匿名さん 2023-04-29 15:14:24 |
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…っ!椿っ、!
( 今の己の表情は一体どうなっているのかさえわからないが、目の前の椿はどろりと蕩けるような、熱に浮かされているような表情をうかべており、あぁきっと、自分もこのようなだらしのない表情を浮かべているのだろう、なぜなら先ほど気持ちが通じ合った相手なのだからと直感的に感じとり。鈴のような声で男を堕落させる言葉を紡ぎながらこちらの首に腕を絡ませてくると、もう辛抱たまらんとこちらも椿の後頭部と首に手を回して、逃れられない状況を作れば先ほどとは比べ物にならないほどの激しい接吻をして。舌も相手の口内へと侵入させ、その中全てを味わい尽くすように貪っては2人のいる部屋にはぴちゃぴちゃと艶かしい水音だけが響き渡り。 )
( / 了解しました!とはいいつつも始まりからかなり飛ばしてしまっています…!こちらも椿様が求める限り応えさせるつもりなのでよろしくお願いします…! )
ん、……っ、は、
( 先程の接吻が子どものお遊びのような、生き物のように口内を弄ぶ彼の熱い舌に自分の舌を差し出すことしか出来ずに椿はただただ鼻から抜けるような甘ったるい息を零すばかりで。ただただ唇を合わせているだけなのに、下からぞわぞわと湧き上がるような擽ったいようなむず痒さに思わず動いてしまった足にシーツに皺が寄れば小さな布擦れの音がしゅる、と鳴り。この豪邸に2人しか居ないからこその静けさが自分の口内から聞こえるとは思えないほどの淫靡な水音がいやに耳に届いてしまい、熱は下がっているはずなのに羞恥から来る涙で瞳に膜が張り頭がぽやぽやと上手く働かない。嫌では無いのに、未知の感覚に体が怯えて体を引こうとしてしまうけれど後頭部に添えられた彼の手がそれを許さずに、椿はただただまな板の上の鯉のように自分を差し出すことが精一杯で。 )
( /こちらこそよろしくお願い致します…!
また何かございましたら、遠慮なくお呼び出しください…!!/蹴可 )
んっ、む…は、ぁ。
( 椿の口内をひとしきり味わったところで、一度呼吸を整えようと唇を離せば一度に比べて格段に濃厚なものを施してしまったためか、先程の銀糸よりも粘度のある架け橋が2人の間に掛かり、ぷつりと途切れるとそれを指で掬いながら舐めとって。ふと、キスをしている時に無抵抗の相手を思い出せば、心の中で悪戯心のようなものが芽生えたのか、相手の寝巻きの襟をぐいと開かせるとその白磁の首筋にちゅっ、と軽いリップ音を響かせながらキスを施して。その後も先ほど、相手が逃れられないよう拘束した時のように肩と腰を抱き抑えれば首筋、鎖骨、胸元にと執拗にキスを落としていき。 )
─── っは、……はぁ、
( 酸欠のせいか、それともこの雰囲気がそうさせるのか、くらくらと目が回るような感覚に落ちそうになれば不意に唇が離れて椿は荒い呼吸を繰り返してなんとか動悸を沈めようと。自分と彼を繋ぐ銀の架け橋がやけに扇情的で、それを指で拭うその仕草すらも椿にとっては悪い毒のようでまた大きく鼓動が跳ねて。彼の一挙手一投足が全て自分を好きなように弄ぶ操り人形のようで、寝巻きの襟を開かれたことに悲鳴をあげる隙もないままに首筋、鎖骨、胸元と順にキスが落ちてくれば「 ひ、 」だとか「 っん 」だとか、先程の深いキスの最中よりも糖度の高い声が漏れてしまい思わず両手で自分の口を抑えて。まるで自分の声ではないようなその甘ったるい声は彼が体のどこかに唇を落とす度に我慢しようとも抑えた手の隙間からどうしても漏れ出てしまい、恥ずかしくて逃げ出そうにも彼の甘い鎖のような拘束がそれを許さずに椿はただびく、と過敏に体を揺らして。 )
…だめだよ。
( 椿の肌にちゅ、ちゅ、とわざとらしく音を立てながらキスを落とすたびに、相手の体がまるで魚のように跳ね、熱と糖度の籠った煽情的な声を漏らすとその反応を楽しむかのようにキスを続けて。しかし、相手はその声を我慢しようと両手で口を塞ぐと、それでは椿の反応が見れないと、面白くないと意地の悪い心を覗かせればそのガラスのように繊細な細い両手首をこちらの右手一本で拘束し、そのままベッドに縫い付けるように押し倒して。それからはまた、もっと椿の声を聞きたいと瑞々しい肌にキスを落とし、時折、生暖かく濡れた舌を這わせ、空いている手もわざと反応させるかのような手つきで相手の肢体を撫で始めて。しばらくの間、椿の反応を楽しんだあとはまた唇を重ね合わせ、相手の口内を味わうかのように激しいキスを始めて。 )
あ、……っんん、
( 口を押えていた両手をいとも簡単に大きな手に捕まえられてしまえば、快楽で力の抜けきった体は簡単にベッドへ縫い付けられてしまう。遮るものが何も無くなったさくらんぼ色の唇からはひっきりなしに甘い声が漏れてしまい、部屋に響く自分の嬌声と水音がひどく生々しいものに感じて椿は恥ずかしそうに脚をすり合わせることしかできず。こんなに気持ちいいことは今までに人生で経験をしたことがなくて、恥ずかしくて今すぐに逃げ出してしまいたいのに体はもっとと彼を求めてしまうので自分で自分の気持ちがぐちゃぐちゃとかき混ざり酷く混乱してしまう。この混乱の元となっているのは間違いなく目の前の彼なのに、その彼に助けを求めるように蕩けた蘇芳を向けては悪戯に口内を弄ぶ舌にまたそんな気持ちも全て覆い尽くされてしまい。 )
( 椿の両手を封じてしまえば、狙い通りにキスを落とすたび、つー、と手を相手の肌に這わせるたびに甘い嬌声が一段と大きく頻度も高くなれば自分の思い通りに鳴いてくれる相手に思わず意地悪に口角をあげて。その唇もやがてこちらの唇で塞いでしまえば許しを請うようなその蕩けた蘇芳もこちらの劣情を煽る材料にしかならず、舌同士を絡ませれば口内の唾液を一滴も残さず吸い尽くし。そうやって相手を弄び、お互いの熱も最高潮に達する…といった直前でまるでお預けを食らわせるようにキスを中断して椿の上から退けば「 はぁ…はぁ、は…。 」と自身も興奮で呼吸を忘れるほど我を忘れていたようで肩を上下させながら呼吸を整えて。いくらか落ち着いてくると、まだ肩で息をする相手の頬を優しく撫でながら、「 椿、俺は一度部屋に戻る。 」とまだ微かに震える呼吸で告げれば「 …怖くないなら…準備ができたら、部屋に来なさい。 」とこの期に及んで相手に無理をさせないような、残った理性を必死に振り絞って告げた言葉で、この先まで着いて来れる覚悟があるのなら、乙女にはいろいろと準備があるのだろうという配慮で猶予を与えては自身は2人の息遣いが響く部屋から出て、自室へと向かって。 )
っは、……はぁっ、…
( くらくらとした倒錯的な呼吸は唇を離されてなお通常には戻らず、甘い吐息混じりの呼吸を繰り返してはふと自分から離れた彼にするりと頬を撫でられ。それにすらもぴく、と浅ましく反応してしまったものの彼の言葉の意味がわからないほどおぼこい訳でもなく、椿はこの期に及んでまだ此方に選択権を委ねてくれる優しくも残酷な彼の背中を見つめながら未だに体から抜けないじんわりとした熱を持て余して。この熱を発散できるのは紛れもない彼だけであり、ふらりとベッドから降りれば彼の言う〝準備〟をしなければと熱っぽさの抜けない体でふらりと風呂場へと歩き始めて。熱いシャワーを頭から被れば先程まで蕩けていた頭も段々と冷静さを取り戻し、〝今自分が何の為に自分を自らの意思で清め、また自らの意思でこれから彼の部屋に行くのか〟を考えてしまえばなんて自分ははしたない女なんだろうといつもの白磁に戻った肌にまた赤みがさして。だがしかし疼いてしまった体が収まらないのもまた事実で、つま先までピカピカに磨きあげればここに来た初めての夜に着用した例の爆弾をまたその身に付けてはその上から浴衣を軽く気付けてそれから軽くお化粧もしてしまったりして。本当はあの爆弾を身に付けなくても良かったのだけれど、でもおハナさんに勇気を貰えるような気がしたから。─── 怖くは無い。ただ少しだけ、不安なだけ。椿は小さな深呼吸をすれば、まるで初めてこの屋敷に来た時の夜の時のような緊張を滲ませながらも彼の部屋の扉をノックして。もうなんの言い逃れもできない。だって彼は自分に選択肢を与えてくれて、自分が選んでこの場に来たのだから。彼の了承を得てから部屋に一歩踏み出せば、「 ……直政様、 」と存外想像していたよりもどろりと甘ったるい声で彼の名を呼んで。 )
( 己の部屋に戻ってからは、自室に併設されてある簡易的な浴室で体を隅々まで清めながら、湯を被ったおかげでいくらか鮮明になった頭の中で先程までの言葉を思い出して。相手に選択肢と猶予を与えておきながら本当に来なかったなら、今こうやって準備する己はなんと滑稽なのか自嘲とするが、それでも相手は部屋に訪れることは確信しており、我ながら意地の悪いものだと苦笑して。湯浴みを終え、簡単にバスローブだけを纏えば次は会場の準備。部屋全体の明かりは薄暗くし、ベッドのサイドテーブルのランプを灯らせてベッドのあたりだけ明るくすればムードは出来上がり。最後にサイドテーブルで伽羅のお香を焚けばあとは相手を待つだけで、こうやって準備をしていると、なんだかその気になり過ぎやしないかと自己嫌悪に陥ってしまうが、どくどくと暴れる鼓動のせいでそれどころではなくなっていき。気分を落ち着かせるため、窓から覗く優しい光を放つ満月を眺めながら相手を待っていると不意にノックが聞こえては心臓の鼓動が一段と飛び跳ねて。ベッドに座ったまま平静を装いながら「 どうぞ。 」入室を許可すれば、浴衣を軽く着付けただけの椿がおり、その合わせ目からはつい先日の、誘惑することしか考えていない黒下着が見え隠れしており、湯浴み直後で上気した頬やらしっとりと水分を含んだ髪やらでどくん、と鼓動と血流が早まって。溶けた砂糖のように甘ったるい声でこちらを呼び、扉の前で立ち止まる相手を迎えに行けば、片腕で椿の肩を抱いてそのままベッドに連れて行こうとするが、その直前、後ろ手で部屋の錠をガチャリ、とわざとらしく音を立てるようにかけ。この屋敷には2人しかいないのだから錠をかける必要もないのだが、椿は今夜、もうこの部屋から出られない、出させないという決意から無意識にそうしてしまったようで。そうして椿をベッドまでリードして2人で腰掛ければ「 本当に、いいんだな? 」と真剣な瞳で相手を見つめて切り出して「 気持ちいいのに痛い。満たされるのに切ない。椿が悦ぶことばかりではないのかもしれない。本当にいいんだな? 」と、相手がこの部屋に来た時点で、部屋の錠をかけた時点でもう他に選択肢はないようなものだが、気兼ねないようにするための己の中での免罪符が必要なのか、最終確認をして。 )
!
( ドキドキと煩く跳ねる鼓動の中、彼が後ろ手にがちゃんと閉めた錠の音だけがやけに響いて椿は思わず小さく肩を跳ねさせて。薄暗い部屋の中でほんのりと照らされたベッドがなにだかとても生々しくて、彼の匂いの他に燻った木の香りのようなとても深い香りのする部屋に先程水を頭から被り冷静になった筈の頭がまたくらくらと混乱し。ベッドに腰かけ、真剣な黒瑪瑙を真っ直ぐに此方に向ける彼は先程のどろりと溶けた熱情の中にも氷のような緊張が在るような気がして、椿は彼の言葉に小さく頷いて。こくん、と頷けばそれに釣られて黒の天の川がさらりと揺らぎ彼と同じシャンプーの香りが鼻腔を掠めて。椿はゆっくりと音もなく立ち上がれば、そのまま真っ直ぐに彼の目の前に立ち軽く着付けただけの浴衣をはらりと肩から落とし。煌々と部屋に差し込む美しい満月と穏やかながらどこか艶めかしさのあるランプの灯りに照らされた生娘の柔らかな体は、ほんのりと血色が良く。「 ─── …椿の、ぜんぶを。もらってくださいませ。 」以前のように腕をお腹で組んで体を少しでも隠そうとすることなく、彼に強請るように両手を差し出して。 )
わかった。
( まともな灯りはサイドテーブルのランプと窓から差し込む月光だけという仄暗いこの空間で、椿の白磁の肌がはっきりと確認できるほどの至近距離で真剣な黒瑪瑙を相手に向け続け、やがてこちらの最終確認にも意を決したように小さく頷けば、その覚悟を受け取りお礼のように軽いキスを贈り。己の身体からはお花から着けられた香水の匂いはすっかり消え失せていていつものシャンプーの優しい香りを漂わせており、椿も、その天の川のような黒髪が揺れればお香を焚いていながらもはっきりとわかる、おそろいのシャンプーの香りがふわりと漂っていて。そんな小さな幸せもこれからの時間を盛り上げてくれる最高のスパイス。ふと、椿が己の前に立ちはだかったかと思えば、初めて彼女を迎えた時のように浴衣をはらりと肩から落とし、体を少しでも隠そうとしていた腕はあの日と打って変わってこちらに強請るように差し出すだけで、完全に顕になった下着姿を見せつけてくるとその美しさにどくんと鼓動が早まって。窓から差し込む優しい満月の光も、ランプの穏やかな灯りも、椿の柔らかな肢体とそれを飾る黒下着を彩るように艶やかに照らしていて、まるでトドメを刺すかのような、迷う背中に最後のひと押しをするようなどろりと甘ったるい言葉を紡がれると「 あぁ、わかった。 」とその覚悟を受けとるように椿の両手を取って立ち上がり。そうして椿を抱き上げて優しくベッドに寝かせると、まずはちゅ、ちゅ、と軽いキスを降り注がせ、それが段々と濃厚なものに変わっていけば「 愛しているよ。椿。 」とこれまでにないほど愛情のこもった声色でそう囁いたのを皮切りに、椿の瑞々しい生娘の身体に女の悦びを一晩かけて教え込んでいき。 )
( / ついにゴールインできましたね…!ひとまず直接的な表現はアウトですので次でスキップしたいと思っております! )
─── 私も、お慕い申しております。
( ふわりと彼に抱き上げられれば、まるでガラス細工を扱うようにそっとふかふかのベッドに寝かせられる。いつも彼が寝ているのだから当たり前だけれどもベッドからはほんのりと彼の香りがして、少しだけ緊張が和らいだのか椿の体からは程よく緊張が抜けてゆき。今日だけで一体何回のキスを彼と交したのか、もう数え切れない程だけれどそれでもいちいち彼の唇が触れるだけで椿はぴくりと小さく反応しそれから頬を赤らめて。だんだんとそれが深く濃密になってつれて、また彼の黒瑪瑙が先程のようにどろりと蕩けた妖しい光を帯びたものになっていくのを見て椿はぞわりとこれから訪れるであろう快楽に体を期待に震わせ。愛している、と今までの人生で聞いた事がないほどに愛情深く、また慈しみに満ちた優しい声色で囁かれれば椿もまた、椿人形と呼ばれていた顔を花のようにふわりと綻ばせながら囁いて。─── 知らない男に酷く扱われ奪われるとばかり思っていた自身の初物は、前後不覚になるほどの快楽と愛情に満ちた幸せなもので椿はそのまま最後にはこてりと気を失ってしまい。 )
( / ゴールインおめでとうございます…!次は…婚姻とかかな……!と背後は早くもソワソワしております!
スキップについてはもちろんです!軽く最後の最後に次(翌日?)に飛ばしやすいようなロルを入れておきました…! )
( 初物ということで、最初は椿の身体に負担がかからないように優しく、優しく、穏やかに熱を貪っていたが、肌が重なるたびに相手の身体が跳ね上がり、甘い嬌声をあげれば、それはこちらの興奮を煽るばかりで、だんだんと拍車がかかり、相手を気遣う余裕もなくなっていき。相手を悲しませてしまった分、悦ばせようとひたむきに椿を愛し、満月の夜空がだんだんと薄闇に、そして東の空にはぼんやりと太陽が滲み始め、ついには2人のいる部屋に曙光が差し込む時間まで2人の甘い時間は続き。ちょうど力尽きてしまったらしい椿の顔は朝陽に照らされて、どこか幸せそうな表情を浮かべながら瞼を閉じる相手に「 おやすみ、椿。 」と、小さく囁いてその唇に優しく軽いキスを贈れば、こちらも体力の限界だと隣に寝転び。眠りに落ちてしまう前に、相手の頭に腕を回して腕枕の形に、空いた手で相手を包み込むように優しく、それでいて力強く抱きしめればこちらも力尽きたように、生まれたままの姿で眠りに落ちて。 )
( / そうですね…!いつかは白無垢を着てもらって、指輪をつけあって…といろんなイチャイチャイベントをしていければなと思っております!
ご配慮ありがとうございます!お陰様でロルを回しやすく、椿様も美味しくいただけました…! )
─── ん、…。
( もうお天道様が真上に在る頃。なんとも言い難い体の気怠さと鈍い腰や下半身の痛み、それでも不思議と満ち足りた気持ちで椿は薄らと蘇芳を開けば、目の前にあるのは生まれたままの姿で涼し気な美貌で眠る主人の姿。微睡みの中でもそれを認識すれば椿の脳は一気に目覚め、昨日何があって、自分がどれだけ乱れてしまったのかを思い出せば林檎のように頬を真っ赤に染めて。嗚呼そうだ、私は昨日 ─── と自身の体の至る所に咲いている小さな花のようなキスマークを見下ろしては浅ましくもまた体を小さく震わせてしまい。なんとも言い難い下半身の怠さの中に在る物足りなさに気付かぬ振りをしては、昨日…というか今朝まで嫌という程唇を交わしていたにも関わらず、静かに目の前で眠る彼がなにだかとてもかわゆく見えてしまい椿は静かにその唇に自らのそれを重ねて。 )
( / わぁあ素敵です…!漸く思いも通じたことですし、ぜひイチャイチャイベント重ねていきましょう……!!!!
とんでもないです!こちらこそあらためてよろしくお願い致します…!/蹴り可 )
ふっ、ん…?
( 興奮によって気づかなかったのか、流石に一晩中動いていたとなればかなりの疲労が蓄積されており、2人を照らす陽光がすでに直上にまで登っても静かに寝息を立てていて。すると、気持ちよく眠っていたというのにその静かな呼吸が阻害され、夢現の意識が息苦しさによって現実へと引き戻されれば未だ重い瞼を必死にこじ開けてはこちらの眠りを邪魔するものを確認して。というのもこの屋敷には2人しかいないのだから犯人は決まっているもので、やはりというかぼんやりとした視界でもそのはっきりとわかるほどの美貌の顔が映り。この顔の近さ、やけに寝息が苦しいかも思えば寝込みを襲って唇を奪ってきたのか。そんなおいたをする椿にはこうだ、と不意をつくように、繋がれた唇から舌を侵入させ、相手の舌と絡ませて。ひとしきり味わった後、口から舌を抜き取れば2人の唾液が混ざり合った糸がつー、と伸びて2人の間に垂れ落ち、枕のシーツに染みを作り。相手の口端にも垂れてしまった唾液をこちらの指で拭い取ってあげながら「 おはよう、椿。 」と穏やかに微笑みながら挨拶をして。 )
ん、む ─── ッ!?
( なかなか起きない彼にこれ幸いと言わんばかりにちゅ、ちゅ、と子供の戯れのようなバードキスを続けていたのも束の間、完全に油断していた口内にぬるりと彼の肉厚な舌が入りこめばびくりと体を跳ねさせて思わず瞳を丸く見開き。何時から起きて…!?という驚きの声が言葉として漏れ出ることはなく、ただただ唇と唇の間から昨夜の情事を彷彿とさせるような甘ったるい吐息が盛れるばかり。散々に口内を蹂躙された後にようやく解放されては、ぼんやりと熱にとろけた視界には自分と彼を繋ぐ扇情的な銀の架け橋とその向こうで満足気にどこか艶やかな肌をした美丈夫が微笑んでおり。「 お、…はよ、う、ござい…ます、… 」と甘ったるく荒い呼吸を繰り返しながらもなんとか朝の挨拶を返しては、彼が眠っているのを良い事に勝手にキスを落とすだなんて行為を見られていたこともそれから昨日の行為も、全てを引っ括めて頬に朱色を散らして昨夜で少しだけ枯れてしまったのか小さな掠れた声で挨拶を返し。 )
あぁ、昨日は散々鳴いたからな…。
( 先程まで繋がっていたせいか、唾液でてらりと妖しげな艶を放つ椿の小さな唇から、普段の鈴のような声からは想像できない枯れた掠れた声が聞こえてくると、昨夜の乱れた姿の椿をわざわざ蒸し返すような台詞をほざいて。相手の唇と同じように、お互いの唾液で潤った唇を確かめるように指で撫でれば「 やっばり、花街では寝込みを襲うよう教わるのか? 」と、生娘といえど、花街ではそういった床の上での必勝法のようなものも講義されるのかと、こちらが寝ている間に好き勝手して、自身で恥ずかしがる相手に追い討ちに等しい意地の悪い言葉を投げかけて。ふと、視線を下に見遣ると椿の美しい肢体に刻まれたいくつものキスマークが目に映り。椿の肌のその瑞々しい感触が癖になってしまいそうになるのと、吸いつくたびに艶やかな声があがるのがどうしてか楽しく思えて執拗に吸い付いてしまったのだったと昨夜のことを思い出し、何を思ったのかそのキスマーク一つ一つを辿るように指先で撫でれば「 綺麗だ。 」と、うっとりとした、どこか熱のこもった視線でそう呟いて。 )
っ、……!
私、まだ、床の事はなにも……っご、ごめんなさい…。
( 声の枯れた理由について言及されてしまえば、パッと両手で口を押えてまた一段と頬を赤らめ。自分でも昨日散々あられもない声を出してしまった自覚はあるけれど、そもそも彼が手で口を塞ぐのを許してくれなかったのだからと責任転嫁をしようとするもそうすれば自ずと昨晩のことが脳裏を過り椿は何も言えなくなってしまう。そうして続けて質問された彼の言葉に思わず言葉を詰まらせては、恥ずかしそうにふる、と首を横に振りながらも先程のキスは教えられたものではなく自らが我慢を出来なくなってしまった結果だとちいちゃな声で答えてははしたない女だと思われてしまったかもと恥ずかしそうに謝罪を。つぅ、と突然体をなぞられれば「 っん 」とまだ簡単に快楽を拾ってしまう椿の体はびくんと跳ねて、彼の熱っぽい溶けた瞳が自分の体をじっと見つめていることに小さく首を振って「 み、見ちゃだめ…… 」と恥ずかしそうに零して。 )
…じゃあ、あれが椿の素直な心ということか。
( 先程のキスは花街で教わったものではなく、椿が自発的に、したかったからしたものだと恥ずかしそうに答えられると、昨晩…というより今朝までの乱れた相手の姿とは打って変わってまるでうら若き少女のような純真を告白してくると、なんだかこちらまでむず痒くなって。気を失う前まではあれほど曝け出してくれたというのに、今更一糸纏わぬ姿を見られることに抵抗があるのか恥ずかしそうに嫌々と首を振る相手だが、その行為はこちらの興奮を煽ることにしかならないことに相手は気づいていないようで。一瞬意地の悪い心が芽生えそうになるが、健全な( というには程遠い格好をしている2人だが )朝から戯れあっては歯止めがかからなくなるだろうから「 …悪い。 」と目を逸らして珍しく追い討ちはかけないようで…なんてことはなく、己が目を逸らして相手が油断したところに、がばりと覆い被さって鎖骨あたりに吸い付けば真新しいキスマークが咲き誇り。先ほどと同じように新しくできたキスマークをなぞれば「 うん、綺麗だ。 」と囁いて。さて、と朝から戯れ合うのもいい加減に、どちらのものともわからない体液で汚れた体を清めようと思えば「 体、流しに行こうか。 」と先にベッドから降りて寝転がったままの相手に手を差し伸べて。しかし、先にベッドから降りたことによって一瞬相手に背中を向けるが、その背中には相手が夢中で縋りつき、引っ掻いてしまったらしい爪痕が無数に刻まれていて。 )
っ、……だ、だって。
昨晩は、すごくかっこよくて素敵だった直政様が…眠っていらっしゃる姿が、可愛くて。
( 私は床のことをなんにも知らないのに朝からあなたに欲情してキスをしました、と白状しなければならないなんてなんと恥ずかしいことか。椿は耳や首までを真っ赤に染めながらちいちゃな声で白状をしていけば、己に突き刺さる彼の視線が耐えきれなくなったのか恥ずかしそうにパッと両手で顔を隠してしまい。屹度意地悪される、と覚悟をしていたのにアッサリと視線を逸らした彼にどこか拍子抜けしつつもほっと安心したように一息を吐いた途端、油断した椿の体はあっという間に組み敷かれて太陽の光がまんべんなく差し込む明るい室内に柔らかな体を晒して。そうして彼に鎖骨あたりにじゅ、と吸いつかれては、「 っひゃ 」と甘さを含んだ悲鳴が漏れて。綺麗だ、なんて微笑まれてしまっては怒ることも出来なくなり、ただただ椿は恥ずかしそうに自分の手で体を隠すことしか出来ず。立ち上がる彼をぼうっと視線で追えばその逞しい背中には無数の引っかき傷のようなものがあり、まだ真新しいそれは紛れもなく自分が付けてしまったものだろう。快楽の波に流されないようにと必死に彼にしがみついたその証は、痛々しい中にも昨夜の激しさが垣間見えてどこか生々しい。「 な、直政様ッ……背中、私、たくさん引っ掻いて……申し訳ございませ ─── っぁ、 」と悲鳴にも似た声で謝罪をし慌ててベッドから降りようとするも下半身に上手く力が入らずにそのままかくん、と床に座り込んで。 )
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