匿名さん 2022-12-28 19:47:12 |
通報 |
…ありがとう
(突然何故そんなことを訊いたのかと疑問に思っていたが、それは彼の親切心によるものだった。どんなに小さなことでも、こうして気に掛けてくれることが嬉しくて自然と笑顔になる。お腹も満たされたことだし、そろそろ次の店へと向かうのには賛成だ。言葉で肯定する代わりに彼の手を握って)
( こんなふうに自然と手を繋いでくれるくらいには信頼してくれているのかな、と思うと少し嬉しい。店を出れば少し歩いた先にある本屋に辿り着く。この本屋も自分が街に来たときに必ず寄る場所で、店の中も相当広く、様々な本が置いてある。1日ここで時間をつぶすことができるくらいに。相手が読めそうな本が置いてある場所に行き。)
クロスでも読めそうな本…。
この辺りかな?
(ただでさえ広い店内、さらに迷路のように並べられた沢山の本棚。自分なら簡単に迷子になってしまいそうで、繋いだ手を離さないように気を付けて歩く。そんな中連れて来られたとある本棚の前。彼の言葉を受け、試しに一冊読んでみることにする。色とりどりの背表紙が並ぶ中、まず手に取ったのは表紙にウサギのイラストが描かれた動物図鑑だった。どうやら昨日読んだ植物図鑑と同シリーズらしく、ぱらぱらとページを捲ってから嬉しそうに報告を)
これならおれでも読めるよ!しかもおもしろそう!
動物の図鑑か。確かにおもしろそうだ。
帰って一緒に読もう?
( 相手が手にした本。自分が持っている植物の図鑑のシリーズ。動物について書かれているようで、これはたしかに子どもでも読みやすい。自分も動物に関しては興味があるので、ぜひ相手と一緒に帰って読んでみたいと思いそう伝え。他にも気になる本があれば買おうと伝えると、自分も近くの本棚の本を手に取ってじっと見て。)
(相手の言葉には迷うことなく頷いて、動物図鑑を大事そうに抱えたまま彼同様他の本にも目を向ける。次に手に取ったのは昔ながらの童話集で、魔法使いや吸血鬼など多数のファンタジックな作品が収録されていた。子供向けなのか比較的分かり易い単語で物語が紡がれているそれは自分でも難なく理解することができ。彼の傍へ寄ると服の裾を引っ張って)
ルミエ、これもほしい
ん?
童話作品だね。これも読みやすそうだ。
( 暫く手に取った本を眺めていたが、服の裾が引っ張られる感覚に気付くと相手が持ってきた本を見て。魔法使いなどの童話。童話の中では魔法使いは悪役になっていることも少なくない。所詮は作り話なので特に気にも留めないけれど。読みやすそうな本に賛成し。)
ルミエはなんの本もってるの?むずかしいやつ?
(お気に入りの二冊を見つけたことでもう満足したのか、三冊目を探しに行こうとはしなかった。二冊ともページ数はそこそこあるし、子供が読むには取り敢えずこれで十分だろう。ふと、彼の持つ本に視線が向く。自分の本と一緒に何か買うのかと不思議そうにそれを見つめ)
んー?これかい?
僕が小さい頃に読んでた、魔女と王子様の本さ。
( 自分が手に取っている本が何か聞かれると、これも子ども向けの本で、人々から嫌われた魔女と王子の恋物語だ。よくありそうな話だが、挿絵が綺麗だったのを覚えていておもわずてにとってしまった。純粋に懐かしいという思いしかなく、目を細めて本を眺め。)
(簡単なあらすじを聞いて興味がそそられたのか、わくわくとした視線で彼の手元にある本を見つめる。昔彼が読んだという本、まだログハウスに残っているだろうか。もしまだ彼の手元にあるなら是非読んでみたいと)
ねぇねぇ、その本ってまだルミエが持ってるの?おれも読んでみたい!
たしか…あったと思う。
でもすごく古いから読みにくいかも。
( まだ家にあるかと言われると、確か本棚の片隅に置かれていたなと記憶をめぐらせ。しかし幼い頃から持っている本だ。長らく開いてもいないしどんな状態かも分からないが、帰ったら見てみようと思い。とりあえず相手が選んだ2冊を購入することにして、お金を払うと再び相手へと手を差し出し。)
行こうか。
だいじょうぶだよ!…へへ、また読む本ふえちゃった
(読みにくいかもしれない、そんな彼の懸念を何の根拠もないが大丈夫と一蹴し。たとえ本がどんな状態であっても、本人は読む気満々で。彼が会計を済ませるのを隣で眺め、差し出された手を握る。そのまま本屋を後にして再び人通りの多い大通りへと戻ってきた。相手の方を見上げれば首を傾げ)
つぎはどこ行くの?ほかに買うものあったっけ?
あとは食料。
なかなか街には来ないからまとめて買っていくんだ。
( 再び手を繋いで大通りに出ると食料が売られている市場に辿り着き。野菜や肉など、ある程度買っていかないと、そう何度もこの街に来るのはリスクが大きい。保存のきく野菜類はとくに多めに買い、肉や魚も新鮮なものを選ぶ。彼にも気になるものがあれば言ってと伝え。)
(てきぱきと食材を選んでいく彼の横で、一緒になって商品を物色するように市場のあちこちへと視線を向け。誰もが知っているような野菜から見たことのない果物まで、多種多様な商品が並ぶこの場所は好奇心旺盛な子供心を擽られる。たくさんの食材を前にして、ぱっと思いついたのは今日の夕食のこと。近くのレストランの広告だろうか、偶然にも市場内に張り出されたオムライスのポスターを目にし、ぴっと指を差して)
ルミエ、よるごはんにあれ食べたい
ん?
あぁ。オムライスだね。
また帰ったら一緒に作ろっか?
( 彼が指さす広告を見ると、美味しそうなオムライスがそこにはあり。そんなに難しくもない料理なので、また帰って一緒に作ろうと提案し、それならばと卵や鶏肉、トマトなども選んで。一通り買い終えるとすごい量の荷物になる。さすがにここで堂々と魔法は使えないのでせめて街の外に出てから転移魔法を使わねばと、荷物をよいしょと持ち。)
(彼の言葉に顔をぱっと明るくしては二つ返事で頷いて。つい先程パンケーキを食べたばかりだというのに、もう夕食が楽しみで仕方ないのか、うきうきと軽い足取りで相手の後ろにつく。そんな間にも着々と買い物は進められ、全ての食材を買い揃える頃には両手で抱えるほどの大荷物となっていた。それで気が付いたが、これでは彼と手が繋げないじゃないか。迷子になんてなりたくないしそれは困る、自分も手伝うからと両手を差し出し)
おれも荷物もつ!それかして
え?
けど、結構重たいよ?
( 相手の手伝うという言葉には、確かに今のままでは手もつなげなくなってしまったなと思う。しかし、彼に持たせるには中々重たいものばかり。せっかくの申し出を無碍にする訳にもいかず、片方の袋を相手へそっと渡し。「重かったらすぐ言うんだよ」と声をかけ、空いた片方の手を相手に差し出し、繋いだのを確認すると歩き始める。)
へい…き、だいじょうぶ!
(その言葉通り、相手から受け取った荷物はそこそこの重量があった。無理はしなくていいと彼が気遣ってくれたが、自分から言い出した以上この重い荷物を返す気はなく。少しでも負担を軽くしたいと、敢えて強がって平気なふりを)
あとすこしだから。
( 相手の様子を見るとやはり重たいよな、と渡したことを少し後悔しつつも、あとすこし歩けば街を出られるところまで来て人通りも少なくなった。人目を確認し、再び魔法を発動させると2人は光に包まれ、たどり着いた先には森のログハウスがあり。隣にいる相手を見てにっこりと笑うとお礼を伝え。)
よく頑張ったね。ありがとう。
さ、中に入ろう。
!、え…へへ、またおれに頼ってね!
(行きと同様に魔法の力を使って、町外れから森の中へ。これまで他人から感謝される経験なんて無かった分、彼からのお礼の言葉には疲れなんて簡単に吹き飛んでしまう程の威力があった。照れたような笑みでそれに応え、ログハウスの中へ入って食材の詰まった袋を机上へ置く。それと同時に己に掛かっていた魔法も切れたのか、金髪蒼眼から元の赤髪赤眼へと元通りに)
――あ
丁度元に戻ったみたい。
夕食まではまだ時間もあるし、本でも読んでゆっくりしようか。
( 魔法の効力がなくなったのか、元の姿に戻った彼を見てやはり彼の髪の色がきれいだと微笑み。食材の入った袋を片付けながら、先程買ってきた本でも読もうと提案し、そういえば彼と話していた魔女と王子の本はどこにあっただろうかと思考を巡らせ。自室に行って本を探してこようと思うと2階にいってくると伝えて。)
さっき言ってた本を探してくるよ。
クロスはどうする?
トピック検索 |