今宵、ブルームーンにて 《〆》

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(／｢進藤さん｣ではなく｢新堂さん｣でした。申し訳ありません！)

そりゃ入れ込んどるホストに暗い顔させたら謝るやろ。お前が謝ることとちゃうしやなぁ……そうか、おとんのこと知らんのか。ほんならお前のおかんは女手ひとつでミツリのこと育てたっちゅうわけか

(何故か怒った風にこちらが謝って当然だと切り返しつつ、謝罪を受けると困ったように頭をかいて誤魔化すように酒を飲み。彼の身の上話を聞けばおチャラけた雰囲気は一旦引っ込めて、触れられたくない父親の方ではなく、母親の方に話をシフトしようとして)


(／大丈夫です、気にしないでください！)

んー、そうだったらよかったんですけどね。
母は遊び人で、全く家にいなかったので実際に俺を育ててくれたのは祖父なんです。両親に関しては思い出はまるでないですけど、祖父は本当にいい人で、ちっとも寂しい思いなんかしませんでした。祖父のおかげでここまで生きてこれたので、感謝しかないです。

( 父親の話の次にくるのは、母親のことだと想像はできていたので先程よりも特に表情も変えることなく淡々と話して。客にそもそもこんな身の上話をしたことはなく、しない方がいいに決まっているのだが、なんとなく彼になら話してもいいかなという気分になり。最後に祖父の話になると、祖父とのことを思い出し、それは穏やかな笑顔を浮かべて。話し終えてからはグラスのシャンパンを1口飲んで。)