匿名さん 2023-03-29 23:07:00 |
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( 彼が発した砂糖菓子のように甘く優しい声に瞬きをひとつ。祭典の賑やかさがそうさせるのか、声色やら表情やらがいつもより柔らかいように思えて。勿論自身などはずっと場に浮かれて表情が緩みっぱなしのため、最早論外であるのだが。ステージでもあるのか、人が増えてくるのがわかった。たとえ時間があったとて、もしどこも行列ができてしまったら見られる店が限定される。効率良く回るにはどうすればいいだろう、と考えながら辺りを見回し。生ジュースの店は己が来たくて手を引いてきたわけで、それならば次は彼の行きたいところに行こうと。望みであればどこへでも着いていくような心算で尋ね。子どもらしい振る舞いであるものの、人が多いからと言い訳しつつ、至極当然のように手を差し出して )
そうだね!回れるうちに回らないと。次は、うーん……どこが良い?
イルゼ、人の感情には鋭いですが、恋愛はそもそも経験不足で自分の気持ちにもデイヴくんの気持ちにも全然気付かなそうですね……寧ろ攻めるとしたら気持ちに気付いた後のイルゼの方かもしれません。相手の想いに気付かないまま突っ走っていく可能性すらありそうです。背後としては、無自覚光属性の子だと思っているので()
今後についてはまたお出掛け編が終盤に差し掛かった辺りでお話できればと考えておりますので、宜しくお願い致します!
さっき、…勘違いじゃなければなんだけど、向こうに知り合いを見つけたんだ。カメラを扱っている店の店主で年配の方なんだけれど。少し付き合ってくれないかな。
( 至極当然のように差し出された手に視線を落とし、“迷子防止の為”と腑に落ちたのは数秒後。どうやら祭典の華やぎ浮かれた空気に惑わされ、少々頭の回りが遅くなっているようで。ジュースを持ち替えその手を握りながら、応答すべく頭を悩ませつつも口を開き。つい先刻、人混みの合間に見つけた年老いた知人。一人で外出する際に立ち寄ることの多いカメラ屋の店主の姿がそこにあったが、よく確認する前に人波に紛れてしまい密かに惜しい思いをしており。賭けに乗じることになるが、連れ添ってくれるものかと窺うように顔を覗き込み )
運が良ければインスタントカメラくらい買えるかもしれない。…イルゼが良ければ一緒に来て欲しい。
なるほど…!では恋愛感情に蓋をしがちなデイヴも段々と恋慕の気が溢れてしまい、らしくない言動も増やしていこうかなと思います。元の性格は変わらず、冷静で厳しい言葉も吐く子ですが、偶に見せる顔がイルゼちゃんだけに向けられたものだったり…と。イルゼちゃんが勘づくまで、長い気でアタックしてみようかなと考えております。が!こういったアクションが苦手でした場合、仰って頂ければ方向性を変えてみますので遠慮なくお申し付けください!
そして無自覚光属性、イルゼちゃんにぴったりです(笑)
畏まりました!こちらこそ、宜しくお願い致します…!
インスタントカメラ!さっき言ってたもんね。行くに決まってるよ。
( 彼の行きたいところに行きたいのだから、断る理由などないわけで。どこを指定されたとて着いていく心算であったが、実際口をついて出た言葉がカメラに釣られた風になっているのには気付かず。一人では寄ることのない系統の店。彼の知り合いがどんな人なのか、扱っているのがどんな品であるのか。触れてこなかっただけに未知であり、興味が沸いてきて。真っ直ぐ此方に向けられた藍の瞳が透き通っており、きらきらと輝いている。好きな物事に対する期待に似た感情が見えるようで、微笑ましく思い。目的が決まったのなら行動あるのみ。こうしてはいられないと、案内するようにお願いし )
どっちに行ったのかわかる?早くしなきゃ見失っちゃうかもしれないし、急ご!
優しいのは妹のように思ってくれているからだと信じて疑わなそうですし、気付いたら気付いたでびっくりするでしょうね(笑)特に苦手などございませんので、ぜひやりやすいようにして頂ければと思います!
確か西側に──頼むから僕の手を離さないで、イルゼ。
( 快諾を得られ満足気に小さな笑みを湛え、鞄を背負い直す。揺れたテディベアさえ上機嫌に見える程で。問いかけには短に、但し視線で追って正確だと確信出来る方角を伝え。案外身軽がゆえに高揚感で今にでも駆けたいが、今日は別。宝物のように握った少女の手を僅かに力を入れ握り、次いで唇から溢れ落ちた言葉はまるで口説き文句のよう。それに気付かぬまま、人混みの中を掻き分けるようにして進み、時折少心配になれば女を振り返り。小柄な少女が苦しくないか、見間違いじゃないのかと心配事は尽きないが歩みを進めているうちに、比較的空いた場所に辿り着き )
お返事が遅れてしまい申し訳ございません…!想定外に忙しなく、漸く纏まった時間が取れましたので遅れ馳せながらお返事を置いておきます。恋愛のくだりについても把握致しました。またご相談させて頂くと思われますが、何卒宜しくお願いします!
大丈夫、離さないよ。
( 人混みの中でも、確かに握った手のお陰で迷わないし不安もない。一人だと息苦しく思っただろうが、一緒なら心地よさすら感じられる。心配して振り返る彼に対して小さく頷く。ただしまったく問題ないというわけでもなく、空いたところまでくると安堵したのか溜め息を漏らして。まだ目的地までは少しあるが、取り敢えずはピークを過ぎたはずであり。微笑みを浮かべて彼を見るも、歩みを止めることはせずに。探し人が知人でないために近いのか遠いのか定かでないものの、確実に近付いているだろう。きょろきょろと辺り見回し、それらしい店がないかどうかと探して )
デイヴいなかったら押し潰されちゃってたかも。
お忙しい中、返信ありがとうございます……!引き続き、無理せず緩く交流できればと思っておりますので宜しくお願い致します!
…よく着いて来れたね。それだけは褒めてあげるよ。
( 人混みを縫って歩き、華やぐ喧騒から遠退いて。現在地が出店よりも服や骨董品の類いのマーケット風の店が多く構える場所だと気づけば、視認出来る距離に探し人の影を見つけ。重ねて目的地に近いこともあり、安堵の溜め息を吐き後ろを振り返り。殆ど同じタイミングで聴こえた小さな溜め息に、小柄な彼女が自身に着いて歩くのは僅かばかり大変だったと認知し、普段通りの調子は崩さず、己なりに気にかける言葉を紡ぎ。中央通りから逸れたことで人波も収まり、余裕が生まれたことで何処と無く隣人と歩幅を合わせ口を開く。精一杯の心配りは届くだろうか否か。相も変わらず刺々しいと指摘されればそれ迄なのだが、返答を待ちすがら提案をひとつ )
当たり前。僕に感謝してくれても良いけれど、…──押し潰されたお前を見るのは気分が悪いし、少し疲れただろう。目的地ならもう見えてるから、ゆっくり歩いても問題無いよ。
とんでもございません…!こちらこそ、引き続き宜しくお願い致します。一旦背後は引っ込みますが、何かあれば遠慮なくお声掛けください!
こんなに凄いとは思わなかった……ここまでよく迷わずに来れたね。
( 背の高い人や子ども連れなど多くの人に囲まれるのは、それだけでも体力を消耗する。たくさんいるからこそ、好奇の目を向けられないのは助かるが、動きづらいのは難点で。あと少しならば早く目的地まで到達したいという気持ちと、僅かな疲労感を天秤にかける。カメラを購入しで直帰するわけではないため、無理は禁物だと考えて言葉に甘え、少しばかり歩調を緩めることに。余裕ができたことで息がしやすくなり、気分が和らぎ。軽口を叩きながらゆっくり進み )
ぎゅうぎゅう詰めにならないように気を付けなきゃ。のんびりしても探してる人は逃げないよね?
女神様にでも微笑まれたかな。実は僕も驚いてる。
( 戯れ言も案外本物なのかもしれない。見知った人影を見失わぬように開いた眼が、今更春風由来の乾燥で潤み。緩慢な瞬きを幾つかすれば徐ろに水分を帯びた双眸で目的の人物と路上にあるがゆえに少々簡略化された店構えを視認し。兎に角今は少女と逸れず辿り着けたことが何よりの安心感を齎し、繋いだ手に微かに力が籠る。ゆったりした歩幅に合わせ少女の軽口に応じて。陽光を浴び柔い風に触れるブロンドが眩い。もしもインスタントカメラが購入出来たのならば、単なる平穏な日常を切り取りたいと切に願い。歩を進めていれば目的地に到着し、店主の紳士的な装いの老人に声を掛け )
…帰りはマシな道を探そうか。逃げないよ、彼も歳だからね。僕達なんて孫みたいなものだろうし、イルゼに会えたら喜ぶんじゃないかな。──お久しぶりです。
祭典の女神様!無事に帰れますように、あわよくば掘り出し物にも出会えますように……って、さすがに欲張り?
( 晴天で催しに巡り合えたこと、それが既に恵まれているのではないだろうか。更に望むのは我が儘で、でも今日くらいはと願ってしまう。辿り着いた目的地にいたのは人の良さそうな老人。離すタイミングを失った手は店主を前にしても繋いだまま。急いで離すのも何となく違う気がして、気にしないことにして。彼の知人であっても己にとっては初対面。警戒せずとも丁寧に接する必要はあるわけで、軽く頭を下げて挨拶をする。淑女の仮面を被り続けるのは難しく、すぐに隣の彼へと尋ね。興味は店に並んだ商品に向けられているものの、さすがに勝手に触れるようなことはせず見るだけで )
初めまして、こんにちは──ねえデイヴ、どういうのが良いの?
僕がいる限りイルゼは帰れるから、他の願い事に費やして。
( 店主と一言二言交わせば生暖かな視線が繋いだ手に注がれていることに気付き。瞬間込み上げる熱が耳殼を仄かに染め上げ、逃れるように並んだカメラに視線を移して。気付いている筈の少女の平然とした様子が恨めしく、同時に知り合い程度の仲であれど面識のある人物に見守られていることが擽ったい心持ちを抱かざるを得ない。意識をカメラに集中させ、陳列棚の端に三つ程置かれたインスタントカメラを指差し。先ずは説明を、と口を開く間に店主が三つを手にしてこちらに向き直り。何事かと見詰めては、どうやら在庫処分にするから気になるのならば貰ってくれないか、ということらしく。あからさまに動揺の色を隠せぬまま少女を一瞥し )
見えるかい、端にあるのがインスタントカメラで──…いや、僕達に譲るなんて。せめて支払わせてください。
じゃあ掘り出し物が見つかるようにお願いする!何か良いものが見つかりますように。
( ふと視線を移すと、彼の耳朶が僅かながら赤みを帯びており。いつも冷静な彼が照れているのが微笑ましく、楽しくなってしまえば離さずにいようと決め、繋いだ手を軽く揺らしてみて。陳列された目当ての品を見ていたところで、店主の動きを不思議に思い。こういった分野に詳しくない己でも、店主の持つそれらが安物でないことくらい理解できる。不要ならば喜んで受け取るが、譲り受けるのはまた別で。動揺している彼とは対照的に落ち着いた声色で丁重に断り、商品のあった場所の値札を一瞥して財布を取り出し )
あれがインスタントカメラ──同意見です。お気持ちは有り難いですが、タダで譲って貰うだなんて此方の気が済みませんから。
これだけ店が集まってるんだから、お前の願いは叶うよ。
( 繋いだ手がゆらり。ご機嫌な隣人は店主の視線に気付いているのか否か。照れから来たる熱を逃がそうと首元へ空気を入れる為ぱたぱたと扇ぎ。少女が普段見せない大人びた対応に驚愕したのは店主だけではなく、間違いなく自身も同様で。陳列された一眼レフ等のカメラとは価格構成自体が異なる旧型──廃棄寸前の型落ちのインスタントカメラだが、以前店で見た記憶の新しい商品の一つであることは間違いなく。それを譲ろう等と以ての外、歳上の威厳として片手で少女の財布をしまうよう促し、自身の財布を取り出せば、店主は少々悩んだ挙句、「これを譲る代わりに、若い君達の撮った風景を現像させて欲しい」とのこと。店主の昔気質で頑固な人柄が発揮されてしまうと、どうにも引けない状態で )
そうだね、きっと見つかる!うん、そんな気がしてきた。
( 財布を仕舞い、それから店主へと向き直る。しかし、話し合いは平行線。購入させて貰いたい自分たちと譲る心算の店主、どちらも引かないのであればどちらかが折れるしかない。それは変わらずとも、譲る代わりにと付け足された条件に、それならばと好意を受け取ることに決めて。当然支払うべきであろうが、代金以外でも返す方法は幾つもある。このカメラで景色を、一瞬一瞬を切り取り、それを共有する。手土産を持って訪れれば、感謝を伝えることくらいはできるだろう。彼に確認を取ることもせずに店主に考えを伝えると、決定後に彼へと視線を向けて形ばかりの問い掛けを )
じゃあ、これからたくさん写真を撮って──たくさんの思い出を持って、また此処に伺います。それで良いよね?
…僕もいい古本と出逢えそうだ。
( 前向きに物事を捉えられる少女の影響か、全く意識せず溢れた独り言ちは珍しく期待を湛えており。押し問答のような時を経て折れたのはこちら側。少女の年齢不相応なまでの大人びた態度に仰天を隠しきれずにいて。自身が店主との対話を試みる前に解決へと導かれ、こちらを窺い見る透き通った緑に「構わないよ」と首肯しては財布をしまい。大層満足気な店主から受け取ったインスタントカメラのひとつを少女に手渡し、自身の分と余ったカメラを鞄に詰め込めば頭を垂らし改めて礼を述べ。人の良い笑みを浮かべる店主に見送られ他の客人の邪魔にならぬよう端に寄り、今度は自身から手を差し出し )
ありがとうございます。日を改めて必ず二人で店に伺いますので。──イルゼ、行こう。
良いものに出逢えるよ、だって今日は最高の日なんだから!
( 物事は無事に丸く収まり、上手い具合に折り合いをつけることができた。彼に確認を取らずに勝手に進めたことは良くないだろうが、それだってきっと大丈夫。全幅の信頼──というよりは、考えを押し通す我が儘さから来るものかもしれない。受け取ったカメラを嬉々として鞄に仕舞い込み、店主へとお礼を告げる。店を離れると、先程までの大人びた態度は何処へやら、いつもの笑みを浮かべて彼の手を取り。目的の達成が何より嬉しくて、何を見るのか、に加えて何を撮るのかを考えて期待に胸を膨らませ。楽しくて仕方ないとばかりに表情緩ませながら、首を傾げて行き先を問い )
ありがとうございます──うん、行こう!次はどうする?
相変わらずお前は能天気だね。けれど…そうだな、せっかくの外出が祭典と被るなんて偶然は中々ないだろうし、そうであって欲しい。…とは僕も思うよ。
( 最高の日。無駄に含みを持たせる訳でも無く、ただ純粋に発されたであろう言葉に朗らかな人柄が反映されているようで。そんな少女の人徳もあり収束へ導かれた一件に一息吐き、普段通りの少女に仄かに口元に笑みを湛えては尊重すべく口を開き。自分達が施設に戻った後も、祭典は差し詰め三日は続くであろう。また改めて外出希望を届け出るのは問題ないが、日頃施設や病室の行き来ばかりで、満足に同年代と比べ体力が無いことは確か。それならば今日この瞬間を目一杯に楽しんで──そしてカメラに収めて帰りたいのが本音で。疾うに飲み干し、荷物と化した林檎ジュースのプラカップを片手に )
俺の我儘を通して貰ったし、順にするならイルゼが行きたい場所で構わないよ。まあ、一つ意見を出すならゴミを棄てたい所ではあるけれど。
祭典だし、良い天気だし、デイヴとお出掛けできてるし──最高になる要素しかないもん。
( 完璧なまでに揃った条件に、彼の同意。一緒にいる二人が互いにそうであると認識しているのならば、寧ろ良い日にならないことの方が不自然であり、約束されたようなもので。人混みをくぐり抜ける忙しないときのせいで、言われるまで認知されていなかったカップは気付けば邪魔ものになっており。身動きが取れないわけではないが、片手が常に塞がっていることを考えると長居には不向き。取り敢えず話はそれからと、近くにあるゴミ捨て場へと足を進めて。指定の場所に投げ入れては、気を取り直して気になるものを探し。目に止まったのは手作りのアクセサリーが並べられた店で、指を差して示し )
確かに、これずっと持ったままだったし、まずは棄てちゃおっか──ねえ、あそこ見てみたい!
楽しめてるなら何より。
( 恥じることも無く告げられた言葉に瞬きを一つ。少女曰く“最高になる要素”に自身も紛れていることに、僅かな照れ臭さと嬉しさに頬が緩みかけるも、寸で表情筋を稼働させ普段通りを装い。倣うように空のプラカップを指定の場所に捨て、跳ねるような声音にふと顔を上げて。傍らの少女が指差す先へ視線を滑らせれば、どうやら手作りのアクセサリーを販売している露店の模様。現在地から然程遠くないそちらを眺めては、特別嫌厭する理由もないが為一つ返事で了承をして。やはり少女程の年齢の女性は惹かれるものがあるのだろう。繋いだ手を握り直し歩みを進めようと一歩前進し )
構わないよ。ほら、見に行こう。
デイヴも楽しんでるでしょ?わかってるんだよ。
( 顔色ひとつ変えない冷静な彼だが、嫌でないことくらい知っている。少しずつ理解してきているわけで、悪戯っぽい笑みを浮かべて様子を窺って。了承を得られるとアクセサリーの店に歩みを進め。遠くない場所に位置しているためすぐに辿り着いた。同年代の少女やカップルが幾らかいて、混んではいないがそこそこの客数を得ている店で。ブレスレットやネックレス、髪飾りやピアス、イヤリングの類いまで様々な商品があり。普段ならきっとすぐに自分のものを見ていたが、今目に飛び込んできたのは深い青の飾りがついたメンズ向けのシンプルなブレスレットで。そっと持ち上げると、彼の目の前へと掲げてみせ )
これ、デイヴに似合いそう。
背後から失礼致します。環境の変化があり私生活が慌ただしく、この先満足に返事が描けない時間が増えてしまうと思われます。ひたすらお待たせしてしまうのも心苦しく、この二人の物語は中途半端ではありますが、ここで終えさせて頂きたい所存です。イルゼちゃんはとても魅力のある愛らしい子なので、他所でのご使用もこちらと致しましても構いません。
最後になりますが、楽しく心躍るような時間をありがとうございました…!主様が素敵な也ライフを送れますことを心よりお祈り申し上げます。
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