殺人鬼 2023-04-15 18:52:00 |
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うるせーな、どうだっていいだろ…。(相手がどういう行動に出るかと思ったが振りほどいた手を再度握られることもなく取り敢えず安堵の息を吐き。あとは車を降りてから店内に入るまでの間を知っている人間に見られていないことを願うばかりで。一応、振りほどいた後に周りを見渡したが見知った顔をいなさそうで。そもそも寮生活を初めて間も無く寮が改装中になったため、他学年や他クラスの人たちはあまり詳しくはなく。)参考書なんてわかんねーよ…。(そもそもそんなに勉強は好きではない。テスト前になれば勿論、そこそこ勉強はするがそれは必要に追われ仕方なくやっていることで。普段、参考書を買うことはなく相手から少し距離を保ったまま手近な参考書を手に取りパラパラと捲り。)
んふふ。いいですねぇ。その思春期ムーブ(彼の口の悪さは思春期男子特有のものか、それとも自分への反抗心故かは判然とないが。いずれにしても自分は反抗されるのが嫌いでは無い。自分にとっては小動物の威嚇に思えてならない。自分と彼の身長差は4cmしかないが、それでも可愛らしく思える)その出版社の教材は学生に人気らしいですよ。要点がわかり易く明記してあるそうですから(彼が意図的に距離を取っていることを分かっていながら、わざわざ身体を近づける。きっと邪魔がられるだろうが、僅かばかりの意地悪をしてみる。いつも独りで来ている書店に誰かと来ている。それだけで心が満たされている気がする。独りは嫌いでは無いが、それなりに孤独を感じていたのだなとようやく自覚する。彼の言う通り、出逢い方が違えばもっと融和に近付けただろうと思うと、それはそれで惜しい気もする)
あんた、変わってるって言われねー…?(今の行動の何が良かったのか。自分が取った行動は相手の手を振り払っただけ。それが良かったのかと怪訝そうな表情を浮かべ。何にしても普通の感覚ではなく。そもそも殺人鬼という時点で感覚が普通の人と違うのはわかっていたが日常生活でもこんなに感覚が違うとは思っておらず。ただ相手に監視されている時点で日常生活とは言い難く。)参考書なんてどれも対して変わらねーけど…。(相手が寄ってきた分、距離を空け一て定の距離を保ち。今、逃げたところでどうにもならないのはわかっているのでまだ逃走する気はないが相手とあまり傍にいるのは良くないと漠然とした不安があり。それは誰かに見られるからなのか他の理由なのか自分でも曖昧で。相手と距離を保ったことで別の参考書を手に取るも先程の参考書と何が違うのか良くわからず。普段の勉強に参考書を使わないため参考書の良し悪しなんてわからないのも当然で。)
普通の人には特に言われませんが、勘が鋭い犯罪者や頭が切れる検事には言われたことありますよ。やはり賢い人には人間の本性が薄らとわかるのでしょうねぇ(自分が変わっていることを自覚しているので、普通の人間と同じように振る舞っているのだがどうも気を抜いた時に分かってしまうらしい。彼と一緒にいる時は隠す必要も無いので、存分にありのままの自分でいられる)そんなことはありませんよ。きちんとそれぞれ違いがあるはずです。自分のレベルに合わせた参考書から入ることが大事ですよ(そう言って彼が離れた分、また歩み寄る。彼が自分の傍にいることに不安を感じているのは、とても良く伝わってくる。だからこそこんな意地悪をしたくなる。参考書が分からないという彼に自分も探す手伝いをする。彼はきっとテスト前にそこそこ勉強するという多数の高校生と同じだろうが、地頭は良いはずだ。どんなタイプのものが適当だろうかと、いつの間にか真剣に考えていて)
ああ、やっぱ変わってるんだな…。(そういった人たちに変わっていると言われるということは変わっていると思った自分の感性は間違ってないことを自覚し。しかし変わっているというだけの認識で流石に相手が殺人鬼だとまで見抜く人はいないだろう。それはそうだ。見抜かれていれば今頃、大騒ぎになっているはすで。)参考書なんて勉強嫌いな奴から見たらどれも一緒──…何でそんな近付いてくんだよ。(距離をとっても詰めてくる相手に更に距離をとり警戒心を顕にして。もし同じ学校の人に見られ怪しい噂を立てられたら溜まったものではない。広い世界にはいるのだ、男子高校生でも所謂パパ活のようなものをしている人は。父親だと言って誤魔化すには相手は若すぎるし親戚と嘘をつくことも出きるがどうやら自分は嘘が下手なようで嘘をついてもバレやすい。ただ心を痛めないように表面を繕ってきたからか隠し事は隠し通せるが。)
人の眼は侮れないものです。私の正体を見抜いた人間もただ一人だけですがいますから…(懐かしそうに目を細める。当時はそれなりに驚いたが、今となってはただの思い出に過ぎない。大衆へ露見するのを防げた時点で大した出来事ではなくなった)ん…? そうですねぇ…キミが迷子にならないようにするためと…ほんの小さな意地悪…でしょうかね。ふふ…(彼の言葉に参考書から目を離すと一瞬考えて、からかうように言う。もちろん大して広くもない書店で彼が迷子になるなんて微塵も思っていない。自分から逃走することを迷子と表現することで、必ず連れ戻すという意志を含めている。クスクス笑いながら意地悪をしていると告白すればまた一歩彼に近づく。彼に言わせればこれも悪趣味の部類に入るのだろうか。嫌がられているはずなのに自然と嫌な気はしない。むしろ嫌がる彼を可愛らしく思う。自分はキュートアグレッションに片足を突っ込んでいるのだろうか)
へぇ…俺の他にもいたのか。知ってる人。(自分以外にも相手の正体を知っていた人物がいたのに驚き意外そうな声を上げ。自分は見破ったというよりはただその現場に居合わせただけできっと普通に出会っていたら気づかないだろうというのは心の内に秘め。)小学生や園児じゃないんだしそんな大型店でもない書店で迷子になるか。(もし大きいショピングモール等ではぐれた際は見付けるのはなかなか困難かも知れないがここは至って普通の書店。やたら大きい訳でも複雑な造りをしている訳でもない場所で迷子になりようがなく。取り敢えず相手とは一定の距離をとっていたいのか参考書の売場から外れそうでも足を止めることはなく相手が近付いた分だけ後退り。この意味もない悪戯に一体、何の意味があるかはわからないがこの光景は周りにどんな風に見えているのかとちらりと周囲に視線を向けるも特にこちらを気にしている人はおらず。)
えぇ。私の大学時代の友人でした。友人の誼みで殺しはしませんでしたが社会復帰はできないようにしました。聡明だっただけに残念に思いましたよ(ため息混じりに心底残念そうに言う。友人の観察眼にはいつも感服していたが、あの時ばかりはそれを呪った。自分なりに葛藤した上でクスリ漬けにして路上に放置した。現在でも入院治療中だと聞いたが、会いに行く気は起きなかった)参考書のエリアはこちらですよ。んふふ…私と一緒にいるのがそんなに嫌ですか?(他人の視線が全くないことを確認すると、それを良いことに少し大胆なことをしてみる。さっと手を伸ばし、腰に手を回して引き寄せる。彼があまりに離れていくので、顔を寄せて微笑む。彼が自分と距離を置きたい理由も分からないではないが、それでも距離を取られると良い気はしない。自分から離れないで欲しい。傍にいて欲しい--そこまで考えた所で我に返る。自分はそんな想いを持ってなかったはずなのに)
うわ…最低だな…。友達だったんだろ?(その友人だというのが相手の正体を受け入れたのか拒んだのかは定かではないが、社会復帰が出来ないと言うことは余程のことをしたのだということを自白したようなもので。それだけでも信じられないのにそれを友人相手にしたと言うのなら尚更信じられず。)ちょっ…離せって…!(先程、視線をやった際には誰も見ていなさそうだったがいつどこで誰が見ているかもわからない場所で腰に手を回す相手に目立たないように小声ではあるが睨み押し返し。相手の腕から抜けると先程より警戒が高まったのか相手との距離を更にとり。頭が警鐘をならしている気がする。しかし今は相手も自分のことを監視しているため逃げるタイミングではない。隙をついたり目を離した隙でなければ逃げてもすぐ捕まる可能性が高く。それでも十分な距離は確保して。)
友達だったからこそ、殺せませんでした。クスリ漬けにして廃人にする位なら一思いに殺せたらどれ程良いか…あんなに苦しい思いは二度としたくないですねぇ(既に過去のことで大した出来事でないにしろ、それなりに思うところがあり表情が翳る。一思いに殺害した方が自分も友人も苦しまずに済んだのでは無いかと本気で思っている)はは、キミは冗談が通じませんね。……では、これらを買いましょうか(更に距離を置いた彼を見て笑うと、適当に五教科の参考書を選ぶ。自分が意地悪をし過ぎたせいで参考書を選ぶ所ではなくなってしまったようだ。きっと自分への警戒を一層強固なものにしたに違いない。少しからかっただけで怯える様はやはり小動物を思わせる。参考書を片手に「何か他に欲しいものはありますか?」と何事も無かったかのように近付き)
どちらにせよどっちも幸せにはなれねーな。(クスリ漬けにされたとしても殺されたとしてもその友人とやらにとっては救いがないだろう。そして相手もその友人も幸せにはなれていない。そんな2つの意味での言葉で。どちらにしても自分には遠い世界の非日常だがそれをしたのは紛れもなく目の前にいる人物で。)勉強って大人になっても使わないってよく聞くよな。どうせなら将来に役立つこと教えてくれりゃいいのに。(例えば親元を離れて一人で生きていける方法、だなんて決して口には出さないが。今、自分に必要なのはそういった知識で。殺人鬼からの逃げ方、なんてどこでも教えてないだろうな、なんて考えがふと過り。現在の勉強が社会に出て使わないなんて勉強したくない学生の常套句でもあり。他に、と言われても今まで集めていた漫画等も手元にないしこんなことになるとは思わず金銭もあまり持っていない。もしかしたら買ってくれるつもりなのかも知れないがそれでは餌に釣られているようで。)
(どちらも幸せにはなれないという言葉にピクリと眉毛を動かす。彼の言う通り、友人はおろか殺人に幸福と快楽を感じる自分ですら幸せになれなかった。そしてあんな思いはしたくない。であるならば、自分はこれからは両者が幸せになる道を探せばいいのではないか。彼と自分共通の幸福を探せばいいのではないか。異常者が正常者になることはできない。だが逆は成立するのではないか。つまり彼をこちら側の人間へと変え、共に幸福を追求するのだ。それが己のエゴとも自覚できず、名案を思い付いたかのようにニコリと目を細める)将来に役立つとはどのように決めるのですか? 将来のことが分からないからオールジャンルで勉強が必要…だと私は思っています(彼と同じ年頃の時は勉強しかすることがなかった自分にとっては、学生の常套句は知る由もなく、真面目に返答をする。彼からの返事がないので「ではお会計をしましょう」とセルフレジの方向へゆっくりと歩き出し)
…おい、あんた、どうかしたか?(先程まで饒舌だった相手が急に黙ったことが逆に不気味な気がして恐る恐る声を掛け。具合でも悪くなったのかそれとも自分の発言が何かしら気に食わなかったのか。でも顔色が悪い訳ではないし不機嫌そうな様子でもなく。まだ僅かな表情の変化を読み取れる程、相手と親しくもなければ聡くもない。家庭環境のせいか家族にも早々に見切りを付けあまり関わって来なかったからか他人の感情の機微に敏感な方ではなく。これが友人だったりあからさまに態度を表に出す人ならば別だが。それがわからない程、鈍くはないが相手はなかなか底が見えず。)あんたみたいな専門職はそうかもな。(専門職は専門的な知識が必要な上、何かしらに精通していなければ出来ないだろう。高校で学べる知識はたかが知れているため、夢がはっきりしている人間は専門学校などで学んだりするのだろう。一方自分はまだ将来ははっきりと決まってないし進学するにも奨学金でいけるような頭もなく。)
いえ…なんでもありませんよ。ふふ(彼の声で我に返ると何事も無かったかのように取り繕う。不安そうな彼の表情を見るに、自分が急に黙ってしまったことに恐怖を感じたのだろうか。でも大丈夫。これは私のキミのためなのですよ。キミも幸せになれますから--心の内でそう呟く)いえいえ。勉強とは己の選択肢を広げる為にあるのです。例え高校の勉強であろうとも…もちろん、私の元にいるキミにも選択肢は用意されていますよ(セルフレジで手際よく参考書をスキャンする。自分の言う選択肢の前提は自分の傍にいることで。脱走するというのは選択肢の内に入っていない。なぜなら彼は自分と共にいるべきなのだから。自分が共に幸せを見つけてあげなければならない存在だから。スキャンを終えると財布からカードを取り出し、手早くカードで支払いを済ませる。参考書を丁寧に袋へ入れると彼へ手渡し)
本当か?別に何ともねーならいいけど…。(何がきっかけでこの状況が変わるかわからない以上、取り敢えず脱出や脱走のタイミングを掴めるまではこうして外出まで許されている現状維持が最適で。そうなると相手が気紛れで機嫌を損ねたり気分が変わったなんてことは好ましくなく。出来る限りいつも通りにしようと務め。)別に…高卒の資格さえあればどこか働き口はあるだろ。(私の元、ということはもう暫くは解放するつもりはないということで。思わず溜め息を付き。会計の際に何も言わないということはやはりここの代金は奢ってくれるのだろう。将来の選択肢、だなんて。この監視下と監禁から抜け出すこと、出来るだけ家には近寄らず平穏に過ごすこと。今はそれだけで精一杯で。もし将来的にやりたいことがあるのなら解放してくれるのかと問いたい気持ちを抑え。手渡された参考書を反射的に受け取り。)
高卒であっても大卒であっても勉強ができる子は重宝されます。だからやっておいて損は無いですよ(これではまるで親のようだ、と内心思う。いや彼にとっては親とはこういう存在ではないのだろう。ならば自分を監禁しておいて勉強を薦める殺人鬼、位にしか思っていないのだろうか。先程から自分の機嫌を伺っているのはよく伝わってくるが、そういうことをされるのは苦手だ。自分が気分屋なのは認めるが、高校生の一挙一動に気を悪くすることは滅多にないというのに)では帰りましょうか(少しまた意地悪をしてやろうと思い付くと、店を出た瞬間にくるりと振り返り、彼の肩に手を伸ばすと、ぐっと引き寄せる。ただし今度は力を強くして。嫌がられるとさらにやりたくなるものだ。かと言って受け入れても続ける。これこそまさに気分で。彼はとても嫌がるだろうがそのままの状態で車まで歩き)
別に重宝されたい訳じゃねーし…就職さえ出来たらそれでいいんだよ。(目的は先ず就職することらしく。就職して稼ぐことさえ出来れば一人暮らしなり何なりして家族と関わらずに過ごすことが可能になり。今は寮が改装中で実家にいるとは言っても直ればわざわざ家に戻る必要もなく。ただ高校生のアルバイトなんかでは到底賄えない学費を高校くらいは卒業させないと、という見栄や体面のためとはいえ払ってくれているのは有り難く。だか高卒の資格さえあればある程度の働き先はあるため大学に行く学費等は期待出来ず。)だからあんまり近寄るなっての…。(生憎今回は脱走するタイミングがなかなか掴めず不発に終わり。書店を出た瞬間に抱き寄せられた肩。思い切り突き飛ばしたいところだが往来で目立ちなくはない。片手で相手の胸元を押し返しもう片方の手で肩に置かれた相手の手をひきはがそうとして。小声で、しかし相手にははっきりと聞こえるくらいの声量で反抗しながら見知った顔や制服が周りにいないかと視線巡らせ。)
キミは重宝されたくないのですか? 誰かにとって唯一の存在になりたくはありませんか?(自分は自己顕示欲、承認欲求が強いのだろうか。それとも両親の教育だろうか。誰でもできる仕事であっても常に唯一になれるものを求めてきた。大抵の人間は気持ちだけでも理解してくれるものだが、彼はそういった気は無いのだろうか)こうしておかないとキミが迷子になってしまうかもしれませんからねぇ…できるだけ傍に置いておかなくてはいけません(引き剥がそうとする手や胸元を押し返す手など意に介さずスタスタと歩く。迷惑そうな顔をしている彼に微笑みを向け。車に到着すると助手席のドアを開けて彼を押し込むように、しかし手つきは優しく、助手席へと乗せる。助手席のドアを閉めると運転席へと乗り込みエンジンを掛ける)
いや、別に特別になりたいとは…それに特別がいずれなくなるなら最初からなくていい。(自分だって両親が離婚するまでは両親にとっては特別だったはずで。それでも離婚で父の特別ではなくなり母の再婚で母の特別でもなくなった。特別になったところで何れ終わりが来るのならば最初から特別になんてならない方が楽で。)だから幼児じゃないっての。すぐそこで迷子なるか。(確かに書店から駐車場に停めてある車まで少し歩くとはいえ50メートルかそこらの距離。相手を見失う距離でも場所でもないのに迷子になりようもなく。ただここが見失いやすい場所ならば。こちらから見失いやすいということは相手からも見失いやすいということ。それならば脱走のチャンスはあったが上手くはいかず助手席に押し込められ。)
なるほど。なくていいのですか。……私ならずっと特別扱いしてあげるのに(彼には特別になりたいなどという想いが軽薄で。やはり家庭で誰の特別にもなれない、いないものとして扱われているのだろうか。だから特別になりたいという欲求も起こらない。その事に関して少なからず落胆すると、ぽつりと無意識に呟く)んふふ…私から離れたがっていますから迷子になりやすいと思いましてね。私から離れられないようにですよ(自分とて多少の恥ずかしさは感じている。敢えてするのは彼が自分から離れないようにと、彼を困らせて楽しむという二点があるからで。車を発進させると来た道を引き返し始める。来た時よりも車の往来が多く、信号でもよく引っ掛かる。用が済んだらさっさと帰りたい派であるので、車を走らせて暫くして軽い渋滞に巻き込まれると大きく溜息を吐く)
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