匿名社畜さん 2023-01-19 21:11:57 |
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お待たせ。行きたい場所、決まった?
( ハイネックのニットにシルエットが細めのパンツ、上からロングコートを羽織った無難且つ比較的綺麗めな姿でリビングへ戻ればスマホを操作する幼馴染を視界に留め。片手擡げてひらひらと振り、存在主張しつつ問うて )
えっとね、ここ行きたい!この水族館のイルカショー人気なんだって。
( 数ある候補の中の1つにとある水族館があり。スマホの画面を相手に見せ、水族館のWebサイトをスクロールしながら人気のイベントがある旨を伝えて。ついでにレストランのメニューを確認すればSNS映えしそうなデザートを発見 )
ね、透くんここ連れてって?
へえ…、イルカショーか。
( 身長差から腰を折り水族館のサイトが映されたスマホ画面を覗き込めば、相手の言葉を反芻しつつも説明に耳を傾け相槌を打ち。レストランの画面を見詰めながら、如何にも歳頃の女性が好みそうなメニューの並ぶそれを興味深げに眺め )
ん、じゃあ水族館の後にレストラン寄るか!
ほんと!?やっぱ持つべきものは幼馴染だよね、うん。
( 自分の意見が通り、ぱあっと表情を明るくさせたその顔は子供の時から変化はなく。その後腕を組み何度か頷いた後に幼少期を思い出せば懐かしそうに相手見つめ )
…水族館とかいつぶりだろ、昔はよく透くん一家と色んな所出掛けたよね~。
精々透様に感謝しろよー。
( 何度も見たであろう笑顔に懐古すると同時に、どうやら訳有りらしい幼馴染が一瞬でも重荷を降ろせた事に安堵の溜め息を吐き。にまり揶揄する調子で応じるも次第に蘇る思い出に浸るような声色で語り。部屋の照明をリモコンで消せば、車の鍵を求め先んじて足先を玄関に向けて )
っはは。その度に、お前がびゃーびゃー泣いてんのを何遍も見たわ。BBQとかも行ったよな、懐かしい。
いつも感謝しかしてませんって!
( 何の連絡も無しに転がり込んだ自分に特に詮索せず、普通に接してくれている事は今でも感謝していて。後を追うように玄関に向かいながら相手の背中に〝ありがとう〟と声出さず口だけ動かし。懐かしのエピソードに思わず笑み溢れ )
ぇえ~?そうだっけ。あ、でも毎回透くんに意地悪されてた気がするかも。
よかろう。…つっても俺も菜月に結構世話になってんだよな。
( 調子の良い言葉に満足気に口角を上げるも今朝の食事や普段の様子を加味すると、感謝をするのは此方もそうだと自嘲気味に笑い。戯言抜かしながらも相手がついて来るのを確認した後に扉を施錠し )
反応が良いと意地悪したくなんねぇ?…まあもう、そういう歳じゃねぇけど。
ま、お互い様ってことで!私も好きでやってる事だし、何気に透くんのお世話楽しいし。
( 初めて家を訪れた時はよくこんな生活で生きてこれたな、と言葉にはせずとも内心は心配していて。一緒に生活していく中で初めて見る姿にも新鮮味があり出来ることならずっと居座り続けたいのが本音で。外に出ると冬の冷たい空気に両手擦り合わせ )
好きな子には意地悪したくなる的な?ま、それはないか!
……お前も大概物好きだよな、そんなん初めて言われた。
( 躊躇無く与えられた言葉に若干の照れ臭さ感じ得て、視線をぎこちなく幼馴染から背けては是非を問わず一言。エレベーターが到着するまでの待ちすがら、途端に思いも寄らぬ事を告げられ瞠目し。寒さ故に強ばった身体から自然と力抜ければ、愉快そうに笑って首を左右に振り )
っはは…!菜月相手にそれは無い。透くんのタイプじゃねぇもん。な、ガキンチョ。
うん、私も初めて言った!…あれれ?なんでそっち向いちゃうの?
( こく、と頷くとあどけない笑顔浮かべて。何故か視線逸らし背を向けた相手を追いかけるように顔覗き込み。幼馴染の態度にカチンとくれば反抗するようにべーっと舌見せ余計なひと言も付け加え )
…な、ひっど!もうガキンチョではありませ~ん。私が居ないとなんにもできないくせに!
どっち向いたって良いだろうよ。もしかして俺の顔好きなの、菜月さんは。
( 背けていた視線を戻せば、相手の額を指の腹でグッと押し距離が縮まるのを阻止しようと試みて。丁度良くエレベーターが到着すれば先に乗り込み、開けるボタンを長押ししたまま応戦し、最後にぽつり呟き零して )
俺にとってはまだ小せぇ泣き虫の菜月のままなんだよ。あーあー、聞こえねぇな。……菜月帰っちまったら家政婦でも雇うか。
顔ねえ…。んー、悪くはないんじゃない?
( じーっと相手の顔をまじまじと見つめ暫し考えた後曖昧な返事を。エレベーターに乗ると一人分の間隔を空けて隣に並び、自分に対する印象に不服に感じたのか拗ねたような口調で。不意に聞こえた独り言のような呟きに即座に反応し )
私もう高3なんですけどー。いい加減そのイメージ変えてよね。え、待って。家政婦…は辞めた方がいいんじゃない?お金かかるし!
うわ、上から目線。
( 双眸細め苦笑零すも然して気に止めていないようで、降下するエレベーターの中視線を前に戻せば見慣れた景色眺め。意地悪く相手に問う合間も揶揄する口許は綻んでおり。即座に否定された案を投げ捨て、冗談を大真面目な空気感に纏わせて発話し )
菜月はどんな風に見られたい訳。…んー……お前がずっと一緒に暮らしてくれんなら、家政婦も家事代行サービスも要らねぇんだけどな。
偶には上から目線でもいいでしょ?
( ふふん、と鼻で小さく笑えば同じ様に前を向き。もう少しで1階に着くという所で親子連れが途中で乗り。小さな女の子と目が合えばニコッと笑みを向けられ思わず〝かわいい〟と声漏らし。1階に着きドアが開けば女の子に手を振りエレベーターを降りて )
んー、やっぱり大人っぽく見られたいかなあ。今日の服だっていつもと違うでしょ?え、透くんが良いなら私ずっと一緒に暮らしたい!…ダメ?
俺は結構好きだな。多少生意気な方が揶揄い甲斐があるし。
( 恥じらう事も無しに横目に相手を捉えては平然と応えて。幼い女の子と幼馴染のやり取りは非常に微笑ましく、密かに頬を弛緩させて応酬を見守る事に徹し。続いてエレベーターから降りればポケットに眠っていたキーケースを片手に、隣接された駐車場に足先を向けて )
大人っぽく、なぁ…?言われてみればそうだけど、あんまり足出すなよ。……冷えるし変な虫が着くの俺が嫌。俺は有難いけど──ご両親にも許可取んなきゃなんねぇよ。
もー、すぐそっち方面に持ってく。そんなに揶揄うの好きなの?ほんと変わってる。
( はあ、と呆れ顔で溜息つき。幼少時代から揶揄われ続けるこっちの身にもなって欲しいと思うのは内に秘めて。駐車場に向かう相手の後を追い幼馴染の車まで行くと、隣に駐車されている車が自分でも分かる程の高級車で見比べてしまいそうになり )
えー!足出したほうが可愛いのに。仮に変な虫が着いたらどうする?…げ、じゃあ透くんが許可取ってよ。多分透くんが頼めば許してくれるから!お願いッ!
変わってて結構。反応良いと意地悪したくなんねぇ?…つっても分かんねぇか。俺が急に菜月をお姫様扱いし始める方が気味悪いだろ。
( 男の性だとでも言いたげに肩を竦ませては、一例を述べて苦い表情にて短く舌出し。車を解錠し運転席へ乗り込めば、助手席に座るよう促そうと顔を上げ幼馴染の視線の先を確認すれば苦笑。在り来りなマンションにそぐわぬ高級車に毎度駐車の度ハラハラさせられるのは最早恒例行事で )
そりゃあ追い払うだろ。今日なんて特に〝デート〟なんだから。だーめ、まずは自分で行ってこい。お前ン家が賛同してくれたんなら、娘さん預かりますとは挨拶行くけど。
あー…うん。何か企んでるのかなって疑うかも。
( 幼馴染がいつもと違う反応を見せる場面を想像するも、最早相手のキャラには似合わず。相手が車に乗った事に気付くとハッと我に返り助手席乗り込みシートベルト着用。相手の車自体も悪くはなく寧ろ乗り心地は気に入っていて )
じゃあ追い払ってくれるのは今日だけって事か。ぇえーっ…超難易度高いんだけど。ね、知ってると思うけど私最近家に帰ってないんだよ?着いて来るくらいいいじゃん!
だからこのままで結構。…まあ、お前がお姫様扱いされたいってんなら少しは考えてやるけど。
( 恐らく否定で返って来るだろうと、高を括っては鼻で笑い。シートベルトが装着された音を確認しては、水族館の住所をカーナビへ登録し車を発進させ。視線は前方へ向けたまま「着くまで寝てても良いからな」と早起きしただろう相手を案じ )
んな事もねぇよ。着いて行く程度なら協力してやるけど、菜月の事情を全て把握してる訳じゃねぇから、交渉は自分でやるこったな。
私お姫様って柄じゃないから遠慮しておく~。
( 自分の性格上、お姫様みたいに上品にはなれないと自己解決し。車窓から見える景色を眺めながら心地よい振動に小さな欠伸をひとつ。その直後に相手からの気遣いの言葉を聞けば初めは眠気と格闘していたが次第に寝そうになり )
え、なんか意外…。もー、分かったよー。着いて来てくれるならちゃんと自分で交渉する。…その代わり揉めそうになったら止めてね!
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