匿名さん 2022-12-28 19:47:12 |
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おれもさがしたい!手伝ってもいい?
(彼からの問いかけには即答を。買って貰った二冊をはやく読みたいという思いは勿論あったが、今は本屋で話題に出た「彼が昔読んでいた」本への興味の方が遥かに強く。手伝ってもいいか、そう自分から判断を仰いだものの、待ちきれないのか返答を聞く前に階段を上って彼の部屋の前まで移動し)
そう?
じゃあ一緒に探そうか。
( 既に乗り気で階段上までのぼってしまった相手に苦笑しつつも、自分も相手の後に続いて。自室を開けると、部屋の本棚の前に行き、自分は上の方を探すから下の方を見て欲しいと伝え、上の方の本を少しずらしたりしながら後ろに重なっている本まで順番に調べていく。しかし上の方には見あたらず。)
そんなに分厚い本じゃないから、すぐ分かると思うんだけど…。
(嬉々としながら探し始めて数分後、目的の本を見つけ出すのにそう時間は掛からなかった。本棚下段の一番奥に眠っていた、何処か他の本とは違うオーラを纏っているような背表紙。導かれるままそれを手に取ると、表紙には丁寧に描かれた魔女のイラストが。大切に保管されていたためかページが破れるなど目立った損傷はなく、少し埃をかぶっているくらいで問題なく読めるだろう。見つけたばかりのそれを相手へと掲げ)
――!ルミエ、これ?
そうそう!それだよ。
…懐かしいな。
( 彼がみつけてくれたその本は、埃こそあれど思っていたよりは全然きれいだった。彼からその本を受け取ると、被った埃を払い、表紙に描かれた魔女の絵を見ると懐かしむように眺める。ペラペラと中を見ても問題は無さそうだ。「一緒に見る?」と相手に尋ねて。)
うん、読んで読んで!
(嬉し気に首を縦に振ると、それなら早く一緒に読もうと彼の手を取り。相手の腕を引っ張ったまま一回リビングへと戻ってくれば一足先にソファへダイブ。直ぐに身体を起こし改めてソファへと腰掛け、彼には隣に座るよう促して)
わかったよ、
じゃあ読むね。
『むかしむかし、森の奥に1人の魔女が住んでいました─』
( 相手に引っ張られ連れられるがままにソファへと腰を沈める。隣には早く読んで欲しそうな様子の相手。やはりこういうところは子供だなと、微笑ましく笑うと。丁寧に本を開き、最初のページから読み始め。はじめは森の魔女が、森で倒れていた王子を助けるところから始まる。2人は恋に落ちるが、王子のためを思い魔女は彼のそばを離れてしまう。しかし自分の命をかけて魔女を探し出した王子に、魔女は二度と離れないと誓う。2人はいつまでも幸せに暮らしました、というありきたりな内容だ。)
『2人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ』
(あたたかな彼の声で紡がれていく物語。その優しい語り口のお蔭かぐいぐいと話の中に引き込まれ、気付けばあっという間に登場人物達は幸せな結末へと辿り着いていた。似た境遇を持つ王子と魔女を、無意識に自分と彼に重ねてしまう。本の中で彼らは無事ハッピーエンドを迎えたが、果たして現実の自分達もこの物語のようにずっと幸せなまま居られるんだろうか――。脳裏にちらついた小さくも大きな心配。離れたくないと意思表示をするかのように彼の片腕に抱きつき、心細そうに彼の顔を見上げれば)
おれたちもずっと一緒にいられるかな、ルミエ
…いられるよ。
僕も君とずっと一緒にいたいから。
( 昔読んだ内容と変わりは無いはずなのだが、今の自分と似たような境遇の魔女に不思議と親しみが湧いてくる。そんなことを考えていると、片腕に彼の温もりを感じ。この物語のふたりのように幸せに暮らせるかと聞かれると、この先何があるかは分からないが、彼が自分といたいと思う限り自分は離れないと誓おう。)
(彼の返答に安堵の吐息をつくと、ぱっと表情を綻ばせ。改めて言葉にされるとやはり嬉しいもので、なんだか少し照れくさい。若干紅く染まった頬を隠すように彼の腕へと顔を埋め、喜びからか小さく笑い声を洩らす。そうして十分に彼のぬくもりを堪能した後ふいに顔を上げて口を開けば、相当この物語が気に入ったようで)
――ねぇ、この本ちょうだい!おれの部屋に置いておきたい、
…ん?構わないよ。
本もちゃんと読んでもらえる人に持ってもらった方が幸せだからね。
( 腕に顔を埋める相手を見て何だか幸せな気持ちになる。もう片方の手で相手の頭を撫でると、起き上がった相手からのお願いを聞くと、微笑んで頷く。自分はもう読むことはないだろうし、気に入ってくれた人の元にいくのがきっと本も嬉しいに違いない。そんなに気に入ってくれたのなら、紹介してよかった。)
(/この後なのですが、数年後まで時間を経過させたいと思っています。いかがでしょうか?)
ありがとう、大事にする!
(早速笑顔で本を受け取れば、一度優しく表紙を撫でてからぎゅっと胸に抱き。あの本屋には新品で同じものが売られていたが、この本は彼から譲り受けたからこそ自分にとって価値のあるものになっている気がして。きっとこれからも夢中になってたくさん読み返すことだろう。)
(/了解しました。お好きなタイミングで飛ばして頂いて大丈夫です、!)
どういたしまして。
( 嬉しそうに本を抱く相手の姿は、この本を読んだ昔の自分と重なり。礼を言われると此方も笑ってそう返し、ソファから立ち上がると夕飯の支度をそろそろしようか、と相手に尋ねて、一緒に作ろうと約束したオムライスが楽しみだ、なんて胸を躍らせるのであった。)
──
数年後…
( 霧がかかった森の朝は、朝の光に照らされてとても神秘的だら。朝一で薬草を摘みに家からそう遠くない場所へと足を伸ばすと、彼と出会った場所に辿り着き、かれこれ5年ほどの月日が経ったのかとしみじみとあの当時のことを思い出す。今も昔も彼のおかげで毎日が楽しい。今日の朝食は何にしようか、なんて少し鼻歌混じりに薬草を摘んで。)
(/5年ほどとばさせていただきました!なのでルミエは25歳あたり、クロスくんは15歳くらいですかね。クロスくんがルミエに対して特別な感情があることに気付くような場面ができたらなと思いまして…)
(朝、何時もより少し早く目を覚ますと彼の姿が見当たらない。家中を探してもつい先程まで人が居たような痕跡は残っていなかった為、おそらく外へ出掛けたのだろう。空気の澄み切った森の中を進み、暫く足を進めたところで視界に飛び込んできたのは見慣れた彼の後ろ姿。大きな声で名前を呼びつつ徐々に相手との距離を縮めていき、心配と不満の籠った口調で)
……もう、何処行ったのかと思った。出掛ける時は俺も起こしてって言ったじゃん!
(/ありがとう御座います!場面についても了解しましたので、どうにかしてその展開へ繋がるよう進めてみます、!)
あ、クロス。おはよう。
ごめんごめん、気持ち良さそうに寝てたから…。
( 背後からかかる声に振り向くと、相手の姿に何事も無かったかのようににっこりと笑って挨拶をして。先程までの記憶の中の彼とは違い背も高くなり、少年から青年へと成長している途中だ。それでもこうやって自分から離れず、今でも一緒に生活をしてくれている。少し不満げな様子の相手に、起こそうとはしたがさすがに寝ているところを起こすのは躊躇われたと苦笑して謝り。)
(/ありがとうございます、よろしくお願いします!)
……おはよう
(納得のいく説明ではなかったものの、そう笑顔を向けられてはこんなに些細な不満なんて簡単に吹き飛んでしまう。今度は自分が彼よりも先に起きればいいか、一人でそう結論付けると此方も微笑で挨拶を返し。これ以上負の感情を引きずる気もないようで、自然と話題は別の方向へ)
こんなに朝早くから出掛けるなんて珍しいよね、何してたの?
薬草を摘んでたんだ。
この前街に出たとき、薬草を探している人に会ってね。どうしても欲しいって言うもんだから、届けてあげようと思って。
( なぜこんなに朝早くからと言われると、ことの事情を相手に説明して。以前街におりたとき、薬草を探している青年に出会い、ここで栽培している薬草がどうしても必要だと言われ届けることになったのだ。聞けば、家族が病気をしているとか。そんなに頼み込まれては、断る訳にもいかない。かといって、森の中にきてもらうわけにもいかないので、自分が届けることになった。という訳だ。)
(理由を聞けば納得したようにこくりと。彼の育てる薬草は希少性が高く、そこらの商店なんかで簡単に手に入る代物ではない。その分効能も確かなもので、どうやらそれ目当てに遠くの国から街を訪れる人も居るとか居ないとか。ここ最近は家事を任されたりと昔のように只管彼にくっついて街へ出る機会は減ったのだが、このタイミングで街に出るなら是非自分も連れて行って欲しいと。丁度冷蔵庫の中も寂しくなってきたところだったので)
それ、一緒に届けに行っていい?俺もそろそろ買い出し行かないと
勿論。
じゃあ今日一緒に行こうか。
( 相手の申し出には断る理由もなく、寧ろ久し振りに一緒に出かけることができて嬉しく思う。摘んだ薬草をそっと籠に入れると一旦家に帰って用意をしなくては、と立ち上がり彼のそばに行くと「一度帰っていい?」と相手を見る。こうやって並んでも相手とほぼ身長が変わらなくなってきたことが少し寂しいような嬉しいような。微妙な気持ちで。)
(此方へと向けられた視線には頷きで返し、相手と共にログハウスまでの道程を歩く。初めて出会ったあの日と同じ道だが、まさかこんなに通い慣れるとは思っていなかった。そんな懐かしさに浸りながら無事帰宅すれば、自室から幼少期から愛用しているローブを引っ張り出してきて早速出掛ける支度を。正直ローブと財布さえあれば此方の準備は万端なのだが、彼の場合は品物の仕込みがあったりとそう簡単には終わらないだろう。その間、自分に出来ることといえば)
朝ごはん作ろうと思うんだけど……どうしよう。ルミエ、何か食べたいものは?
パンケーキが食べたい。
( ログハウスに戻って用意をしながら問われた質問には、少し悩んだ後にそう返す。相変わらず甘いものが好きなので、パンケーキは大好物なのだ。とってきた薬草を水洗いをし、丁寧に水気をとり再び籠へと戻す。森で栽培している薬草はどれも丁寧に育てられているため、効果は言うまでもない。はやく、必要としている人に届けねばと思うも一旦朝ごはんにしようと、食卓の用意をして。)
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