匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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( 闇の虚空を見つめていれば、ふいに何かが首元に触れる感触がしてひゅっとまた息を小さく吸い込んだのを皮切りに無意識に息を止めてしまう。お化けだったらどうしよう、さっき上にいたアレが動き出したのかな。そんなはずもないのに怖いものが苦手なあまり、特訓でホラー映画を観すぎたあまりそんな不安が瞬時に過ぎってしまえば、心臓はばくばくと激しく鼓動するのに体は動けずにいたその時──すぐ近くでもう一度自分を呼ぶ声がして、輪郭をなぞるように上がってくる指にはいくつかの凹凸が感じられると、はっとして。この手を、指を知っている。一瞬の緊張で渇いた喉は掠れた声で確かめるように名を呼び、安堵で動くようになった体は弾かれるようにして前方へと腕を伸ばしながら飛び込んで、そこにちょうど彼の体があったならそのまま背か首の後ろに腕を回し「怖いよぉ~!」と泣き泣き縋り付くだろうか )
──…さ、か…まきさん?逆巻さん…逆巻さんっ!
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