匿名社畜さん 2023-01-19 21:11:57 |
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ん、早速見つかったらしい。お前の見立てで正解だな。
( 特徴を聞こうと口を開いた瞬間、背後から駆け寄ったのは先程幼馴染と保護した女の子で。腕を掴んでいた男性はふらふらと膝をつき、思い切り娘を抱き締め「よかったあ!」と人目気にせず涙しており。微笑ましさの余り緩く表情崩しつつ、幼馴染に端的な説明を施し )
ああでも、俺だってお前が幼馴染でよかったと思うよ。こら、感謝のカツアゲをするんじゃない。…変にさせてんの誰だよ。
ほんと?よかった…。ね、透くん行こ?
( 親子の感動の再会にこちらも涙腺が緩めば指で軽く拭い。一件落着すれば幼馴染の腕辺りを軽く触り移動を促し。イルカショーにはもう少し時間があり、タイミング良くペンギンのお散歩が開始するというアナウンスが流れ「あ!透くん、ペンギンのお散歩だって!」と一人でテンションMAXになり )
それってどういう所が?やっぱお世話してくれるから?やだなあ、カツアゲなんて人聞きの悪い。お強請りって言ってよ~。…え、私のせい?
おう。見たいって言ってたもんな、行くか。
( 幾度も礼を言われた末に触れ合い広場へ戻る親子を見送り。隣で随分とご機嫌な調子の幼馴染を微笑ましく思いながら、首肯と共に同意の旨伝え。アナウンスによれば現在地点から大して距離のない模様で、人波に逸れないようにと今度はこちらから手を差し出し様子を窺い )
出たな、質問攻め。はいはい、可愛いお強請りな。…んや、でもマジで感謝はしてるぞ。他に誰がいんだよ。
…うん!早く早くっ。
( どのタイミングで手を出そうかと密かに悩んでいたのだが、幼馴染が先に手を差し出してくれた事に驚きはあるものの嬉しさの方が勝り。躊躇うことなく手を重ね今度はギュッと握り返し幼馴染の隣に並ぶように歩き出し )
そういうこと!よく分かってるじゃん。…なんかそんなに言われるとちょっと照れるんだけど。おっ、ナイスツッコミ!
はいはい、転ぶなよ。
( 握り返された手に僅かに瞠目すれど、垂れた目許を弛めぎゅっと握り返し。茶々を入れながらも無邪気な姿に癒されつつ、早速目的地へ到着すれば丁度スタッフとペンギン達の群れが登場するところで )
…言わされてんだよなぁ。照れんだ?お前押しに弱そうで心配になるわ。一人でも賑やかだなー…、若いってすげぇ。
透くんが繋いでてくれるからだいじょーぶ!
( 繋いだ手を相手に見せるようにやや上に掲げ。ペンギンの群れが登場すれば周りからは歓喜に満ちた声が上がり。この時を見逃すまいと咄嗟に幼馴染との手を離し、スマホをペンギンに向け動画に納めようと最前列へと移動し始め )
だって褒められる事滅多になかったし…。え、壷売りつけられそうとかそういう系?人生1回きりだし楽しまなきゃ損でしょ。透くん…は無理か。
すげぇ人気…。菜月戻って来れるか?これ。
( 嬉々として最前列に向かう幼馴染を目で追いながら、一際長身の自身が邪魔にならぬよう輪の外からペンギンの群れを眺め。次々と集う人々で直に幼馴染の姿も認識し難く、少々の焦りが滲む調子で独り言ち )
へえ、じゃあお兄さんが褒めまくってやろうか。…それもあるけど変な男とか。おい、勝手に諦めんなよ。
うわ~…かわいい!──あれ、透くんどこ…?
( よちよちと覚束無い足取りで歩くペンギン達は可愛いの度を通り越していて。一瞬の動きも見逃さずひたすら動画や写真を撮りまくり。そろそろ終わりのアナウンスが流れ幼馴染がいた所に戻ろうとしたがその姿は見当たらず、自分の勘で進んだは良いもののそれは幼馴染がいる場所とは反対で )
…透くんにそれ言われるとなんか怖い。変な男?ないない!私に声掛けるモノ好きな男居ないって!だって透くん賑やかなの無理そうじゃん?
……これ、絶ッ対逸れたな。
( イベントが終われば散り散りになっていく人混みの中、目を凝らすも幼馴染の姿は非ず。休日特有の人混みの多さを考慮するに流されでもしたのか、それとも。悪い方面へ考えが傾き始めては思わず額を抱え嘆息し。兎にも角にも探しだす他に術は無く、一先ずは最終的な目的地であるイルカショーが行われる場所を目指し )
や、なんでだよ。んな事無いだろ…、お前が気づかねぇだけじゃねぇの。学生時代はそれなりに好きだったよ。でも今はそれ以上に癒されたいっつーかね。
どうしよう、完全に迷子だよ…。
( 取り敢えず人混みから反れる事に成功したものの、現在地が把握出来ておらず通行の邪魔にならないように近くにあった壁に凭れかかり。暫くすると2人組の男に「こんな所で何してんの?」等としつこく絡まれ。初めは無視し続けていたがそれも限界がきていて )
だって裏ありそうだもん。いやー、今までそういうの経験しなかったし、この先もないと思うよ?癒されたいんだ、社畜になっちゃってるもんね~。
──彼女に何かご用で?
( 館内を歩き回り隈無く視線を走らせている途中、如何にも見覚えのある姿と男二人組の影を視認。恐らく絡まれているのだろう、遠目からでも困惑している様子が見受けられ。足早に幼馴染の元へと向かい、男の一人が幼馴染に伸ばそうとした手をパシ、と力強く掴み上げ敢えて凪いだ声色で上記を述べ。背丈の威圧感に加え完璧な迄の営業スマイルで〝彼女〟と強調して仕舞えば「男連れかよ」と舌打ち交じり二人組は退散していき )
褒めた代償強請る程終わってねぇよ、お前ン中の俺どうなってんの。…早速絡まれてた癖に何を。残業代が出るだけ有り難いと思えば、うん……猫カフェにでも癒されに行くか。
透くん…!助けてくれてありがとう。
( 何度か無視した後に痺れを切らした男1人の手が伸び、もう少しで掴まれるといった所で間一髪聞き慣れた声に顔を上げ。男連れだと分かり去って行くのを確認すれば幼馴染が口にした〝彼女〟というワードご頭から離れず「…さっきのって助けようとして言ってくれただけだよね?」と俯きながら問いかけ )
あ、ごめん。流石にそれはなかったか。い、今のはたまたまだから…。ん~猫カフェいいよね!ちなみに…私じゃ癒されないってこと?
今回は仕方無かったけど、あんま俺の傍から離れんなよ。心臓が幾つあっても足りねぇ…。
( 振り返る頃には普段の様相に戻っており、怪我が無い事を確認するなりホッと脱力して。幼馴染の問いに首を傾げ数秒、つい先程勢いで吐いた発言に合点がいき「悪い、ああ言った方が向こうも諦めつくかなってさ。流石に俺が彼氏じゃ嫌だろ」と苦笑零しつつ頬を掻き )
…で?怖い要素無くなった訳だけど、褒めて甘やかすくらいなら出来るぞ。それでも心配なのは変わんねぇから、俺が守ってやれる範囲に居てくれよ。…癒されるけど。菜月でも十分。
心配かけてごめんなさい。今度からは気をつける。
( 安堵から脱力する幼馴染の姿に相当心配をかけてしまったと感じ、その場で深く頭下げ謝罪の言葉を。苦笑い零す相手にゆるりと首を振り「…別にそんな事思ってないけど。寧ろ透くんの方こそ私見たいなお子様が彼女だと嫌なんじゃない?」と同じく苦笑いしながら気まずそうに視線逸らして )
…うん。じゃあお言葉に甘えて褒めて甘やかしてもらおっかな。そうやって心配してくれる所昔から全然変わってないね!これからは沢山守ってもらうから覚悟しといてよね~。…ほんとに?私ちゃんと癒してあげれてるんだ…嬉しい!
分かってんなら良し。この話はお終いな。菜月だって怖かった筈だろうし気負わずに。…泣かなくなったの、偉いな。
( 律儀に深々と下げられる頭に、ぽんと掌を相手の頭に置き幾度か撫でた後に何時ぞやの幼馴染の姿を思い浮かべ。逸らされた視線と気不味そうに告げられた言葉に対し少々不服げな面持ちのまま、片手の平で両頬を柔く掴み半ば無理矢理こちらを向かせ「俺は嬉しいけど」と真っ直ぐ見据え短に本心告げ頬を解放し )
じゃあ約束な?本編の方でたっぷり甘やかすし守るつもりなんで、お前も覚悟しておくように。正直大分癒されてるけど、そんなんで菜月が喜ぶ理由が分かんねぇ…。
流石にもう泣きませーん、…いつの話してんの。
( 頭を撫でられた瞬間蘇る幼少の頃の記憶。あの頃は何かある度に泣いて幼馴染に慰めてもらった事が何度かあり。両頬を掴まれ幼馴染と目線が合う形になると、動揺から瞬き繰り返していればふと聞こえた幼馴染の言葉に一瞬時が止まった感覚に陥り「…えっ、それ本気で言ってる?」と何とか絞り出した言葉がそれで )
はーい!私も楽しみにしつつ覚悟しておきまーす。透くんには分からなくていーのっ。ねねっ、例えばどういう所に癒されてたりするの?
冗談で言わねぇよ。…あ゛ー……なあ。こういう感情をハッキリ言葉にしたら、お前帰っちまいそうで怖いんだよ。
( 幼馴染の反応を見るに確実に見誤ったかと胸元が重く鎮む感覚を憶えるが、発言を取り消す事を厭い僅かな間を置いて口を開き。但し慎重に言葉を選べる程冷静では居られず、粗削りな返答となってしまい )
っはは、元気なお返事あんがと。焦らすなぁ、ヒントくれよ。……秘密、俺ばっか恥ずいだろ。
帰るわけないじゃんっ。私単純だからさ、そんな事言われたら期待…しちゃうよ?
( 確信がある訳ではない、でももしかしたらなんて心のどこかで淡い期待を抱く自分がいて。一先ず冷静になる為に深呼吸し「…えっと、次見に行こ?そろそろイルカショー始まるんじゃないかなっ…」とこの場の雰囲気に耐えきれず移動促し )
ヒント言ったら答え分かっちゃうからヒント無し!あーあ、秘密にされちゃった。
…期待してくれりゃ良いのに。──もうそんな時間か。了解、行くか。
( ぽつり相手の耳に届くか否か不服げに零し。場所は先刻相手を探し回ったついでに把握しており、腕時計を一瞥するなりひとつ頷いて歩み始め。着いて来てるであろう幼馴染に「水族館の後もまだ行く場所あるから、海水被る前席は無しな」と釘を刺し )
っはは、お互いに言えねぇ事あんのな。つーか、ヒント言ったらバレるって。んな答えと直結してんの?
……?あ、待って!また逸れると迷惑かけるから…手繋ご。
( 何か聞こえたような気がしたが特に気にする素振り見せず。先を歩く幼馴染に制止促せばほんのりと頬染めゆっくり手を差し出し。予め釘を刺されると多少不服そうに「…はあい。水かからない席が空いてればいいけど」と続け )
ある意味似たもの同士ってやつ?…う、さあね~…。ご想像にお任せするという事で!
次こそ離す事ないようにな?
( 振り返った先差し出された手に視線留めれば、柔く笑みその手を握り。状況的に幾度か阻まれた一日を思い起こし、茶目っ気のある笑みを携え幼馴染の顔を覗き込み )
さあ?どうだろうな。明らかな反応してっけど…、じゃあ勝手に想像しとく。
うん、ぜーったい離さないから。
( 次こそは何があっても離さないと心に決め、握り返された手に僅かに力入れ。幼馴染と並んでイルカショーが行われる場所まで移動すると、既に席は埋まりはじめていて空いている席を探し )
何だかんだ幼馴染だし、気は合うよね!良い方向に想像して貰えると助かる~。
お、向こうの席空いてるな。
( 頼もしい返答に満足気に笑みを返し。辿り着いた会場は全体的に開けており、快晴の日差しがプールの海水を照らし煌めいていて。目を凝らして周囲を見渡せば中央に二人分の空き席を見つけ )
それには同意出来るわ。余計な気使わなくて楽っつーか。…いや、これ駄目だな。お前も女の子だし。っはは、了解。
この席かなり良いじゃん!あ~早く始まんないかなっ。
( 幼馴染が見つけた席はある意味特等席といってもいい程で。席に着くとスマホ片手に正面に見えるプールを見つめ、水族館の醍醐味であるイルカショーの始まりを心待ちにしていて。何を思ったか隣に座る幼馴染に「透くん、一緒に写真撮ろって言ったら怒る…?」と肩口をちょんと触り遠慮気味に問いかけ )
私の前では気なんて使わなくてもいいよ?ありのままの透くん受け入れるし!ていうか私の事一応女の子って思ってくれてありがと。
怒んないけど…っふは、なんでそんなに遠慮してんだよ。減るもんじゃねぇんだから。
( イルカショーまで後数分程か、既にプール内に放たれ心地好さげに泳ぐイルカを茫と眺めていれば肩口に触れた指先に隣人へと意識が向き。殊勝な態度に一度は何気無く頷けど、普段の幼馴染と異なるそれに小さく吹き出し )
随分頼もしいな。一応じゃなくてちゃんと思ってるし、礼を言われる迄の事じゃない。…お前もしかして自己肯定感低い?
…だからって笑わなくても。遠慮するに決まってるじゃん、ただの幼馴染なのに一緒に写真とか嫌かなって思って…一応私なりの気使いみたいな?
( こちらとしては幼馴染への配慮のつもりだったのだが、吹き出されてしまえば眉下げ口尖らせふい、と視線逸らし。しかし許可を得られればパッと表情明るくしスマホをインカメにし「じゃ、撮るよー!」と少し相手と距離を詰めいつでもシャッター押せるようにスタンバイ )
まあね、透くんの幼馴染歴長いですから!…いやー、自己肯定感高い方だと思うんだけどさ、透くんの前だとなーんか調子狂うっていうか。なんでだろね、ホント謎!
…変なところで殊勝になるから。はいはい、気遣いあんがとな。ほら、イルカショー始まる前に撮らね?
( 特にピースや何かを作る事も無く、画角に収まれば仄かに表情を崩し垂れ目の双眸を弓形に歪め笑みを湛え。不慣れな行為に少々の緊張感がじわりと沸けば、シャッターを押される瞬間を待ち )
お前が生まれてからは一緒だもんな。俺も散々調子狂わされてるからお愛顧。ああでも、いつかその謎解けりゃ良いな。
ん、いい感じに撮れてる!
( 幼馴染が画角に収まれば今時JKらしいポーズでシャッター押し。撮った写真を見返すと満足した様子で幼馴染にも見せて。その後タイミング良くイルカショー開始のアナウンス流れ、トレーナーも登場し場内は拍手に包まれて )
数字にするとやっばいね!え~言う程狂わしてるっけ?ね、謎解けなかったら一緒に解決よろしく~!
お、よく撮れてる。流石今時の子。…後でその写真送って。
( 相手の端末画面に映るふたつの笑顔に満足気に笑い、少々の恥を忍んで軽い調子を粧って頼み。繋いだ手で拍手が出来ない代わりに「おー」と覇気の無い歓声をあげて。海水で満たしたプールをトレーナーと共に泳ぐイルカに意識が傾き次第に魅入って )
本当にな。俺が実家から越しても、まだ関係が続いてんの面白ぇわ。なんらかの縁がありそう。謎解きは自信無いけど、お前の事なら分かる気ぃする。まあ何れ。
うん、そのつもりー。後で送っとくね!
( 後で送るつもりでいた為冷静に答えれば満面の笑み向け。トレーナーの笛に合わせて動くイルカのパフォーマンスは全て片手で器用に動画や写真に収めていき。時折「わー、すごーい!」と声に出しながらイルカショーを楽しみ )
大体疎遠になりそうなのにね。縁があるから居候できてるのかも!この縁は大事にしなきゃだね~。え~なんかめっちゃ頼もしい事言われた気がする!流石透くん!
ん、あんがと。
( 年齢相応な満面の笑みを添えた返答に薄ら微笑み向けて礼を述べ。隣席の幼馴染が度重なるパフォーマンスに逐一純粋な反応を示すが故、それも含め楽しんでおり。ショーも終盤に差し掛かる頃合い。天井からプールと距離のある輪っかが吊り下げられ、今からイルカが潜るのだとトレーナーの女性が解説し。「菜月、これシャッターチャンスじゃねぇ?」と耳打ちし )
居候の件は縁にも俺にも感謝しろよ?…なんてな。この先も一緒に居るんなら、縁キツく結ばねぇと。はは、すげぇ持ち上げてくれんな。
え、まじ?絶対撮らなきゃ!
( 場内の歓声でトレーナーの声が上手く聞き取れなかったものの幼馴染の耳打ちで事を理解し。イルカ達も準備が整ったようでトレーナーの声に周りの観客達もカメラを構えており「撮る時だけ手離すね?」と予め幼馴染に伝え。トレーナーの笛の合図で勢いよくイルカが高くジャンプし輪っかを潜るタイミングでシャッター押し )
勿論感謝してますって!なんかそれって遠回しに俺から離れるなよって言ってるみたいに聞こえる…。まーね、機嫌も取っておかないとだからねー!なーんて。
上手く撮れた?今のすげぇ難易度高そうだったけど。
( 本気さ滲む声音に勿論だと手を離し。会場中が仄かな緊張感に晒され、笛の音が鳴り勢いをつけて泳ぐイルカが輪っか潜り抜けた瞬間、小気味よいシャッターの音が響き。コンマ数秒少し遅れて歓声の海の中、自分も拍手を贈りつつも幼馴染を懸念し、ちらと隣に視線を寄越し )
…ふ、分かってる。つーか俺が感謝しなきゃいけねぇよな。そういう意味合いだったら菜月はどうすんの?相当な事が無けりゃ機嫌悪くしねぇって。あーでも…──
透くん見て見て!過去一上手く撮れたんだけど!…やばっ、私天才?
( 撮った写真を見返していれば隣から気にかける様な声にパッと振り向き渾身のベストショットを自慢げに見せ。そこにはタイミングが良かったのか丁度イルカが輪を潜る姿を捉えており青空も綺麗に映えていて「今ならこの写真も特別にあげちゃうけど?」と冗談混じりに続け )
ん~、お互い感謝するって事で!…え?それは…もし仮にそうだったらずっと透くんの傍にいるかな。透くんが嫌じゃなければの話だけど。…でも、何?変な所で区切んないでよ、なんか怖いんですけど。
お、すげぇ綺麗じゃん。貰えんなら貰っとく、…お代は何が良い?
( 一秒足らずの瞬間を切り取った写真は、そういった類いに疎い自身でも目を瞠る美しさで。自信満々な様子に「超天才」と喉を鳴らし笑いながらも、別段揶揄する事なく褒めて。冗談粧した発言にはこちらも乗り気で、片口角を上げては問うて )
っはは、それが安牌だな。いや、…うん、仮の話だったんだけどそこまで真剣に考えてくれんのな。…なあ、菜月が傍にいるの嫌な訳ねぇって分かって言ってんの?──さっき、男に絡まれてた時はなんかムカついた。
お代は…甘い食べ物でしょー、美味しいお肉もありだよねー。因みに透くんだったらどうする?
( 幼馴染にも渾身の力作を褒められると更に上機嫌になり何個か候補上げて。しかし思い浮かぶ候補はどれも食べ物ばかりで、幼馴染に揶揄れるだろうかとちらりと視線向けて一応参考の為にも問いかけてみて )
そりゃあ、…一応。真剣に考えちゃダメだった?えっと…それってさどういう意味に捉えたらいいの?嘘、透くんヤキモチ?…透くんでも妬いてくれるんだ。
俺だったらこの後、誰かさんが行きたがってた映えるレストラン予約してっから、そこで思う存分に食うかな。──ああほら、ショー終わっちまうぞ。
( スマホを取り出せば出発前幼馴染が感嘆を零していた、所謂〝映える〟レストランのサイトをスマホ画面に表示させ、何気無い素振りで画面を相手へ向けてにんまり。いつの間にやらトレーナー達がイルカをステージ前に集合させており、最後まで見守ろうと促し )
いや、真剣に考えてくれんのはすげぇ嬉しいよ。あ~…質問攻めで来たな。ここで喋り過ぎんのも勿体無いから明確に答える事はしないでおくけど、……大人気無く妬いたのはマジ。
うっそ!あのレストラン予約してくれたの!?これは限界くるまで食べなきゃじゃん。
( SNSで何度も見かけていた映えるレストランを予約したと聞けばテンションは爆上がりで。幼馴染のひと言で現実に戻れば再びステージに顔向け観客達に混ざって拍手を送り。イルカやトレーナーが退場すれば観客達も席を立ち移動し始めて )
そっか、それなら良かった。ふうん…なら追求はしないでおくね?私もついに透くんに妬いてもらえる年頃になったって事か~!一歩透くんに近付いたって感じかな。
レストランは、お兄さんのちょっとしたサプライズ。つっても未だ時間あるんだよな…、ショップでも見てく?
( 大衆の流れに沿い移動するべく徐に席を立ち、上半身をぐぐ、と伸ばし解せば幼馴染へ視線を向け。腕時計に視線を落とし呟けば、出口付近に水族館関連のショップが本日散々眺めたマップ上に存在する事を思い起こし提案をひとつ )
いつか答え合わせ出来りゃいいな。元々そう遠くもねぇのに。菜月的にゃあ距離あんだ?
サプライズとか暫くされてなかったから普通に嬉しい!ショップ行きたーいっ。
( サプライズと聞けば素直に喜び暫く頬は緩みっぱなしで。観客達の後を追うように会場を抜けると次の目的地はショップに決まり。幼馴染に道案内を任せお店に辿り着き早速店内に入り。広々とした空間の中には水族館関連のグッズが並べられ、ふと手にしたのは先程見たイルカのぬいぐるみで。物欲しげに見つめていたが値段を確認してそっと元の位置に戻し )
見事に正解出来ればいいんだけど。だってさ、社会人とJKだよ?全然距離ありまくりじゃん。
仮にもデートなんだから、こういう時は「透くん、これ買って~」って強請ればいいんだよ。可愛い顔の子選びなさい。
( 存外広々としたショップ内を見渡し、販売の棚に大から小までみっちりと積まれたぬいぐるみや菓子類、その他グッズの豊富さに感銘を受け。幼馴染の一連の動作を見守るも深い溜息を吐いた後に、背後から声を掛け呑気な調子で相手の反応を窺い )
まあ年齢差と経験値で考えりゃそうなるけど、お前が嫌がったり未成年の内は手ぇ出さないから安心して貰って構わねぇよ。
…いいの?それだったら、透くんこれ買って~?
( 財布の中身と相談し諦めたのだが、背後からそんな言葉を聞けば先程手にしたピンク色のイルカのぬいぐるみを取り甘えた声でお強請りし。その後は定番のお菓子コーナーへ足を向けるとペンギンの形をしたクッキーやイルカのチョコを手にし「流石にこれはダメ?」とやや上目遣いで問いかけ )
透くんは経験豊富そうだもんねー。…そっか、それだけ私を大事にしてくれてるって事なんでしょ?
いいよ。お兄さんが全部買ってあげよう。ほれ、貸せ。買ってくるから店ン中見てて。
( 示唆の通り甘ったるい声音で発せられたお強請りに眦を緩め深く頷き。次いで幼馴染の後ろを追い辿り着いたのは菓子類が豊富に並んだ棚の前。先程の過程の所為か、果たして天然でやっているものか。須臾する隙も持たずして上目遣いで強請られては、その可愛らしさに自ずと了承を出し幼馴染の抱えた商品を寄越すように手を伸ばし )
そりゃあ俺も大人だし、多からず少なからずはあるけど今は会社が恋人。…そうだよ、当たり前だろ。
わあいっ、透くんありがと。じゃああっちの方見てるね~!
( 幼馴染の反応を見て案外上目遣いは効果が抜群なのでは思案し、お礼の言葉述べ次回からもこの手を使おうと試みて。幼馴染に商品渡せばお菓子コーナーの反対側にある雑貨辺りを指差しそちらに向かって行き会計が終わるのを待つことにし )
会社が恋人なのはいいけど無理はし過ぎないでよね。私は幸せ者だよね~、うちの親よりも大事に思ってくれてる人が近くにいるんだもん。
お待たせ。お菓子はまだ食べんなよ。
( 会計が終われば水族館仕様のデザインが可愛い紙袋を片手に、雑貨類を眺めている幼馴染の元へ。無事購入出来た旨を伝えるべく紙袋を掲げつつ軽口を添え。ちらと視線を落とした先、時刻は程よい時刻を指しており「そろそろ水族館出るけど思い残した事とかねぇの」とアバウトな質問を向け )
お待たせ。お菓子はまだ食べんなよ。
( 会計が終われば水族館仕様のデザインが可愛い紙袋を片手に、雑貨類を眺めている幼馴染の元へ。無事購入出来た旨を伝えるべく紙袋を掲げつつ軽口を添え。ちらと視線を落とした先、時刻は程よい時刻を指しており「そろそろ水族館出るけど思い残した事とかねぇの」とアバウトな質問を向け )
程度の分かってる社畜だから無問題。…んや、一人娘が家出してる訳だし、親御さんもそれなりに心配してるし大事に思ってんじゃねぇかな。
悪い、抜けてた箇所があるから訂正させて。こっちが本来のって事でよろしく。
私持つ~。んー、一通り見れたし思い残す事は御座いませんっ。
( 幼馴染が持っている紙袋をさり気なく受け取り大事そうに胸に抱え。水族館デートは充分と言える程楽しめおまけにお土産まで購入して貰えば思い残す事は無く。そのままの流れで出口に向かい乍「あ~お腹ぺっこぺこ!ここからレストラン迄どれくらい?」とお腹擦りつつ幼馴染に視線向けて )
もし万が一風邪引いたら看病して1日で治してあげるからね!そーなのかなあ。でもそろそろ親に許可貰いに行かなきゃだよね~。
そりゃあ良かった。俺も来れて良かったわ、久々に癒されたし。
( 手元を離れ行く紙袋は任せ、ひとつ頷き賛同して。出口から直ぐの場所に駐車した自身の車を遠隔で開け運転席乗り込みながら、レストランの住所と現在地を頭に浮かばせては「大体30分少しだな。我慢出来る?」双眸細めて助手席に視線を遣り )
一日で?すげぇな、菜月の看病。…ああでも、社畜的にはもう少し休みたいっつーか…──仮病は良くないわ、菜月が真似し始めたら親御さんに頭上がんねぇ。そうだぞ。その前に何処に居るかとかの連絡は取ってんの?
またお互い明日から頑張ろーッ。
( 助手席に乗りシートベルトを締め気合いを入れるように片腕上に挙げ。30分程で着くと聞けば「それくらいなら我慢できる~。さーてと、着くまでにSNSでも更新しとくか」と鞄からスマホ取り出し慣れた手つきでSNS画面開き、水族館で撮った動画や写真をコメントを添えてアップしていき )
私の作るお粥は栄養満点だからね~。ちょっと、小学生じゃあるまいし仮病なんて真似しませーん。…あー、うん。今は友達の所って言ってるけどそろそろ限界かもなあ…。
こういうのって慣れねぇな…。いや、慣らすもんじゃないのか。早速本題に入るけど、諸々思う事があってお相手を解消させて欲しい。三桁に至るまで、共に時間を過ごしてくれてありがと。
じゃあ俺からはこの辺で。このレスへの返事の有無は菜月の自由だから好きにして貰って構わねぇよ。
そっか、私に至らない所がきっとあったんだね。此方こそ楽しい時間を過ごさせてくれてありがとう。透くんと出会えてほんとに楽しかった!スルーするのも変だし一応返しておくね。
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