匿名さん 2023-08-22 20:24:32 |
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はい。代々、祖国の文化に触れておりましたし、実際に作る事も多かったので。
…宜しければ、明日の朝食にお出し致しますか?
( 口にしたことがあるかという質問返しに対し、短く肯定の意を示すと、そのことについて“いいな”と受け止めてくれる相手に何だか胸の内が暖かくなるような気がした。
幼少期から朝食には和食が出されており、自分の分は段々と質素なものになっていったし、気が付けばこしらえる側になってはいたものの、今となっては実家の使用人の真似事から始まり、本格的に作れるようになったのでそれはそれで良かったかと思う。
僭越ながら朝食に出そうかと提案すると、いつの間にか食べ終えていた自身の食器と、主の食事の後片付けにとゆっくり席を立った。)
(/ そう言って頂けてよかったです。
また、早速のご意見ありがとうございます!私もそのような展開を考えておりましたので、ぜひとも採用させていただきたいです。
だんだんと惹かれていく中で、ルキノさんに縁談が舞い込んだり、少しのすれ違いがあったり、様々な展開にも広げていけたらなと思っております。
こちらこそ、改めましてよろしくお願い致します!)
あぁ。では明日の朝食は和食で頼んだ。
( 元々朝食は朝から料理を作るのが面倒臭くて食べていなかったが、貴方が作ってくれる、尚且つ和食ということなら食べる気が湧いてきた。全ての食品が食べ終わるとフォークとナイフを置き食器を重ね、キッチンまで持っていった方がいいのかと迷いながら下記のように感想を零す。)
今までの使用人より一番美味かった。
( ゆっくりと席を立った貴方を見て、これが食べられるのは使用人のハルを雇って正解だったなと思う。)
(/ 採用していただきありがとうございます。はい、私もそのような展開の方がより楽しむことができると思いますので是非ともよろしくお願い致します!)
(朝食の件において了承をもらうと、返事は「かしこまりました」と相変わらず堅苦しいままだが、その声音はなんだか嬉しそうに少し高らかで。
自分の使っていた皿から回収し終えると、相手の元へ向かおうと歩みを進める。しかし、不意に自分の料理が今までで1番だなんて言われるものだから、嬉しい驚きに思わず歩みを止めてしまう。)
…ありがとうございます。僕には、とても勿体無いお言葉です。
(こんなに嬉しい言葉を何度もかけてもらえるのは、いつぶりだろうか。喜びを噛み締めながら振り絞るように上記を返すと、相手の座る席の背後から回り、静かで丁寧な所作で皿を片付けようと手を伸ばした。
そして、浮かれ切ってしまう前に、もう一つ些細なことだか聞いておきたいことがあったようで。彼の真横で食器を回収し終えながら口を開いた。)
この屋敷に来た際、一時的に荷物を離れに置かせて頂いているのですが、そのまま離れを使わせて頂いてよろしいのでしょうか?
…そうか。
( “勿体ない言葉”だなんて、あんなにも美味しいと自身が感じる料理なのだからミヤビ家でも賞賛されているものだと思っていたが、どうもそうでは無いらしい。丁寧な所作で自身の皿を片付けようとしている時に聞かれた質問に頷く。)
あぁ、部屋は腐るほどあるんだ。何処でも好きな所を使えばいい。
( 広い屋敷な為、もちろん部屋も多く。それに加えて自身と貴方しかこの屋敷には暮らしていないのだから余るもの当然だ。そう思い離れでも、今自分たちがいる母屋でも使っていいと答える。
予定が無い為、これからどうしようか…昼寝でもしようかと色々考えながら席を立ち、自室に戻ろうとして。)
( 好きなところを使えばいい、と言われると「ありがとうございます」と礼を述べる。
見受けただけでも相当な部屋数が余っているようだが、どれも使用人が使うには豪華すぎる。それでも、せっかくなのでその言葉には甘えさせてもらおうと表情は変えずとも、片付けをしながら考える。)
……主様、お部屋へお戻りですか?
その、食事の片付けを終えたら、自身の荷物を整理したいと思いまして。少しの間ばかりお傍を離れますが、何かあればお呼びくださいませ。
( ふと、席を立つ相手に声をかけると、この後について言付けを。食事の洗い物を終えれば少しばかり時間がある為、その内に早く荷物を片付けようと計画したらしい。勝手に自分のスケジュールを決めるのは頂けない事かとも思うが、じっと主からの返事を待って。)
…わかった。迷子になるなよ
( 自分は子供では無いのだから少し傍を離れるぐらいいいのにな、と思いながらそう言って、この屋敷に慣れないと迷子になってしまうと考えたのか、最後にそんなことを混じえて自身の部屋へと踵を返す。
自室に戻ると何をしようかと考え、特にやることが見当たらない為少し服を着崩してベッドに座り息を着く。普段人とあまり関わらず、離さないで人生を送ってきたこともあり貴方と久々に会話をして何だか疲れたような気がする。だが、貴方と話して不快になることは無く、ストレスは堪らないという矛盾がありながらも安心感があり“アイツとなら話せるのかもしれない。”と感じる。)
( 去り際の忠告を聞けば、はい、と短く返事をしながら笑ってその背を見送った。
その後は、テキパキと食器やキッチンの後片付けを行い、一息つく暇もなく、中庭を通って自身の荷物が置かれている離れへ。
離れ自体も小さながら立派だが、長年使われていないのが見て取れる。その出入口近くに無造作に置かれた鞄と両手で抱える程度の箱を持つと、その踵を返し、どうやら荷物は母屋へ運び込むらしい。
やはり遠慮して離れにしようかとも思ったが、何かあった時、少しでも主の近くにいた方が良いだろうと考えたようだ。)
……エヴァンス家…。もっと、勉強できてれば良かったなぁ。
────あッ!
( 母屋に戻ってからは改めてその広さや部屋数に圧巻されつつ、こんなにも広い屋敷になぜ彼は1人なのだろう、と考える。ミヤビでは所作や歴史は習ったものの、全て基礎的なものに過ぎなかった。それ故、エヴァンス家の詳細も知らないままだ。
そんなことを思い悩んでいると、荷物を持ち直そうとした際に手が滑り、箱を落として廊下に荷物を散乱させてしまう。決して多くは無い荷物だが、ため息とともに腰を下ろした。)
( 自室から近い廊下からバタバタと物が落ちたような音が聞こえ、何かあったのではないかと思いベッドにかけていた腰をあげ、ドアを空けて声を掛ける。
そこには腰を下ろしてものを拾う貴方が居て、「落としただけか」と少し安堵をする。)
…大丈夫か
( ゆっくりとした足取りで貴方に近づき、そう聞いてみる。物を落としたくらいだったら心配はいらないが少しずつ貴方に対して前までいた使用人とは違った感情が芽生えてきてしまったと自分でも自覚はしている。)
(/返信遅くなってしまい申し訳ございません、もう少し早めるように努めますのでこれからもよろしくお願いします。)
───ッ、…す、すみません。平気です。
やはり、お近くの部屋を使わせて頂くことにしました。その方が、此方の屋敷にも早く慣れることが出来て、お役に立てるでしょうから。
( 自分がミスした後に足音が聞こえてくると、思わず一瞬ビクついてしまうが、振り返り相手の姿を見つけると、此方を気にかけてくれる優しい言葉に頷いて、鈍臭いところを見られてしまったことに少し気恥しそうにして笑ってみせる。
誤魔化すように、母屋の部屋を使うことにした、と話題を変えると、最後の荷物を拾い上げて箱に詰めてから腰を上げる。
荷物を抱え直すと、せっかくだし先程の疑問を晴らそう、と「主様」と切り出した。)
主様は、いつからおひとりでお過ごしなのですか?
(/ お気になさらず。私も今週から少しバタバタとしてしまうため更新が遅くなるかと思います。お互い無理せずのんびりと進めて行けたら幸いです!)
そうか、ならいい。
あぁ、わかった。どの部屋を使用するんだ?
( 自身が話し掛けるとビクついたのを見てミヤビ家で過去に何かあったのかと思うが、それは今は聞かないでおく。貴方を呼ぶ時が来たら部屋に行きたいため一応何処の部屋を使うのかを尋ねてみる。
そして、貴方の質問に少し間を置き顎に手を添えて考えるような仕草をしたあと、大体このくらいだろうと見当がつき答える。)
……そうだな…約4年前だっただろうか。そこからは俺だけか、俺と使用人との暮らしだった。
(/ありがとうございます、3日以内には返信をするように心掛けます。)
廊下の突き当たりの…あ、あそこです。
( 部屋はどこかと聞かれると、今いる廊下を真っ直ぐ行った突き当たりだと指を指す。ここならば何処へでも素早く駆けつけられるだろう、と来てたらしい。
そして、続いて質問への回答を貰うと、小さく「そうですか…」と呟いて手元へと視線を落とした。
4年も前からこんな広い屋敷で、と考えると、使用人といたにしてもさほど差異はないだろう、と何だか自身が傷心的な気持ちになってしまい、思わず出過ぎた発言をしてしまう。が、それもすぐさま訂正を。)
──寂しくは、ありませんでしたか?
…あッ、申し訳ありません。失礼な発言を…。聞かなかったことにして下さい。
(/ せっかくお心遣い頂いたのに、此方が全く返せず申し訳ありません。。まだいらっしゃいますでしょうか?
返信が難しい際は一言声をかけるように致しますので、またよろしくお願いします。)
……あそこか。分かった、なにかあればお前の部屋に行く。
(突き当たりの部屋が貴方の部屋だと分かり、何か用事があればその部屋に行こうと言う。
「寂しくは無いのか?」そんな質問が聞こえると貴方の方に視線を映す。寂しくはない、そう口では言うが少し孤独感を感じていた。使用人は居るが皆怖がって話しかけては来ない、それに嫌気が差していた。)
…寂しいわけないだろう。第一、仕事があるんだ。寂しいなんて感じる暇なんてない。
(/はい、居ます。返信して下さりありがとうございます。
分かりました、こちらも返信が難しい時は伝えるようにします。)
…お仕事、お忙しいのですね。
お仕事のお邪魔でなければいつでもお呼びください。
寂しくなくとも、息抜きは必要ですよ。
( 寂しくない、そうはっきり聞こえたはずなのに、どこか寂しさを感じてしまうのは何故だろうか。しかし、自分と違ってエヴァンス家の現当主として相応の重圧や仕事があるはずで、確かに、そんな事を思っている暇さえも無いのかもしれない。
彼の本心がどちらにせよ、今は自分がいるし、こんな自分でももっとできることは役に立ちたい。そんな意味も込めて、少し遠慮がちに笑いながら、自分がいつでも相手になる、と伝えておく。
そして、相手を気遣ってか否か、話題を変えるようにもう一度荷物を抱え直すと言葉を続けて。)
この荷物を運んでしまえばすぐに終わりますから、主様のお部屋にお飲み物でもお持ちしますね。
(/ 承知致しました。ありがとうございます!)
…あぁ、心遣い感謝する。
( これまでの使用人とは、こんなに会話が続かなかったはずなのに貴方相手だとここまで続いてしまう。それに、貴方と話していると何だか胸の奥が温まり、それが身体中に広がっていく。前までの使用人が作った料理にはあまり味がしなかった。それなのに貴方が作ったものだと味を感じることが出来る。
不思議だ、貴方に会ってから何かがおかしい。今までの自分には無かった物が増えていき、また会って話したいと思ってしまう。)
わかった、待っている。
…はい!
( “待っている”と言われると、自分が必要とされているように思えて思わず張り切ったように声が出てしまう。すぐさま咳払いをして会釈をすると、早く荷物を運び終えてしまおう、と廊下を進む。
突き当たりにある部屋に入ると、今まで使った事のないほど広くて上等故に、本当にここで良かったのだろうか…なんて思うが、一先ず床に荷物をおき、クローゼットに服をしまい込む。
ベッドのそばにあるサイドテーブルに1つの写真立てを置くと、それを少しの間眺めては、ジャケットと手袋を着用し直し厨房へ。
しばらくすると、ティーポットとカップを乗せたトレイを持ち、主の部屋の扉をノックした。)
主様、お飲み物をお持ちしました。
…あぁ、入れ。
( 椅子に座り書類に目を通し、そろそろ休憩を取ろうと思っていた時に丁度部屋のドアが叩かれ貴方の声がすると上記の言葉を述べ持っていた書類を机の上に置く。
やはり使用人がいると自分で何かをしなくてはいけないことが減るから助かるなと思い、貴方のことだから再び上等なものを持ってくるのだろうなと期待の気持ちを抱いている。)
失礼いたします。
…柚子とミントのハーブティーでございます。
柑橘類の香りがお好きだと良いのですが、お気に召さなければ直ぐに入れ直してきますので、なんなりと。
( 部屋の中から返答を聞けば、挨拶と共に室内へ。片手でトレーを掲げれば、そのまま相手の方へと歩み寄って書斎のテーブルへとポットとカップを置く。
無駄のない慣れた手つきで紅茶を注げば、カップを主の傍へと寄せながら説明の言葉を続ける。
柚子というのも自国の果物で、爽やかな香りと後味でリラックス効果も得られ、身体も温まりリラックス効果も存分に得られる事だろう。主の好みはまだ手探り状態なので、念の為他の紅茶の準備もしているが、これを気に入ってくれたらいいなぁ、と胸の内で静かに思う。)
…いい香りだな。頂こう。
( 柚子とミントのハーブティーが注がれたカップを慣れた手つきで持ち、鼻の前まで運ぶと目を瞑りながら香りを嗅いでみる。特に好きな物や嫌いな物がない為、どんなものでも食べたり飲んだりするがこの香りは嫌いではないな。そう思いながら上記のような感想を述べる。そして、ハーブティーを口に運び飲んでみると、柚子とミントの香りが鼻をぬけ、その味が喉をスっと通る。飲んだことの無い飲み物だが虜になってしまいそうな味で一瞬にして気に入ってしまった。しかし素直な性格では無いため、下記の様な『嫌いではない。』と言う言い方になってしまった。)
良い香りと味だ。この飲み物は嫌いではない。
僕が1番好きな紅茶なので、お口に合って良かったです!
( 決して絶賛された訳では無いが、それでも嫌いではないと言ってくれた事に対し、思わず力の抜けた満面の笑みで言葉を返す。
この紅茶を持ってきて良かったなぁと思いつつ、咳払いをして姿勢を正すと、またたまにはお入れしよう、と胸の内で考えた。)
……今は、何のお仕事をされていたのですか?
( 紅茶を飲む主の傍にはいくつもの書類が置かれており、このまま傍で立ち尽くすのも居心地を悪くしてしまうだろうか、と思えば、そのまま自分が疑問に思っていることを口に出した。)
そうなのか。…そんなに気を張らなくても良い。俺からは使用人をやめろとは言わない、気楽にやればいい
( 気の抜けた笑顔が消えてしまうと少し寂しさを感じてしまい上記のように気楽にやれと言う。今迄は寂しいという感情を抱くことは無かったのに、何かがおかしい。ほんの数時間貴方と一緒に居て、珍しく会話をしただけなのに。)
そうだな…。街で劣化して壊れてしまった建物を直す為の材料と人材を要求されている。それと……見合いの話だな。
あ、すみません…、クセで、つい。
───…お見合い、ですか。
お相手様が此方にいらっしゃるんですか?
( 気を張らなくても良いと言われれば、少し拍子抜けしながらも反省の意を口にする。実家だと気が休まることがなかった故、無意識に自分を律するのが日常になっていたのだろう。
やっぱり優しいなぁ、とじんわり心が暖かくなっていると、書類関係の話には黙って頷き、そう言った内容の仕事もあるのかと考えていて。だが、不意に見合いの言葉を聞けば、驚き反応してしまう。
見合い話なんて名家に生まればよくある事だが、何故だか複雑な心境になり自分自身困惑する。)
いや、来てはいない。だが此方に来ようとしているみたいだ。この屋敷に来られても迷惑なだけだからな、断りの手紙を書くつもりだ。
( 自身は誰とも交際をするつもりも、付き合う気も全く無い。恋人が出来てもエヴァンス家の人間としての仕事ややるべきことが多いため構っている暇が無い。だが、交際をするなら心から愛せる人と…そう思っているがその相手がいない。そんな心情も相まって上記のような言葉を述べながら紙を用意しペンを持っては断りの文章をつらつらと書き連ねていく。)
…左様ですか。
しかし、エヴァンス家も名高い名家ですし、縁談の話も絶えなさそうですね…。
ミヤビ家ですら、いくつか縁談があったぐらいですから…。
( 断りをいれるという発言を聞くと、内心ホッとしてしまい、そんなことを思う自分に更に驚きつつ言葉を続ける。
主については様々な噂があるにも関わらず、それでも名家には縁談がよく来るものだ。おまけに、今はまだ主の素顔があまり公表されていないが、容姿端麗な姿が世に知れ渡れば、尚のこと女性たちは放っておかないだろう。
権力が衰退していたミヤビ家にすら縁談が来ていたのだから、少しでも名のある家に娘を嫁がせたいという連中が多いのも、また現状にあるのだろう。)
…そうか。…ハル、この手紙を下にあるポストに出してきてくれないか。
( 相手の話を聞きながら時間をかけず適当に手紙を書いていく。だが、適当に書いたその字はエヴァンス家の主ということもあってか綺麗で様になっている。そして書き終わった手紙を折って封筒の中に入れ、それを貴方の前に出して。)
…お前は交際をするつもりはないのか?
( ミヤビ家に縁談が来る、そう聞くと貴方にもそのような話が来ているのではないかと思いそう聞いてみる。
貴方が交際をしてこの屋敷を出ていくのであれば自分は今度こそ一人になってしまうな、そんなことを考えながら。)
─…縁談があると言っても全て兄宛てのものですし。
そもそも、能力も容姿も冴えない僕には関係の無い話です。
僕は、使用人として、主様を支えることが出来れば本望ですから。
( 交際をするつもりはないのかと問われれば、小さく笑いながら自分には無縁の事だと説明を。実際に自分宛の縁談は来たことが無かったし、親からそのような話題が出ることも無かった。
使用人として育てられできたようなものだし、それ相応の役に立てればそれで良いのだと自分に言い聞かせている。
そして、手紙を受け取れば「承知しました」と会釈交じりに返答し、すぐさま投函してこよう、と踵を返し部屋を後にしようとする。)
そんなことは無い。相手の女性も、ミヤビ家の人間も見る目がないだけだ。
( 何故なら、自身が今貴方とこんなにトントンと言葉のキャッチボールが出来ているから。本来ならば誰とも会話をすることなく、一人部屋でやるべきことをこなし、眠り、食事をとる。それを淡々と繰り返していくだけの日々だったが、貴方がこの屋敷を訪れたことで少し変化が生まれた。そのことから、冴えていないと言う言葉を否定した。
貴方が手紙を受け取り部屋を後にすると手元にある書類に再び目を通していく。)
…ふふ、少し、自信がつきそうです。
( 主の口から出た力強い否定の言葉に、なんだか嬉しくなって思わず笑みを零してしまう。その後に礼を続ければ、そのまま部屋を後にするものの、暫く口元は綻んだままで。少しだけ自分が価値ある人間のような気がした。
足取り軽く、屋敷の玄関先にあるポストへと手紙を投函しに向かえば、手紙を入れたその時、向こうから見覚えのある和装姿が視界に入り、一瞬にして軽やかだった気持ちが真っ暗になる。)
「 やぁ、久しぶりだなぁ、ハル。
俺が遠征に出掛けてる間に居なくなってたから寂しくなってね…兄貴直々に会いに来たよ。嬉しいだろ?
──…あのエヴァンス家にって話だったから、衰弱しきった顔を見に来たのに…ルキノ殿は噂に反して退屈な奴みたいだね?」
( ゆっくりと歩み寄ってきたのは他でもない実の兄で、その背後には使用人を2人ほど従えている。どうやらエヴァンス家に来てものの数時間で耐え難くなった自分の姿を笑いに来たようだが、予想に反して自分が元気にやっているもので気に入らないらしい。貼り付けたような胡散臭い笑顔をみると、此方は思わず顔が強ばってしまう。
当主へ挨拶だけでも という兄に対して、勿論、自分が追い返せる筈もなく、力なく主の部屋に戻って扉を叩けば「 主様、突然申し訳ございません。…お客様です。」と述べた。)
…承知した、部屋に上げろ。
( 今日客が来ることは聞いていないが、何か重大なことを知らせに来た人ならば追い返しては行けないだろうと思い部屋に上げろ、そう扉の向こう側にいる貴方に告げる。相手の失礼にならぬようにと先程目を通していた書類をファイルに仕舞っては、それを机の中に入れ、ドアの方を見て部屋に入ってくるであろう客を待つ。)
「 お初にお目にかかります、ルキノ殿。
私は、ミヤビ家現当主のハヤト・ミヤビと申します。
この度は不躾な弟を父上が此方へ宛てがったようで…、このような無礼を働いてしまったことへのお詫びと、愚弟の様子を伺いにやって来ました。」
( 主からの返事を聞くと静かに扉を開け、兄とその従者を部屋へと通す。一見人当たりの良さそうな笑顔を振りまきながら、兄は意気揚々と自己紹介を始める。
その様子を後ろの方で俯きながら聞くことしか出来ないが、自分の本来の姿はこんなもんだ。
実際は、こんな兄を勝手に屋敷に上げてしまったことをいの一番に謝罪したいのだが、兄を前にすると言葉が出なかった。)
…エヴァンス家当主、ルキノ・エヴァンスだ。ミヤビ家当主の者を歓迎したい気持ちは山々だが……「愚弟」という言葉は聞き捨てならないな。
( 部屋に上がってきた者の姿を見ると、一瞬にしてハルの兄だということが分かる。人あたりの良さそうな笑顔で自己紹介をする相手の話を黙って聞き、その話が終わると短く此方も自己紹介をする。そして相手の話の中に自身の使用人を侮辱するような言葉が聞こえると冷ややかな目で相手のことを見つめ、後ろに立って俯いているハルの姿を横目で確認して、出来るだけ早く相手を返そうと考える。)
「…これはこれは、聞き苦しい言葉を使ってしまい失礼致しました。ですが、剣術の才も使用人としての才も乏しい“コレ”が立派に務めているのか、兄は心配で堪らないのですよ。
まぁ、聞き分けがよく、空気のように静かなところは気に入っていましたがね。
──なぁ、ハル、帰る前に一杯茶でも淹れてくれよ。お前が好きな、あの不味い紅茶は勘弁しろよ?」
( 冷ややかな視線には少し肩をゆらすが、咳払いとともに扇子を取り出して動揺を落ち着かせれば、口元を隠したまま尚のこと言葉を続けた。
近くに歩み寄ってくる兄に名を呼ばれれば、思わずぴくりと身体を強ばらせ静かに目線を伏せる。兄は冗談っぽく笑いながら閉じた扇子の柄で肩を軽く叩いてくるが、その目はやはり面白くなさそうに冷たい視線で弟を見下していた。)
こんばんはー!途中参加ってよろしいでしょうか?…割り込みみたいになってしまって申し訳ないです汗もしよろしければお返事頂きたいです汗
…兄弟間に首を突っ込むのは悪いが、ハルはエヴァンス家の使用人だ。その使用人を馬鹿にすると言うことは、俺自身を侮辱しているようなものだが…そのように捉えてもいいだろうか。
( 自身が冷ややかな目で見つめると相手は動揺したのを隠すように扇子を取り出し口元を隠す。自分に脅えているのだろうか、そんなことを考えながら、相手の話し方、言葉、行動が全て自身の苦手なものに当てはまる。
ハルのことを侮辱するような言い方で語っているのが耳に入ると立ち上がり、ハルの方に歩み寄り、いつもとは少し違う柔らかな言い方で貴方の名前を呼ぶと、そのまま庇うようにして此方に抱き寄せ、冷たい視線のまま少し睨みながら上記の言葉を向ける。)
( / >59 様
こちら複数募集ではないため、途中参加不可とさせて頂きます。せっかく興味を持って頂いたのにも関わらず申し訳ございません;)
「……おや、気に触りましたか?そう思われるなんて心外ですが、私もどうやら調子に乗りすぎたみたいですね。
其奴に肩入れするほどルキノ殿がお優しい方のようで、同じミヤビ家の者としては嬉しい限りですよ。
……では、弟が意外にも元気そうだったことだし、挨拶もほどほどにお暇させて頂きます。」
( 主に抱き寄せられる弟を見て、面白く無さそうにぴくりと眉を動かすものの、すぐさま胡散臭い笑顔に切り替わりつらつらと返答を。
そして、締めの言葉を述べながら目を細め、相手の姿を上から下までじろじろと見つめれば、最後に主に抱き寄せられ少し驚いたような顔をしている弟へと鋭い視線を送り「……ハル、せいぜいしっかり務めなよ。」と低い声で言葉を吐き捨てると、主へと一礼し従者達を引き連れ部屋を後にしてしまった。)
…あぁ。……ハル、大丈夫だったか
( 部屋を後にした貴方の兄の背中を見送り、離れていったのが分かると抱き寄せていた腕と腕を離し、まだ出会って数時間の男に抱き寄せられること、そしていきなりだったことを悪く思いながらそう聞いてみる。
此方から見る限りでは仲の良い兄弟には見えなかった。もしかしたら兄が貴方のことを虐めていたのかもしれないが。どちらにせよあまりいい気分ではないだろうと考えて次来て何か言われたようなのであればきちんと言い返そうと思っている。)
も、申し訳ありません。兄上があのような無礼を…。
外で追い返していれば良かったのですが。
( 相手の身体が離れていくのを感じるとハッとして、気遣いの言葉に小さく頷き慌てて謝罪の言葉を口にする。
両親には従順に尽くす反動なのか、自分が絡むと途端に横暴になる兄は相変わらずで、優しい主に迷惑をかけ、自分の情けない姿を見られたことがとても恥ずかしかった。
しかし、兄の言葉に対して、主が自分を庇うような言動を取ってくれたことには申し訳なさと共に嬉しさもあって、些か複雑な心境になる。)
…いや、自身の兄に向かってそのようなことを出来ないのは当然だ、それにお前は兄に逆らえないようだからな。
あの男…ハルトと言ったな。あいつとは俺は相性が悪いようだ。
( 傍から見てもわかる、貴方の兄が貴方のこと好いていないというのは。表面上はニコニコと胡散臭い笑顔を振りまいている所や、実の弟のことは侮辱するのにも関わらず自分より立場が上な人にはそのような事はしない…、そんなところが自分との相性は最悪だと感じた。)
お恥ずかしながら仰る通りです…。
…主様、先程は兄から庇って頂いてありがとうございます。
少し驚きましたが、とても安心しました。…身を寄せてもらうのは良いものですね。
( 兄に逆らえないという言葉には、図星を突かれ眉尻を下げつつ返答を。今の今まで逆らうことを知らずに生きてきた故に、急に歯向かうことも難しいのだ。
ふと、言い忘れていた事に気付いたように、身を寄せられ優しく名を呼ばれたことに勝手ながらも感謝の言葉を述べる。
そして、最後に口走ったことを言ってしまったと口を抑えつつ、「紅茶、入れ直しましょうか?」とおずおずと付け加えた。)
俺が勝手にやったことだ、礼などは要らない。俺でいいならいつでも抱き寄せてやるぞ?
( 感謝の言葉を述べられると不器用ながらも上記のように言ってみる。身を寄せられるのも良いな、そんな言葉が貴方の口から聞こえると意地の悪い笑みを浮かべてからかってみようとして。)
…あぁ、では同じものを頼もう。
( 先程貴方の兄が言っていた、不味い紅茶という言葉を否定するように同じものを持ってくるように頼む。どうやら柚子とミントの紅茶はもう既にお気に入りの紅茶の中に入ってしまっていて。)
……主様、あまりそのような冗談を言うものではありませんよ。もし他者が聞いて、本気にしたらどうなさるおつもりですか。
( 相手からの返答に不本意ながらも頬を赤くしてしまうが、冗談を言っているのかと理解しては咳払いしながら上記を述べる。揶揄ったりするのか、と意外な一面を見れたことに喜びを感じつつも、他の人にこんな冗談は言って欲しくないなぁなんて思ってしまう。
また、続けざまに先程と同じ紅茶を頼まれれば、さぞ嬉しそうに柔らかな笑顔を浮かべながら「 かしこまりました 」と返事をした。)
俺がこんなことを他の奴には言うとでも思っているのか?俺はそんなに安い男では無い
( 誰にでもあのようなことを言う性格では無い。それは自分でもわかって居て、あのようなからかいは信頼している人などにしかやらない。からかってしまうということは、貴方に何か特別な感情を抱いてしまっているのだろうか。上記のようなことを言いながらもう一度軽く抱き寄せてみて。
嬉しそうにしながら笑顔を浮かべる貴方を見ると、言ってよかったなと感じる。)
勿論、承知の上で…──!
………ル、ルキノ様、紅茶!紅茶入れてきますから!
( 安い男で無いことは百も承知だと伝えようとしたところ、徐に再度抱き寄せられると、思わずその端正な相手の顔を見上げて固まってしまう。みるみる内に再び頬を赤く染めれば、誤魔化すように今すぐ紅茶をいれる と言い訳して相手の腕の中からするりと抜け出してしまった。
ずっとそうしていられたらどれだけ心地良いだろうかと考えてはみるものの、自分はただの従者であると何度も心の中で唱え、一度ティーポットとカップを持って部屋の外へと退散していった。)
ふっ…ルキノ様、か…
( 頬を再び赤く染めて自身の腕の中から抜け出す貴方を見て可愛らしいな、なんて思ってしまう。そして「主様」ではなく「ルキノ様」と呼ばれたことが嬉しくなり、貴方が居ない一人の部屋で笑を零し言葉を呟く。貴方と接していると自分の知らない自分が垣間見えて戸惑うこともあるが、これが本来の自分なんだと新鮮な気持ちで受け入れている。
貴方の持ってくる紅茶を待ちながら見合い話の書類に目を通して。)
──失礼致します。お待たせ致しました。
…あの、主様は、伴侶に求める条件っておありですか?
( 足早に新たな紅茶を入れてくると、一度部屋の前で深呼吸をして扉をノックする。相手も再度書類と向き合っていたらしく、静かに隣へ歩み寄ると、デスクの上にカップを置き紅茶を注ぐ。
ちらりと手にしている書類を確認すると、それもまた見合い話のようで、一歩下がってその様子を見守っていると、ふと気になったのか上記の内容を問いかけてみて。
見合いするつもりはないと言ってはいたが、もしも結婚するとなればそれなりに相手への条件もあるのだろうか、と思ったらしい。)
あぁ、ありがとう。
……そうだな、俺のことを心から愛してくれる、俺が心から愛する人だ。
( 感謝の言葉を言った後、貴方が新しく入れてきた紅茶のカップを持ち、口に運んで少しかわいた喉を潤す。
書類の内容に関連した質問を投げ掛けられると、少し考えた後に上記のように答える。どうやら、エヴァンス家の当主だから、お金を持っているから、などの理由で交際をするのは嫌らしい。そして何より、自分が心から愛する人が良い。どうでも良い人と過ごす程、暇な人間では無いと思っていて。)
……ルキノ様は素敵な方です、選ばれる方もきっと素敵な方でしょう。
いつか、そのような大切な伴侶様のこともお守りできるように、僕も頑張っておかないといけないですね。
( 心から愛し愛される人、と聞けば、やはり彼に関する噂など塵一つ当てはまらないことが分かる。そして、心優しい主が愛し愛される方ならば、きっと素敵な人に違いないだろう、と小さく微笑むが、それを想像すると胸が痛むのは何故だろう。
自分はこの屋敷の使用人を辞める気はないし、いつかは主とその奥方に仕える身になるかもしれない…。たとえどんな人であろうと主の大切な人は自分にとっても大切な人である、と自分に言い聞かせ、言葉にした。)
…だが、その条件に当てはまる人が居ないのが今の現状だ。そう簡単には俺をステータスで見ないという人は現れない。
( エヴァンス家の当主で財産も権力も何でも持っている。そればかりを見て話を持ち掛けて来る人は数多くいるのは自分でもわかっている。その為、自身の内面を好いて心から愛してくれる人であれば、此方だって全力で愛し、尽くす。どんな家柄でどんな容姿でも…。もしそんな人が現れれば、こんなには苦労しないのだが。)
この世の中、ステータスが重要視されているのは間違いないですね。…それでも、僕は今でも十分、主様のその優しさに救われていますから、どんなことがあろうと心からお従いしていますよ。
( 有権者であればある程、心からの愛というのは確かに手に入りにくいのかもしれない、と思う。それはきっと彼にも当てはまることで、諦めたような言葉を呟くのも頷ける。
それでも、不器用ながらにも手を差し伸べてくれる相手は自分にとってすでに恩人のような存在で、たとえ財力も権力も全て失おうとも慕う気持ちは変わりないと伝える。
しかし、すぐに出すぎたことを言ってしまっただろうか、と小さく咳払いすると、食事と湯の準備でもしようか、と思考を切り替える。)
…そうか、それは嬉しいな。
( たとえその言葉が嘘だったとしても、そう言葉をかけてくれること自体が此方としては嬉しいことだ。そもそもこんなに会話をする相手がいなかったのだから。そう心の中で思いながら上記のことを言い、目を伏せながら微笑む。
そして貴方が注いできた柚子とミントの紅茶を飲みながら暇そうに肘を机につき見合い話の資料をペラペラと捲っていく。)
主様、そろそろ夕食の準備を致します。
お仕事が終わり次第、食堂でお待ち頂けますか?
( 相手からの返答にはこちらも背後で小さく笑って。少しばかり資料に目を通す姿を見守ると、自身も次の仕事に戻ろうと上記を述べた。
昼間の間に下ごしらえは全て終わらせているため準備に手間取ることはないだろうが、主もお腹を空かせているだろうと急いでキッチンへ向かおうと歩みを進める。
主の部屋から出る際にはきちんと挨拶をしつつ、「カップは後ほどお下げしますね」と、付け足した。)
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