キングダム

(不満気な顔をする王賁に止めたことを後悔するが、どことなく嬉しそうな顔をすると安心して、王賁の手を取り)…なんか、ちょっと恥ずかしいな。(脱ごうとするが、恥ずかしさが勝ってしまい中々脱げず)

何を恥じらうのだ、女でもあるまいし。(言葉ではそう言うが、恥じらう蒙恬を可愛いと思ってしまい。淡々と脱ぎつつ、冗談か本気か真顔で)お前が脱がぬのなら脱がせるが。

…(王賁の裸を見るのは初めてなわけで、思わず視線が王賁の体にいってしまい男らしい体には戦の傷があり、見惚れていると王賁の言葉にハッとして)更に恥ずかしくなるような事言わないで。脱ぐから先入ってて。

お前も早く来い。(可愛くて頬が緩みそうになるのを堪えつつ、一足先に風呂の方へと。髪や体を洗い始め)

(脱ぎ終わると風呂に行き)…お待たせ。(王賁の隣に座ると自分も髪や体を洗い始めて)

…！(隣に座る蒙恬を何の気なしに見た瞬間、心臓が跳ね。その色気に釘付けになり動きが止まってしまっていて)

(体を洗いながら隣にいる王賁にチラッと視線を移すと王賁もこちらを見ており、固まった様子の王賁に首を傾げて)…王賁？

(蒙恬に気付かれるとはっと我に返り、前に向き直り。煩悩を振り払うかのように、桶の水を頭から被り)…何でもない。別にお前に見惚れてなどいない。

(王賁の言葉に見惚れていたんだと分かると、クスッと笑い)…へぇ、見惚れてたんだ。

…先に行く。(何か言い返そうとするが、今の蒙恬は刺激が強すぎてまともにそちらを見れず。視線を外したまま立ち上がると、先に湯に浸かり)

(洗い終わると、先に湯に浸かっている王賁の隣にピタリとくっつくように座り)…気持ちいいね、王賁。

(蒙恬の肌が触れるとぴくりと肩が揺れ。これ以上意識してしまわないように視線は前方に向けたまま言葉を返し)…ああ。ゆっくり風呂を堪能できるのも久しぶりだ。

(王賁の肩に自分の頭を預けて)…誰かと一緒に入るのは初めて？

当然だ。(肩にかかる重みに胸が高鳴るが、己と違い蒙恬は慣れたものだろうと思うと鈍い痛みを感じ。蒙恬への想いが込み上げて触れたくなるものの、今それをすれば抑えが利かなくなるのは言うまでもなく。敢えていつもの調子を貫き)…重いぞ、蒙恬。

良かった。(王賁の言葉を聞くと安心し、頭は預けたままで王賁の顔を見つめて)…ねぇ、王賁。

(何故こいつはいちいち可愛いのだと悔しくなり。諸事情で視線は合わせないまま返事をし)…何だ。

(一向にこちらを見ない王賁に同じ気持ちなんだと思うと更に気持ちが高鳴り)…こっち見てくれないから寂しいなぁ。

誘うな。見たくても見れんのだ。(普段から美しい蒙恬は色気がだだ漏れであり、何やら葛藤しているようで)

(王賁の我慢しているかのような表情に可愛いと思い、頬に口付けして)…これで我慢するよ。

(頬に口付けられると、堪えきれず唇を追うように塞いで)…今はこれで我慢してやる。