斎藤 悠介 2023-09-13 21:51:55 |
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…んー。軽いものがいいな。
悠介くんは?何かある?
( 助手席に乗り込んだ彼を見て、いつも通りに振る舞うが内心はなんとも言えない気持ちになる。質問に返事をしつつゆっくり車を発進させ、今日はとりあえず一緒に過ごして最後に話をしようと心に決めると、何とか気持ちを切り替えようとして。)
俺は唯織さんと一緒に食事出来ればなんでも。軽く…ならちょっと気になってるカフェあるんだけどそこでどう?コーヒーが絶品らしい。
( 正直に言ってしまえば軽く笑い、彼の意見を聞いて少し悩むもそういえばと思い出せば口に出す。部下が話していて微かに気になっていたのだがそこは隠れ家的な場所で食事やコーヒーが美味しく、雰囲気がとてもいいらしい。夜もやっていて生徒が寄り付かなさそうな所にある為に最適ではないかと考えて車のナビに手を伸ばしながら尋ね )
ふ、俺もおなじ。
行きたい。楽しみだな。
( 彼の笑顔にこちらもつられて笑うと、そのカフェにぜひ行ってみたいと同意を示し。一時期はカフェ巡りなんてのにもはまったことがあったが、最近はあまりしておらず。新しくいい店があるのなら知りたいと頷いて。)
じゃあそこにしよっか。店の近くにパーキングあるらしいし、設定するわ。
……さっき後輩から飴貰って食べてるんだけど車内だと結構周りに匂いするな、ごめん。
( ナビに駐車場の住所を打ち込むと案内が開始され、それを確認すれば座席に背を預ける。その時にふと自分の食べているレモンの飴の甘い香りが彼の香りに混ざって鼻を掠めると少々恥ずかしそうに苦笑いして )
ん?そう?
全然匂い気にならなかった。
( 相手に言われるまで香りなどは気にすることはなかったが、言われてみれば少し甘い香りがするなと微笑む。しかしふと先程の彼女の香りは鼻につく甘いもので嫌だったが、相手のものなら全然構わないのだなと思う。むしろ彼の香りは落ち着く。)
なら良かった。唯織さんも食べ…ない方がいいか、今からコーヒー飲むし。
そういえば今日、同級生に弁当でカレー持って来てた人がいたんだけど見事に鞄に洩れててさ、もう教室全体に広がったカレー臭が凄くて…クラス全員でそいつの鞄丸洗いしたり換気したりしてなんとかなったんだけど、あれは悲惨だったな…。「ごめん!全然気付かなかったわ!」って本人は笑ってたけど電車とかキツイ香水並に香害だっただろうな。
( 安心しながら微笑むと彼にも飴をと思ったがそれは流石に止めておいて、口内に残っている小さくなった飴を噛むと鞄からペットボトルのお茶を出して飲み、口をリセットしつつ匂いという関連で今朝にあった出来事を思い出すとつい笑いが漏れ )
うわぁ、カレーの匂いはきついだろう。しかもカレーって洗っても中々落ちないし…よく気づかなかったね。その子。
...あ、着いた。ここかな?
( カレーの話には流石に驚き。お昼にカレーを持ってくるのは百歩譲っていいが、こぼしたものが香っているのを当の本人が気付かないとは。周りの生徒たちが優しいなと微笑ましく思うも、彼らはいい迷惑だっただろう。ナビが駐車場に着いたことを知らせると車を停めて。)
ほんとそれ。教室入った瞬間ほんのりと匂いしたから「誰か朝カレー食べてきた?いいな。」とか話してたんだけど徐々に教室に強いカレー臭が籠りだして、朝食に食べてきたどころじゃねえってザワついた。
お、ここっぽいね。コーヒーに煩い人が褒めてたから結構楽しみ。
( 笑いながら話していたが到着すれば人から聞いた通りすぐ近くにカフェがあり、それを確認すると車から降りる。歩いて行けば店前には手書きの黒板のメニューボードが。"本日のおすすめ"と書かれていて下にサンドイッチ等のメニューやコーヒーの種類が書かれており、更にその下に"※新犬店員が入りました。アレルギー、毛、犬が苦手等ありましたらお申し付け下さい。"だなんて文字が見えて軽く首を傾げるも実際にいるとしたらテンションが上がる。一応彼の方を見ると尋ねて )
犬、……犬?話聞いた時はこんな情報入って無かったけど……アレルギーや毛って事は本物のかな。唯織さん、犬って大丈夫?
おもしろすぎるでしょ、その話。
知らない種類のコーヒーもある...、すごい楽しみ。
( 車から降りて店へと歩く。入口のメニューボードに並ぶコーヒーの種類には知っているものもあれば、知らないものもあり。それを見てワクワクしないわけがなく、少し浮ついたような気分で。彼の質問にようやく、その注意書きが目に付いたようで、自分は大丈夫だと頷くも、帰ったら海が少なからず反応はしそうだなと思いつつ扉へ手をかける。)
俺は大丈夫。
入ろっか。
ならよかった、足元に段差あるから気を付けて。
( 頷く様子を見て目を細めて微笑むと扉を開けて店内へと足を踏み入れる。お客さんはちらほら、老若男女問わずにコーヒーや食事をのんびり楽しんでおり緩やかな空気が流れている。観葉植物が多く置かれており、テーブル席は半個室のようになっていて落ち着いて寛げそうで、まだ食事はしていないが個人的に当たりの店かもしれないと考えていたら二人に気付いた店員に挨拶の後に案内される。カフェテーブルに椅子が二脚対面で置いてある席に着くと座ろうとするが、その瞬間に"ワンっ"と大きな鳴き声が聞こえれば真っ白な毛をふわふわと揺らして寄ってくる大きな犬、サモエドが姿を現してそれに目を奪われる。犬は自分の周りをくるりと回った後に彼の元へと歩いて行って尻尾をぶんぶんとちぎれそうな程に振り )
……え、なに、でっかい綿菓子?かっわ…
…!
わ、綿菓子だ…
( 店内は居心地の良さそうな雰囲気。こんな素敵な所があったなんて。と辺りを見渡しながら歩き席に座ろうとしたところに現れた白い綿菓子のような犬。正直にいうと、犬は大丈夫、なんて先程は言っていたが犬に触れた経験など片手で数える程度しかなく少し緊張気味に足元に来た犬の頭をそっと撫でて。猫とは違った反応や感触に、思いつく言葉は可愛いしかなく)
何、君も唯織さんの事を気に入ったの?
( 彼に撫でられた事に心底嬉しそうに目を細めればお座りをしてそれを享受し、もっともっと!と目を輝かせて見上げる犬の様子を見て微笑みながらこちらもふわふわの背中を優しく撫でると声を掛ける。焦った店員が「すみません!」だなんて言ってるが個人的には可愛い犬が絡んでくるだなんてご褒美のようなもので、気にせず席に着けばメニュー表を手に取って開くも犬は妙に彼にご執心なよう。足元から離れる様子は無く、店員の焦った声を聞いても変わらず尻尾を振ったまま彼に縋りついていて、それについ笑ってしまい )
ほんと、かわいい。
海の匂いついてるから、普段は他の動物に懐かれることないんだけど。
( 席に座った後もずっと自分の足元にいるのをメニューを開きながら微笑ましげにその様子を見る。元々嫌いでは無いが、やはり普段は海がいることもあり自分もあまり積極的に触らないし、犬も猫の匂いに反応することも多い。珍しい子だなと思いつつ再び1度頭を撫でてから、メニューへ目を移し。ひとつの銘柄に目が止まる。「コナ」というコーヒーは確かハワイが原産のものだと聞いたことがあるが、店で出会えたことはなく置いているのが非常に珍しい。)
この、「コナ」ってコーヒー飲んでみたい。あんまり店で見たことないし飲んだこともないから。
可愛いね、海と一緒で人懐っこい子なのかも。俺も何故か犬と相性悪いってか怖がられる事が多くてこんな近くに来てくれんの珍しい。
"コナ"?置いてあるの凄いな、俺はブレンド頼んでみるから後で一口ずつ交換してみよっか。ブレンドと…スモークサーモンのサンドイッチにしようかな。
( 自分は普段、犬に近付かれる事がまず少ない。友人宅に行く時に「うちの、かなり凶暴で噛みグセが凄いから注意して」と事前に言われていた犬が対面した瞬間にこちらは何もしていないのに尻尾を丸めて逃げて行った時は正直へこんだ。それに比べればこの距離で彼に対してだが尻尾を振ってご機嫌そうで、その前には自分の周りを楽しそうに歩いてくれた事が奇跡のように感じて口にすると綿菓子みたいな犬と彼のやり取りを見て自然と表情を緩めて再度メニューに目を落とし、少し悩んだ後に注文を決めて )
うん。そうしよう。
俺は、ハムサンドにする。
( 彼が怖がられてしまって落ち込む様子を想像するとなんだか可愛い。そんなことは口には出さないが。コーヒー以外の注文が決まると近くにいた店員さんに注文を。終えると、メニューを片付けて辺りを見渡す。ふと座ってコーヒーを楽しむお客さんの他にも、レジの方でコーヒー豆の入った袋を購入している人を見かけ。)
...コーヒー豆も販売してるんだ。買って帰ろうかな。
ありがと。…いいね、俺も豆から挽けるコーヒーメーカー買おっかな。朝は缶コーヒーで済ませてるけどそろそろ寝起きに温かいの飲みたくなってきたし。
この間、寝坊したんだけどどうしてもホットコーヒー飲みたくてコンビニのコーヒー持ちながら教室入ったら授業始まっててさ、運悪く生徒指導の授業時でめっちゃ叱られた。一日中美術だったらそんな失態しないんだけど。
( 注文を済ましてくれて店員が奥に行くのと共に犬が着いてくのを見送りながら片手で頬杖をついて、彼の言葉に微笑んで言う。彼の家でコーヒーを飲んでからずっと購入を考えていたのだが中々面倒くさがりの自分が手入れをするビジョンが見えず買わなかったがつい最近叱られた事を思い出せば軽く笑って )
おすすめだよコーヒーメーカー。
最近は手入れも楽なの多いし。ぜひ。
生徒指導の先生の授業でそんな風に入って行けるの悠介くんだけだと思う。
( コーヒーメーカーの購入を検討していることには大賛成で。本当に今のモデルは簡単にセットできて、しかも手入れも楽なものが多く自分もなんなら買い替えたいくらいだ。続けられた話にはそんなことは自分なら絶対できないなと苦笑をして。そう話しているうちにちょうど運ばれてきたコーヒーとサンドイッチのセットを受け取る。いれたてのコーヒーのいい香りに思わず頬が緩み。 )
いい香り。
そうなんだ、じゃあ本格的に探そうかな。
そんな事は…っふ、はは…でも、その時の生徒指導の顔、怒りでめっちゃ真っ赤になってて面白かった。「最近の真面目さは何処に置いてきた!」って怒鳴るもんだから、"少し道端に。後で取りに帰ります"っつたら普通に頭引っぱたかれた。
( 勧められるとネットで眺めるだけ眺めていて保留になっていたが手入れが簡単な物を帰ったら探そうだなんて思いつつ、苦笑する彼に自分だけじゃないと弁解しようとするもまた笑えば楽しげに語る。そんな中で注文した品が運ばれてくると礼と共に受け取り、"いただきます"と言葉を添えれば先ずは彼が言う通り心地良い香りを漂わせているコーヒーを一口飲んで、苦味が強い好みの味と共に鼻に抜ける上品な濃い香りに微かに驚き )
……なにこれ、めちゃくちゃ美味しい。
探すとき手伝うよ。
ふはっ、悠介くんの言い方……面白すぎ。
( コーヒーメーカーなら自分も一緒にと思うが、そういえば後々2人で住むなら新しいものは一台でいいのかと心の中で納得して。生徒指導と彼のやり取りはいつ聞いても面白い。彼の言い回しに耐えきれずくすくすと笑い、笑いすぎたのか目尻に浮かんだ涙を指で拭って。落ち着いた後に口にしたコーヒーは、今まで飲んだことのあるものに比べて酸味とコクがあり、飲み終えたあとはスッキリとした感じで。これは飲みやすいと、カップを彼の方へ差し出し。)
美味しい。
1口飲んでみて、すごく飲みやすい。
是非、…そう?生徒指導とはいつもこんな会話してる。
じゃあ貰おうかな。唯織さんも飲んでみて、深みがあって凄く香り高いよ。
( 自分より詳しい彼も一緒選んでくれたら捗るだろう、微笑んで頷く。普段友人や他生徒も笑ってくれて不思議に思っていただけだったが、笑ってくれているのが彼だと何故か少し嬉しくなり目を細めるとまた色んな話をしようだなんて思いつつ相手のカップを手に取りながら自分のカップも差し出してコーヒーを口にする。先程のとは全く別の味わいで確かに飲みやすく、これもまた好みで次に来た時にコナか、ブレンドか、他の物も気になると悩んでしまいそうだ。ゆっくりとカップを彼の方に戻し )
確かに飲みやすい、なんかフルーティっていうか…ちょっと珍しい良い香りするな。
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