匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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──…こうしてると見なくても分かるな、尻尾の動き。( 背後の毛布が活発に揺れて、堪え切れずに時間差で柔らかく吹き出せば / 隣にそっと目配せ / そのまま食べる姿を微笑ましげに眺めるも、要請には目線を外してノーを返し / あくまでも此方が世話する側だと言わんばかりに前髪をわさわさ撫でて / ビスケットをもうひとつ取り出し、再び口元へ )…や、俺は、いま飼い主任務中なんで。
じ、自分の意志では止められなくて…!騒がしい尻尾ですみません…。( 恥じらうように淡く頬を染めながら、双眸をぎゅむ / 手を後ろへ回して自分の尻尾をむぎゅ、と掴むけれど / 手からはみ出た尻尾の先端ぴこぴこ / 任務中だと断られてはポメ耳ぺたんとしょげさせ / くーん…と寂しげな声漏らしつつ、差し出されたおやつは食べて / はっと電球マーク浮かべてはポメ耳立たせ、期待した瞳で見つめ )んむ、……じゃあ、後でならいいってことですよね!
いいえ。見えないけど、俺の尻尾も同じくらい揺れてるんで。( 掴んでも尚勢いよく動く尻尾にまたふっと息洩らし / 泰然たる態度で対応しては、本気とも冗談ともつかない調子でカミングアウト / 一方で食べさせることへの閃きには容赦なく / 即答するなりわんこそばよろしく次のビスケットを指の先に準備して )ひな季さんに戻ったら保護者任務すね。
…──っ…な、なんで、どうして?( 〝!〟と双眸を開き / 嬉しそうに瞳に煌めき差し込みながら、そわそわ顔を覗き込み / 尻尾ぱたぱたぱた / 不満を溢しながらも、指先に備えられたビスケットは条件反射の如くぱくり / もぐもぐごくん / 人差し指同士を合わせてもじもじしながら、でっちあげ任務 / ちらりと見上げ )もー、任務ばっかり!……、わ、わたしだってお嫁さん任務がですね、…。
……、好きだから。…もふもふ。( 緩んだ空気から一転、虚を衝かれたように息を詰まらせ / 問われるまま眼前に迫る瞳へついぽそりと好意を白状するも / 咄嗟に頭から生える毛並みに触れ、直前の言葉を誤魔化して / 此方もちらりと隣を窺ったせいでまともに視線がぶつかり / 無言のまま見つめ合った数秒後、正面へ逸らしてから普段通りのつれない返事を / しかし想像してしまったのか、相手のために摘んだビスケットは無意識に自分の口へ / もぐもぐごくん )…まぁそうすね。今回みたいに、朝起きたら突然夫婦になってたら。
へ、──…あ、もふもふ。もふもふ良いですよね、もふもふ…。( どき、と心臓が跳ね双眸瞬き / ポメ耳に触れられ言葉の対象に気付かされると、かあぁ、と頬を赤らめ / 〝自分のことかと思った〟と羞恥に湯気さえ出そうで / 双眸を不等号にし汗マーク散らし / 婚姻届を貰って来そうな勢いで、今からでもと拳をぐっと握っては / 自然な流れで自分で食べてる姿に、尻尾しゅん… )わたしは全然、今からでも!…あっ、自分で食べてる…。
…ん、あって良かったす、もふもふ…。( 危機一髪の状況を脱し、遅れて鼓動が速まり / 動揺ゆえに相手の発言を聞き違えて本音を呟くようにこぼすと / 意味なく親指だけでポメ耳を撫で続けながら / 前のめりすぎる婚姻へ指摘を入れようとしたところで、はたと手を止めビスケットのなくなった指先を見て / 平静を装ったつもりが〝お嫁さん〟を意識してしまったことに彼女の発言によって気付かされては / それを無かったことにするかのごとく新しいビスケットをそばの唇にかるく押し付け / 向ける顔はほんの僅かに赤らみ、どこか懇願するような眼差しで )今結婚したらポメ季さんと、……夫婦になるんで、ひとまず今日のところは大人しく甘やかされといてください。
ずっともふもふでもいいかも…。( ポメ耳を撫で続けられると徐々に表情うっとり、瞳ぽやん / マッサージのような感覚で気持ち良くて / けれどあっさりその思いはすぐ覆ることに )──…っ、わん…!( 肩がくっつく距離で見る、彼の頬の仄かな赤らみの破壊力といったら / きゅーん…と鳴るこれは胸のときめきで / 尻尾ぶんぶんぶん / 小さなハートをたくさん周りに浮かばせ返事をしながら、ビスケットをかぷっ / ふにゃりと緩みきった笑みで )…そうですよね、傑さんと結婚するのは〝ひな季さん〟ですもんねっ。ずっともふもふじゃだめでした!
…結婚するかはともかく。少なくともひな季さんに戻るまでは空けとくんで、〝お嫁さん〟の席。( 諒解したらしい様子にやや肩の力抜け / 一言前置きしてから、今度は明確に自らの意思で部分的な肯定を / と同時に貴女以外とは結婚するつもりがない、という想いを精一杯回りくどく告げれば / 最後にビスケットを1枚自分の口に入れ、早々と話題を次に進めて )…で、次は、遊ぶ?寝る?何したいすか。
その席の予約、わたし以外はNGでお願いしますね!( 〝しないの?〟と言いたげに小首を傾げるけれど / 耳ぴこ / お嫁さんの席はすかさず予約を取るべく、挙手で主張して / 問い掛けにはもちろん遊びたくて、気持ちはうずうず / しかし成犬になりきらない体のおやつ摂取後は睡魔が襲うようで、眠気に抗うように双眸ぎゅむむ )次ですか、次は遊び…たい、です。
…いいけど、予約キャンセルも受け付けてないすからね。( 相手の動きを視界に捉えては、お手を要求するように両者の中間へ自分の掌を差し出し / そこへ手が重ねられたなら、離さぬよう柔く固く握って独占欲を滲ませるだろうか / 遊びたい、とは言うものの、その瞳は明らかに睡気をまとって / 頬の横に手を差し入れると、額の当たるような距離を下からの眼差しで覗き込み )…見る限り遊べる感じじゃないすけど。
キャンセルなんてしないですよ!…だって、傑さんのお嫁さんに永久就職するんだもん。( 条件反射で差し出された彼の手のひらの上に、挙手していた手をぽむと置きながら主張しては / 優しく握るのに捕まえて離さないような彼の手のひらに視線を落として、また持ち上げると / じわりと頬を染めながらはにかんで / 頬の感触に気付き開けた双眸が至近距離の彼を捉えると、衝撃マーク浮かべ / みるみるうちに頬に熱を持ち、彼の手のひらにも伝わりそうで / どっちの瞳を見たらいいやら、瞳を彷徨わせれば )わう…っ、じゃあ寝ますっ!( 急激な昂りの結果、犬によくある突進を招き / 額同士を軽く、ごんっ / そのままソファに彼を下敷きに倒れ込むだろうか )
…完璧な人生設計すね。( 氷解するように緩む頬と手 / するりと抜け出す瞬間に束の間小指を握ると「スカウト待っててください」と静かに約束を / 揺れる瞳をじっと捉えていれば、唐突な頭突きに小さく呻き声を洩らし / 抗う暇もなくソファへと押し倒されて / 体が座面に支えられ安定してから、止めていた息をゆっくりと吐き出しては / 胸元にある髪を寝かしつけるように数回撫で、抱き留めた姿勢から大事そうにすっぽりと包み込んで抱きしめ / ※ここで〆でも、戻るところまで続けても◎ )いっ──……、…おやすみ、ポメ季さん。
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