グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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すごいわ、スプラッタホラーショウを見てるみたいだった。
( 途中、拷問されている身分でありながら彼女に噛み付いた男天使を見て〝こんな子だったかしら〟なんて驚いたものの、人間もそうでない者達も極限まで追い詰められたらああなってしまうのだろう。それが自分の愛する人が関わっているのならば、尚更。アリシアは愛などという尊ぶべきものは知らないしわからないが、きっとそういうものなんだと自分を納得させればフードをぱさりと脱いで彼女に近付きへらりと上記を告げる。そうしてもう既に肉塊となった同胞へ視線を向けることなくそっと先程天使に噛まれていた手を優しく取ればそのままするりと手袋を脱がし、「 痛い? 」と問いかけたあとに唇にルージュのような血が着くことすら厭わずその傷口に唇を落とし。大きな怪我はさすがに天使の力でもどうにもならないが、この程度なら治癒することができるのか軽いリップ音の後に唇を離せば傷跡はきれいさっぱり消え去って。 )
別に痛くはねェンだけどよ…ま、サンキュ。
(多少見知った相手とはいえ、いきなり手袋を外される上素手に唇を落とされるのは慣れないのか一瞬だけ嫌そうな表情を浮かべるものの、傷の治った手を3号室をぼんやりと照らしている薄暗い明りに翳す。ジャスティスは自身の手から先程の歯型が綺麗さっぱり消えているのを目に留め、「ほお…クソ天使サマの力ってのも偶には役に立つンじゃねえか」と感心したように呟いた。ぞんざいに謝意を述べつつ吸い殻になった煙草を地面に捨て、ブーツのヒールで揉み消した後「ああ、そういや…最近ウチに高等天使どもがよく連れてこられるンだけどよ、今天界で大リストラ祭でもやってんのか?」と軽く問い掛け)
?嗚呼……そういえば新しく就任した大天使が気難しい男でね。気に入らない天使を片っ端から処分しているらしいわ。
( ふと彼女から問いかけられた質問にきょとん、と瞳を丸くしたあとにまるでどうでもいい事を今思い出したかのようにそう返しては、大変よね。なんて他人事のように零して。最も、その男に謎に気に入られているアリシアにとっては本当に他人事である。むしろその男からの過度なスキンシップやら何やらの方が余程悩みの種だ。「 淹れた紅茶が不味かったから、最近幸せそうで浮き足だっているから、単純に気に食わないから…あとは何だったかしら。自分の〝お誘い〟を断ったから地獄に落としたなんて噂もあったっけ。 」その男が地獄に落とした ─── もといクビを宣言した天使たちの様々な理由を思い出すかのように指折り数えては、アリシアは呆れたように肩を竦めて。 )
ンだよそれ、下らねェな。"お誘い"ったってそりゃ夜のだろ?女が靡かねェからってのは無ェわ。
(クソ天使サマ─アリシアから話を聞いてみれば、ジャスティスが最近気にしていた『天界大リストラ祭』の事情など至極下らないものであった。思わず気の抜けたような声を出しながら新しい煙草を箱から抜き出し、「気難しいっつーか…ガキだなァ、ソイツ。堕ちてきた高等天使共拷問するよりソイツ連れてきた方が早ェだろ」と投げ遣りな返答を返す。口から吐き出した紫煙をふわりと燻らせ、手袋を嵌め直し、気怠げに壁に凭れ掛かり)
あっはは、ジャスティスったら大人ね。
( 自分も同じく壁に背を預けながら彼女の言葉に思わず声を上げて笑ってしまえば、天使らしからぬ笑みで唇を釣りあげては「 でもね、そういう悪いことはぜぇんぶ主がご覧になってるわ。 」と懐から取り出したのはそれ自体の毒は微小だが積み重なれば猛毒となり身体にも残らないという毒薬。ご丁寧に水に溶けるタイプ。アリシアはそもそも気軽に身体に触れてくるソイツが気に食わなかったので、就任早々に天界からご退場願おうとしていたのだ。いつもと何ら変わらない、甘ったるい蜂蜜のようなどろりとした声で「 だから悪い子はサヨナラしないとね? 」なんていつもの調子でにっこり微笑み。 )
ふうん。主は見てる、ねェ…随分とアリシアにだねお優しい主じゃねェか。
(ジャスティスは眼の前に差し出された小瓶と微笑みで全てを悟ったらしく、普段はあまり他者に見せない皮肉な笑みを浮かべながら煙草の煙を吐き出した。吸殻を地面に投げ捨て、ブーツのヒールで揉み消そうとした時、新しい罪人が3号室に放り込まれてくる。新たな罪人はどうやら人間のようで、彼女は一瞬硬直した後面倒そうにそちらを見やって舌打ちを一つ、「…ワリ、新しい仕事だわ。良けりゃ見てくか?」とアリシアの方を向いて問いかけ)
あら、だって私『良い天使』ですもの。
( いけしゃあしゃあと、なんの穢れも知らない柔らかな天使の笑顔を浮かべればアリシアは彼女の吐いた白く揺らめく紫煙をぼんやりと見つめて。そうして新しく運び込まれたのはどうやら人間のようで、本当に種族関係なく拷問するんだなあなんてぱちぱちと瞳を瞬きさせる。「 ええ!貴女がお仕事しているところ見るの、わたし好きよ。 」彼女の問いかけににこやかにそう答えては、どうせすぐ死んでしまう人間ならば隠す必要も無いだろうとフードを外したまま入口付近にある椅子に腰掛けて。 )
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