山姥切国広 2023-06-13 01:23:43 |
通報 |
(押し付け手渡された本体である刀と深傷だらけの相手を見て受け取り、様々な感情が胸に突き刺さり。意識失うまで敵の攻撃から自分の刀を守っていたのか、状況を判断して止血するため自身の布地肩掛けを引き裂いて生身の身体である負傷した彼の胴体に巻き付け縛った後から手腕に堅結びし、部隊達と合流しては相手を横抱きに持ち上げ簡単に経緯を話し。演練場で迷子になっているのとは全く訳が違う、一刻も早く本丸に戻り審神者に手入れしてもらうのが最優先だと即座帰城し。それからは審神者に報告して手入れ部屋に連れて行き、一応彼の刀に損傷はないが念のため手入れ差し出して、通常より長時間の手入れで修復終えているものの本丸内で彼が目を覚まさないまま三日目を迎えた朝も自室に敷布団で休養させていた彼の様子を見守っていて)
今日も変わらず……、か。
う…、此処は…?
(3日間も意識を失っていたことなど知らず、ぼんやりと目を開けると見慣れない天井がみえて。記憶にある限りだと、自身は単騎出陣先で重傷を負い、誰かに助けられたはずだったが深い傷を負っていたことで記憶が曖昧になっており。うまく身体に力が入らない為に起き上がれず周りの状況が分かりにくいが、誰かの気配を近くに感じると顔を動かしそちらを見るとそこには山姥切長義の姿があり驚きから息を呑んで。)
(戦場で保護した日付から考えて相手が属する本丸の者達はきっと心配しているだろう、ここ数日に独断で調べたところ政府から各それぞれ本丸に通達する行方不明の捜索報告などの報せは出ていない。刀剣破壊とならない限り、色々考え事をしていると相手の小さな声が聞こえて視線を向け。幸い意識が戻ったらしく、読んでいた本をぱたんと閉じて自分に驚いているなら意識は正常だね、なんて軽口からかい声掛けて)
やあ、偽物くん。体の調子はどうかな。
身体…、傷が治っている…?まさか此処は…?
(自身が目が覚めた事に気付いた彼が体の調子について聞いてきて。そうだ、あの時は大怪我を負ったはずと思うもその様な痛みは一切なく、どうやら手入れされていた事に気付くと同時に此処は彼の本丸なのではという考えに至り。意識がはっきりしてきた事で少しずつ曖昧だった記憶も思い出せるようになってくると「…そうか、俺は折れなかったのか。」と呟き、これからどうしようかと思い悩んで。)
傷が治っていても、まだその身体では碌に動けんだろう。此処の者に承諾は得ている。それから…偽物くんの本丸には後で俺が通達しておく、完全に元の身体に戻るまで此処で安静にしておけ。
(綺麗に整えられた相手の戦闘衣装や布巻きを見付けやすい場所に、それと自分が長らく携えていた彼の本体である刀を隣に置いて、今度は間違えのない正真正銘の山姥切国広だ。聞きたいことは山程あるが今の彼に話長く問いただすのは酷だろう、それに自分がいると休めないかもしれない。そう思えば立ち上がろうと)
…本科、ありがとう。
(戦闘衣装や本体を自身の近くにテキパキとした動きで持ってきてくれた彼に助けてくれた事への礼を述べて。あのままだときっと自身は折れていた。不意に自身の本丸について触れられるとぴくりと反応し、出来る事ならばあの場所には帰りたくない、審神者もきっとそれを望んだからあの様な場所に出陣させたのだろうなどと助けてくれた彼には言えずにいて。今頃自身の本丸では審神者が上手い事仲間達に説明しているのだろうか、と考えれば考えるほどマイナスな思考になると布団を頭まで被り。)
(何故か自分へ告げられた礼に頭後ろ振り返れば言い掛けた言葉を飲みこみ扉を閉めて、三日も食事を通していない訳だから、当然腹も空かせているのでは。夕暮れ時にもう一度顔を出してみるかと、執務室に向かいずっと彼を心配していた審神者や刀剣男士の仲間達に目を覚ましたことを知らせて。この際だからあの子が元気になるまで世話係を審神者に頼まれては目見開いて、たしかに一連を知っている鯰尾も反省しているがことの原因は全て自分だ。不服そうに渋々承諾して)
……くそ、何故よりによって俺なんだ。はあ…、やればいいんだろう。
写しの俺なんか、あの時折れたら良かったんだ…。
(先程彼と話した際に全快するまでは此処で安静にする様にと言われたが、これ以上迷惑をかけるわけにはいかずにいて。それにまた本丸に戻るとなればまたいつか同じ事になるか、審神者が無断単独出陣をし仲間達に折れたと説明していたとしたら最悪の場合仲間たちに知らされることもなく刀解という形になるかもしれない。やはりあの時朽ちた方が良かったのかも知れないと思い。本丸に帰るくらいなら、と今まで抱くことのなかった感情に困惑し自身の身体を抱きしめ無意識のうちに呟いていて。)
偽物くん、起きているかな。入らせてもらうぞ。
(審神者に頼まれるがままに執務室から出て、先ほど受け取った報告書に目を通し折り畳んでは懐にしまって。厨場に行きそこで出会った堀川国広にまだこの本丸で顕現していない兄弟のことが気になるようで、早く顔を見える日が嬉しいようだ。いかにも無毒性で愛嬌もある相手の方が適しているのではないかと溜め息吐きながら食材を手に調理取り掛かって。食べやすく胃消化しやすい夕餉が出来上がり時間を見計らえば、再度部屋へ出向いた時に偶然聞こえた彼の呟きに足が止まるものの引戸越しから声を掛けて)
…!ああ、入ってくれ。
(モヤモヤとした気持ちを抱えながら過ごしていると、不意に引き戸越しから彼の声がして。いくら休んでいてもいいと言われてもずっと横になっているのもどうかと思いながらあまり上手く動かない身体に鞭打ち起き上がると承諾して。彼は何故見ず知らずの刀である自身に此処まで尽くしてくれるのだろうかと少し不思議に思って。)
…少しは顔色が戻っているな、食欲があるのなら口にするといい。
(ガラリと引き戸を開けて近くに座れば、出来たて卵鶏出汁の梅鰹お粥と白湯を差し出して。世話係として嫌がらせ降任に「何だったら俺が食べさせてあげても構わないよ」そう不敵な笑み浮かべながらも、気が向いた時に食べればいいと前置きしてから彼の顔色をじろじろと見て)
…なんだ、そんなにジロジロ見るな…。
(彼が部屋に入ってきた途端、ふわりといい香りがして。どうやら自身のために夕餉を持ってきてくれたらしく。食べさせてあげるとの言葉にこんな自身に手をかける必要はないと首を横に振り。くぅ、と小さく腹の音が鳴ると恥ずかしそうに目を伏せ。せっかく用意してくれた夕餉が冷める前に食べようと手を合わせ食前の挨拶して。普段は食事などまともにした事がなかった為にスプーンの使い方がわからない様子でスプーンを手に取りそれをまじまじと見ていると隣からの視線に気付き。)
…ほら、貸してみろ。これはこうやって使うんだ。
(丁度タイミングよく小腹が空いていたのか聞こえてきたお腹の音にフッ、と笑い。食前挨拶をして食事進まない相手に見ることを否定されても視線逸らすことはなく。どうやら食が進まないのはスプーンの扱い方を知らないらしくまずは食器の使い方を教えようと彼の手元からスプーンを取れば、一口掬って熱冷ましにフーフーと息吹きかけてから口の前までもっていき)
…!すごく、美味しい…!
(どうやら見慣れぬそれは食事を掬うためのものらしく、そのまま少し冷ましてもらってから口の前に持ってきてもらったそれをぱくりと食べてみて。優しい味が口内に広がると先程までの鬱々とした気持ちが吹き飛んでいくようでぱっと目を輝かせて次々と温かくて優しい味のお粥を食べ。自身の本丸にいた仲間達も初めは不当な扱いに進言していたりと優しい者は居たが、こんなに優しくされたことは初めてで、彼の優しさに甘えきっては結局食べさせてもらって完食し。膨れた腹を摩りつつ食後の挨拶して。)
…!そうか、口に合うならよかっ………フン、俺が作ったから当然だろう。ーそれで、偽物くんはどうしてあんなところにいたのかな。
(文句なし食べ始める相手に一口ずつ掬って口運ぶのを繰り返して味の出来を聞ける柄でもなく、目を輝かせて感想を聞けば作り甲斐があったと嬉しいが本科として素直になれず鼻先に掛けて。そんな表情も出来るのかと驚きながら彼が完食したところで今まで聞きたかった本題に入り何故単騎であのような場所にいたのかと問い掛けて)
…主命だからだ。
(食事を終えて不意に何故あのような場所にいたのかと聞かれて。ここで自身の本丸について話したら何か変わるのだろうか。話した事によってこの本丸に何か迷惑がかかるのではないかと不安になれば言えずにいて俯くとただ一言そう告げて。)
トピック検索 |