っては、頷いて。どうやら彼はバスケになったらしい。)
うん。渡しておく。
ありがと、騒がしくてごめん。うちのクラス結構うるさいヤツが多くて、自分達で決める事だったり自習だったりした時はもう悲惨、って言ってもやる事は必ずやってるから先生達も呆れながら許してくれるんだけど……そういえば、体調悪いの?
( 渡し終え、ガヤガヤしているクラスメイトを一度見た後にそちらへ視線を移すと雑談を入れつつ心配そうに問い掛ける。距離を置くと決めたからにはあまり声も掛けない方がいいのだろうが、この程度なら先生と生徒の日常会話に入るだろう )
はは、団結力強そう。いいクラスだと思うけど。
……、うん。朝晩の気温差にやられたかな。そんな酷くないけど喉が痛くて。3年生にうつしちゃまずいから。
( 彼の話に少しばかり緊張していた身体の力が抜ける。やはりマスクをしていたら、気になるよなと苦笑すると首を振り。この程度の会話であれば誰にでもする内容で。変に思われないだろうと平静を装いながら。しかし、心の中では彼と話が出来て嬉しい気持ちが大きく、にやけそうになる口元がマスクで隠れていることが救いだ。 )
団結力は高めだと思う、割とイベント事は真面目に取り組むから合同競技とか1位取れてるし……そっか、無理はしないようにな?悪化したら絶対病院行って。…本当に無理そうな時は教えて、すぐ駆けつけるし。
( 先程の朝礼の時も思っていたがやはり彼の声は心地よく、小さく微笑みながら会話をする。喉の調子が悪いと聞いて自分の風邪がもしかしたら移ってしまったのかと更に心配になるが彼にしか届かないような囁かな声で告げる。その後に友人に「斎藤!今日の放課後は久々に遊びに行こうぜ!」だなんて勢いよく後ろからタックルされて予想外の衝撃に体が前のめりになって倒れ、彼にぶつかり体重の赴くまま押し倒しそうになるが何とか彼が座っている椅子の横にあった教壇に手を置いて耐え、軽く相手の肩口に顔を埋めるような形で収まれば嗅ぎ慣れた好きな香りが鼻に通って頬が染まりそうになるもそれも抑えてすぐ離れ、呆れ顔で注意を。それを受けた友人は本当に何も考えていなかったようで焦って頭を下げ )
……あ、ぶな。オイ、天羽先生巻き込むとこだったぞ今。
「え?あ、!すんません!つい…!」
うん、早めに病院いってみてもらう…、っ…
…びっくりした。
( 彼の言葉にこちらも小声でそれに対して返そうとしたところで、急にこちらに倒れ込んできた彼に目を丸くする。何が起きたかわからないが、ふわっと鼻を掠めた彼の香りにいやでも心臓は高鳴り。顔を赤くすれば、謝ってきた友人の方を見て「気をつけて」と一言注意を。そして念の為彼に怪我はないかとそちらに視線を戻して。)
大丈夫?
大丈夫。てか気の所為だったらあれなんだけどちょい体温高くない?保健室に…──
( 注意を受けて友人は心底申し訳なさそうな表情でぺこぺこと頭を下げてクラスの輪に戻って行く。心配してもらうも何の怪我も無く、むしろ逆に彼に触れる機会を与えてくれた友人に心の中で礼を言う。それは置いておいて先程一瞬触れただけだったが自分よりも体温が高かったように感じて話しながら熱があるかを確認する為に彼の額に手を伸ばすもいつの間に傍に来ていたのか、伸ばした手を花里に握られて彼から離されれば少し驚いた様子で彼女を見て )
「悠介、次移動教室だよ。…って保健室?天羽先生、大丈夫?私が一緒に行こっか?」
……、俺は大丈夫だから。2人とも次の教室行って。
( たしかに身体はだるい気がするが、熱まで計っていないため、そういわれれば熱いかもしれない。伸びてきた手が花里さんによって阻止されたことには、僅かに動揺の色を示し。しかしすぐに普段通りの表情で、二人共にそう声をかけては先程のプリントを片手に立ち上がって。)
……分かった。最近風邪流行ってるし、無理しないようにね。
( 手を握られた事はあまり気にならないが他の事に注意が向いた。花里は彼に対してこんな積極的だっただろうか。前までは質問と託けて雑談をし彼が去った後にきゃーきゃーと騒いでいる程度だったのに今の発言は少々可笑しいと眉を微かに顰める。そんな中彼の声が耳に届くとこれ以上引き止めてもと考えれば軽く頷いて、「残念~」だなんて言っている彼女を無視して手を軽く払えば移動の準備をする為に席に戻り、溜息ひとつ零すも賑やかな生徒の音に消えていき )
わかったよ。…じゃあまた。
( 彼女の手を払う様子に僅かにほっとすれば、変わらず何事もなかったかのようにそう返す。彼が心配してくれていることは本当に嬉しいが、今はその表情を出すわけにはいけない。移動していく彼らを見送り。)
───
( あれから数日後。やはり体調はよくなるどころか、悪くなる一方。喉は痛いし、咳もでる。おそらく熱を計ればあるだろう。しかし今日はテスト期間ということもあり部活もなければ授業もない。そんな日にできる仕事は終わらせなければと学校には来たものの、体調の悪さに保健室を一時借りることに。眼鏡を外しベッドに横になればいとも簡単に眠りについて。)
( テスト終了を告げるチャイムが鳴ると落胆や歓喜の声が教室に響く。プリントを回収されてみんな肩の荷が下りたのか安堵の空気が漂っているのに窓際の斎藤くんが片手で頬杖をついて心做しかテンションが低い様子で、最近なら馴れ馴れしく絡みに行くのだが機嫌が悪い時はやめておこうと目を逸らすと帰りのHRを終えて担任の先生に駆け寄り、先生は職員室にいるのかと聞けば「天羽先生?今はいるか分かんないけど、最後に見たのは保健室に行ったとこだな」との情報が落ちてきて、ぺこりとお辞儀した後に早足で廊下を歩いて )
「…失礼しまーす、………わ、寝て、る…?」
( 扉を軽くノックしてから保健室の中に入る。中はとても静かで、もうどこかへ行ってしまったんだろうかと落ち込みそうになるがベッドに眠っている人を見つけて静かに近寄れば思った通りの人物。呼吸と共に伏せられた長い睫毛が微かに揺れる様子は息を飲むほどに綺麗で、瞬きを忘れたかのようにじっと見つめ )
( どれくらい寝ていただろうか。ふと夢の中か現実か、扉の開く音と、人の声がしたような気がして。しかし重い瞼はまだ開こうとせず、身動ぎだけをするとまた少し規則正しい呼吸と共に眠り。)
「……先生が、私のことを好きになってくれたらいいのに。なーんて、難しいかなぁ…どうしたら私を好きになってくれるんだろう。」
( 見つめていたが身動きしてるのを見て微かに肩を揺らし、さらりとベッドに流れる髪に触れて触り心地を楽しみながら撫でるとぽつりと呟く。どうしても彼が欲しい。切ない思いを胸に、ベッドの端に座るとそのまま色々と考えていたが小さく溜息を吐けばベッドに上がり、先生の隣に寄り添うように横になれぱ軽く目を閉じて )
...ん、……花里さん...なんで。
( ベッドの揺れと軋む音に薄ら瞼を開ける。ふわっと香った花のような甘い香りにしばらく意識が段々と戻り、隣にいる人物へ視線を移すと目を丸くして。なぜ隣に寝ているのか、などなど色々と思考が巡るが、この状況は誰かに見られては不味い。咄嗟に動こうとするも身体がやはり重く、一先ず隣にいる彼女に声をかけ反応をうかがい。 )
「あ、起こしちゃいました?先生が保健室に居るって聞いてお見舞いに!顔色悪いですね、大丈夫ですか?」
( 先生の香りがして頬を緩める。このまま寝ちゃいそうだなんて思うも声が聞こえてパチリと目を開き、上半身を起こしながら微笑んで。眼鏡を掛けていない姿を見るのは初めてで深海のような美しい瞳が良く見えて胸が高鳴り、つい触れたくなって頬を撫でつつ心配し )
俺は平気だから…。というか一緒にベッド入ってたらまずいでしょ。
( 頬を撫でられるとゾワっとした感じが背筋を走り。自分は平気だからとそっとその手を避けつつ、自分も上半身を何とか起こして。それよりも生徒と教師が同じベッドにいることが問題だとできるだけ柔らかく指摘すればベッドから出ようと重い体を動かして。)
「心配ないですよ、鍵しめてますし。平気なら、この間の"二番目でいいから愛して欲しい"って話のお返事聞かせてくれません?」
( 斎藤くんには散々避けられて、その時は何も思わなかったけど先生にされると少し傷付く。指摘に対して軽く笑えば密室だと言うことを告げて、出ようとする先生の腕を引くと小首を傾げて見上げ )
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