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No.8
by 掲示板ファンさん 2023-10-06 14:16:39
【じっけんしせつにて】
今日は何月何日? わからない。
ここはどこ? わからない。
あなたは誰? わからない。
ここで何をするの? わからない。
なぜここにいるの? わからない。
壁も床も天井も、全部真っ白な部屋。真っ白で広い広い部屋。そこにぼくはいた。灰色のシャツとズボンを着て、左の手の甲には「7」と刻まれている。白い部屋には、ぼく以外の子どももいた。みんな、ぼくと同じ灰色のシャツとズボンを着ている。そして、左手の甲にはそれぞれ違う数字が刻まれていた。
「クロウサギはどこ!? どこに意ったの!? ねぇ、だれか志らない!?」
「9」の子が部屋中に響き渡る大声で言った。クロウサギは、「9」と一番仲良しの男の子だ。ぼく以外のみんなは数字じゃなくて、別の名前で呼び合ってるみたい。それを聞いて気づいたけれど、たしかに部屋にいる子どもの人数がこの前より一人減っている。
「大丈夫だよ。もうすぐここに帰ってくるから」
「もうすぐっていつ? ずっとかえって木てないんだよ? クロウサギ、詩んでないよね!?」
「もちろんよ。私たちは誰も死なない。だって、世界を作る使命があるんですもの」
世界を作る? 「9」と話している「3」は大人っぽくて話し上手だけど、こんな難しい話をしているのは初めて見た。ぼくは部屋の隅っこに座って、そのまま二人の会話を盗み聞きする。
「異きてるならいいけど…でも、だまっていなくなるなんておかしくない? ギンネコもいなくなったときあったけど、ケンサだって押しえてくれたし、すぐかえってきたのに。ぜったいクロウサギになんかあったんだよ! ちょっとさがしてくる!」
「だめよ。この部屋を勝手に出てはいけないわ。お願いだから、落ち着いて」
「キンネズミはしんぱいじゃないの!?」
「……」
「キンネズミ、ほんとはクロウサギがどうなったか史ってるんでしょ。なんで、花してくれないの。」
「……」
「もういい。じゃあね」
「9」は暗い表情でスタスタと足早に立ち去った。今度は、部屋にいる他の子どもに話しかけて情報を集めているらしい。そして、残された「3」は呆然とした後、顔を両手で覆い、「ごめんなさい」とか細い声で呟いていた。