可愛いの魔法　（〆）

あ、本当ですね！…とすると、あと３割？その分は何でできていることにしようかな…うーん。（　立てた人差し指を顎に添えれば悩ましげに小首を傾げ　）気の済むまで…、わたしの愛で胃もたれしないように気を付けてくださいね。胃薬なら用意するので。（　心配の表れかハートを模した手で口元隠し　／　少し眉を下げ　）えっ…、やだ、……名前で、呼んでほしいです（　困惑で瞳を揺らせば視線を合わせ　／　相手の服の裾を控えめにつまめば縋るような声色で希い　）

…愛嬌とか？（　静観していたものの、悩む素振り目にすれば横から口出し　）その台詞強キャラ感すげぇすね…。今まで散々慣らされてるんでご心配なく。（　何より先に此方を心配する姿に少年漫画の敵キャラクター重ね　／　軽く胃の辺り摩りながら　）…すみません、嘘…というか、冗談のつもりで。…本気じゃないので。（　予想外に本気の動揺に此方が動揺　／　一瞬息詰まらせると、ばつが悪そうに弁解して　）

あ、それいいですねっ！snsのプロフィールのところに書こうかな…〝ポジティブと愛嬌でできています〟みたいな…（　名案とばかりに瞳を輝かせながら人差し指をぴっと前に　／　ふむふむ　）心配ないならいいんですけど、…強キャラ感はちょっとアイドルらしからぬ感じがしますね…！（　手を開くと指先で口元を押さえ目は不等号　／　反省　）え？…ええぇ、…いえあのっ全然へーきです！（　すっかり本気に捉えていた為に素っ頓狂な声　／　みるみる頬を紅潮させては裾から手を離して両頬に　／　あたふた　）…よかったあ（　ぽつ　）

ああ…、そういう使い方なら愛嬌は自分で言わない方がいいかもしれないすね。無難に感謝の心とかにしといたら。（　snsでの反応想像し　／　慎重派　）斬新で意外と流行るんじゃないすか？ひな季さんの好きなギャップで。…正統派からは遠ざかりますけど。（　直近に聞いた言葉を流用　／　しかし相手のアイドル姿を思えばぽつりと補足して　）…本当？（　顔へと向かう両手に泣き出すかとはらはら　／　近い方の手首を柔く掴んで自分の方を向かせると、気遣わしげに見つめて　）

なるほど…、確かに自分発信で愛嬌があるよーっていうのも変ですよねっ。危ないとこでした…。（　炎上一歩手前に青い顔をして口を波線に　／　はわわ　）…そ、それは事務所に怒られそうな気が！あと他の人だからこそギャップって魅力として成り立つものだと思うんですよ、ね？（　まだ慣れぬ名前呼びにどっきん　／　その魅力の塊である相手をちらり　）っ…う、ん。すごく本当…（　羞恥で紅くなった頬を満足に隠せずに　／　視線が絡むと言葉詰まらせながら恥ずかしそうに双眸を少し伏せ　）

…ひな季さんって普段どんな投稿してるんすか。（　snsの使い方についてそれとなく探りを入れ　／　過保護　）それは、そうでしょうね。自分からすればギャップでも何でもないですし。（　静かに頷いて同意　／　視線に気が付くと〝なに？〟とでも問いたげな顔で　）…良かった。（　顔が見えるとほっと安堵の表情　／　小さく呟くと同時に手からも力が抜けて　）

どんな投稿…んんっと、…あ、こんな感じでわりと普通ですよ！（　スマホを取り出しsns起動　／　画面を相手へ少し傾けつつスワイプ　／　食べ物や可愛いものの話題の中に時折ライブ告知や自撮り　）ですです。その分、自分の魅力には疎く隠れファンがいるんでしょうね…。（　当初のpf用紙をぴらっと取り出し憂いの溜息　／　複雑な気持ちだけれど共感　）…ふふ。もしかして…泣いちゃうかと思ったんですか？（　普段より感情の起伏が顕な様子に少しずつ口元緩め　／　視線を戻せば覗き込むように窺って　）

…普通すね。（　横から画面覗き込んでは点検するような目つきで投稿追い　／　一通り見終えればぽつりと相手の言葉反復して　）さすが、プロファイリングが細かい…（　手中の紙がまさか自分のpf用紙とは思わずに　／　素直に感心　）…、読まないでください。（　ぴたりと内心を言い当てられて瞳孔大きく　／　逃れるように斜め下に逸らすと遠回しに肯定して　）

でしょっ、まあ可もなく不可もないアカウントですけど、よかったらフォロー…、…。（　スマホを顔の横に添えるように掲げてにっこり　／　そもそも相手はsnsしてるのかと途中停止　／　じ…　）秘密の提供者さんがいまして！（　〝極秘〟の赤い判が押された封筒にそっとしまいこみ　／　えへへ　）！…はい、了解ですっ！（　僅かに瞠目しゆっくり瞬くとまなじり和らげていき　／　気に掛けてくれたことが嬉しくて満足した様子で素直に従い　）

…、…届きました？（　視線の意図を察するとスマホ取り出して操作　／　フォローのボタン押すとちらりと画面から目を上げて　）それはアイドル的に有りなんすか。（　大仰な封筒の判に目を留め　／　判断をつけかねるように問い　）…ひな季さん。（　綻ぶ表情に逸らした視線も自然と吸い寄せられ　／　少し間を置いて唐突にぽつりと名前呼び　）

あっ届きました…！えへへ、早速フォロバしますね～！…傑さんの投稿も見てみてもいいですか？（　様子見守っていれば突然の通知に瞳を煌かせ嬉々としてフォロバ　／　興味津々に一応確認で画面から目を上げ　）えっ……ここの世界線的にはセーフです…。（　どきっとしては気まずげに視線を横にずらし　／　跡形もなく消える封筒　）…はい、傑さん？（　相手の声に呼ばれるとなんだか特別な響きに聞こえはにかみ　／　なあに、と小首を傾げながら応じて　）

俺のも普通すよ。見て面白いものでもないと思いますけど、それでも良ければ。（　改めて自分の投稿見返すと味気なさに正直な自己評価　／　ほとんど趣味の話題と時折食べ物の写真　）視線逸らしながら言われても説得力無いっすけど…まぁ、それなら俺も見なかったことにしておきます。（　分かりやすい動揺に逆に同情的に　／　数瞬目蓋下ろして　）…また読みました？（　呼び返されると睫毛の先が少し動き　／　様子窺うように　）

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（／　背後より失礼致します。返信ペースの件では長らくご迷惑をお掛け致しました…！リアルの方が取り敢えず一段落つきましたので、ここにご報告させていただきます。試運転形式には適当なところで区切りをつけて、本編の方を進めたく思っておりますが、背後様のご都合は如何でしょうか？　）

ううん、おもしろいですっ…！更に傑さんのことを知れた感じがするし…嬉しい。（　許可得れば早速投稿を目で追っていき　／　純粋に輝く瞳を向ければ嬉しそうに頬を綻ばせ　）大人の対応助かります！（　合わせた両手を顔の横に添えてにっこり　）え？いえ全然、何かなーって思って…？（　数回双眸を瞬かせきょとん　／　傾げた首は少し深まり　）

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（　／　お疲れ様です…！お忙しいなか欠かさず毎日お相手してくださってありがとうございます。甘めな逆巻さんにもときめきながらも癒された日々でした！本編への移行は問題ございません。蹴れる箇所は蹴って構いませんので、名前を呼ばれたことに対し、ひな季共々お恥ずかしながら読めておりませんのでそこだけ回収させていただければなと思います…！　）

…そう言われると、頭の中覗かれてるみたいでちょっとむず痒い感じもしますね。（　普段の自己開示が少ない分不慣れで　／　そっと耳の下辺り掻き　）たまには大人らしいところ見せとかないとね。（　可愛らしい誤魔化し方にふっと冗談っぽく笑みながら　）…最初の一回以外聞いてない気がしたんで、呼び返してもらえるかと思って呼んでみた、…だけです。（　片膝両手で抱えるとそこへ顔を横向きに乗せるようにして　／　喋り方こそ口籠もりつつも、視線は真っ直ぐに寄越したままで　）

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（／　こちらこそ、返信ペースが安定しない中、根気強くお付き合いくださりありがとうございました。ころころと色んな表情を見せてくれるひな季ちゃんに釘付けで、沢山の元気と癒しをいただきました。さすがアイドル…！本編移行についても承知致しました。名残惜しいですが、件の箇所に区切りがついた辺りで回収させていただきますね！　）

ふふ。…あ、映画も観るんだあ…（　小さな笑みを零しつついくつかの映画の投稿に気付けば呟き　／　いつか映画デートなんて…　）っ…、大人の対応の直後のそれはずるいです！（　表情にきゅん！　／　胸のときめきは高まる一方　）───…あの、えっ…理由が可愛すぎてどうしよう。何回でも呼びますよ、…ね、傑さん、（　言葉も仕草も愛らしく映れば息を詰まらせ　／　きゅん、と上気した頬で　／　溢れる気持ちの行き場を求めるように愛しく名前を呼んで　）

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（　／　ペースについてはこちらも不安定な場面があり失礼しました…これからもお互いのペースで楽しくお話できたらと思います。嬉しいお言葉につい頬が緩んでしまいました*、ありがとうございます。ではではもう少しだけになるかと思いますがよろしくお願い致します！　）

ああ、その辺は…女子高生の趣味じゃないかな。（　呟きを受けて画面覗くと凡そ万人受けではない洋画のラインナップに苦い表情　／　横から手伸ばして勝手にスクロール　）…前から思ってたんすけど、ひな季さんのツボって地味に難しいっすよね。（　相手とは対照的に疑問符浮かべ　／　乙女心への理解が及ばない　）…ん。じゃあそれは、本編に戻した後にお願いします、ひな季さん。（　薄らと愛おしさと甘えの滲むような柔らかな声で呼び返し　／　ここで切り上げて独り占めする魂胆　）

…だいぶ強引な回収にはなりましたけど、俺らはここまでってことで。こっちへの返事の有無はお任せします。…無くても別に怒らないんで本当にご自由に。それじゃあ、また本編でよろしくお願いします。（　申し訳程度に頭下げ　／　シャッターがらがら…　）

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──そういえば、宣材写真見ましたよ。ド真ん中でしたね。
（　メイクが完了し、ヘアセットもストレートアイロンを通すのみとなった最終段階。手慣れた単純作業故に雑談に興じるだけの余裕が生まれれば、思い出したように先日撮影風景を見学した宣材写真がアップロードされていたことを話題に上げ。センターが赤色で固定されているのは戦隊ヒーローだけなんだな、という小学生男児並みの感想は胸の内に留めつつ、毛束を適量掬い取っては緩い内巻きにするを繰り返して　）

そうなんですよっ！嬉しくて親にすぐ報告しちゃいました…あとsnsのアイコンも早速それにしたんですよ～。
（　真剣にメイクを施される間も触れたかったその話題。口を挟んで邪魔してはいけないし、その真剣な顔付きに少し見惚れたのもあり大人しくしていたけれど、相手から話題を振られれば堰を切ったように嬉々として話し始め。手荷物からスマホを手繰り寄せるとsnsを開いて、宣材写真を使っているから相手が見たものと当然変わりないアイコンが映る画面を〝見て見て〟と無邪気に向けて　）

めちゃくちゃ気に入ってるじゃないすか。…まぁ確かに写真映りとしては最高ですけど。
（　気軽に振った話題に待ってましたとばかりの反応が返れば、一度手を止めて向けられた液晶をちらりと覗き込み。映し出された円形のアイコンには報告通り宣材写真がそのまま使われていて、彼女のはしゃぎように率直なコメントを零すと徐に作業を再開。ヘアオイルまで手早く済ませては、仕上げに前髪を軽く整えて　）

そりゃ気に入りますよー、すごく素敵に仕上げてもらったからこそわたしも最大限の力を発揮できたっていうか…。
（　双眸を伏せながら余韻に浸るように思い返すと、緊張もあったけれど楽しくてわくわくしたあの日のことは瞼の裏に容易に映せた。──そういえば。と伏せた双眸を開けつつふいに思い出されたのは、照れてしまったけれど不思議といろんな力が湧くようだったあの言葉。あれから数回お仕事があったけれども一回きりのように思えては、完璧な仕上がりでもほんの少しだけ不安が残る。鏡越しの相手に視線を合わせ、明るく口角を上げながら声を掛け　）
今日のヘアメイクもばっちりすぎますっ、…ね、逆巻さん。

（　その日に思いを馳せるように長い睫毛を伏せた相手につられ、初めて彼女を担当した日をぼんやりと思い返す。特別なことが起こったわけでもないのに何故か印象深い心象風景に気を取られていれば、不意に投げ掛けられた問いに間の抜けた反応を返し。それから続けかけた言葉は気の緩みのせいか初回以来自重していたそれで、何とか苦し紛れの軌道修正を図るも語調は気まずそうな尻窄みとなって　）
え？…ああ、はい。今回もかゎ──んぺき、っすね…。