名無しさん 2023-03-15 01:19:03 |
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──…菖蒲さんがこの色を守ってくれてたから。( 例えば、手を引く力の柔さ。ぽふと撫でる仕草に、抱き竦める力の強さ / 与えられた記憶の数々が、その時々の自身の在るべき姿に導いていたことに気付けば、感謝を告げ / 「 いま、…どきどきしました? 」くすくす悪戯げに歯を見せればゆるりと手を引き / 瞳の奥は喫驚で揺れ、指先は君のカーディガンを握り / やがて自ら唇を離せば、先の問い掛けに小さく頷き「 わたしもしたいです。…悪いこと 」頑なだった態度から、ほんの少しありのままの欲求が顔を出せば返事も聞かぬままに再度唇を奪い / ひんやりというには些か容赦の無い冷たさが身を襲えば〝ひっ…!〟と声が上擦り、心臓は一度止まった気さえして、そのまま犯人を追及する疑惑の眼差しを向け / じ… / 質問に気を取られ、促されるまま振り返れば先程とは明らかに顔が変わったドールがこちらを見つめ、かち合った瞳はまさしく生きている人間ようで / 恐れていないと口にしたことも放り出し、じわじわ迫る怖さを噛み砕くように君との距離をせかせかと詰めて / 前方、左右の壁に背を預けるドールの姿を認め、あれもにじり寄ってくるのだろうかと予想しつつ ) それが意外と大丈夫です。不規則なbgmは苦手なんだなあってさっき気付きましたけど──、……見てないことにしたい、です……!
─ * ─
( 瞳は瞑らずに、伏せつつも僅かでも動く気配を視界の端に映し、君の動きをなぞるように口付け / 貴方がそうするように、ゆっくりと、しかし幸福に満ちた柔らかな面持ちのまま首へと両腕を回そうと ) ──…菖蒲さんに自由に楽しく過ごして欲しいのと、隣で一緒に咲きたい。…このふたつが、確かなこと。 ( 彼の頬を両手のひらで包み、慈愛と祈りを綯交ぜにしたような感情が滲んだままずっと前から抱いていた言葉を漸く打ち明けて / そうしたのも束の間、ぴこんと感嘆符を頭上に浮かべれば 「 あっ、もしかして世界何周分みたいな表現の方が良かったですか…? 頭の上から爪先まで、みたいな…! 」とあたふた )
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