匿名さん 2022-12-28 19:47:12 |
通報 |
ふ…ろ…?
(明日見に行こう、そんな嬉しい返答に顔を綻ばせ、待ちきれないというように彼の周りをぐるぐると。お風呂という聞き馴染みのない単語に首を傾け、不思議そうに彼の顔を見上げる。街に住んでいた頃は風呂代わりとして定期的に頭から水を掛けられていたくらいで、当の本人はその目的さえ分かっていないようで)
あぁ、お風呂っていわれても分からないか。
おいで。
( 相手の反応を見れば、風呂という概念がないのだろう。風呂に入るという文化は貴族のものだな、なんて思えば教えてあげようと再び階段を下り、リビング横にある脱衣所、風呂場へと行く。風呂場には、大きいバスタブがひとつ。風呂のお湯は自分の魔法を使った装置により適温が出るようになっている。一応彼に説明をするが、もしかしたら一緒に入って説明した方が早いかもしれない、なんて思うと「よし、僕と一緒に入ろう」と笑って。)
ここで身体を洗うんだ。
船みたいなそれがお風呂。ここにお湯をためて入る。
…!!はじめて見た、
(不思議そうな顔をしたまま彼の後ろに付き、バスルームへと案内されれば初めてのものたちに興味津々。今はまだ空っぽのバスタブを覗き込んだりと好奇心の赴くままに動き回り。だがやはり実際の使い方についてはあまりよく分かっていないようで、一緒に入るとの言葉には疑問を浮かべつつも頷いて)
じゃあ今お湯ためるから待ってて。
( お湯を出すレバーを引けば、あたたかいお湯が湯船へ流れ出て。そんなに時間がかかる訳では無いが、とりあえずリビングに戻って待つことに。数時間前とは違い、心を開いてくれている様子や子供らしい姿が見られるようになって少し安心をする。自分も孤独に育ってきた方だが、幼い頃には面倒を見てくれた人がいてくれたため、ここまで生きることが出来た。彼にとってそんな存在になれたらいいと思う。)
――ねえ、ルミエはまほうつかいなんでしょ?
(お湯が溜まるまで時間がかかるから、と一度リビングへ戻ってきた。すっかりログハウスにも慣れたようで、ふかふかとしたソファに飛び込むように座る。彼は自分を魔法使いだと名乗っていたが、拾われてから今まで、実際に魔法を使っている様子はまだ見ていない。一度気になってしまえば止まらない好奇心、興味本位で口を開けば、何か魔法を使ってみせて、と)
そうだね、確かに1度も見せてない。
例えば、こんなのとか?
( 魔法を使って見せてと言われると、恐がらせるのではないかと今まで使用を控えていたが、今となれば大丈夫かなと片方の手をそっと相手へとかざし。風と水の魔力により、相手の服の汚れがなくなる。満遍なく色々な魔法は使えるが自分は特に風と水の魔法を得意としており。)
(自分の前に彼の手が翳され、一体何が始まるのかと期待の籠った目を向ける――や否や、あっという間に服の汚れが消えしまった。自分から魔法を使ってくれと頼んだもののいざ体験してみるとあまりの凄さに言葉が出てこないもので、何が起きたかがよく分かっていないまま数秒の沈黙。その後、子供ながらにこの状況を理解したのか、きらきらと瞳を輝かせて彼へ尊敬の視線を向ければ)
ほ、ほんとにきれいになっちゃった…!すごいねルミエ!
あはは、ありがとう。
さ、そろそろ湯船にお湯が溜まったかな?
( 相手の目がキラキラと輝いたのを見て、昔魔法を一生懸命練習していたころの自分と重なる。純粋なその表情はやはりいいなと微笑むと、そろそろ湯船にお湯が溜まったかと再びバスルームに行こうと提案して。脱衣所につくと、上のローブを外し「とりあえず服脱ごうか」と、相手にも服を脱ぐように促し。)
うん、たのしみ!
(された提案には抵抗なく乗って、初めての体験にわくわくと心躍らせながらリビングからバスルームへと移動。先程魔法で綺麗になったばかりのシャツ、そのボタンに手を掛け、彼の真似をして服を脱ぐ。が、やはり初めてのお風呂。そこからどうするんだろうと大人しく次の指示を待ち)
よし、じゃあここ座って。
お風呂に浸かる前に簡単に汚れを落とさないとね。
( 自分も服を脱ぐと、長い髪を高い位置でひとつにまとめ、一緒にバスルームに入り、小さな椅子に座るよう声をかける。桶に湯を汲みそれを相手にそっと掛けて。石鹸を使ってタオルを泡立たせる。そのタオルで相手の身体を優しく拭くように洗い。同様にシャンプーで彼の綺麗な赤い髪を洗う。髪を洗うシャンプーも身体を洗う石鹸も、自家製の薬草などを組み合わせて作った自然由来のもので、肌に優しいものになっている。特に自分が髪が長い分髪の手入れにはこだわっているつもりだ。きっとこんなふうに洗うことなどいままで無かっただろう。素直に言うことを聞いてくれている様子に少し安心して。一通り洗い終えると、お目当ての湯船に浸かろうと声をかけ、相手に手を差し伸べ中に入るとゆっくり浸かって。)
よし、綺麗になったね。
じゃあお風呂につかろうか。
(二人でバスルームに入ってしまえば、もうされるがままで。瞬く間に全身がふわふわの泡で包まれ、バスルームいっぱいにやさしい香りが広がった。癖の強く跳ねていた赤毛は水に濡れたことで大人しくなり、彼の手によって丁寧に洗われる。本人は擽ったそうに笑いを零すも、なんだかんだ初めてのお風呂を楽しんでいるようだ。先程空っぽだった湯舟にはたっぷりとお湯が張られており、中を覗き込んだら自分の顔が映り込む。彼が手を差し伸べてくれているものの、正直この中に入るのは少し怖い。ごくりと固唾をのみ、意を決して足先を水面に付ければ彼同様に身体を沈め。これまで体験したことのない水の中での感覚にそわそわと)
あったかい…けど、なんかふしぎ
そうだよね。
身体をこうやって温めると、疲れがとれるんだよ。
( お湯の中に入る前は少し不安げな様子も見て取れたが、一緒に浸かってしまえば大人しく。不思議だという言葉には、無理もないと笑って。お風呂に入ると身体の疲れがとれるし、何よりスッキリとした気分になる。自分は風呂に入った後はすんなり寝てしまう。今はまだ昼下がりだが、きっと彼も自分もお腹も満たされ身体も温まり、きっと眠たくなるだろうな、なんて思う。これからこんな風にお風呂に入って貰えばいいが、彼がもう少し大人になるまでは一緒に入った方がいいかなと思い提案して。)
しばらく慣れるまではお風呂は一緒に入ろう?
(確かに言われてみれば。風呂に入る前と今を比べると、随分と身体が楽になった気がする。彼が隣に居るお蔭かお湯への恐怖心は大分薄れ、ぱしゃぱしゃとお湯を両手で掬い上げて遊ぶほどにはリラックス出来ているようだ。冷え切っていたはずの指先足先はだんだんと温まり、頬がほんのりと紅く染まっていく。これからも一緒にお風呂へ入ってくれる、という彼の言葉には喜んで)
うん!おふろ、おれきらいじゃない
よかった!
じゃあそろそろ上がろうか。
上がるとき気をつけて。
( 相手が嫌いじゃないと言ってくれた事が嬉しく。これからお風呂に入る時間も楽しみになるなと思えば、彼の頬もいい色に染まってきているため、そろそろ上がろうと伝えて。相手の手をとり、脱衣所まで移動するとタオルで彼の身体を拭いてあげて。先程まで着ていた衣服は魔法で綺麗にしたため、今日はとりあえず同じものをきて貰うしかない。相手を拭き終えた後に自分も身体を拭くと適当にあるシャツとズボンに着替え。2人でリビングに戻ると、魔法で髪を乾かしてあげようとまたソファに座るように促し。)
あ、髪乾かすからソファに座って。
(彼の手を借りてバスタブから上がり、身体から熱が逃げないうちに元の服へ。やはり魔法の力はすごいもので、これで数時間森の中を彷徨っていたとは思えない――もはや水で洗ったのと変わらない程綺麗になっており。気持ちよく着替えを済ませることが出来た。お腹いっぱい、身体もぽかぽかなこの状態は眠気を誘う。濡れたままの髪で言われるがままにソファへ座るが、ろくに睡眠を取れていないせいもあるのか、とろんとした目で大きく欠伸をすれば)
( 魔法で暖かい風を出し相手の髪を乾かしていると、眠そうな様子の相手に小さく笑って。髪を乾かし終わると、自分自身の髪もさっと乾かし終え、そうしている間に自分もなんだか眠気がきて。「僕も眠くなってきたな。クロス、一緒に寝ようか。」と声をかけると最早、半分寝ていそうな彼をそっと抱きかかえ。2階に上がると自身の部屋に入り、そっと相手を寝かせて、自分も彼の横にそっと入り。1人で寝かせてもよかったが、もしかしたら心細いかもしれないという心配から一緒に寝ることにして。)
おやすみ、クロス。
(彼に乾かして貰った髪はふわふわで、シャンプーの影響か自然特有のいいにおいがする。そのため一層眠気は強くなるばかりで、彼が髪を乾かし終える頃にはうつらうつらと船を漕いでいた。自分の身体が持ち上げられる感覚でうっすらと重い瞼が開くも、すぐさま襲い掛かってくる眠気に抗う程の体力はもう残っておらず。相当疲れていたらしく、いざ二階で寝かされるとあっという間に眠りに落ちてしまった。その際無意識に彼へと抱きついて)
( 此方も横になってからというものあっさりと眠りにつき。気が付いた頃には窓の外は夕焼け色の空がみえて。ふと隣を見ると自分に抱き着いて眠る相手の姿に気付き。思わず幸せそうに笑うと、ふわふわになった相手の髪にそっと指を通すようにして撫でて。こんな風に誰かと寝るなんていつぶりだろう。まだ幼い相手の寝顔をじっと見つめて。)
――るみ、え
(自分に向けられた視線に何かを感じたのか、はたまた偶然か。夢の中を彷徨っていた意識が一気に現実へと引き戻され、ゆっくりと瞼を開く。ピントの合わない視界の中、一番に目に飛び込んできたのは彼の微笑。寝起きで上手く口が回らない状態のまま相手の名を呼べば欠伸をひとつ)
おはよう。
よく眠れたみたいだね。
( しばらくその可愛い寝顔を見つめていると、ゆっくりと開いた赤い瞳と目が合う。本当に綺麗な色をしているな、なんて思っていると自分の名前を呼ぶ声。朝の挨拶をすると嬉しそうに再び相手の頭を撫でて。つられて此方も欠伸をひとつ。 )
トピック検索 |